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双ロール式縦型鋳造装置及び複合材料シート製造方法 実績あり

国内特許コード P120007307
整理番号 2006-6
掲載日 2012年4月11日
出願番号 特願2006-278929
公開番号 特開2008-093708
登録番号 特許第4873626号
出願日 平成18年10月12日(2006.10.12)
公開日 平成20年4月24日(2008.4.24)
登録日 平成23年12月2日(2011.12.2)
発明者
  • 松本 英俊
  • 日野 啓吾
  • 羽賀 俊雄
出願人
  • 学校法人常翔学園
発明の名称 双ロール式縦型鋳造装置及び複合材料シート製造方法 実績あり
発明の概要

【課題】溶湯液面の状態に左右されずに厚みと品質の安定した複合材料シートを安定して高速度で製造する装置及び製造方法を提供する。
【解決手段】間隔を空けて対向した2つの水冷回転ロール12、14上に溶湯16を受けるための堰20を設け、水冷回転ロール12、14の回転軸12A、14Aと平行な2つの板状の主堰22、24の下端が水冷回転ロール12、14の表面と接触又は2mm以下の隙間を形成し、主堰22、24の端をつなぐ横堰42、44の側面が水冷回転ロール12、14の表面と接触又は2mm以下の隙間を形成している双ロール式縦型鋳造装置。この装置でセラミック粒子を金属中に分散した金属基複合材の圧延シートを製造する。本発明は半凝固状態の材料を主堰とロールの円弧周面とで囲まれた領域内に注入し急速冷却により短時間で凝固を完了させることにより高速で連続的に品質の安定したシートを製造することができる。
【選択図】図2

従来技術、競合技術の概要


対向した一対の回転ロール間の隙間に溶融金属を通過させて直接シートを得る、双ロールキャスト法に関しては過去多数の提案が出願されている。



特許文献1のシート製造装置は、シートを横から引き出す構造であるが、シートにかかる重力により上ロールの冷却速度が下ロールの冷却速度よりも遅くなるため、表面品質が表裏で異なり、板厚も安定しないという問題があった。また、ロールの冷却速度が遅いため、ロールの周速を上げることは困難で生産性が低いという問題もあった。



一方、特許文献2のように、一対の冷却ロールの間に溶湯を供給し、一対の冷却ロールの間から下方にシートを引き出す構造のものも知られている。しかしながら、特許文献2の製造装置は、一対の冷却ロールの間に供給された溶湯量の変動、すなわち溶湯液面の変動が溶湯と冷却ロールとの接触面積(凝固距離)に直接影響するため、溶湯液面を絶えず微妙にコントロールしなければならず、そのコントロールが少しでも狂えばシート外観品質とシート厚が変動するという欠点があった。



特許文献1、2によれば非特許文献1の如く、冷却ロールを通過する際に冷却ロールにトン単位の大きな荷重を加えて圧延のような手法でシートを得ているため、冷却ロールの機械的強度が必要となることから冷却ロールの肉厚が厚くなり、冷却効率が低下するという欠点があった。すなわち、特許文献2の製造装置では、溶湯と冷却ロールとの接触面積が溶湯量により変動し、ロールキャストで得られるシート厚さやシートの凝固組織を一定に制御するのが困難であるという問題点がある。特許文献2で、溶湯量の変動にかかわらずシート厚さ等を一定に制御するためには、ロールの周速を下げる方法があるが、根本的な解決策ではなく、かえって冷却効率が低下するという新たな問題も発生する。



さらに、特許文献2の製造装置では、溶湯とロールとの界面が大気に露出しているためシートにとって不純物となる酸化物等が発生、混入しやすいという、別の問題点もある。



また、冷却効率が悪いが故に、冷却ロールに未固化の溶湯が固着するおそれがあることから、その固着防止のために黒鉛粉末等の離型剤を、溶湯とロールとの境界に塗ることになる。いずれも冷却ロールの冷却能力を低下させることとなり、更に冷却ロール周速を下げざるを得なくなる。



一方で金属とセラミックス粒子とを含む複合材料は、展性に乏しく、また硬いため、スラブからの圧延によりシートを製造するのは困難である。



特許文献3では、金属と無機化合物の混合粉末を加熱ロール間に供給して複合材料のシートとする製法が記載されているが、混合粉末の調整の仕方によっては、充分な均質性が得られないおそれがある。また、引用文献3の製法は、溶融金属を冷却ロールによって冷却しながらシートを製造する製法とは全く異なる。



