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排気ガスの処理方法および処理装置 コモンズ

国内特許コード P120007226
掲載日 2012年4月5日
出願番号 特願2009-117734
公開番号 特開2010-264386
登録番号 特許第5441029号
出願日 平成21年5月14日(2009.5.14)
公開日 平成22年11月25日(2010.11.25)
登録日 平成25年12月27日(2013.12.27)
発明者
  • 黒木 智之
  • 藤島 英勝
  • 大久保 雅章
  • 大塚 馨一
出願人
  • 公立大学法人大阪府立大学
発明の名称 排気ガスの処理方法および処理装置 コモンズ
発明の概要

【課題】ボイラーなどの排気ガスの温度が高くなっても、排気ガス中の窒素酸化物の処理性能が低下しない処理方法および装置を提供する。
【解決手段】排気ガスの温度が約150℃を超えたときに排気ガスの冷却装置を作動させて、排気ガスの温度を約130℃以下に制御することにより、オゾンによる窒素酸化物の酸化反応効率の低下を抑制する。
【選択図】図1A

従来技術、競合技術の概要


発電所やディーゼルエンジンおよびボイラーなどに代表されるエネルギーの供給および消費に伴って、一酸化窒素(NO)や、二酸化窒素(NO2)などの窒素酸化物が排出される。



環境中に排出されるこれらの窒素酸化物は、光化学スモッグなどの原因となり、大都市での環境問題の重要課題として、その対策が検討されている。また、窒素酸化物は、近年問題となっている地球温暖化の原因の一つとしても注目されている。



窒素酸化物を低減させる方法として、燃焼方式、触媒方式、選択触媒還元方式(SCR)、アンモニア噴射方式などが知られており、また近年においては、前記触媒方式や非熱プラズマ、電子ビームなどの技術を結合して、窒素酸化物を低減させる方法や、その他プラズマ、電子ビーム方式とアンモニア、過酸化水素および塩化カルシウムなどの化学物質や触媒などを用いた方法との結合により、窒素酸化物を低減する方法が知られている。



それらの中で注目を集めているのが、プラズマ・ケミカルハイブリッド法である。この方法は、窒素酸化物を含む排気ガスを浄化する方法であって、空気を放電プラズマ反応器に供給してラジカルガスを生成させ、このラジカルガスおよび排気ガスを酸化反応領域に供給し、前記排気ガス中の窒素酸化物をラジカルガスにより酸化してNO2を含む酸化ガスに変換し、次いで該酸化ガスをNa2SO3、Na2S、およびNa223などの化合物を含む還元剤水溶液と還元反応領域で接触させることにより、NO2を窒素ガス(N2)に還元し、浄化する方法である(例えば、特許文献1~4参照)。



プラズマ・ケミカルハイブリッド法を実用化するにあたっては、連続処理条件下でも窒素酸化物の除去性能を維持するために、ケミカルスクラバーに薬液を継続して補充する必要がある。例えば、pHを11に維持し、かつ酸化還元電位(ORP)を-50~-250mVに制御して、還元反応領域内へ導入直前の循環処理液に追加の還元剤水溶液およびアルカリ水溶液を注入・補充する方法が提案されている(非特許文献1)。



この方法は優れてはいるが、実験室内で行われたものであり、二酸化炭素(CO2)をほとんど含まない合成排気ガスが用いられている。すなわち、この方法では、燃焼ガス中に数%の濃度で必ず含まれるCO2の存在が考慮されていない。



本発明者らは、ボイラー燃焼器を用い、還元反応領域へ導入直前の循環処理液に追加の還元剤水溶液およびアルカリ水溶液を補充するこの方法について試験を行なった。しかしながら、この試験では排ガス中に数%のCO2が含まれていたため、水溶液のpHが直ちに低下し、非特許文献1に記載のようなpH=11の条件を維持することが困難であった。
その上、酸化還元電位(ORP)も増加していくため、非特許文献1に記載のように、-50mV以下で運転することが困難であった。



