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GPIアンカー型タンパク質の判定装置、判定方法及び判定プログラム

国内特許コード P120007213
整理番号 2009-P18
掲載日 2012年4月5日
出願番号 特願2009-209184
公開番号 特開2011-060004
登録番号 特許第4608698号
出願日 平成21年9月10日(2009.9.10)
公開日 平成23年3月24日(2011.3.24)
登録日 平成22年10月22日(2010.10.22)
発明者
  • 池田 有理
  • 大浦 修
  • 佐々木 貴規
  • 池田 修己
出願人
  • 学校法人明治大学
発明の名称 GPIアンカー型タンパク質の判定装置、判定方法及び判定プログラム
発明の概要


【課題】高感度且つ高選択的に検査対象タンパク質がGPIアンカー型タンパク質であるか否かを判定する。
【解決手段】N末端側疎水性判定部106は、検査対象タンパク質と既知のGPIアンカー型タンパク質とのN末端側の疎水性を比較する。次に、N末端外疎水性判定部108は、検査対象タンパク質と既知のGPIアンカー型タンパク質とのN末端側以外の疎水性を比較し、C末端側最大疎水位置判定部109は、検査対象タンパク質と既知のGPIアンカー型タンパク質とのC末端側の高疎水性位置を比較する。次に、スコア判定部115は、PSSM記憶部113が記憶するPSSMに基づいて算出された検査対象タンパク質のスコアが閾値を超えるか否かを判定する。GPIアンカー型タンパク質判定部116は、上述した比較・判定結果に基づいて、検査対象タンパク質がGPIアンカー型タンパク質であるか否かを判定する。
【選択図】図1

従来技術、競合技術の概要


生体内の多くのタンパク質は、糖鎖、脂質、糖脂質等により翻訳後修飾を受けており、これらの修飾がタンパク質の機能や細胞内局在に影響することが知られている。これらの翻訳後修飾の中でも、脂質と糖鎖とからなる糖脂質であるGPIアンカーによる修飾は、非常に重要な意味を有するとされている。このことは、GPIアンカーが真核生物や古細菌において広く保存されていること、GPIアンカーを欠損した酵母や原虫は生存できず、GPIアンカーを欠損したヒトは造血幹細胞に異常を生じること等からも明らかである。
GPIにより修飾を受けるタンパク質は、GPIアンカー型タンパク質と呼ばれる。GPIアンカー型タンパク質は、そのアミノ酸配列のN末端に小胞体輸送のシグナルペプチドを有するため、小胞体内に輸送された後に翻訳を完了する。その後、GPIアンカー修飾部位(ωサイト)のC末端側に存在するプロペプチドが、トランスアミダーゼにより切断及び除去され、GPIアンカー型タンパク質は小胞体内で生合成されたGPIアンカーと結合する。GPIアンカーと結合したGPIアンカー型タンパク質は、ゴルジ体を経て細胞膜表面に輸送され、GPIアンカーにより細胞膜に繋ぎ止められる。
GPIアンカー型タンパク質の特徴としては、N末端のシグナルペプチド及びC末端のプロペプチドの疎水性が高く、ωサイトの近隣には残基サイズの小さいアミノ酸が存在することが知られている。



GPIアンカー型タンパク質としては、CD14、CD16b等の受容体、5’-ヌクレオチダーゼ、アルカリフォスファターゼ等の酵素等の生体反応に極めて重要なタンパク質が多く発見されている。また、狂牛病関連のプリオンタンパク質や、癌関連のヒト癌胎児性抗原(CEA)等、重篤な疾患に関わるタンパク質も見出されている。しかしながら、現在までに真核生物で知られているGPIアンカー型タンパク質は100種類程度であり、未だ発見されていないGPIアンカー型タンパク質が多く存在すると考えられている。そこで、近年では、コンピュータを用いたバイオインフォマティクス手法により、アミノ酸配列からGPIアンカー型タンパク質を新たに見つける試みがなされている。



