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新規マイコウイルス、植物病害真菌弱毒菌株、植物病害防除剤、マイコウイルス生産方法、植物病害真菌弱毒化方法、並びに植物病害防除方法

国内特許コード P120007239
掲載日 2012年4月6日
出願番号 特願2009-550445
登録番号 特許第5605896号
出願日 平成21年1月5日(2009.1.5)
登録日 平成26年9月5日(2014.9.5)
国際出願番号 JP2009000003
国際公開番号 WO2009093409
国際出願日 平成21年1月5日(2009.1.5)
国際公開日 平成21年7月30日(2009.7.30)
優先権データ
  • 特願2008-011012 (2008.1.21) JP
  • 特願2008-035405 (2008.2.18) JP
  • 特願2008-104181 (2008.4.13) JP
発明者
  • 森山 裕充
  • 福原 敏行
  • 有江 力
  • 寺岡 徹
出願人
  • 国立大学法人東京農工大学
発明の名称 新規マイコウイルス、植物病害真菌弱毒菌株、植物病害防除剤、マイコウイルス生産方法、植物病害真菌弱毒化方法、並びに植物病害防除方法
発明の概要 【課題】イネいもち病菌を抑制する新規なマイコウイルス、及び、植物病害の新規な防除手段の提供。
【解決手段】所定のイネいもち病菌株に内在性に存在し、2.8~3.6kbの四種類の二本鎖RNAを有し、植物病害真菌を抑制する新規なマイコウイルスを新規に見出した。このウイルスはイネいもち病菌などの植物病害真菌を抑制するので、植物病害真菌の弱毒化、植物病害の防除などに適用できる。その他、このマイコウイルスは、従来のものと異なり、細胞外でも存在しうるため、菌糸融合に依存せずに細胞外から直接宿主菌に感染させることができるという有利性がある。
従来技術、競合技術の概要



植物病害には、気象・土壌など環境的要因で発生するもの、ウイルス・細菌・真菌(糸状菌)などの感染性要因で発生するもの、生理的障害により発生するもの、それらの複合的な要因で発生するものなどが存在する。現在においても、植物病害の中には食糧、花き、花木、樹木などの生産に阻害要因となるものが数多く含まれ、経済的影響が大きいものも多い。





植物病害のうち、真菌は、最も重要な病害因子の一つである。植物病害の約8割は真菌によって引き起こされるといわれている。





例えば、いもち病は、世界各地で発生している最も重要な植物病害の一つである。病原菌は、カビ(糸状菌)の一種であるイネいもち病菌(学名「Magnaporthe oryzae」)である。イネいもち病菌は、25℃前後が発育・胞子形成・感染の適温であり、また、湿潤な環境を好む。そのため、夏季の低温、多雨、日照不足などの気象要因により大発生し、イネの不作・品質低下をもたらし、経済的に大きな打撃を与える。





その他、紋枯病、さび病、うどんこ病、炭疸病、菌核病、べと病、灰色かび病など、真菌が原因で経済的影響も大きい植物病害は数多く存在する。そのため、現在においても、新しい農薬の開発や、品種改良などが試みられている(いもち病の防除に関して、例えば、特許文献1、2参照)。





ここで、本発明に関連する事項であるマイコウイルスについて、以下説明する。





真菌類(Fungi、以下同じ)に感染するウイルスをマイコウイルスという。その中で、二本鎖RNAをゲノムとするマイコウイルスが報告されている。それらのマイコウイルスは、宿主菌に潜在的に感染し、宿主の形質にほとんど影響を与えないものが多い。





二本鎖RNAをゲノムとするマイコウイルスは、現在、パルチチウイルス科(学名「Partitiviridae」、以下同じ)、トチウイルス科(学名「Totiviridae」、以下同じ)、クリソウイルス科(学名「Chrysoviridae」、以下同じ)など、5科に分類されている。パルチチウイルス科ウイルスは、ウイルス粒子中に、二つのほぼ同じ大きさの直鎖状二本鎖RNAを有し、全遺伝子量は4~6kbpである。トチウイルス科ウイルスは、ウイルス粒子中に4~7kbpの一本の直鎖状二本鎖RNAを有する。その他、クリ胴枯れ病菌(学名「Cryphonectria parasitica」)では、菌内在性に存在し、9~13kbpの二本鎖RNAを有するウイルスが発見されている(ハイポウイルスなど)。





