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ダブルビオチンアンカー型リガンド固定化分子 コモンズ 新技術説明会

国内特許コード P120007122
整理番号 1101-40
掲載日 2012年3月29日
出願番号 特願2011-028447
公開番号 特開2012-167987
登録番号 特許第5717281号
出願日 平成23年2月14日(2011.2.14)
公開日 平成24年9月6日(2012.9.6)
登録日 平成27年3月27日(2015.3.27)
発明者
  • 松岡 浩司
  • 土渕 晃司
  • 幡野 健
出願人
  • 国立大学法人埼玉大学
発明の名称 ダブルビオチンアンカー型リガンド固定化分子 コモンズ 新技術説明会
発明の概要 【課題】本発明は、リガンド固定化分子に関する。
【解決手段】本発明のリガンド固定化分子は、2個のビオチンを有し、ストレプトアビジン又はアビジンとの結合を介して強固に固相支持体と結合することができる。また、リガンド部位に関しては、所望の数のリガンドを自在に結合させることができ、また、固相支持体から、伸長するリガンド存在部位までの距離を容易に変えること可能である。
以上の特徴を有する本発明のリガンド固定化分子は、既知又は未知のリガンド結合パートナーの探索を様々な条件を変えて実施することが可能であり、従来、見出すことができなかったリガンド結合パートナーの同定を可能にする。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


生体内における物質の相互作用は、様々な生理現象を惹起し、伝達する上で、重要な役割を担っている。例えば、細胞表面上の受容体を介して細胞へ到達したシグナルは、最終的には遺伝子発現などを制御することで、細胞内機能に影響を与えていると考えられているが、シグナルが核内へ到達するまでの間に、様々な物質が関与している。このような過程に関与する多くの物質群は、少なくからず、直接又は間接的に相互作用をしながらシグナルを伝達していくと考えられている。また、ウィルスや毒素などの生体に対する異物が細胞内に侵入する際には、ウィルスや毒素表面に存在する特定分子と生体内の細胞表面に存在する特定の分子との結合を介して、細胞内への侵入が開始される。
以上のように、細胞内における様々な現象は、細胞内に存在する物質同士の相互作用を介して生じることが多く、そのため、細胞機能の解明においては、生体分子同士の相互作用を考慮しながら研究開発等を進めていくことが非常に重要になってくる。



生体分子同士の相互作用を解明していく方法として、すでに多くの方法が報告されている。例えば、生体分子に対する抗体を利用して、その生体分子に相互作用する分子を同定する免疫沈降法やファージディスプレイ法、遺伝子発現ライブラリーなどを用いたツーハイブリッド法、表面プラズモン法を利用したプロテインチップ法などが知られており、多くの研究者に利用されている。また、生体分子(リガンド)と直接結合する物質を生体試料などから取得するために、目的リガンドを何らかの方法によりプレートやビーズなどの固相支持体に固定化し、試験対象の生体試料をそのプレートやビーズと接触させて、目的リガンドと相互作用を行う物質を同定する方法も古くから行われている。



生体分子などと結合するリガンドを磁気ビーズやプレート表面に固定化する場合、リガンドを結合させた適当な固定化用分子(リガンド固定化分子と称する)を、ビオチン-ストレプトアビジン(又はアビジン)結合を利用してビーズなどの表面に固定化する方法がよく用いられる。
このような方法においては、リガンドを結合させたリガンド固定化分子を固相支持体に対して安定に強く固定することが重要な点として挙げられる。一般に、ビオチン-ストレプトアビジン(又はアビジン)結合は、強固で安定な結合を実現すると考えられている。しかしながら、リガンドを固定化するリンカーをより安定に固定するためには、ビオチン-ストレプトアビジン結合をさらに増強することが望ましい。ストレプトアビジンは1分子内に4つのビオチン結合部位を有しており、リガンド固定化分子をストレプトアビジンに結合させるには、固定化分子を1個でビオチン化するより2個でビオチン化した方がより強い結合を得ることができる(非特許文献1及び非特許文献2など)。従って、リガンドを固定化するためにビオチン-ストレプトアビジン(又はアビジン)結合を利用する場合には、1つのリガンド固定化用分子あたり2個以上のビオチンを保持させた方がより安定な固定化を実現することができると考えられる。



