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膝関節の大腿骨及び脛骨の骨軸自動抽出方法、ならびに骨軸自動抽出プログラム コモンズ 新技術説明会 実績あり

国内特許コード P120007300
整理番号 IPU2007003
掲載日 2012年4月11日
出願番号 特願2007-183768
公開番号 特開2009-018065
登録番号 特許第5397873号
出願日 平成19年7月12日(2007.7.12)
公開日 平成21年1月29日(2009.1.29)
登録日 平成25年11月1日(2013.11.1)
発明者
  • 徳田 正幸
  • 伊藤 史人
  • 土井 章男
出願人
  • 公立大学法人岩手県立大学
発明の名称 膝関節の大腿骨及び脛骨の骨軸自動抽出方法、ならびに骨軸自動抽出プログラム コモンズ 新技術説明会 実績あり
発明の概要

【課題】大腿骨及び脛骨の骨軸について自動抽出するアルゴリズムを提供する。
【解決手段】下肢透視画像をコンピュータ上で自動解析して膝関節の大腿骨及び脛骨の骨軸を自動抽出する方法であって、下肢透視画像から生体組織の画像領域の切り出しを行うプロセスC1と、プロセスC1で切り出された透視画像から輝度反転変換した画像(吸収画像)を導出し、該吸収画像の輝度分布に基づき膝間隙ラインを抽出するプロセスC2と、プロセスC2で求めた吸収画像から骨組織を強調した画像(強調画像)に変換し、該強調画像の輝度分布と前記膝間隙ラインとに基づき骨境界点を求めるプロセスC3と、プロセスC3で求めた骨境界点と前記膝間隙ラインとに基づき骨軸解析範囲を設定し、該骨軸解析範囲の骨境界点から骨軸を導出するプロセスC4とを有し、プロセスC1からC4を順次実行することで膝関節の大腿骨及び脛骨の骨軸が自動抽出され、大腿脛骨角(FTA)が自動算出される。
【選択図】図2

従来技術、競合技術の概要


膝関節の診療は一般にレントゲン写真(X線透視画像)を基本に行われている。とくに重要な診療項目の1つとして、膝関節に関与している大腿骨と脛骨の骨軸の画像診断がある。また、これらの骨軸情報は、膝関節の治療としての全置換型人工関節手術においても重要な情報となる。



従来法は以下に述べる目視・手作業方法と対話式方法の2つの方法に分けられる。前者はレントゲン写真データで、後者はCT(computed tomography)のデジタルデータに基づく方法である。レントゲン写真は膝関節の診断では下肢の写真となり、これは3枚のレントゲン写真を縦につなげた写真である(図5の右図)。この下肢写真の正確な読み取りとデジタル化の装置はごく最近開発されたのである。一方、CTデジタルデータはレントゲン写真と同じX線による撮影であるが、撮影方式は異なり、3次元データで3次元的な情報を提供する。膝関節の診断はレントゲン写真を基本として、近年CTデータを併用して実施される場合がある。CTデータの画像処理は対話方式で行われている。従来法について概略を以下に述べる。



〔目視・手作業による骨軸抽出法〕
目視方法は医者がレントゲン写真を目視し、次の手順で骨軸の抽出を手作業で行う方法である(図1)。
A1:膝関節の間隙線を目視して膝間隙ラインの検出し、そのラインから上下に10cm~15cmの骨軸抽出範囲の設定
A2:上方の骨軸抽出範囲で大腿骨の骨領域の検出し、骨部の左右の骨境界線を抽出して、それらの境界線の中線を大腿骨の骨軸とする。
A3:下方の骨軸抽出範囲で、A2と同様な骨境界線検出を行い、その中線を脛骨の骨軸とする。これにより、大腿骨と脛骨の骨軸が抽出され、さらに診療の重要項目の大腿脛骨外側角(FTA)が容易に算出できることになる。



