TOP > 国内特許検索 > 微細流路のバルブ構造、これを備えるマイクロデバイス、マイクロセンサ及びマイクロリアクター及び微細流路の送液制御方法

微細流路のバルブ構造、これを備えるマイクロデバイス、マイクロセンサ及びマイクロリアクター及び微細流路の送液制御方法 コモンズ 新技術説明会

国内特許コード P120007341
掲載日 2012年4月20日
出願番号 特願2011-227516
公開番号 特開2013-088211
登録番号 特許第5879611号
出願日 平成23年10月16日(2011.10.16)
公開日 平成25年5月13日(2013.5.13)
登録日 平成28年2月12日(2016.2.12)
発明者
  • 浮田 芳昭
  • 高村 禅
出願人
  • 国立大学法人山梨大学
発明の名称 微細流路のバルブ構造、これを備えるマイクロデバイス、マイクロセンサ及びマイクロリアクター及び微細流路の送液制御方法 コモンズ 新技術説明会
発明の概要 【課題】液体や流路内壁の物性の影響をほとんど受けず、安価且つ簡便な制御機構で動作可能な微細流路のバルブ構造等を提供する。
【解決手段】下流側容器に気体排出口を設けると共に、上流側容器のうち気体導入口を設けたものを第1上流側容器、気体導入口を設けないものを第2上流側容器とし、第1上流側容器と下流側容器を繋ぐ流路を第1流路、第1上流側容器と第2上流側容器又は前記第1流路と第2上流側容器とを繋ぐ流路を第2流路とした。第1上流側容器から前記第1流路を介して下流側容器への送液を開始した時点では、当該第1上流側容器内の液体によって第2流路の一部が封鎖されており、送液中の所定の時点又は送液が終了した時点で当該封鎖が解除されることで、第2上流側容器からの送液が自動的に開始される。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


近年、試料分析の各工程の手間を省き、作業時間を短縮するための技術として、マイクロ統合分析システム(Micro Total Analysis System:μTAS)あるいはラボチップ(Lab-on-a-chip)と呼ばれる数センチないし数ミリ程度の超小型の生化学分析デバイス(マイクロデバイス)が登場してきた。
マイクロデバイスはこれまで人手で行っていた各オペレーションやオペレーション間の試料の移動など、分析に関わる一連の工程を1つの基板上で再現するものであり、従来と比較して試料や試薬の必要量が少ない、反応時間が短い、廃棄物が少ないなどのメリットがあり、医療診断、環境や食品のオンサイト分析、医薬品や化学品の生産等、広い分野での利用が期待されている。



通常、マイクロデバイスは、一つの基板上にリアクタやリザーバー等の各種容器及びこれらを繋ぐ微細流路、微細流路を通る液体の流れを制御するためのバルブ等が形成されており、液体の混合、加熱、冷却などによる反応制御や、分光学的あるいは電気的作用を応用した検出作業を可能としている。
マイクロデバイスで用いる液体としては、たとえば血液・蛋白・遺伝子などを含む溶液、微生物・動植物細胞などの固体成分を含む溶液、各種化学物質を含む環境水、土壌抽出水など、さらにはそれらの分析に使用する各種の試薬、バッファ液、洗浄水などが挙げられる。以下、本明細書中ではこれらマイクロデバイスで用いる各種液体をまとめて単に「液体」と表記する。



マイクロデバイスでは複数の容器内の液体の流れを制御する、いわゆる送液制御のためのバルブ構造の開発が望まれている。
例えば、非特許文献1には、コンパクトディスク(CD)からなる基板上に作成した複数の容器それぞれの出口にくびれを作り、各くびれで液体を表面張力により保持することでバルブとしての機能を持たせた構造が開示されている。
本構造では、くびれで保持した溶液に対して加える圧力を、容器の形状及び位置、CDの回転数、くびれのサイズ及び表面物性等で適宜調節することで、容器から液体が流出するタイミングを制御する仕組みになっている。



