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無電解ニッケルめっき廃液の処理方法 コモンズ

国内特許コード P120007322
掲載日 2012年4月16日
出願番号 特願2010-230410
公開番号 特開2011-104584
登録番号 特許第5774290号
出願日 平成22年10月13日(2010.10.13)
公開日 平成23年6月2日(2011.6.2)
登録日 平成27年7月10日(2015.7.10)
優先権データ
  • 特願2009-240802 (2009.10.19) JP
発明者
  • 岡 徹雄
  • 田中 克昌
  • 木村 貴史
  • 辻村 盛夫
  • 寺澤 俊久
出願人
  • 国立大学法人 新潟大学
  • 愛知技研株式会社
  • 株式会社イムラ材料開発研究所
発明の名称 無電解ニッケルめっき廃液の処理方法 コモンズ
発明の概要 【課題】廃棄物が少なく、環境負荷が小さく、大掛かりな装置とスペースを必要とせず、短時間、低コストかつ簡便な操作で、無電解ニッケルめっき廃液から硫酸ニッケル及びこれを含む再生液を回収して再利用することのできる、無電解ニッケルめっき廃液の処理方法を提供する。
【解決手段】無電解ニッケルめっき廃液から亜リン酸ニッケルを沈殿として取り出し、この亜リン酸ニッケルを硫酸で処理して硫酸ニッケルとして晶出させ、この硫酸ニッケルを磁気分離によって回収する。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


電子部品などの表面処理に用いられる無電解ニッケルめっき液は、ニッケル供給源としての硫酸ニッケル、還元剤としての次亜リン酸ナトリウムを含み、これに錯化剤を加えて構成される。次亜リン酸ナトリウムは、めっき処理中に酸化されて亜リン酸ナトリウムとなり、同時にニッケルが皮膜として析出して消費されるため、随時、ニッケル供給源としての硫酸ニッケル、還元剤としての次亜リン酸ナトリウム、及びpH調整剤がめっき液に補充される。



ところが、めっき工程が繰り返されるにしたがって、亜リン酸イオン、硫酸イオン、ナトリウムイオン、被めっき物から溶出する金属イオンがめっき液中に蓄積される。とくに亜リン酸イオンは次亜リン酸イオンの酸化によって生じる副産物であって、いわば老廃物となって液中に濃化してくる。このため、これらの副二次的生成物によってめっき皮膜の品質が維持できなくなり、ある程度使用されためっき液は廃液となる。



しかし、このめっき廃液の中には、ニッケルイオンが多く高濃度に残存する。これを回収して再利用することができれば、めっきコストの低減と、廃液処理に要する環境負荷の低減が望める。そこで、めっき廃液の再利用方法の開発が期待されている。



無電解ニッケルめっき廃液の再生、再利用方法に関して、例えば、2-ヒドロキシ-5-ノニルアセトフェノンオキシムなどのニッケル抽出物を用いて、廃液から無電解ニッケル補充液を調製することが開示されている(特許文献1)。しかし、この方法を工業規模の連続抽出装置や多段抽出装置などに適用した場合、ニッケルの抽出速度が遅いために、ニッケルを効率よく回収できないという問題があった。



また、β-ヒドロキシオキシム系抽出剤及び酸性有機リン化合物を含有する有機溶媒を、ニッケル含有水溶液と接触させ、ニッケルを有機溶媒中に抽出することで、ニッケル含有水溶液からニッケルを効率よく抽出し回収することが開示されている(特許文献2)。しかし、この方法では、有機溶媒の使用と廃棄に大きなコストと環境負荷がかかるという問題があった。



また、ニッケルイオンをキレート樹脂に反応させて吸着沈殿とし、後にニッケルを酸で溶解して回収する方法が開示されている(特許文献3)。しかし、この方法では、反応に反応凝集水槽を用いており、沈殿物の回収に大型の水槽が必要であって、沈降分離にかかる時聞が長いことから、工程に時間とコストがかかるという問題があった。



また、消石灰などを添加することによって廃液をアルカリ性にし、さらに微生物処理を通じて処理する方法が開示されている(特許文献4)。しかし、この方法では、微生物処理に6時間かかる上、ろ過に時間とコストがかかることに加え、再利用できない廃棄物となる消石灰などの処理薬品を必要とするという問題があった。