〔対話方式による骨軸抽出法〕
対話式方法は、医者が介在する対話方式によるCTのデジタルデータによるコンピュータ処理方法である(非特許文献1)。すなわち、コンピュータが困難な処理を医者が行い、それをもとに骨軸の抽出を行う方法である。医者が対話方法で関与する情報は、膝間隙ラインと抽出したい骨の輝度値の2つである。すなわち、上記の目視・手作業方法と比較して、与えられた膝間隙ラインから目視方法のA1ができる。A2とA3については与えられた骨の輝度値の情報をもとに、次の画像処理法で処理が可能となる。
B1:閾値法による骨領域の抽出
骨部のX線透視画像の輝度値は患者によっても撮影条件によっても異なる。よって、対話式に与えられた輝度値を必要とする。この値をもとに、同じ輝度値をもつ骨領域の抽出を行うことが出来る。
B2:エッジ検出法および輪郭連結法
B1で求められた骨領域を2値化してエッジ法で骨境界の検出を行い、輪郭連結法によって、連続した骨境界を抽出して、これらの境界線の中線から、大腿骨と脛骨の骨軸が得られることになる。



【非特許文献1】M. Fadda, D. Bertelli, S. Martelli, M. Marcacci, P. Dario, C. Paggetti, D. Caramella, D. Trippi: "Computer Assisted Planning for Total Knee Arthroplasty", Lecturer Notes In Computer Science N. 1205 Editors J. Troccaz, E. Grimson, R. Mosges "CVRMed - MRCAS 1997", Springer Verlag, London England UK, 1997, pp. 619-628.【非特許文献2】船水憲一:「これから始まる医用ディジタル画像の世界」 日本放射線技師会出版(2005)【非特許文献3】伊藤史人,土井章男,羽石秀昭,鈴木昌彦,徳田正幸,“TKA術前計画支援システムの開発”,電子情報通信学会技術研究報告(医用画像研究会),Vol. 106, No. 509, pp. 129-132, 2007/1/26.3)

