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癌の検出方法および検出用キット、ならびに癌治療剤 実績あり 外国出願あり

国内特許コード P120007209
整理番号 7018
掲載日 2012年4月5日
出願番号 特願2010-511025
登録番号 特許第5513375号
出願日 平成21年5月7日(2009.5.7)
登録日 平成26年4月4日(2014.4.4)
国際出願番号 JP2009002007
国際公開番号 WO2009136501
国際出願日 平成21年5月7日(2009.5.7)
国際公開日 平成21年11月12日(2009.11.12)
優先権データ
  • 特願2008-121671 (2008.5.7) JP
発明者
  • 鈴木 拓
  • 豊田 実
  • 今井 浩三
  • 篠村 恭久
  • 時野 隆至
出願人
  • 北海道公立大学法人 札幌医科大学
発明の名称 癌の検出方法および検出用キット、ならびに癌治療剤 実績あり 外国出願あり
発明の概要 癌においてエピジェネティックなサイレンシングを受けるmiRNAを網羅的に解析し、癌に関連するmiRNAを同定してその癌における役割を解明し、該miRNAに関連した新規な癌の検出方法および癌の治療剤を提供すること。
前記課題は、対象における癌を検出する方法であって、対象から得た生物学的試料中のmicroRNA34b遺伝子および/またはmicroRNA34c遺伝子のプロモーター領域におけるCpGアイランドのメチル化されたCpGを検出することを含む、前記方法、ならびに、BTG4遺伝子をコードする核酸もしくはBTG4、あるいは、miR-34b遺伝子および/またはmiR-34c遺伝子をコードする核酸もしくはmiR-34bおよび/またはmiR-34cを含有してなる、癌治療剤により解決される。
従来技術、競合技術の概要


microRNA(以下、miRNAと表記する場合がある)は、21~22塩基の短いノンコーディング(non-coding)RNAであり、前駆体であるprimary miRNAがDroshaによって切り出されてpre-miRNAとなり、さらにDICERを含む RISC複合体によってプロセシングを受けることで成熟型miRNAとなる。そして、相同性のある多数の標的遺伝子のmRNAからタンパク質への翻訳を阻害することで、様々な遺伝子の発現を抑制的に制御する(図1)。



近年、癌におけるmiRNAの関与が示唆されて以降、癌とmiRNAとの関連に着目した研究が盛んに行われており、miRNAが癌遺伝子や癌抑制遺伝子の発現を制御することで癌において重要な役割を担っていることが明らかにされつつある。癌組織においては、正常組織と比較して、数多くのmiRNAの発現が低下していることが示されるとともに(非特許文献1および2参照)、癌細胞において発現が低下しているある種のmiRNAは、癌遺伝子の発現を抑制することで癌抑制遺伝子的に機能することも報告されている(非特許文献3参照)。その一方で、腫瘍組織において過剰に発現しているmiRNAに関しては、その発現が癌遺伝子により誘導されること、また、癌遺伝子的に機能して腫瘍の形成に関与することなどを示唆する報告もなされている(非特許文献4および5参照)。



これに対し、miRNAが癌抑制遺伝子や癌遺伝子の標的として機能するという面からmiRNAと癌との関連を解明しようとする研究も行われている。例えば、癌遺伝子産物であるMycは、B細胞リンパ腫において高い発現を示すmiR17-92というmiRNAクラスター遺伝子を標的としており、その発現を誘導することが示されている(非特許文献4および5参照)。そしてまた、一方で、癌抑制遺伝子産物であるp53は、miR-34a、miR-34bおよび miR-34cから構成される miR-34ファミリーに属するmiRNA遺伝子を直接的な標的としており、p53が、miR-34a遺伝子およびmiR-34b/c遺伝子のプロモーター領域に存在するp53結合部位に結合し、miR-34ファミリーの各miRNAの発現を制御していることが明らかにされている(非特許文献6参照)。そしてまた、miR-34ファミリーの各miRNAは、細胞増殖抑制作用やG1停止を誘導する作用を有することも示されている(非特許文献6および7参照)。



このように、miRNAについては、癌との関連について数多くの研究がなされており、その研究結果から、癌におけるmiRNAの解析は、発癌のメカニズムを解明するためだけでなく、新しい癌の診断法や治療法の開発の基礎的知見を得るためにも重要であると考えられてきた。



一方、癌の発生・進行の要因の1つに、癌抑制遺伝子の不活性化が挙げられるが、このメカニズムとしては、エピジェネティックな遺伝子の発現抑制(サイレンシング)が広く知られている。特に、遺伝子の転写開始領域におけるCpGのシトシンメチル化(DNAメチル化)はほぼあらゆる癌において見られる現象であり、既知の癌抑制遺伝子の多くが、DNAメチル化によりサイレンシングを受けることが報告されている。近年、癌において特異的にDNAメチル化が認められる遺伝子が次々と発見され、癌におけるDNAメチル化は、癌の発生・進行に関与する遺伝子異常のメカニズムとして、変異や欠失と並ぶ重要性を持っていると考えられるようになっており、上記のようなmiRNAと癌との関連もふまえ、miRNA遺伝子のメチル化によるサイレンシングと癌との関係についても徐々に研究が進められてきた(非特許文献8および9参照)。



しかしながら、数百種類以上も存在するmiRNAのうち、その遺伝子のDNAメチル化について特定の癌との関連がこれまでに解明されたものはごく少数にとどまっており、また、miRNA自体の機能も具体的に解明されていないものが多いことから、癌におけるエピジェネティックな遺伝子の発現制御とmiRNAとの関連についても、大多数のmiRNAについては、未だ詳細な解析が行われておらず、不明な部分が多いのが現状である。