これは、追加的に補充された還元剤水溶液とアルカリ水溶液がCO2を含んだ排気ガスと接触して、還元剤水溶液の酸化反応およびアルカリ水溶液とCO2との反応が生じ、これらの水溶液が短時間で劣化するため、追加的に補充された水溶液が、循環している混合水溶液の活性回復に寄与しなかったためと思われる。



このため、窒素酸化物の除去性能を維持した状態で、排気ガスを連続的に長時間処理することは困難であったが、本発明者らは、酸化反応および還元反応が行われる湿式反応器の下部に設けられた混合水溶液の貯留部に還元剤水溶液およびアルカリ水溶液を補充することにより、追加的に補充された前記水溶液がCO2を含んだ排気ガスと接触して直ちに劣化することを防止できることを見出した(特許文献5)。

産業上の利用分野


本発明は、排気ガスの処理方法、およびその方法に用いられる処理装置に関し、より詳細には排気ガスの温度を制御することにより、排気ガス中の窒素酸化物を効率よく浄化する処理方法およびその方法に用いられる処理装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
窒素酸化物を含む排気ガスおよびオゾンガスを酸化反応領域へ導入し、排気ガス中の窒素酸化物をオゾンガスと反応させて、前記窒素酸化物を酸化してNO2含有酸化ガスに変換する工程を含む排気ガスの処理方法において、酸化反応領域に導入される排気ガスの温度が所定の温度(A)を超えたときに排気ガス冷却装置を作動させて、酸化反応領域に導入される排気ガスの温度を所定の温度(B)以下に低下させることにより、排気ガス中の窒素酸化物の酸化反応を促進し、
所定の温度(A)が150℃であり、所定の温度(B)が130℃であり、
導入するオゾン量(O3、ppm)を、必要とされるNOの酸化量(△NO、ppm)と排気ガスの温度(T℃)との間の関係式:
△NO/O3=-exp[(T-175)/40]/10+1.15
により求められる量とすることを特徴とする、排気ガスの処理方法。
【請求項2】
前記のオゾンガスが、大気圧低温非平衡放電プラズマ反応により空気から生成するラジカルガスである、請求項1に記載の処理方法。
【請求項3】
前記のNO2含有酸化ガスが、還元剤水溶液により還元処理される、請求項1または2に記載の処理方法。
【請求項4】
前記の排気ガスが、炉筒煙管ボイラーまたはディーゼルエンジンからの排気ガスである、請求項1~のいずれかに記載の処理方法。
【請求項5】
酸化反応領域および還元反応領域を備えた湿式反応器と、空気からラジカルガスを生成する大気圧低温非平衡放電プラズマ反応部と、生成したラジカルガスを酸化反応領域に供給するラジカルガス供給部と、窒素酸化物を含む排気ガスを酸化反応領域に供給する排気ガス供給部と、還元剤水溶液およびアルカリ水溶液を湿式反応部に供給し循環させる水溶液供給循環部とを備えた排気ガスの処理装置において、排気ガス発生源と前記排気ガス供給部との間に排気ガス冷却装置を設け、該冷却装置と前記酸化反応領域との間に排気ガス温度測定部を設け、該測定部の測定結果に基づいて前記排気ガス冷却装置を作動させる排気ガス温度制御部を設け、
前記排気ガス温度制御部は、前記排気ガス温度測定部が測定する温度が150℃を超えたときに前記排気ガス冷却装置を作動させて、前記排気ガス温度測定部が測定する温度を130℃以下に低下させるように設けられ、
前記大気圧低温非平衡放電プラズマ反応部は、オゾナイザーであり、
必要とされるNOの酸化量(△NO、ppm)および排気ガスの温度(T℃)に基づいて、NOの酸化に必要なオゾン量(O3、ppm)を(式)△NO/O3=-exp[(T-175)/40]/10+1.15により計算し、その計算結果に基づいて前記オゾナイザーの周波数の調節および前記オゾナイザーへの空気供給量の調節を制御するコンピュータをさらに備えることを特徴とする排気ガスの処理装置。
【請求項6】
前記の排気ガス冷却装置が水噴霧式冷却器である、請求項に記載の排気ガスの処理装置。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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