TOP > 国内特許検索 > 排気ガスの処理方法および処理装置

排気ガスの処理方法および処理装置 コモンズ

国内特許コード P120007225
掲載日 2012年4月5日
出願番号 特願2009-140239
公開番号 特開2010-284591
登録番号 特許第5392676号
出願日 平成21年6月11日(2009.6.11)
公開日 平成22年12月24日(2010.12.24)
登録日 平成25年10月25日(2013.10.25)
発明者
  • 藤島 英勝
  • 黒木 智之
  • 大久保 雅章
  • 大塚 馨一
出願人
  • 公立大学法人大阪府立大学
発明の名称 排気ガスの処理方法および処理装置 コモンズ
発明の概要

【課題】ボイラーなどの排気ガス中に含まれるNOxの濃度およびCO2の濃度の変動に対応して、処理装置を効率よく運転できる処理方法を提供する。
【解決手段】排気ガス中に含まれるNOxの濃度およびCO2の濃度、ならびに目標とするNOx除去率およびCO2除去率に基づいて、還元反応領域の充填剤充填領域におけるNO2およびCO2含有酸化ガスの通過時間を加減することにより、上記の課題を解決する。
【選択図】 図1

従来技術、競合技術の概要


発電所やディーゼルエンジンおよびボイラーなどに代表されるエネルギーの供給および消費に伴って、一酸化窒素(NO)や、二酸化窒素(NO2)などの窒素酸化物(以下、NOxともいう)が排出される。



環境中に排出されるこれらのNOxは、光化学スモッグなどの原因となり、大都市での環境問題の重要課題として、その対策が検討されている。また、NOxは、近年問題となっている地球温暖化の原因の一つとしても注目されている。



NOxを低減させる方法の一つとして、プラズマ・ケミカルハイブリッド法が知られている。
この方法は、NOxを含む排気ガスを浄化する方法であって、空気を放電プラズマ反応器に供給してラジカルガスを生成させ、このラジカルガスおよび排気ガスを酸化反応領域に供給し、前記排気ガス中のNOxをラジカルガス中のオゾンにより酸化してNO2を含む酸化ガスに変換し、次いで該酸化ガスをNa2SO3、Na2S、およびNa223などの化合物を含む還元剤水溶液と還元反応領域で接触させることにより、NO2を窒素ガス(N2)に還元して浄化する方法である(例えば、特許文献1参照)。



プラズマ・ケミカルハイブリッド法を実用化するにあたっては、連続処理条件下でもNOxの除去性能を維持するために、ケミカルスクラバーに薬液を継続して補充する必要がある。例えば、pHを11に維持し、かつ酸化還元電位(ORP)を-50~-250mVに制御して、還元反応領域内へ導入直前の循環処理液に追加の還元剤水溶液およびアルカリ水溶液を注入・補充する方法が提案されている(非特許文献1)。



この方法は優れてはいるが、実験室内で行われたものであり、二酸化炭素(CO2)をほとんど含まない合成排気ガスが用いられている。すなわち、この方法では、燃焼ガス中に数%の濃度で必ず含まれるCO2の存在が考慮されていない。



本発明者らは、ボイラー燃焼器を用い、還元反応領域へ導入直前の循環処理液に追加の還元剤水溶液およびアルカリ水溶液を補充するこの方法について試験を行なった。しかしながら、この試験では排気ガス中に数%のCO2が含まれていたため、水溶液のpHが直ちに低下し、非特許文献1に記載のようなpH=11の条件を維持することが困難であった。
その上、酸化還元電位(ORP)も増加していくため、非特許文献1に記載のように、-50mV以下で運転することが困難であった。



これは、追加的に補充された還元剤水溶液とアルカリ水溶液がCO2を含んだ排気ガスと接触して、還元剤水溶液の酸化反応およびアルカリ水溶液とCO2との反応が生じ、これらの水溶液が短時間で劣化するため、追加的に補充された水溶液が、循環している混合水溶液の活性回復に寄与しなかったためと思われる。