【非特許文献1】
Lu J. et al., Nature, 435: 834 -838, 2005
【非特許文献2】
Thomson J. M. et al., Genes & Development, 20: 2202-2207, 2006
【非特許文献3】
Johnson S. M. et al., Cell, 120: 635-647, 2005
【非特許文献4】
He L. et al., Nature, 435: 823-833, 2005
【非特許文献5】
O’Donnell K. A. et al., Nature, 435: 839-843, 2005
【非特許文献6】
He L. et al., Nature, 447: 1130 -1134, 2007
【非特許文献7】
Corney D.C. et al., Cancer Research, 67: 8433-8438, 2007
【非特許文献8】
Lujambio A. et al., Cancer Research, 67: 1424-1429, 2007
【非特許文献9】
Lujambio A. et al., Cell Cycle, 15: 1455-1459, 2007

産業上の利用分野



本発明は、癌を検出する方法および癌の検出用キット、また癌の治療剤に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
被検対象における癌を検査する方法であって、
被検対象から得た生物学的試料中のmiR-34b遺伝子および/またはmiR-34c遺伝子のプロモーター領域におけるCpGアイランドのメチル化されたCpGを検出すること、および
前記領域におけるCpGアイランドのメチル化されたCpGの割合が健常対象より多い場合に、被検対象において癌が存在するとの検査結果とすること
を含み、癌が大腸癌および胃癌からなる群から選択される、前記方法。

【請求項2】
癌が大腸癌である、請求項1に記載の方法。

【請求項3】
被検対象から得た生物学的試料中のmiR-34b遺伝子および/またはmiR-34c遺伝子のプロモーター領域におけるCpGアイランドのメチル化されたCpGの割合が所定の値以上の場合に、被検対象における大腸癌の深達度がsm(submucosa)以深であるリスクを有するとの予測結果とすることをさらに含む、請求項2に記載の方法。

【請求項4】
被検対象における多発性胃癌を検査する方法であって、
被検対象から得た生物学的試料中のmiR-34b遺伝子および/またはmiR-34c遺伝子のプロモーター領域におけるCpGアイランドのメチル化されたCpGを検出すること、および
前記領域におけるCpGアイランドのメチル化されたCpGの割合が非癌対象より多い場合に、被検対象において多発性胃癌が存在するとの検査結果とすること
を含む、前記方法。

【請求項5】
対象における大腸癌の度を予測する方法であって、
対象から得た生物学的試料中のmiR-34b遺伝子および/またはmiR-34c遺伝子のプロモーター領域におけるCpGアイランドのメチル化されたCpGを検出すること、および
前記領域におけるCpGアイランドのメチル化されたCpGの割合が所定の値以上の場合に、大腸癌の深達度がsm以深であるリスクを有するとの予測結果とすること
含む、前記方法。

【請求項6】
被検対象における胃癌の再発リスクおよび/または発癌リスクを予測する方法であって、
被検対象から得た生物学的試料中のmiR-34b遺伝子および/またはmiR-34c遺伝子のプロモーター領域におけるCpGアイランドのメチル化されたCpGを検出すること、および
前記領域におけるCpGアイランドのメチル化されたCpGの割合が非癌対象より多い場合に、被検対象が胃癌の再発リスクおよび/または発癌リスクを有するとの予測結果とすること
を含む、前記方法。

【請求項7】
被検対象における大腸腺腫を検査する方法であって、
被検対象から得た生物学的試料中のmiR-34b遺伝子および/またはmiR-34c遺伝子のプロモーター領域におけるCpGアイランドのメチル化されたCpGを検出すること、および
前記領域におけるCpGアイランドのメチル化されたCpGの割合が健常対象より多い場合に、被検対象において大腸腺腫が存在するとの検査結果とすること
を含む、前記方法。

【請求項8】
生物学的試料が、血清、糞便、大腸組織、胃組織、胃洗浄液、膵液および胆汁からなる群から選択される1種または2種以上である、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。

【請求項9】
メチル化されたCpGの検出を、配列番号10、11、13~15および17~20からなる群から選択される塩基配列を含むオリゴヌクレオチドを用いて行う、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。

【請求項10】
miR-34b遺伝子および/またはmiR-34c遺伝子のプロモーター領域におけるCpGアイランドのメチル化されたCpGを検出するオリゴヌクレオチドおよび試薬を含む、大腸癌および胃癌からなる群から選択される癌を検出するためのキット。

【請求項11】
癌が大腸癌である、請求項10に記載のキット。

【請求項12】
癌が多発性胃癌である、請求項10に記載のキット。

【請求項13】
miR-34b遺伝子および/またはmiR-34c遺伝子のプロモーター領域におけるCpGアイランドのメチル化されたCpGを検出するオリゴヌクレオチドおよび試薬を含む、大腸癌の深度を予測するためのキット。

【請求項14】
miR-34b遺伝子および/またはmiR-34c遺伝子のプロモーター領域におけるCpGアイランドのメチル化されたCpGを検出するオリゴヌクレオチドおよび試薬を含む、胃癌の再発リスクおよび/または発癌リスクを予測するためのキット。

【請求項15】
miR-34b遺伝子および/またはmiR-34c遺伝子のプロモーター領域におけるCpGアイランドのメチル化されたCpGを検出するオリゴヌクレオチドおよび試薬を含む、大腸腺腫を検出するためのキット。

【請求項16】
オリゴヌクレオチドが、配列番号10、11、13~15および17~20のいずれかに記載の塩基配列を含む、請求項10~15のいずれか一項に記載のキット。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録


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