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フコシルキトビオース誘導体の製造方法 UPDATE コモンズ

国内特許コード P120007138
整理番号 0912-48
掲載日 2012年4月2日
出願番号 特願2010-034229
公開番号 特開2010-229126
登録番号 特許第5605541号
出願日 平成22年2月19日(2010.2.19)
公開日 平成22年10月14日(2010.10.14)
登録日 平成26年9月5日(2014.9.5)
優先権データ
  • 特願2009-053492 (2009.3.6) JP
発明者
  • 松岡 浩司
  • 照沼 大陽
  • 幡野 健
  • 山口 大希
出願人
  • 国立大学法人埼玉大学
発明の名称 フコシルキトビオース誘導体の製造方法 UPDATE コモンズ
発明の概要 【課題】
本発明は、フコシルα(1→3)キトビオース誘導体の効率的で大量調製にも対応可能な新規製造方法の提供、及び、該方法に利用可能な新規グルコサミン誘導体の提供を目的とする。
【解決手段】
下記の式( IV )の化合物中の1,6-無水環を開環する過程を含む、フコシルα(1→3)キトビオース誘導体を製造する方法。さらに、本発明により製造されたフコシルα(1→3)キトビオース誘導体を担持した高分子化合物。また、本発明の実施に利用可能なN-アセチルグルコサミン誘導体。



【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要



花粉症などに代表されるアレルギー疾患は、近年、多くの人々に発症が認められており、その症状の続く期間が比較的長いこと、常にマスクなどにより外気の遮断に注意する必要があるなど、日常生活に対して多大な影響を及ぼしている。

アレルギーは、発生のメカニズムから主として4つのタイプに分類される。そのうち、原因抗原(アレルゲン)との接触から発症するまでの時間が比較的短い即時型としてI型、II型、III型、発症までの時間が比較的長い遅延型としてIV型の各タイプが知られている。これらのタイプは、アレルギーの発症過程の相違や原因となる因子の相違によって分類されている。I型アレルギーの反応因子はIgEタイプの免疫グロブリンであり、アレルゲンが体内に侵入しIgE産生細胞を刺激することで産生される。産生されたIgEは、肥満細胞、好塩基球に結合し、そのIgEにさらにアレルゲンである抗原が結合すると、肥満細胞や好塩基球からヒスタミン、セロトニンなどの生理活性物質が放出される。放出されたヒスタミンなどの生理活性物質は、血管透過性の亢進、血管の拡張、平滑筋の収縮などを引き起こし、また、浮腫や掻痒感などを生じさせる。これらの症状はアレルゲンの侵入から短時間(10分程度)で発症する。I型アレルギーとして知られている疾患には、花粉症、蕁麻疹、食物アレルギー、薬剤アレルギー、気管支喘息、アトピー性皮膚炎などがあり、反応が全身性であって急速な血圧低下を引き起こすアナフィラキシーショックを来す場合もある。





II型アレルギーは、IgG、IgMタイプの免疫グロブリンが関与し、抗原性を有する自己の細胞に結合し、さらに白血球が関与し、細胞破壊を引き起こすものである。代表的な疾患としては、自己免疫性溶血性貧血、不適合輸血、悪性貧血などが知られている。

さらに、もう1つの即時型アレルギーであるIII型アレルギーは、IgGが関与し、抗原、抗体及び補体によって形成された免疫複合体が血管を介して組織に到達し、当該組織に傷害をもたらすものである。代表的な疾患としては、血清病、全身性エリトマトーデス、急性糸球体腎炎などが挙げられる。

そして、遅延型として知られるIV型アレルギーは、体液性免疫とは関係なく、T細胞、マクロファージなどが関与する細胞性免疫に関連する。IV型アレルギーは、T細胞の関与によって炎症反応が引き起こされるものであるが、Th1細胞、Th2細胞のいずれが関与するかによって、炎症反応の発症機序が異なる。IV型アレルギーは即時型と異なり、発症までに1~2日程度要する。代表的な疾患として、接触皮膚炎、シェーングレン症候群、ギラン・バレー症候群などが知られている。





I型アレルギー中でも花粉症の罹患者は年々増加の一途を辿っており、有効な治療方法の確立が期待されるところである。I型アレルギーの根治的治療法として、減感作療法などが現在行われており、このような治療法において使用される植物由来のアレルゲンの供給も必要とされている。植物のアレルゲンとしては、フコシルα(1→3)キトビオースを有する糖タンパク質が関係しているとの報告がなされているが、遊離型の糖鎖では、アレルゲンとIgEの結合を有意には阻害していないとの報告などもあり、糖鎖以外にペプチド領域の構造などもIgEとの結合には重要であろうとの見解も存在する。

しかし、フコシルα(1→3)キトビオースがアレルギー発症において重要な関連性を有する可能性は高く、この糖鎖を利用した新たなアレルギー治療法の開発が待たれるところである。フコシルα(1→3)キトビオースは、天然資源から大量に単離することが困難であり、また、フコシルα(1→3)キトビオースの合成方法も報告されてはいるが、報告されている方法では収率が低いため、本化合物をアレルゲンのソースとして利用するには、さらなる効率的で大量調製に適した方法論の確立が必要とされている。

産業上の利用分野



本発明は、新規N-アセチルグルコサミン誘導体を利用したフコシルキトビオース誘導体の製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
下記の式(IV)の化合物中の1,6-無水環を、トリフルオロ酢酸で処理するアセトリシス反応により開環する過程を含む、下記の式(V)のフコシルα(1→3)キトビオース誘導体を製造する方法。
【化1】


【化2】


[式中、R、R、R、R、R、R、R及びRは同一又は異なる置換基で、水素原子、アセチル基、ベンジル基、パラメトキシベンジル基、オルトニトロベンジル基を表し、Rは、水素原子、低級アルキル基を表す。]

【請求項2】
下記の式( I )、式( II )及び式( III )の化合物から式( IV )の化合物を合成し、式( IV )の化合物中の1,6-無水環を開環することにより、式( V )のフコシルα(1→3)キトビオース誘導体を製造する方法。
【化3】


【化4】


【化5】


【化6】


【化7】



[式中、R、R、R、R、R、R、R及びRは同一又は異なる置換基で、水素原子、アセチル基、ベンジル基、パラメトキシベンジル基、オルトニトロベンジル基を表し、Rは、水素原子、低級アルキル基を表し、Lauは(CH11CHであり、TrocはCOOCHCClである。]

【請求項3】
式( I )の化合物と式( II )の化合物から下記の式( VI )の化合物を合成し、式( VI )の化合物と式( III )の化合物から式( IV )の化合物を合成し、式( IV )の化合物中の1,6-無水環を開環することにより、式( V )のフコシルα(1→3)キトビオース誘導体を製造する請求項2に記載の方法。
【化6】


[式中、R、R、R及びRは同一又は異なる置換基で、水素原子、アセチル基、ベンジル基、パラメトキシベンジル基、オルトニトロベンジル基を表す。]

【請求項4】
、R、R、R、R、R、R及びRが、アセチル基又はベンジル基、Rがメチル基である請求項1乃至3のいずれかに記載の方法。

【請求項5】
請求項2に記載の式( I )で表されるアセチルグルコサミン誘導体もしくはその塩、又はそれらの溶媒和物もしくは水和物。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
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