このため、窒素酸化物の除去性能を維持した状態で、排気ガスを連続的に長時間処理することは困難であったが、本発明者らは、酸化反応および還元反応が行われる湿式反応器の下部に設けられた混合水溶液の貯留部に還元剤水溶液およびアルカリ水溶液を補充することにより、追加的に補充された前記水溶液がCO2を含んだ排気ガスと接触して直ちに劣化することを防止できることを見出した(特許文献2)。

産業上の利用分野


本発明は、窒素酸化物含有排気ガスの処理方法に関し、より詳細には窒素酸化物をオゾンガスで酸化してNO2とし、次いでNO2含有酸化ガスを還元して窒素ガスとすることにより、排気ガス中に含まれる窒素酸化物を処理する方法において、排気ガス中に含まれる窒素酸化物の濃度および目標とする窒素酸化物の除去率に基づいて、還元反応領域におけるNO2含有酸化ガスの滞留時間を調節することにより、窒素酸化物を許容範囲まで過不足なく除去できる窒素酸化物含有排気ガスの処理方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
窒素酸化物を含む排気ガスおよびオゾンガスを酸化反応領域へ導入し、排気ガス中の窒素酸化物をオゾンガスと反応させて、前記窒素酸化物を酸化してNO2含有酸化ガスに変換する工程、および充填材が充填された充填材充填領域を有する還元反応領域へNO2含有酸化ガスを導入し還元剤水溶液と接触させ、酸化ガス中に含まれるNO2還元剤により還元して窒素ガスに変換する工程を含む排気ガス中の窒素酸化物の処理方法において、排気ガス中に含まれるNOxの濃度および目標とするNOx除去率に基づいて、還元反応領域充填材充填領域におけるNO2含有酸化ガスの通過時間を調節し、
前記のNO2含有酸化ガスの通過時間が、前記の還元反応領域内の充填材充填領域におけるNO2含有酸化ガスの通過時間t(秒)とNOx除去率y(%)との間の関係式:
(式1)y=35(3-exp(-t/0.8))-15
により、目標とするNOx除去率に基づいて調節されることを特徴とする、窒素酸化物含有排気ガスの処理方法。
【請求項2】
前記の排気ガスが、都市ガス、重油、廃ガス、廃油またはこれらの混合物を燃料とするボイラーから排出される排気ガスである、請求項1に記載の排気ガスの処理方法。
【請求項3】
酸化反応領域および還元反応領域を備えた湿式反応器と、空気からラジカルガスを生成する大気圧低温非平衡放電プラズマ反応部と、生成したラジカルガスを前記酸化反応領域に供給するラジカルガス供給部と、窒素酸化物を含む排気ガスを前記酸化反応領域に供給する排気ガス供給部と、還元剤水溶液およびアルカリ水溶液の混合水溶液を前記湿式反応に供給し循環させる水溶液供給循環部と、処理済みのガス放出口とを備えた排気ガスの処理装置において、前記排気ガス供給部内に処理前のガスを採取するガスサンプリング部を設けるとともに、前記ガス放出口の直前に処理後のガスを採取するガスサンプリング部を設け、これら両ガスサンプリング部で随時採取されたサンプルガス中のNOxの濃度を測定するガス分析計を備え
前記還元反応領域は、前記混合水溶液と、NO2含有酸化ガスとの接触を促進するための充填材が充填された充填材充填領域を有し、
NO2含有酸化ガスが前記充填材充填領域を通過する時間t(秒)は、充填材の充填高さをH(m)、前記反応容器の内径をD(m)、前記排気ガス供給部から供給される排気ガスの流量をQ(Nm3/時間)としたとき、(式2)t=((3.14×D2×H)/(4×Q))×602で表され、
充填高さHおよび内径Dは、NOx除去率をy(%)としたとき、(式2)および(式3)y=35(3-exp(-t/0.8))-15により、目標とするNOx除去率に基づいて設定されたことを特徴とする排気ガスの処理装置。
【請求項4】
請求項に記載の排気ガス処理装置を、ボイラーからの排気ガス管に接続してなるボイラー。
【請求項5】
前記のボイラーが、都市ガス、重油、廃ガス、廃油またはこれらの混合物を燃料とするボイラーである、請求項に記載のボイラー。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2009140239thum.jpg
出願権利状態 登録
ライセンスをご希望の方、特許の内容に興味を持たれた方は、下記までご連絡ください


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close