産業上の利用分野


本発明は、TKA(Total Knee Arthroplasty)術前計画および変形性膝関節症などの診断において、下肢透視画像をコンピュータ上で自動解析して膝関節の大腿骨及び脛骨の骨軸を自動抽出する技術に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
下肢透視画像をコンピュータ上で自動解析して膝関節の大腿骨及び脛骨の骨軸を自動抽出する方法であって、
(a)下肢透視画像から生体組織の画像領域の切り出しを行うプロセスと、
(b)プロセス(a)で切り出された透視画像から輝度反転変換した画像(以下、吸収画像と称する)を導出し、該吸収画像の輝度分布に基づき膝間隙ラインを抽出するプロセスと、
(c)プロセス(b)で求めた吸収画像から骨組織を強調した画像(以下、強調画像と称する)に変換し、該強調画像の輝度分布と前記膝間隙ラインとに基づき骨境界点を求めるプロセスと、
(d)プロセス(c)で求めた骨境界点と前記膝間隙ラインとに基づき骨軸解析範囲を設定し、該骨軸解析範囲の骨境界点から骨軸を導出するプロセスと、
を有し、プロセス(a)から(d)を順次実行することで膝関節の大腿骨及び脛骨の骨軸が自動抽出され、大腿脛骨外側角が自動算出されることを特徴とする骨軸自動抽出方法。
【請求項2】
プロセス(a)において、下肢透視画像の幅方向をi軸、高さ方向をj軸として、i軸方向及びj軸方向の輝度分布特性と左肢か右肢かの肢情報とを用いて、前記下肢透視画像から生体組織画像以外のノイズ情報を除去した最小領域の切り出しを行うことを特徴とする請求項1に記載の骨軸自動抽出方法。
【請求項3】
請求項2に記載の切り出しにおいてi軸方向の画像切り出し手順は、
(1)各i軸座標でj軸方向に輝度分布の平均輝度値IavbM(i)を求める。
(2)IavbM(i)分布においてi軸の両端から輝度値がある輝度値以上に変化したi軸座標をそれぞれIRngA1とIRngA2とし、これらの点から幅(IRngA2-IRngA1)/δ(δ:予め設定された定数)の長さだけ内側にシフトした内部点として、IRngB1とIRngB2とを求める。
(3)区間(IRngB1, IRngB2)における最小輝度値のi軸座標点IMinItiを求める。
(4)左肢の場合、区間(IRngB1,IMinIti)における最大輝度値の峰点をILine1とし、区間(IMinIti,IRngB2)におけるIMinItiにより近い峰点をILine2とし、ILine1とILine2とをi軸座標の切り出し点とする。右肢の場合、区間(IMinIti,IRngB2)における最大輝度値の峰点をILine2とし、区間(IRngB1,IMinIti)におけるIMinItiにより近い峰点をILine1とし、ILine1とILine2とをi軸座標の切り出し点とする。
ことを特徴とする請求項2に記載の骨軸自動抽出方法。
【請求項4】
請求項2に記載の切り出しにおいてj軸方向の画像切り出し手順は、
(1)各j軸座標でi軸方向に輝度分布の平均輝度値Javb[j]を求める。
(2)Javb[j]分布においてj軸の両端から輝度値が予め決められた設定値以上に変化した座標をそれぞれJLine1とJLine2とし、これらの座標をj軸方向の切り出し点とする。
ことを特徴とする請求項2に記載の骨軸自動抽出方法。
【請求項5】
請求項4に記載のj軸方向の画像切り出し手順において、切り出し区間(JLine1,JLine2)で、Javb[j]の分布をj軸方向に平滑化した分布JavbM[j]を求め、変動分布JavbD[j]=Javb[j]-JavbM[j]を用いてレントゲン写真の継ぎ目線(以下、ラインノイズと称する)の区間を特定し、該ラインノイズ区間の輝度分布を区間外の輝度分布から線形補間して補正することによりラインノイズを消去することを特徴とする請求項4に記載の骨軸自動抽出方法。
【請求項6】
プロセス(b)において、画像の幅方向をi軸、高さ方向をj軸として、
(1)プロセス(a)で切り出された透視画像IBrt0(j,i)を輝度反転変換した吸収画像の輝度分布IBrt1(j,i)を式(1)により求める。
ここでIBmaxとIBminはそれぞれ透視画像の最大輝度値と最小輝度値とする。
(2)吸収画像の輝度分布IBrt1(j,i)を用いて式(2)により輝度差分分布DBrt(j)を求める。
(3)DBrt(j)のピークのj軸座標を膝間隙ラインとして抽出する。
ことを特徴とする請求項1に記載の骨軸自動抽出方法。
【請求項7】
請求項6に記載の膝間隙ラインの抽出において、前処理としてj軸方向にダイナミックレンジ圧縮(以下、DR圧縮と称する)して輝度変動量を増幅させた輝度分布を導出すること、およびDR圧縮のフィルター処理は、