クリソウイルス科ウイルスは、球形のウイルス様粒子を有し、四成分の二本鎖RNAを有する。また、パルチチウイルス科及びトチウイルス科のウイルスと同様、RdRP(RNA-directed RNA polymerase;RNA依存性RNAポリメラーゼ、以下同じ)をコードする領域を有することが知られている。クリソウイルス科に属するウイルスとして、例えば、Hv145SV(「Helminthosprium victoriae 145S virus」、以下同じ)、PcV(「Pencillium chrysogenum virus」、以下同じ)、AbV1(「Agaricus bisporus virus 1」、以下同じ)などが知られている(非特許文献1など参照)。





近年、特定の植物病害に対し、その病原菌をマイコウイルスなどで弱毒化し、その弱毒菌を用いてその病害を防除する方法が検討され、一部実用化されている。例えば、クリ胴枯れ病菌の毒性を抑制するウイルス性二本鎖RNAの完全長cDNAを用いてその菌を弱毒化し、クリ胴枯れ病の防除に応用する方法(非特許文献2など参照)や、紫紋羽病菌(学名「Helicobasidium mompa」)を抑制する二本鎖RNAウイルスを発見し、その二本鎖RNAを内在する紫紋羽病菌弱毒菌株を用いて紫紋羽病を防除する方法(非特許文献3、特許文献3など参照)などが開示されている。

【特許文献1】

開2004-143045号公報

【特許文献2】

開2003-250370号公報

【特許文献3】

開2001-78752号公報

【非特許文献1】

. M. Fauquet, Mary Ann Mayo, J. Maniloff, U. Desselberger, L. A.Ball, “Virus Taxonomy: Classification and Nomenclature of Viruses; EighthReport Of The International Committee On Taxonomy Of Viruses”, ElsevierAcademic Press: p591-595

【非特許文献2】

il H.Choi and Donald L.Nuss, “Hypovirulence of chestnut blightfungus conferred by an infectious viral cDNA.” Science. 1992 Aug7;257(5071):800-3

【非特許文献3】

.Osaki et al, “Detection of Double-Stranded RNA Virus from a Strainof the Violet Root Rot Fungus Helicobasidium mompa Tanaka” Virus Genes25:2,139-145, 2002

産業上の利用分野



本発明は、植物病害真菌を抑制する新規なマイコウイルス、それに関わる遺伝子・核酸・タンパク質、そのマイコウイルスを内在する植物病害真菌弱毒菌株、それらを含有する植物病害防除剤、マイコウイルス生産方法、植物病害真菌弱毒化方法、植物病害防除方法などに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
植物病害真菌抑制作用を有し、配列番号1~4においてチミンをウラシルとした四種類の二本鎖RNAを有するマイコウイルス。

【請求項2】
前記植物病害真菌の分生子形成を抑制する請求項1記載のマイコウイルス。

【請求項3】
イネ科植物に対する植物病害真菌を抑制する請求項1記載のマイコウイルス。

【請求項4】
イネいもち病菌を抑制する請求項1記載のマイコウイルス。

【請求項5】
配列番号1~4においてチミンをウラシルとした四種類の二本鎖RNAを有するマイコウイルスゲノム

【請求項6】
配列番号1~4のいずれかに示す塩基配列からなる核酸。

【請求項7】
請求項1~4いずれか一項記載のマイコウイルスを含有する植物病害真菌の弱毒菌株。

【請求項8】
受託番号DSM21334の菌株である請求項7記載の弱毒菌株。

【請求項9】
請求項1~4いずれか一項記載のマイコウイルス、及び/又は、請求項7又は8記載の植物病害真菌の弱毒菌株を含有する植物病害防除剤。

【請求項10】
請求項1~4いずれか一項記載のマイコウイルスを含有する植物病害真菌を液体培地で培養し、その培養上清から前記マイコウイルスを回収する手順を少なくとも含む植物病害真菌抑制性マイコウイルス生産方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
※ 国立大学法人東京農工大学では、先端産学連携研究推進センターにおいて、知的財産の創出・権利化・活用に取り組んでいます。上記の特許・技術の内容および導入に興味・関心がありましたら、当センターまでお気軽にお問い合わせください。


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