特許文献4には、アルミニウム基複合材料をインゴットに造塊後、圧延してシート化する方法が提案されている。この方法であると均質性は向上するが、造塊工程の分だけ製造が煩雑となり、製造原価の上昇につながるという問題点がある。よって、特許文献3、4のいずれにおいても、溶融した複合材料から直接シートを製造する製法については提案されていない。



また、特許文献5には、金属とセラミックス粒子とを含む複合材料のシート化方法として、双ベルト法、ベルト車輪法、双ロール鋳造法および横型鋳造法が挙げられているが、単に方法名が挙げられているのみで、各方法の具体的な内容については何ら記載されていない。

【特許文献1】特開平8-10909号公報

【特許文献2】特開平6-154958号公報

【特許文献3】特開2000-313904号公報

【特許文献4】特開平10-183270号公報

【特許文献5】特開2003-234445号公報

【非特許文献1】”Mechanical properties and microstructure of twin roll cast Al-7Si/SiCp MMCs” Materials Science and Technology Vol.11 p741

産業上の利用分野


本発明は、双ロール式縦型鋳造装置及び当該装置を使用して金属とセラミックス粒子とを含む複合材料のシートを製造する方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
鋼及びNi基合金を除く材料をシートに製造する双ロール式縦型鋳造装置であって、
所定の間隔をもって対向配置された、溶湯に接触する部分の厚みが10mm以下の軟鋼製の一対の水冷回転ロールと、前記一対の水冷回転ロール上に溶融状態の前記材料の前記溶湯を受けるために配置された堰とを有し、前記堰は、前記一対の水冷回転ロールの回転軸と平行な一対の板状の主堰と、前記一対の水冷回転ロールの回転軸と直交方向に配置されるとともに前記一対の主堰の両端面に接続される一対の横堰とからなり、
前記一対の一方の主堰の下端が前記一対の水冷回転ロールの一方の水冷回転ロールの表面と接触又は2mm以下の隙間を形成し、前記一対の他方の主堰の下端が前記一対の水冷回転ロールの他方の水冷回転ロールの表面と接触又は2mm以下の隙間を形成し、前記一対の横堰の側面が前記水冷回転ロールの端面に接触又は2mm以下の隙間を形成し、
前記一対の主堰、及び一対の横堰は、前記一対の水冷回転ロールの上方に延設されていることを特徴とする双ロール式縦型鋳造装置。

【請求項2】
前記材料がアルミニウムシリコン合金、又はアルミニウムシリコン合金と炭化ケイ素粉末とを混合した複合材である請求項1に記載の双ロール式縦型鋳造装置。

【請求項3】
前記水冷回転ロールは、周速が10m/min以上とし、かつ、前記水冷回転ロールの材料は熱伝導率が15W/m・K以上である請求項1、又は2に記載の双ロール式縦型鋳造装置。

【請求項4】
前記堰の前記水冷回転ロールとの接触・隙間部分近傍は、シリカファイバクロスが貼り付けられるとともに、窒化ホウ素やグラファイトスプレーが吹き付けられて構成される請求項3に記載の双ロール式縦型鋳造装置。

【請求項5】
前記堰に断熱材が配置されている請求項3に記載の双ロール式縦型鋳造装置。

【請求項6】
請求項1~5のいずれかに記載の双ロール式縦型鋳造装置を用い、前記一対の主堰と前記一対の横堰とで囲まれた空間に、前記溶湯が注入され、前記一対の水冷回転ロールの間から直接かつ連続的に複合材料シートが採取されることを特徴とする複合材料シート製造方法。

【請求項7】
前記堰内の溶湯温度を、前記材料の液相線温度より20℃低い温度から30℃高い温度に設定する請求項6に記載の複合材料シート製造方法。

【請求項8】
前記採取された前記複合材料シートをさらに冷間圧延する請求項6に記載の複合材料シート製造方法。

【請求項9】
前記冷間圧延の条件として、圧延前の板厚から圧延後の板厚を減算した値を圧延前の板厚で除算し、その値に100を乗算して求められた値である圧下率が1パス当たり3~10%である請求項8に記載の複合材料シート製造方法。

【請求項10】
前記冷間圧延の前に、熱間圧延する請求項8又は9に記載の複合材料シート製造方法。

【請求項11】
前記熱間圧延の予熱温度が前記金属の液相線温度の65~85%であり、1パス当りの前記圧下率が10~20%である請求項10に記載の複合材料シート製造方法。
産業区分
  • 鋳造
  • 加工
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2006278929thum.jpg
出願権利状態 権利存続中


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