例えば、非特許文献1には、真核生物のGPIアンカー型タンパク質を学習のデータセットとして、隠れマルコフモデルとサポートベクターマシン(SVM)とを組み合わせた判定手法を用いて、検査対象タンパク質のアミノ酸配列情報から、検査対象タンパク質がGPIアンカー型タンパク質であるか否かを判定する方法が記載されている。
また、非特許文献2には、原核生物及び真核生物のGPIアンカー型タンパク質を学習のデータセットとして、ωサイト前後のアミノ酸配列におけるアミノ酸の性質及び出現頻度をスコア化し、GPIアンカー修飾部位を予測し、検査対象タンパク質がGPIアンカー型タンパク質であるか否かを判定する方法が記載されている。
さらに、非特許文献3には、ニューラルネットワークの一種であるコホーネン自己組織化マップを用いて、検査対象の真核生物タンパク質がGPIアンカー型タンパク質であるか否かを判定する方法が記載されている。

産業上の利用分野


本発明は、検査対象タンパク質がGPI(glycosylphosphatidylinositol)アンカー型タンパク質であるか否かを判定するGPIアンカー型タンパク質の判定装置、判定方法及び判定プログラムに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
検査対象タンパク質がGPIアンカー型タンパク質であるか否かを判定するGPIアンカー型タンパク質の判定装置であって、
前記検査対象タンパク質のアミノ酸配列情報を取得する配列取得部と、
前記配列取得部が取得したアミノ酸配列情報における既知のGPIアンカー型タンパク質のN末端側の高疎水性領域に対応する領域として、前記アミノ酸配列情報のN末端から予め定められた残基数の領域を特定し、当該N末端側の高疎水性領域に対応する領域のアミノ酸残基を抽出し、前記N末端側の高疎水性領域に対応する領域のアミノ酸残基の疎水性値の平均化に用いる残基数であるN末端側疎水性特性抽出必要数を用いて、連続する当該N末端側疎水性特性抽出必要数分のアミノ酸残基の各疎水性指標値の平均であるN末端側平均疎水性値を、前記抽出したアミノ酸残基のそれぞれに対して1残基ずつずらしながら複数算出するN末端側疎水性値算出部と、
前記N末端側疎水性値算出部が算出した複数のN末端側平均疎水性値のうちの最大値が、既知のGPIアンカー型タンパク質におけるN末端側平均疎水性値の特性を示すN末端側疎水性閾値以上であるか否かを判定するN末端側疎水性判定部と、
前記配列取得部が取得したアミノ酸配列情報のうち前記N末端側疎水性値算出部がN末端側平均疎水性値を算出した範囲以外の領域として、前記アミノ酸配列情報の前記N末端から予め定められた残基数のアミノ酸残基以外の領域を特定し、当該N末端側平均疎水性値を算出した範囲以外のアミノ酸残基を抽出し、前記N末端側平均疎水性値を算出した範囲以外のアミノ酸残基の疎水性値の平均化に用いる残基数であるN末端外疎水性特性抽出数を用いて、連続する当該N末端外疎水性特性抽出数分のアミノ酸残基の各疎水性指標値の平均であるN末端外平均疎水性値を、前記抽出したアミノ酸残基のそれぞれに対して1残基ずつずらしながら複数算出するN末端外疎水性値算出部と、