(1)j軸方向のみにβピクセル(β:予め設定された定数)の移動平均による平滑化を行い、ボケ画像Boke(j,i)を作成する。
(2)ボケ画像Boke(j,i) と吸収画像IBrt1(j,i)とを利用して式(3)による輝度変動画像IBrt2(j,i)を作成する。
(3)プロセス(a)で切り出された透視画像の輝度範囲が(IBmin,IBmax)になるようにIBrt2(j,i)を線形補間し、γピクセル(γ:予め設定された定数)のスケールの移動平均による平滑化を行い、j軸方向の圧縮画像を得る。
ことを特徴とする請求項6に記載の骨軸自動抽出方法。
【請求項8】
プロセス(c)において、
(1)
プロセス(b)で求めた吸収画像からダイナミックレンジ圧縮画像処理を用いて骨組織の輝度レベルを強調する強調画像を導出する。
(2)
該強調画像の幅方向をi軸、高さ方向をj軸として、i軸方向の輝度分布に対して予め設定された輝度レベル以上の輝度を持つ分布の塊(以下、島と称する)を検出する。
(3)
前記(2)で検出した島が2個の場合、該2島を選択する。前記(2)で検出した島が3個以上の場合、前記膝間隙ラインに基づき大腿骨か脛骨かを判断し、
(3-1)
大腿骨の場合、島の高さの高い方から2島を選択する。
(3-2)
左肢の脛骨の場合、左側にある2島を優先的に選択する。
(3-3)
右肢の脛骨の場合、右側にある2島を優先的に選択する。
(4)
前記(3)で選択した2島からエッジ画像を利用して島の輝度値がピークとなる位置を求め、該位置を骨境界点として抽出する。
ことを特徴とする請求項1に記載の骨軸自動抽出方法。
【請求項9】
請求項8に記載した強調画像の導出は、
(1)j軸およびi軸の両方向にβピクセル(β:予め設定された定数)の移動平均による平滑化を行い、ボケ画像Boke(j,i)を作成する。
(2)ボケ画像Boke(j,i)と吸収画像IBrt1(j,i)とを利用して式(3)により圧縮画像IBrt2(j,i)を作成する。
(3)圧縮画像IBrt2(j,i)から、式(4)~式(6)に示す強調係数fact(j,i)を導入し、強調画像IBrt3(j,i)を作成する。ここで平均的輝度レベルIBrtLVL(j)はボケ画像Boke(j,i)において、各j軸座標に対して、i軸方向の全区間の輝度分布についてその平均値をMean、その標準偏差値をStd、αを予め設定した定数で求める。
fact(j,i)=Boke(j,i)/IBrtLVL(j) ・・・式(4)
IBrt3(j,i)= fact(j,i)*IBrt2(j,i) ・・・式(5)
IBrtLVL(j)=Mean+α×Std ・・・式(6)
ことを特徴とする請求項8に記載の骨軸自動抽出方法。
【請求項10】
請求項8に記載の骨境界点の抽出において、前記強調画像にメキシカンハットフィルターを適用してエッジ画像を導出し、該エッジ画像を利用して前記強調画像の輝度分布を基に骨境界点を求めることを特徴とする請求項8に記載の骨軸自動抽出方法。
【請求項11】
請求項8に記載の骨境界点の抽出において、骨境界点から高さ方向のj軸方向に回帰直線近似法を用いて、骨境界点に混在するノイズの検出と補正を行うことを特徴とする請求項8に記載の骨軸自動抽出方法。
【請求項12】
プロセス(d)における骨軸解析範囲の設定手順は、
(1)
骨境界点を求める強調画像IBrt3(j,i)の高さ方向のj軸座標範囲(1~Jmask1)を決める。(Jmask1:膝間隙からの距離が8cmのj軸座標)
(2)
仮の解析範囲(膝間隙ラインから10cm~15cmの範囲(J15~J10))で左右の骨境界点とその中点から回帰直線法で、仮の左右の骨境界線と中線を求める。
(3)
中線と膝間隙ラインとの交点Cとする。中線上にBC=10cmとなるB点、AC=15cmとなるA点を求める。
(4)
A点とB点で中線と直交する直線を求め、上記(2)で得られた仮の左右の骨境界線との交点(A1,A2,B1,B2)を計算し、右骨境界線に対して範囲(A2~B2)、左骨境界線に対して範囲(A1~B1)を骨境界線の解析範囲とする。
ことを特徴とする請求項1に記載の骨軸自動抽出方法。
【請求項13】
プロセス(d)における骨軸の導出手順は、前記骨軸解析範囲の骨境界点から、回帰直線法を用いて左右の骨境界線を導出し、この左右の骨境界線から等距離にある直線を骨軸の直線として導出することを特徴とする請求項1に記載の骨軸自動抽出方法。
【請求項14】
請求項1乃至請求項13のいずれかに記載の骨軸自動抽出方法をコンピュータに実行させることを特徴とする骨軸自動抽出プログラム。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録


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