また、非特許文献2には、容器の出口や流路に、酸化鉄のナノ粒子を混ぜた樹脂(ワックス)を詰めて閉鎖する構造が開示されている。
本構造では、CDの回転を止めた上で、所望位置のワックスにレーザを照射して酸化鉄を発熱させることでワックスを溶かし、再度CDを回転させて遠心力を加えることによって液体を流出させる仕組みになっている。



また、非特許文献3には、遠心力、毛間力、表面張力及びサイフォンの原理を併用する方法が開示されている。すなわち、容器の流出口から出た微細流路が一旦CDの回転中心側に屈曲した後、再び径方向外側に屈曲して他の容器に至る構造になっている。
本構造では、まずCDを高速回転させると、流路内の液体には遠心力により径方向外側に向かう力が作用するが、微細流路が回転中心側に屈曲しているため、液体は当該屈曲箇所に留まる。次に、CDの回転数を低くすると、屈曲箇所の液体に作用する遠心力が小さくなるため、液路内壁と液体との濡れ性を良好なものにしておくことにより、液体は毛管力により回転中心側に流れ出す。そして、CDの回転数を再度上昇させると、液体は再び他の容器に向かって流れ出し、その後はサイフォンの原理により容器内の液体が順次他の容器に移動していく仕組みになっている。

産業上の利用分野


本発明は、生体物質の分析や化学反応などに使用されるマイクロデバイス等に設けた微細流路内の液体の送液を制御するためのバルブ構造等に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
内部に液体を収容した少なくとも2つの上流側容器と、当該上流側容器内の液体を受容するための下流側容器と、上流側容器と下流側容器とを繋ぐ流路とが基板上に設けられ、前記上流側容器内の液体に外力を作用させることで、前記流路を通して前記下流側容器に液体が送られるように構成した微細流路のバルブ構造において、
前記下流側容器に気体排出口を設けると共に、前記上流側容器のうち気体導入口を設けたものを第1上流側容器、気体導入口を設けないものを第2上流側容器とし、
前記第1上流側容器と前記下流側容器を繋ぐ流路を第1流路、前記第1上流側容器又は前記第1流路と前記第2上流側容器の上流側とを繋ぐ流路を第2流路、前記第2上流側容器の下流側と前記下流側容器又は前記第1流路若しくは前記第2流路が接続されている場合には接続部分よりも下流側の前記第1流路とを繋ぐ流路を第3流路とし、
第1上流側容器から前記第1流路を介して下流側容器への送液を開始した時点では、当該第1上流側容器内の液体によって前記第2流路の一部が封鎖されており、送液中の所定の時点又は送液が終了した時点で当該封鎖が解除されることで、第2上流側容器からの送液が自動的に開始されることを特徴とする微細流路のバルブ構造。

【請求項2】
気体導入口を設けた第1上流側容器と、
気体導入口を設けない第2上流側容器と、
気体排出口を設けた下流側容器と、
前記第1上流側容器と前記下流側容器とを繋ぐ第1流路と、
前記第1上流側容器又は前記第1流路と前記第2上流側容器の上流側とを繋ぐ第2流路と、
前記第2上流側容器の下流側と前記下流側容器又は前記第1流路若しくは前記第2流路が接続されている場合には接続部分よりも下流側の前記第1流路とを繋ぐ第3流路と、
を備えたことを特徴とする微細流路のバルブ構造。

【請求項3】
前記気体導入口及び前記気体排出口それぞれ前記第1上流側容器及び前記下流側容器に対して前記外力の作用方向の反対方向側に設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の微細流路のバルブ構造。

【請求項4】
前記第1上流側容器を前記第2上流側容器に対して前記外力の作用方向側に配置したことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の微細流路のバルブ構造。

【請求項5】
前記第2流路が、前記第1上流側容器又は前記第1流路との接続部から前記外力の作用方向の反対方向側に屈曲した後、第2上流側容器に繋がる構造となっていることを特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載の微細流路のバルブ構造。