前記N末端外疎水性値算出部が算出した複数のN末端外平均疎水性値のうちの最大値が、既知のGPIアンカー型タンパク質におけるN末端外平均疎水性値の特性を示すN末端外疎水性閾値以上であるか否かを判定するN末端外疎水性判定部と、
既知のGPIアンカー型タンパク質のC末端側の高疎水性領域に対応する領域として、前記アミノ酸配列情報のC末端から予め定められた残基数の領域を特定し、前記N末端外疎水性値算出部が算出したN末端外平均疎水性値が最大となるアミノ酸残基の位置が当該特定した領域内にあるか否かを判定するC末端側最大疎水位置判定部と、
前記配列取得部が取得したアミノ酸配列情報における既知のGPIアンカー型タンパク質のプロペプチド領域を含む領域として、前記アミノ酸配列情報のC末端から予め定められた残基数の領域を特定し、当該プロペプチド領域を含む領域のアミノ酸残基を抽出し、当該抽出したアミノ酸残基のそれぞれに対して、当該プロペプチド領域を含む領域のアミノ酸残基の側鎖サイズの平均化に用いる残基数である側鎖サイズ特性抽出必要数を用いて、連続する当該側鎖サイズ特性抽出必要数分のアミノ酸残基の各側鎖サイズ指標値の平均値である平均側鎖サイズを1残基ずつずらしながら複数算出する側鎖サイズ算出部と、
前記側鎖サイズ算出部が算出した平均側鎖サイズが最小となる位置を基準位置とする、当該基準位置からN末端側及びC末端側に連続する所定の残基数のアミノ酸残基からなる所定の領域におけるアミノ酸残基の部分配列と、既知のGPIアンカー型タンパク質の平均側鎖サイズが最小となる位置を基準位置とする前記所定の領域におけるアミノ酸残基の部分配列との類似度を示すスコアを算出するにあたり、記憶部に記憶されている既知のGPIアンカー型タンパク質のアミノ酸残基位置におけるアミノ酸残基の種類の出現度合いを示す位置特異的スコアを前記記憶部から取得し、当該位置特異的スコアに基づき、前記部分配列の各アミノ酸残基の位置特異的スコアを特定して数値列を生成し、当該数値列の平均値を算出し、当該算出した平均値を前記スコアとして算出するスコア算出部と、
前記スコア算出部が算出したスコアが、前記検査対象タンパク質と既知のGPIアンカー型タンパク質とが類似するか否かを判定するスコア判定閾値以上であるか否かを判定するスコア判定部と、
前記N末端側疎水性判定部が、前記N末端側疎水性値算出部の算出したN末端側平均疎水性値の最大値が前記N末端側疎水性閾値未満であると判定した場合、前記N末端外疎水性判定部が、前記N末端外疎水性値算出部の算出したN末端外平均疎水性値の最大値が前記N末端外疎水性閾値未満であると判定した場合、前記C末端側最大疎水位置判定部が、前記N末端外疎水性値算出部の算出したN末端外平均疎水性値が最大となるアミノ酸残基の位置が前記既知のGPIアンカー型タンパク質のC末端側の高疎水性領域に対応する領域内にないと判定した場合、または前記スコア判定部が、前記スコア算出部の算出したスコアが前記スコア判定閾値未満であると判定した場合に、前記検査対象タンパク質がGPIアンカー型タンパク質でないと判定するGPIアンカー型タンパク質判定部と、
を備えることを特徴とするGPIアンカー型タンパク質の判定装置。

