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重金属固定化剤及び重金属固定化方法

国内特許コード P120007349
整理番号 PG05E47JP
掲載日 2012年4月23日
出願番号 特願2005-041004
公開番号 特開2006-223569
登録番号 特許第4837291号
出願日 平成17年2月17日(2005.2.17)
公開日 平成18年8月31日(2006.8.31)
登録日 平成23年10月7日(2011.10.7)
発明者
  • 加賀谷 重浩
  • 石塚 俊章
  • 小林 紀秋
  • 佐野 寛
出願人
  • 国立大学法人富山大学
発明の名称 重金属固定化剤及び重金属固定化方法
発明の概要

【課題】重金属を含有する廃棄物又は重金属により汚染された土壌に少量を添加して混合することにより、廃棄物又は土壌からの重金属の溶出を防止することができ、重金属固定化剤に由来する有害成分の溶出も生じない重金属固定化剤及び該固定化剤を用いる重金属固定化方法を提供する。
【解決手段】ジチオカルバミン酸、ジチオカルボン酸、キサントゲン酸、ジチオリン酸又はトリチオリン酸のマンガン錯体又はマンガン塩を含有することを特徴とする重金属固定化剤、及び、重金属を含有する廃棄物若しくは廃液又は重金属により汚染された土壌に、該重金属固定化剤を混合することを特徴とする重金属固定化方法。
【選択図】なし

従来技術、競合技術の概要


ゴミ焼却炉や火力発電所などから発生する焼却灰や飛灰、産業廃棄物、廃水、汚染土などは、水銀、カドミウム、鉛、クロム、ヒ素、セレンなどの人体に有害な重金属を含んでいるために、厚生省告示により定められた処理方法、すなわち、セメント固化法、酸抽出法、キレート固化法及び溶融固化法の4種から選択された方法によって処理された後に処分される。これらの4種の処理方法の中では、容易でかつ安価なキレート固化法が多く採用されている。
キレート固化法においては、使用されるキレート化剤が重金属に配位して水に不溶なキレート化合物を形成することによって、重金属が固定化される。例えば、強力なキレート作用を有し、寒冷地などの低温下でも安定な状態で使用することができる重金属固定剤及び無害化処理方法として、ジチオカルバミン酸カリウム塩水溶液からなる重金属固定剤、及び、該重金属固定剤を重金属汚染土壌又は重金属含有灰に添加したのち混練する方法が提案されている(特許文献1)。また、土壌、EP灰、重金属スラッジなどの固体状廃棄物中の有害重金属類を確実に固定化して溶出を防止することができる重金属類の固定化方法として、ポリアミン類とエピハロヒドリンとが重縮合したポリアミンの活性水素原子と置換したジチオカルボキシ基及び/又はその塩類を置換基として有する金属捕集剤の水溶液を、土壌又は固体状廃棄物に添加し、重金属類を不溶化する方法が提案されている(特許文献2)。
しかし、近年では、ダイオキシン問題の解決、飛灰の減量化又はリサイクル化を目的として、ゴミ焼却炉の改良、開発が行われたことに伴い、高炉方式やガス化溶融炉などから発生する飛灰は、有害な重金属の含有量が従来に比して増加しており、特に溶融飛灰は結果として重金属が濃縮された二次飛灰を発生し、ジチオカルバミン酸アルカリ塩水溶液などの従来のキレート化剤を大幅に増量して使用しても、重金属を固定化できない事例が多くなっている。
また、これらの従来のキレート化剤は、一般に水溶液の状態で用いられている。しかし、水溶液状のキレート化剤は、焼却灰などと混練する設備が比較的安価で済むという利点があるものの、水溶液を大量に使用する必要がある場合、たとえ有害な重金属を固定化できたとしても、処理飛灰中に多くの水が含まれることになり、その結果、処理灰に強度がなくなり、取り扱いが困難になる。このような場合には、処理灰に強度を持たせるために、さらにセメントを使用する必要があるが、設備が複雑になるという問題がある。また、非常に多くのキレート化剤液量を必要とするために、コストが高くなるという欠点もあった。
さらに、水溶液状のキレート化剤は、液の性状が強アルカリ性である場合や、他の薬剤が混入した場合には有害ガスが発生するといった問題、漏出した場合には水質汚濁の原因になるといった問題などがあり、取り扱いにあたっては専門的な知識や十分な注意を必要とするものである。
これらの欠点を改善する方法として、降雨によって溶出することなく、少量で、飛灰との混合温度に左右されることなく重金属を強固に固定化することができる飛灰の重金属固定剤として、N,N-ジ置換ジチオカルバミン酸の亜鉛塩、鉄塩又はテルル塩からなる重金属固定剤が提案されている(特許文献3)。また、飛灰及び焼却灰の処理剤として好適に用いることができる重金属類溶出防止剤として、水に難溶性のジチオカルバミン酸塩、特に亜鉛塩、鉄塩、コバルト塩などの遷移金属塩を含む重金属溶出防止剤が提案されている(特許文献4)。しかし、本発明者らの追試によると、これらは重金属を固定化するのに長時間を必要とし、溶融飛灰のような高濃度に重金属を含有している場合には多くの添加量が必要であった。
また、重金属を固定化する処理の際には、重金属固定化剤である塩の陽イオン、すなわち、亜鉛、鉄、テルル、コバルトなどのイオンと重金属が置き換わることから、処理飛灰から重金属固定化剤に由来する亜鉛、鉄、テルル、コバルトなどが遊離し、その後アルカリによって溶出してくるといった結果も生じている。この場合は、例えば、灰の埋立場からの浸出水にこれらの金属が含まれることになるなどの問題が生ずる。
したがって、ゴミ焼却炉関係業界から、添加量が少量でも重金属などの固定化能力が高く、さらに処理後の飛灰の取扱い上の問題が生じない重金属固定化剤の開発が強く要望されている。

【特許文献1】特開平8-332475号公報

【特許文献2】特開昭64-90083号公報

【特許文献3】特開2003-154336号公報

【特許文献4】特開2003-301165号公報

産業上の利用分野


本発明は、重金属固定化剤及び重金属固定化方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、重金属を含有する廃棄物若しくは廃液又は重金属により汚染された土壌に少量を添加して混合することにより、廃棄物又は土壌からの重金属の溶出を防止することができ、重金属固定化剤に由来する有害成分の溶出も生じない重金属固定化剤及び該固定化剤を用いる重金属固定化方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
ジチオカルバミン酸、ジチオカルボン酸、キサントゲン酸、ジチオリン酸又はトリチオリン酸のマンガン錯体又はマンガン塩であって、該マンガン錯体又はマンガン塩の25℃における水に対する溶解度が5質量%以下であることを特徴とする重金属固定化剤。

【請求項2】
重金属を含有する廃棄物若しくは廃液又は重金属により汚染された土壌に、請求項1記載の重金属固定化剤を、土壌と重金属固定化剤の合計100質量部に対して、10~60質量部を添加して、温度0~100℃で混練又は該混練後0~50℃で養生することを特徴とする重金属固定化方法。
産業区分
  • その他衛生
  • 処理操作
  • 処理操作
  • その他無機化学
  • 廃棄物処理
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
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