【請求項6】
前記下流側容器を前記上流側容器に対して前記外力の作用方向側に配置したことを特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載の微細流路のバルブ構造。

【請求項7】
前記外力が遠心力と重力のうち少なくとも一方であることを特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載の微細流路のバルブ構造。

【請求項8】
前記第2上流側容器を複数備えていることを特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載の微細流路のバルブ構造。

【請求項9】
前記複数の第2上流側容器のそれぞれが前記第1上流側容器に直接繋がる並列構造を有することを特徴とする請求項に記載の微細流路のバルブ構造。

【請求項10】
前記複数の第2上流側容器を第2‐1~第2‐n(nは1以上の自然数)番目の上流側容器とした場合に、前記第1上流側容器に第2‐1番目の上流側容器が繋がり、第2‐1番目の上流側容器に第2‐2番目の上流側容器に繋がり、以下同様に第2‐(n-1)番目の上流側容器に第2‐n番目の上流側容器が繋がる直列構造を有することを特徴とする請求項に記載の微細流路のバルブ構造。

【請求項11】
請求項に記載のバルブ構造と請求項10に記載のバルブ構造を備えることを特徴とする微細流路のバルブ構造。

【請求項12】
前記下流側容器を設けずに、前記第1上流側容器と前記気体排出口とを直接前記第1流路で繋ぐ構成として第1上流側容器から第1流路を通して送られた液体を気体排出口から外部に排出する及び/又は前記第2上流側容器と前記気体排出口とを直接流路で繋ぐ構成として第2上流側容器から流路を通して送られた液体を気体排出口から外部に排出することを特徴とする請求項1~11のいずれか一項に記載の微細流路のバルブ構造。

【請求項13】
請求項1~12のうちいずれか一つに記載された微細流路のバルブ構造を備えることを特徴とするマイクロデバイス。

【請求項14】
請求項1~12のうちのいずれか一つに記載された微細流路のバルブ構造を備えることを特徴とするマイクロセンサ。

【請求項15】
請求項1~12のうちのいずれか一つに記載された微細流路のバルブ構造を備えることを特徴とするマイクロリアクター。

【請求項16】
内部に液体を収容した少なくとも2つの上流側容器と、当該上流側容器内の液体を受容するための下流側容器と、上流側容器と下流側容器とを繋ぐ流路とが基板上に設けられ、前記上流側容器内の液体に外力を作用させることで、前記流路を通して前記下流側容器に液体が送られるように構成した微細流路の送液制御方法において、
前記下流側容器に気体排出口を設けると共に、前記上流側容器のうち気体導入口を設けたものを第1上流側容器、気体導入口を設けないものを第2上流側容器とし、
前記第1上流側容器と前記下流側容器を繋ぐ流路を第1流路、前記第1上流側容器又は前記第1流路と前記第2上流側容器の上流側とを繋ぐ流路を第2流路、前記第2上流側容器の下流側と前記下流側容器又は前記第1流路若しくは前記第2流路が接続されている場合には接続部分よりも下流側の前記第1流路とを繋ぐ流路を第3流路とし、
第1上流側容器から前記第1流路を介して下流側容器への送液を開始した時点では、当該第1上流側容器内の液体によって前記第2流路の一部が封鎖されており、送液中の所定の時点又は送液が終了した時点で当該封鎖が解除されることで、第2上流側容器からの送液が自動的に開始されることを特徴とする微細流路の送液制御方法。

【請求項17】
前記下流側容器を設けずに、前記第1上流側容器と前記気体排出口とを直接前記第1流路で繋ぐ構成として第1上流側容器から第1流路を通して送られた液体を気体排出口から外部に排出する及び/又は前記第2上流側容器と前記気体排出口とを直接流路で繋ぐ構成として第2上流側容器から流路を通して送られた液体を気体排出口から外部に排出することを特徴とする請求項16に記載の微細流路の送液制御方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2011227516thum.jpg
出願権利状態 登録
上記の特許・技術に関心のある方は、下記問合せ先にご相談下さい。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close