【請求項2】
前記N末端側疎水性閾値は、
予め既知の複数のGPIアンカー型タンパク質に対して前記N末端側平均疎水性値の算出を行い、当該算出されたN末端側平均疎水性値の最大値の集合における最小値である
ことを特徴とする請求項1に記載のGPIアンカー型タンパク質の判定装置。

【請求項3】
前記N末端外疎水性閾値は、
予め既知の複数のGPIアンカー型タンパク質に対して前記N末端外平均疎水性値の算出を行い、当該算出されたN末端外平均疎水性値の最大値の集合における最小値である
ことを特徴とする請求項1または請求項2の何れか1項に記載のGPIアンカー型タンパク質の判定装置。

【請求項4】
前記既知のGPIアンカー型タンパク質のN末端側の高疎水性領域に対応する領域は、
既知のGPIアンカー型タンパク質において、前記N末端側平均疎水性値が最大となる位置が含まれる領域である、
ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載のGPIアンカー型タンパク質の判定装置。

【請求項5】
前記既知のGPIアンカー型タンパク質のC末端側の高疎水性領域に対応する領域は、
既知のGPIアンカー型タンパク質のN末端側の高疎水性領域に対応する領域以外の領域において、前記N末端外平均疎水性値が最大となる位置が含まれる領域である、
ことを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載のGPIアンカー型タンパク質の判定装置。

