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可視光を吸収する薄片状酸化チタンの製造方法 外国出願あり

国内特許コード P120007278
整理番号 04-MS-86
掲載日 2012年4月10日
出願番号 特願2004-265318
公開番号 特開2006-075794
登録番号 特許第4817219号
出願日 平成16年9月13日(2004.9.13)
公開日 平成18年3月23日(2006.3.23)
登録日 平成23年9月9日(2011.9.9)
発明者
  • 松本 太輝
  • 井伊 伸夫
  • 金子 芳郎
  • 北村 健二
出願人
  • 独立行政法人物質・材料研究機構
発明の名称 可視光を吸収する薄片状酸化チタンの製造方法 外国出願あり
発明の概要


【課題】酸化チタンに窒素をドープすることにより太陽光の主成分である可視光でも駆動
できるようになるが、従来の方法では、窒素ドープに必要な高温加熱処理過程が、酸化チ
タン本来の光触媒能を低下させてしまうため、太陽光下で高い効率で駆動できる酸化チタ
ン光触媒を得る事は困難であった。
【解決手段】薄片状チタニアに有機配位子が配位し、層状構造を形成するチタニア/有機
複合体を、アンモニア水に浸漬することによって、層間の有機配位子を配位子交換反応に
よって水酸基に置換し、同時にアンモニウムを層状構造のチタニアの層間に導入する事に
よって得られたチタニアとアンモニウムの複合体を、400℃以上、ルチル転移を伴わな
い温度領域で加熱して、アンモニウムの熱分解により窒素をチタニアにドープするととも
にアナターゼに結晶化させる。
【選択図】 図1

従来技術、競合技術の概要


光触媒は光の照射によって自身の中で電荷分離を生じ、生成した電子またはホール、あ
るいはその双方を他の物質に与える事によって、相手を酸化したり還元したりする、すな
わち、光によって様々な酸化還元反応を誘起する物質である。



近年、光触媒が環境浄化用途、防汚・防曇・殺菌用途(非特許文献1)、さらには水分
解による水素製造(非特許文献2)やグッレッツェルセル(非特許文献3)に代表される
光-電気エネルギー変換デバイスの材料としても注目されており、その高い光触媒能や製
造コストの面から、酸化チタンが最も広く一般的に使われている。



酸化チタンが光照射によって電荷分離を生じるのは、光半導体としての特性を有するた
めであり、そのバンドギャップは約3.2eVである。したがって、通常の酸化チタンはこの
バンドギャップのエネルギーに相当する380nm以下の紫外領域の光照射によってのみ励起
し、光触媒として駆動する事が可能である。



光触媒の実用的な用途を考えると、その駆動にはもっぱら太陽光が用いられる事になる
。しかしながら、従来の酸化チタン光触媒が利用可能な紫外領域の光は、地上の太陽光ス
ペクトルの3~5%にしかすぎず、高い効率での光触媒の駆動には限界があった。



したがって、酸化チタン光触媒の利用できる光の波長をより長波長側に持っていく事が
できれば、太陽光の主成分である可視光を利用できるようになり、太陽光下での高い効率
での光触媒の駆動が期待できる。



近年、可視光で駆動可能な酸化チタン光触媒として、窒素をドープした酸化チタンが報
告されている(非特許文献4、特許文献1~6)。酸化チタンの酸素原子の一部を窒素原
子に置換する事によって、酸化チタンのバンドギャップが狭くなり、紫外光に加え、より
波長の長い可視域の光によっても励起して電荷分離を生じ、光触媒能が発現する。



これまで報告されている窒素ドープ型酸化チタンは、通常の酸化チタンを、窒素あるい
はアンモニア気流中、500~800℃といった高温で数時間加熱処理する事によって得
られている。このような高温かつ窒素濃度の高い条件は、バンドギャップを変化させるの
に十分な量の窒素を酸化チタンに導入するために不可欠であった。



しかしながら、このような高温での加熱処理過程は、一般的には光触媒の活性を低下さ
せる原因となる。光触媒反応は触媒表面での反応であるため、高い活性を発現させるため
には高い比表面積が求められるが、長時間の高温加熱処理プロセスは光触媒の緻密化を引
き起こし、比表面積を劇的に低下させる。



また、酸化チタンの光触媒活性はその結晶性にも大きく左右され、一般的には準安定型
であるアナターゼ型が最も高活性であるとされているが(非特許文献5)、高温での加熱
処理過程を経る事によって、酸化チタンの最も安定な結晶型であるルチル型へと転移をす
る。




【非特許文献1】垰田博史「TiO2光触媒の高機能化と環境浄化分野への応用」、最新光触媒技術(エヌ・ティー・エス),p149-194,(2000)

【非特許文献2】工藤昭彦、表面1998, 36, 625

【非特許文献3】B. O’Regan, M. Graetzel, Nature 1991,353, 737

【非特許文献4】R. Asahi, T. Morikawa, T. Ohwaki, K. Aoki,Y. Taga, Science 2001, 293, 269

【非特許文献5】K. Kato, A. Tsuzuki, H. Taoda, Y. Torii,T. Kato, Y. Butsugani, J. Mater. Sci. 1994, 29, 5911

【特許文献1】WO01/010552号公報

【特許文献2】特開2002-255554号公報

【特許文献3】特開2002-361097号公報

【特許文献4】特開2003-190809号公報

【特許文献5】特開2003-340288号公報

【特許文献6】特開2004-97868号公報

産業上の利用分野


本発明は、可視光を吸収する光触媒用薄片状酸化チタンの製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
薄片状チタニアに有機配位子が配位し、層状構造を形成するチタニア/有機複合体を、ア
ンモニア水に浸漬することによって、層間の有機配位子を配位子交換反応によって水酸基
に置換し、同時にアンモニウムを層状構造のチタニアの層間に導入する事によって得られ
たチタニアとアンモニウムの複合体を、400℃以上、ルチル転移を伴わない温度領域で
加熱して、アンモニウムの熱分解により窒素をチタニアにドープするとともにアナターゼ
に結晶化させることを特徴とする可視光領域に光吸収を示す、窒素がドープされた光触媒
用酸化チタンの製造方法。

【請求項2】
チタニアと有機物からなる複合体は、チタンアルコキシドと有機物の混合溶液から、チタ
ンアルコキシドの加水分解と重縮合反応によって得られたものであることを特徴とする請
求項1記載の酸化チタンの製造方法。

【請求項3】
有機物がカルボン酸であり、チタニアと有機物からなる複合体が層状構造を有するチタニ
アとカルボキシラートからなる複合体であることを特徴とする請求項1記載の酸化チタン
の製造方法。

【請求項4】
室温から100℃未満のアンモニア水に浸漬することを特徴とする請求項1記載の酸化チ
タンの製造方法。
産業区分
  • その他無機化学
  • 無機化合物
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2004265318thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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