一方、リガンドの配置についても留意する点がいくつか考えられる。まず、リガンドと結合する物質を同定するためには、リガンド-目的物質間の結合を安定に保持する必要がある。未知の物質を同定する場合には、リガンドは予め準備はできるとしても、同定する物質の物理的性質は不明な場合が多く、リガンド-目的物質同士の個々の結合を増強することは、なかなか難しい課題である。例えば、1つのリガンド固定化分子あたりのリガンドの数を増やすことによって、該固定化分子に捕捉される目的物質の数を増やすことが1つの解決手段となる。ただし、単に、リガンド固定化分子あたりのリガンドの数を増やすのみでは、リガンドと未知の目的物質との相互作用がリガンド又は目的物質の立体構造的な特徴(大きさや形など)に影響されることがあり、このような場合には、リガンド間の距離や空間あたりのリガンド数なども考慮してリガンドを固定化する必要がある。



以上のように、所望の物質を同定するためのリガンド固定化分子としては、該固定化分子の固相支持体への結合が強度であり、かつ、固定化されるリガンド間の距離や空間あたりのリガンド数を容易に調製できるような分子が理想的である。
しかしながら、これまでに、そのような分子は開発されていない。

産業上の利用分野


本発明は、リガンドを固定するための分子に関する。具体的には、リガンドを固相支持体に固定する手段として、ビオチン又はビオチン誘導体を使用したリガンド固定化分子に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
下記の式(IV)で表される化合物と、式(V)で表される化合物を反応させ、式(I)のリガンド固定化分子を製造する方法。
【化1】


(式(I)中、Rは互いに同一でも異なっていてもよい炭素数1~10の飽和炭化水素鎖を表し、Rは不飽和結合、スルフィド結合、アミド結合、トリアゾール結合及び/又はエーテル結合を含んでもよく、環を含んでもよい炭化水素鎖を表し、Aは硫黄を表し、Bはビオチン又はビオチン誘導体を表し、Wは以下の式(II)、
【化2】


(式(II)中、Eは炭素、ケイ素のいずれかで互いに同一でも異なっていてもよく、Rは水素又は炭化水素鎖を表し、R、R、Rは不飽和結合、スルフィド結合、アミド結合、トリアゾール結合及び/又はエーテル結合を含んでもよく、環を含んでもよい炭化水素鎖で互いに同一でも異なっていてもよく、Xはリガンドを表し、kは0又は1の数、lは0、1又は2の数、mは0又は1数を表し、mが0のとき、lは2である)を表す)
【化3】


(式(IV)中、Rは互いに同一でも異なっていてもよい炭素数1~10の飽和炭化水素鎖を表し、Rは不飽和結合、スルフィド結合、アミド結合、トリアゾール結合及び/又はエーテル結合を含んでもよく、環を含んでもよい炭化水素鎖を表し、Aは硫黄を表し、Bはビオチン又はビオチン誘導体を表し、Yは、アセチル基又はハロゲン化アルキル基を表す)。
【化4】


(式(V)中、Eは炭素、ケイ素のいずれかで互いに同一でも異なっていてもよく、Aは硫黄を表し、Rは炭素数1~10の飽和炭化水素鎖を表し、Rは水素又は炭化水素鎖を表し、R、R、Rは不飽和結合、スルフィド結合、アミド結合、トリアゾール結合及び/又はエーテル結合を含んでもよい炭化水素鎖で互いに同一でも異なっていてもよく、Xはリガンドを表し、kは0又は1の数、lは0、1又は2の数、mは0又は1数を表し、mが0のとき、lは2であり、Zは、Yがアセチル基のときハロゲン化アルキル基を表し、Yがハロゲン化アルキル基のときアセチル基を表す

【請求項2】
前記kが1、lが2、mが0である請求項1に記載のリガンド固定化分子を製造する方法。
産業区分
  • 試験、検査
国際特許分類(IPC)
出願権利状態 登録
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