【請求項6】
前記N末端側疎水性特性抽出必要数は、
当該N末端側疎水性特性抽出必要数を用いて、既知の複数のGPIアンカー型タンパク質のN末端側の高疎水性領域のアミノ酸残基のそれぞれに対してN末端側平均疎水性値を算出し、前記既知のGPIアンカー型タンパク質から算出したN末端側平均疎水性値の最大値の集合における最小値を抽出し、前記N末端側疎水性特性抽出必要数を用いて、既知の複数の非GPIアンカー型タンパク質における既知のGPIアンカー型タンパク質のN末端側の高疎水性領域に対応する領域のアミノ酸残基のそれぞれに対してN末端側平均疎水性値を算出した場合に、前記既知の非GPIアンカー型タンパク質から算出したN末端側平均疎水性値の最大値のうち、前記抽出した最小値より値が大きいものの個数が最小となるような値である
ことを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1項に記載のGPIアンカー型タンパク質の判定装置。

【請求項7】
前記N末端外疎水性特性抽出必要数は、
当該N末端外疎水性特性抽出必要数を用いて、既知の複数のGPIアンカー型タンパク質のN末端側の高疎水性領域以外の領域のアミノ酸残基のそれぞれに対してN末端外平均疎水性値を算出し、前記既知のGPIアンカー型タンパク質から算出したN末端外平均疎水性値の最大値の集合における最小値を抽出し、前記N末端外疎水性特性抽出必要数を用いて、既知の複数の非GPIアンカー型タンパク質における既知のGPIアンカー型タンパク質のN末端側の高疎水性領域に対応する領域以外の領域のアミノ酸残基のそれぞれに対してN末端外平均疎水性値を算出した場合に、前記既知の非GPIアンカー型タンパク質から算出したN末端外平均疎水性値の最大値のうち、前記抽出した最小値より値が大きいものの個数が最小となるような値である
ことを特徴とする請求項1から請求項6の何れか1項に記載のGPIアンカー型タンパク質の判定装置。

【請求項8】
前記小側鎖サイズ判定領域は、
既知のGPIアンカー型タンパク質の前記平均側鎖サイズが最小となる位置が含まれる領域である、
ことを特徴とする請求項1から請求項7に何れか1項に記載のGPIアンカー型タンパク質の判定装置。

【請求項9】
前記側鎖サイズ特性抽出必要数は、
当該側鎖サイズ特性抽出必要数を用いて、既知の複数のGPIアンカー型タンパク質の小側鎖サイズ判定領域に対して平均側鎖サイズを算出した場合に、前記GPIアンカー型タンパク質から算出した平均側鎖サイズが最小となるアミノ酸残基のうち、当該アミノ酸残基のC末端側に隣接するアミノ酸残基がGPIアンカー修飾部位であるものの個数が最大となるような値である
ことを特徴とする請求項1から請求項の何れか1項に記載のGPIアンカー型タンパク質の判定装置。

【請求項10】
前記位置特異的スコアは、
既知の複数のGPIアンカー型タンパク質の平均側鎖サイズが最小となる位置を基準位置とする前記所定の領域内の位置pに存在するアミノ酸残基の種類iの出現頻度を示すfippositive、既知の複数の非GPIアンカー型タンパク質の平均側鎖サイズが最小となる位置を基準位置とする前記所定の領域内の位置pに存在するアミノ酸残基の種類iの出現頻度を示すfipnegativeを用いて、
【数式1】


から算出されたものであることを特徴とする請求項1から請求項9の何れか1項に記載のGPIアンカー型タンパク質の判定装置。

【請求項11】
前記所定の領域内の位置pに存在するアミノ酸残基の種類iの出現頻度は、
種類iのアミノ酸残基が位置pに存在する既知のGPIアンカー型タンパク質の個数を示すnipと、当該出現頻度の調整値を示すεと、アミノ酸残基の種類数sとを用いて、
【数式2】


から算出されたものであることを特徴とする請求項10に記載のGPIアンカー型タンパク質の判定装置。

【請求項12】
前記スコア判定閾値は、
既知の複数のGPIアンカー型タンパク質について算出した前記スコアの最小値と、既知の複数の非GPIアンカー型タンパク質について算出した前記スコアの最大値との間の値である
ことを特徴とする請求項1から請求項11の何れか1項に記載のGPIアンカー型タンパク質の判定装置。

