TOP > 国内特許検索 > 光分解性ヘテロ二価性架橋剤

光分解性ヘテロ二価性架橋剤 コモンズ

国内特許コード P120007277
掲載日 2012年4月10日
出願番号 特願2009-114028
公開番号 特開2010-260831
登録番号 特許第5557229号
出願日 平成21年5月8日(2009.5.8)
公開日 平成22年11月18日(2010.11.18)
登録日 平成26年6月13日(2014.6.13)
発明者
  • 山口 和夫
  • 中西 淳
出願人
  • 学校法人神奈川大学
  • 国立研究開発法人物質・材料研究機構
発明の名称 光分解性ヘテロ二価性架橋剤 コモンズ
発明の概要 【課題】同一分子内に、アジド反応性基(アルキン)又はアルキン反応性基(アジド)と、アミン反応性基又はチオール反応性基とを同一分子内にスペーサを介して備えるヘテロ二価性架橋剤であって、両反応性基間を容易に分解することが可能な新規な架橋剤を提供する。
【解決手段】本発明に係る光分解性ヘテロ二価性架橋剤は、一方の末端にクリックケミストリーによりアジドと反応するアルキン、又は、アルキンと反応するアジドを含み、他末端にアミン反応性基又はチオール反応性基を含み、これら両反応性基の間に光分解性基を設ける。
【選択図】 なし
従来技術、競合技術の概要



ヘテロ二価性架橋剤として、一方の末端にアミン反応性基を含み、他方の末端にチオール反応性基を含むものがよく知られており、従来においては、下記の一般式で示される化合物(化1)が市販されている。





【化1】








このような架橋剤は、アミンやチオールを含む異なる構造のタンパク質やDNAをはじめとする種々の高分子の結合体(Conjugate)を調製するのに用いられている。また、タンパク質やDNAを基板上に固定したプロテインチップやDNAチップなどの調製にも用いられている(下記する特許文献1,2参照)。

本出願人も、ヘテロ二価性架橋剤のスペーサーとして、アミン反応性基とチオール反応性基との間に光分解性の2-ニトロベンジル誘導体を含む下記の化合物(化2)を開発し、提案している(特許文献3参照)。





【化2】








しかしながら、アミン及びチオールはともに求核剤であり、特にアミン反応性基にあっては、アミンのみならずチオールとも反応する可能性が高い。このため、上述の化合物においては、先にアミンをアミン反応性基に反応させ、ついでチオール基をチオール反応性基に反応させる必要があり、この順序を誤るとチオールがアミン反応性基と反応する不都合が生じる。ヘテロ二価性架橋剤というからには、その2つの反応性基は、それぞれ選択的にいずれか一方の官能基と反応することが望ましく、これにより反応順序に依存しないようにすることが望ましい。そのような架橋剤としては、下記の化合物(化3)が近年報告されている。





【化3】








この化合物(化3)に含まれるスクシノイミジルエステルは、活性エステルの1種であり、アミン反応性基である。もう一方のアルキンは、銅触媒の存在下でアジドと反応し、1,2,3-トリアゾールを生成する(反応式1参照)。





【化4】








この反応は、シートベルトのバックルがカチッと音を立てて(clicking)つながるように、実験操作が簡便で、目的物のみを高収率で与えることから、クリックケミストリーと呼ばれている。クリックケミストリーは、2001年にSharplessらが提唱して以来、新規な医薬品やプラスチック素材などの発見をめざす研究に用いられている(非特許文献1参照)。





このような技術を利用すれば、クリックケミストリーの高い反応性と選択性とにより従来の架橋剤よりも優れた特性を得ることが期待できる。

現在までのところ、アルキンとアジドの組み合わせがクリックケミストリーのために最も有力な反応性基と考えられている。





本発明者は、アミン反応性基を固定した自己組織化膜(self-assembled monolayer:SAM)を調製するための化合物(化5)やチオール反応性基を固定した化学式のシランカップリング剤(化6)を既に開発している(特許文献3参照)。





【化5】








【化6】








もし、アミノプロピルシランで修飾した基板表面に、アミン反応性基とアジド反応性基(アルキン)と光分解性基とを有する化合物を反応させれば、アジドを末端に持つ種々の化合物とのクリックケミストリーにより、種々の機能を有するSAMを構築することが可能となる。





また、メルカプトプロピルシランで修飾した基板表面に、チオール反応性基とアジド反応性基(アルキン)とを有する化合物を反応させても、同様のSAMを構築することが可能となる。

さらに、アジドプロピルシランで修飾した表面に、アジド反応性基(アルキン)とアミン反応性基又はチオール反応性基とを有する化合物を反応させれば、アミンやチオールを含む化合物を固定できるSAMを構築することも可能となる。





そして、以上のようなSAMを得た後に、フォトマスクを用いた光照射により、接着性を制御することができれば、細胞パターニングが可能となる。





さらにまた、ブロック共重合体の合成において、アミン反応性基又はチオール反応性基とアジド反応性基(アルキン)と光分解性基とを有する化合物に、アミンやチオールを含むポリマーを反応させ、その後、アジドを含むポリマーと反応させることにより、光分解性基で連結したブロック共重合体を得ることが期待できる。このようなブロック共重合体を形成することができれば、光分解性ポリマーソーム、ナノポーラス材料などへの応用を期待することが可能となる。





また、以上のように化合物(架橋剤)にアルキンを持たせてクリックケミストリーによりアジドと反応させる代わりに、化合物(架橋剤)にアジドを持たせ、クリックケミストリーによりアルキンと反応させるようにすることも有用となる。

産業上の利用分野



本発明は、光分解性架橋剤に係り、より詳しくは、2つの異なる反応性基の間に光分解性基を備えた光分解性ヘテロ二価性架橋剤に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
下記(1)で表されることを特徴とする光分解性へテロ二価性架橋剤。
【化1】




【請求項2】
下記(2)で表されることを特徴とする光分解性へテロ二価性架橋剤。
【化2】


国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
本技術について、ライセンスや共同研究等をご希望の方は、下記「問合せ先」まで直接お問い合わせください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close