また、めっき廃液にパラジウムなどの析出促進剤を添加して金属ニッケルの沈殿を作り、これをフィルタープレスで濾し取って固形化する方法が開示されている(特許文献5)。しかし、この方法では、析出する沈殿の性質は良好だが、フィルタープレスなどの沈殿物の固形化工程に大きな設備費とスペースが必要となるという問題があった。



また、銅電極による電解によって、めっき液中のニッケルを電極表面に直接析出させる方法が開示されている(特許文献6)。しかし、この方法では、ニッケルの回収効果が大きいと考えられるが、ニッケルの析出に大電力を要し、設備が大規模となってコスト高になるという問題があった。



また、めっき液にトリアジンチオールナトリウムを添加し、生成するトリアジンチオールニッケルのもつ磁性を利用して、磁気によって分離回収する方法が開示されている(特許文献7)。しかし、この方法では、トリアジンチオールニッケルの磁性が弱く、強磁場を印加する必要があるため、設備が大掛かりになり、また、トリアジンチオールニッケルを再利用するためには後処理などが必要となることから、作業が煩雑化するという問題があった。



また、亜リン酸を含有するニッケル含有水溶液の水素イオン濃度を調整することで亜リン酸ニッケルを析出させる工程と、この工程で析出した亜リン酸ニッケルを磁場に吸着させる分離工程を備える一方、亜リン酸ニッケルを吸着する磁場の強度を3T以上とする方法が開示されている(特許文献8)。しかし、この方法では、亜リン酸ニッケルの磁性が弱く、分離工程において磁性粉末を添加する必要があることから、コスト高になるというが問題があった。



さらに、無電解ニッケルめっき液の老化液中に残存するニッケルを亜リン酸ニッケルとして析出させ、この亜リン酸ニッケルを硫酸に反応させて硫酸ニッケルとして析出させて回収する方法が開示されている(特許文献9)。しかし、この方法では、硫酸ニッケルの結晶化に時間がかかりすぎる、析出した硫酸ニッケルの結晶が微細なため再溶解しやすい、硫酸ニッケルが強酸であるためフィルターでの濾過は難しい、亜リン酸が析出しやすいため高濃度の硫酸ニッケルの回収は難しい、などの問題があり、この方法の実施は困難であった。

産業上の利用分野


本発明は、無電解ニッケルめっき廃液の処理方法に関し、特に、無電解ニッケルめっき廃液の再生、再利用方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
無電解ニッケルめっき廃液から亜リン酸ニッケルを沈殿として取り出し、この亜リン酸ニッケルを硫酸で処理して硫酸ニッケルとして晶出させ、亜リン酸ニッケルと硫酸ニッケルの磁性の相違を利用してこの硫酸ニッケルの結晶を亜リン酸ニッケルから磁気分離して回収することを特徴とする無電解ニッケルめっき廃液の処理方法。

【請求項2】
磁場発生機の磁極を配管水槽に近接させて配置し、この配管水槽の内部を流れる硫酸ニッケルの結晶を含む水溶液又はスラリーに前記磁極から発生する磁場を印加することによって硫酸ニッケルの結晶を前記磁極の近傍に吸着させることを特徴とする請求項1記載の無電解ニッケルめっき廃液の処理方法。

【請求項3】
前記磁場発生機として、永久磁石、超伝導バルク磁石、電磁石、超伝導ソレノイド磁石のいずれかを用いることを特徴とする請求項2記載の無電解ニッケルめっき廃液の処理方法。

【請求項4】
前記磁場発生機を前記配管水槽の両側に配置することを特徴とする請求項2又は3記載の無電解ニッケルめっき廃液の処理方法。

【請求項5】
前記磁場発生機の両極を各々異極あるいは同極に着磁して対向配置することを特徴とする請求項4記載の無電解ニッケルめっき廃液の処理方法。

【請求項6】
前記磁極から発生する磁場の及ばない範囲まで前記配管水槽を前記磁極の中心軸と並行又は垂直な方向に移動させて、前記磁極の近傍に吸着された硫酸ニッケルの結晶を回収することを特徴とする請求項2~5のいずれか1項記載の無電解ニッケルめっき廃液の処理方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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