【請求項13】
前記スコア判定閾値は、
前記スコアが当該スコア判定閾値以上である既知のGPIアンカー型タンパク質の個数を示すTP、前記スコアが当該スコア判定閾値以上である既知の非GPIアンカー型タンパク質の個数を示すFN、前記スコアが当該スコア判定閾値未満である既知のGPIアンカー型タンパク質の個数を示すFPを用いて、
【数式3】


から算出される値が最大となるような値である
こと特徴とする請求項12に記載のGPIアンカー型タンパク質の判定装置。

【請求項14】
検査対象タンパク質がGPIアンカー型タンパク質であるか否かを判定するGPIアンカー型タンパク質の判定装置を用いた判定方法であって、
GPIアンカー型タンパク質の判定装置の配列取得部は、前記検査対象タンパク質のアミノ酸配列情報を取得し、
GPIアンカー型タンパク質の判定装置のN末端側疎水性値算出部は、前記配列取得部が取得したアミノ酸配列情報における既知のGPIアンカー型タンパク質のN末端側の高疎水性領域に対応する領域として、前記アミノ酸配列情報のN末端から予め定められた残基数の領域を特定し、当該N末端側の高疎水性領域に対応する領域のアミノ酸残基を抽出し、前記N末端側の高疎水性領域に対応する領域のアミノ酸残基の疎水性値の平均化に用いる残基数であるN末端側疎水性特性抽出必要数を用いて、連続する当該N末端側疎水性特性抽出必要数分のアミノ酸残基の各疎水性指標値の平均であるN末端側平均疎水性値を、前記抽出したアミノ酸残基のそれぞれに対して1残基ずつずらしながら複数算出し、
GPIアンカー型タンパク質の判定装置のN末端側疎水性判定部は、前記N末端側疎水性値算出部が算出した複数のN末端側平均疎水性値のうちの最大値が、既知のGPIアンカー型タンパク質におけるN末端側平均疎水性値の特性を示すN末端側疎水性閾値以上であるか否かを判定し、
GPIアンカー型タンパク質の判定装置のN末端外疎水性値算出部は、前記配列取得部が取得したアミノ酸配列情報のうち前記N末端側疎水性値算出部がN末端側平均疎水性値を算出した範囲以外の領域として、前記アミノ酸配列情報の前記N末端から予め定められた残基数のアミノ酸残基以外の領域を特定し、当該N末端側平均疎水性値を算出した範囲以外のアミノ酸残基を抽出し、前記N末端側平均疎水性値を算出した範囲以外のアミノ酸残基の疎水性値の平均化に用いる残基数であるN末端外疎水性特性抽出数を用いて、連続する当該N末端外疎水性特性抽出数分のアミノ酸残基の各疎水性指標値の平均であるN末端外平均疎水性値を、前記抽出したアミノ酸残基のそれぞれに対して1残基ずつずらしながら複数算出し、
GPIアンカー型タンパク質の判定装置のN末端外疎水性判定部は、前記N末端外疎水性値算出部が算出した複数のN末端外平均疎水性値のうちの最大値が、既知のGPIアンカー型タンパク質におけるN末端外平均疎水性値の特性を示すN末端外疎水性閾値以上であるか否かを判定し、
GPIアンカー型タンパク質の判定装置のC末端側最大疎水位置判定部は、既知のGPIアンカー型タンパク質のC末端側の高疎水性領域に対応する領域として、前記アミノ酸配列情報のC末端から予め定められた残基数の領域を特定し、前記N末端外疎水性値算出部が算出したN末端外平均疎水性値が最大となるアミノ酸残基の位置が当該特定した領域内にあるか否かを判定し、
GPIアンカー型タンパク質の判定装置の側鎖サイズ算出部は、前記配列取得部が取得したアミノ酸配列情報における既知のGPIアンカー型タンパク質のプロペプチド領域を含む領域として、前記アミノ酸配列情報のC末端から予め定められた残基数の領域を特定し、当該プロペプチド領域を含む領域のアミノ酸残基を抽出し、当該抽出したアミノ酸残基のそれぞれに対して、当該プロペプチド領域を含む領域のアミノ酸残基の側鎖サイズの平均化に用いる残基数である側鎖サイズ特性抽出必要数を用いて、連続する当該側鎖サイズ特性抽出必要数分のアミノ酸残基の各側鎖サイズ指標値の平均値である平均側鎖サイズを1残基ずつずらしながら複数算出し、
GPIアンカー型タンパク質の判定装置のスコア算出部は、前記側鎖サイズ算出部が算出した平均側鎖サイズが最小となる位置を基準位置とする、当該基準位置からN末端側及びC末端側に連続する所定の残基数のアミノ酸残基からなる所定の領域におけるアミノ酸残基の部分配列と、既知のGPIアンカー型タンパク質の平均側鎖サイズが最小となる位置を基準位置とする前記所定の領域におけるアミノ酸残基の部分配列との類似度を示すスコアを算出するにあたり、記憶部に記憶されている既知のGPIアンカー型タンパク質のアミノ酸残基位置におけるアミノ酸残基の種類の出現度合いを示す位置特異的スコアを前記記憶部から取得し、当該位置特異的スコアに基づき、前記部分配列の各アミノ酸残基の位置特異的スコアを特定して数値列を生成し、当該数値列の平均値を算出し、当該算出した平均値を前記スコアとして算出し
GPIアンカー型タンパク質の判定装置のスコア判定部は、前記スコア算出部が算出したスコアが、前記検査対象タンパク質と既知のGPIアンカー型タンパク質とが類似するか否かを判定するスコア判定閾値以上であるか否かを判定し、
GPIアンカー型タンパク質の判定装置のGPIアンカー型タンパク質判定部は、前記N末端側疎水性判定部が、前記N末端側疎水性値算出部の算出したN末端側平均疎水性値の最大値が前記N末端側疎水性閾値未満であると判定した場合、前記N末端外疎水性判定部が、前記N末端外疎水性値算出部の算出したN末端外平均疎水性値の最大値が前記N末端外疎水性閾値未満であると判定した場合、前記C末端側最大疎水位置判定部が、前記N末端外疎水性値算出部の算出したN末端外平均疎水性値が最大となるアミノ酸残基の位置が前記既知のGPIアンカー型タンパク質のC末端側の高疎水性領域に対応する領域内にないと判定した場合、または前記スコア判定部が、前記スコア算出部の算出したスコアが前記スコア判定閾値未満であると判定した場合に、前記検査対象タンパク質がGPIアンカー型タンパク質でないと判定する、
ことを特徴とする判定方法。

