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三次元光散乱体の実効散乱係数の算定方法 コモンズ

国内特許コード P120007276
整理番号 KP11-036
掲載日 2012年4月9日
出願番号 特願2011-177789
公開番号 特開2013-040849
登録番号 特許第5783564号
出願日 平成23年8月15日(2011.8.15)
公開日 平成25年2月28日(2013.2.28)
登録日 平成27年7月31日(2015.7.31)
発明者
  • 的場 修
出願人
  • 国立大学法人神戸大学
発明の名称 三次元光散乱体の実効散乱係数の算定方法 コモンズ
発明の概要 【課題】実効散乱係数が未知の三次元光散乱体に対して、実効散乱係数を精度よく算定する方法を提供する。
【解決手段】本発明の三次元光散乱体の実効散乱係数の算定方法は、実効散乱係数が未知の三次元光散乱体に対して、散乱係数μを測定するステップと、算出した散乱係数μに基づき、計算機シミュレーションを用いて散乱光の伝搬における非等方散乱因子gを0~1まで変化させて、散乱光からの出力ビーム径との相関関係もしくは散乱光の透過/反射出力パワー比との相関関係を算出するステップと、三次元光散乱体にビーム光を照射した際の散乱光からの出力ビーム径の実測値と、前記相関関係とから、非等方散乱因子gを決定するステップを備える。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


昨今、ユビキタス情報社会への発展へ向け、様々な要素技術の開発が進められている。本発明者は、既に、薄型、大容量記録可能、環境に優しくリサイクル可能、データ保護機能を有する次世代光メモリとして、吸収体を含有する三次元光散乱体メディアを提案している(特許文献1を参照)。この三次元光散乱体メディアは、光を拡散させる性質をもつ光散乱体の内部に、情報として光のエネルギーを吸収する吸収体というものを埋め込むことで構成されるものである。この三次元光散乱体メディアは、1mm以下の薄型化が可能で、高い情報秘匿性を持ち、使い捨ての用途が可能であるといった特徴を有する。



上記の三次元光散乱体メディアの情報再生の原理を簡単に説明する。先ず、三次元光散乱体メディアに光を照射することにより出力光強度分布を得る。この強度分布は、吸収体がエネルギーを吸収するため、内部構造を反映したものとなっている。すなわち、入射光は、三次元光散乱体メディアの媒質の吸収成分に加えて、内部に埋め込まれた吸収体によって大きく減衰される。そのため、出力面においては物体の内部構造固有の出力光強度分布が得られ、これをもとに内部構造の推定を行えることになる。



また三次元光散乱体によって,出力光強度分布からは吸収体の3次元位置や大きさを分からなくすることができる。また、三次元光散乱体に入射した光は多重散乱により光の位相情報が欠落するため、内部の吸収分布を干渉計測により求めることが困難となる。そのため、吸収体を三次元光散乱体の内部に埋め込むことで安全な情報として利用することができる。この吸収体の個数,それぞれの位置(3次元座標),サイズを情報として扱うことで個人認証および情報秘匿記録を行うのである。



しかしながら、三次元光散乱体メディアに光を照射することにより出力される出力光は、三次元光散乱体により拡散されていることから、この強度分布のみでは吸収体を再構成することが不可能である。すなわち、三次元光散乱体に入射した光は多重散乱により光の位相情報が欠落するため、内部構造固有の出力光強度分布のみでは内部の吸収体情報を再現することは不可能である。そのため、三次元光散乱体メディアの作製者は、散乱係数分布が既知であるとして三次元光散乱体モデルを構築することになる。物体内部の固有構造を割り出す際に、散乱係数分布の情報から得られる重み関数を用いた再構成アルゴリズムを用いる。
すなわち、三次元光散乱体モデルの出力光強度分布と、散乱係数から得られる重み関数と、三次元光散乱体メディアの出力光強度分布の3つを用いて、再構成アルゴリズムを適用することにより吸収体の再構成を行なうことが可能となる。



ところで、三次元光散乱体メディアは、通常、強散乱体であり、この強散乱体の光学的散乱特性は等価(実効)散乱係数で評価される。この実効散乱係数は、散乱係数と非等方散乱因子から求めることができる。
従来においては、強散乱体の実効散乱係数を決定する上で、生体では非等方散乱因子を0.9程度の1に近い値として、モンテカルロシミュレーションにより実験結果と合致する散乱係数を求めるやり方などが用いられていた。
しかしながら、上述の再構成アルゴリズムを適用することにより吸収体の再構成を行なう上で、三次元光散乱体メディアの散乱係数は重要なファクターであり、未知の実効散乱係数を精度よく算定する方法が要望されている。

産業上の利用分野


本発明は、光情報記憶媒体や生体模擬材料における三次元光散乱体の実効散乱係数の算定方法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
実効散乱係数が未知の三次元光散乱体に対して、
光コヒーレンストモグラフィーにより得られる振幅反射率の深さ依存性を用いて散乱係数μを実測するステップと、
散乱光からの出力ビーム径を実測するステップと、
算出した散乱係数μに基づき、計算機シミュレーションを用いて散乱光の伝搬における非等方散乱因子gを0~1まで変化させて、散乱光からの出力ビーム径との相関関係を算出するステップと、
三次元光散乱体にビーム光を照射した際の散乱光からの出力ビーム径の実測値と、前記相関関係とから、非等方散乱因子gを決定するステップと、
を備え、
実測した散乱係数μと決定した非等方散乱因子gとから実効散乱係数を算定することを特徴とする三次元光散乱体の実効散乱係数の算定方法。

【請求項2】
実効散乱係数が未知の三次元光散乱体に対して、
光コヒーレンストモグラフィーにより得られる振幅反射率の深さ依存性を用いて散乱係数μを実測するステップと、
散乱光の透過/反射出力パワー比を実測するステップと、
算出した散乱係数μに基づき、計算機シミュレーションを用いて散乱光の伝搬における非等方散乱因子gを0~1まで変化させて、散乱光の透過/反射出力パワー比との相関関係を算出するステップと、
三次元光散乱体にビーム光を照射した際の散乱光の透過/反射出力パワー比の実測値と、前記相関関係とから、非等方散乱因子gを決定するステップと、
を備え、
実測した散乱係数μと決定した非等方散乱因子gとから実効散乱係数を算定することを特徴とする三次元光散乱体の実効散乱係数の算定方法。


【請求項3】
前記計算機シミュレーションは、モンテカルロシミュレーションであり、散乱により変わる角度は非等方散乱因子gに依存するとされ、ある散乱から次の散乱までに進む距離は散乱係数μに依存するとした、請求項1又は2に記載の三次元光散乱体の実効散乱係数の算定方法。

【請求項4】
非等方散乱因子を決定するステップにおいて、照射するビーム光の波長は、三次元散乱体における散乱体の粒径よりも小さくする、請求項1又は2に記載の三次元光散乱体の実効散乱係数の算定方法。
産業区分
  • 試験、検査
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2011177789thum.jpg
出願権利状態 登録
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