【請求項15】
検査対象タンパク質がGPIアンカー型タンパク質であるか否かを判定するGPIアンカー型タンパク質の判定装置を、
前記検査対象タンパク質のアミノ酸配列情報を取得する配列取得部、
前記配列取得部が取得したアミノ酸配列情報における既知のGPIアンカー型タンパク質のN末端側の高疎水性領域に対応する領域として、前記アミノ酸配列情報のN末端から予め定められた残基数の領域を特定し、当該N末端側の高疎水性領域に対応する領域のアミノ酸残基を抽出し、前記N末端側の高疎水性領域に対応する領域のアミノ酸残基の疎水性値の平均化に用いる残基数であるN末端側疎水性特性抽出必要数を用いて、連続する当該N末端側疎水性特性抽出必要数分のアミノ酸残基の各疎水性指標値の平均であるN末端側平均疎水性値を、前記抽出したアミノ酸残基のそれぞれに対して1残基ずつずらしながら複数算出するN末端側疎水性値算出部、
前記N末端側疎水性値算出部が算出した複数のN末端側平均疎水性値のうちの最大値が、既知のGPIアンカー型タンパク質におけるN末端側平均疎水性値の特性を示すN末端側疎水性閾値以上であるか否かを判定するN末端側疎水性判定部、
前記配列取得部が取得したアミノ酸配列情報のうち前記N末端側疎水性値算出部がN末端側平均疎水性値を算出した範囲以外の領域として、前記アミノ酸配列情報の前記N末端から予め定められた残基数のアミノ酸残基以外の領域を特定し、当該N末端側平均疎水性値を算出した範囲以外のアミノ酸残基を抽出し、前記N末端側平均疎水性値を算出した範囲以外のアミノ酸残基の疎水性値の平均化に用いる残基数であるN末端外疎水性特性抽出数を用いて、連続する当該N末端外疎水性特性抽出数分のアミノ酸残基の各疎水性指標値の平均であるN末端外平均疎水性値を、前記抽出したアミノ酸残基のそれぞれに対して1残基ずつずらしながら複数算出するN末端外疎水性値算出部、
前記N末端外疎水性値算出部が算出した複数のN末端外平均疎水性値のうちの最大値が、既知のGPIアンカー型タンパク質におけるN末端外平均疎水性値の特性を示すN末端外疎水性閾値以上であるか否かを判定するN末端外疎水性判定部、
既知のGPIアンカー型タンパク質のC末端側の高疎水性領域に対応する領域として、前記アミノ酸配列情報のC末端から予め定められた残基数の領域を特定し、前記N末端外疎水性値算出部が算出したN末端外平均疎水性値が最大となるアミノ酸残基の位置が当該特定した領域内にあるか否かを判定するC末端側最大疎水位置判定部、
前記配列取得部が取得したアミノ酸配列情報における既知のGPIアンカー型タンパク質のプロペプチド領域を含む領域として、前記アミノ酸配列情報のC末端から予め定められた残基数の領域を特定し、当該プロペプチド領域を含む領域のアミノ酸残基を抽出し、当該抽出したアミノ酸残基のそれぞれに対して、当該プロペプチド領域を含む領域のアミノ酸残基の側鎖サイズの平均化に用いる残基数である側鎖サイズ特性抽出必要数を用いて、連続する当該側鎖サイズ特性抽出必要数分のアミノ酸残基の各側鎖サイズ指標値の平均値である平均側鎖サイズを1残基ずつずらしながら複数算出する側鎖サイズ算出部、
前記側鎖サイズ算出部が算出した平均側鎖サイズが最小となる位置を基準位置とする、当該基準位置からN末端側及びC末端側に連続する所定の残基数のアミノ酸残基からなる所定の領域におけるアミノ酸残基の部分配列と、既知のGPIアンカー型タンパク質の平均側鎖サイズが最小となる位置を基準位置とする前記所定の領域におけるアミノ酸残基の部分配列との類似度を示すスコアを算出するにあたり、記憶部に記憶されている既知のGPIアンカー型タンパク質のアミノ酸残基位置におけるアミノ酸残基の種類の出現度合いを示す位置特異的スコアを前記記憶部から取得し、当該位置特異的スコアに基づき、前記部分配列の各アミノ酸残基の位置特異的スコアを特定して数値列を生成し、当該数値列の平均値を算出し、当該算出した平均値を前記スコアとして算出するスコア算出部、
前記スコア算出部が算出したスコアが、前記検査対象タンパク質と既知のGPIアンカー型タンパク質とが類似するか否かを判定するスコア判定閾値以上であるか否かを判定するスコア判定部、
前記N末端側疎水性判定部が、前記N末端側疎水性値算出部の算出したN末端側平均疎水性値の最大値が前記N末端側疎水性閾値未満であると判定した場合、前記N末端外疎水性判定部が、前記N末端外疎水性値算出部の算出したN末端外平均疎水性値の最大値が前記N末端外疎水性閾値未満であると判定した場合、前記C末端側最大疎水位置判定部が、前記N末端外疎水性値算出部の算出したN末端外平均疎水性値が最大となるアミノ酸残基の位置が前記既知のGPIアンカー型タンパク質のC末端側の高疎水性領域に対応する領域内にないと判定した場合、または前記スコア判定部が、前記スコア算出部の算出したスコアが前記スコア判定閾値未満であると判定した場合に、前記検査対象タンパク質がGPIアンカー型タンパク質でないと判定するGPIアンカー型タンパク質判定部、
として機能させるための判定プログラム。
産業区分
  • 計算機応用
国際特許分類(IPC)
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JP2009209184thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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