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フェニルジアジリン付加核酸誘導体とその製造方法、フェニルジアジリン付加ヌクレオチド誘導体とその製造方法、並びにタンパク質の分析方法および調製方法

国内特許コード P120007371
整理番号 H16-18
掲載日 2012年4月23日
出願番号 特願2007-528262
登録番号 特許第4122446号
出願日 平成18年5月8日(2006.5.8)
登録日 平成20年5月16日(2008.5.16)
国際出願番号 JP2006309229
国際公開番号 WO2006120992
国際出願日 平成18年5月8日(2006.5.8)
国際公開日 平成18年11月16日(2006.11.16)
優先権データ
  • 特願2005-135819 (2005.5.9) JP
発明者
  • 畑中 保丸
  • 定金 豊
  • 兼田 真樹
出願人
  • 国立大学法人富山大学
発明の名称 フェニルジアジリン付加核酸誘導体とその製造方法、フェニルジアジリン付加ヌクレオチド誘導体とその製造方法、並びにタンパク質の分析方法および調製方法
発明の概要

【課題】光反応性の核酸誘導体またはヌクレオチド誘導体、およびこの誘導体を利用して、タンパク質の網羅的な解析方法等を提供する。
【解決手段】一般式(D)で示されるフェニルジアジリジン付加核酸誘導体およびその製造方法。
【化1】

少なくとも1つの核酸のリン酸基がチオリン酸基である核酸誘導体とフェニルジアジリジン化合物とを反応させることを含む。フェニルジアジリジン付加ヌクレオチド誘導体およびその製造方法。下記一般式(E)または(F)で示されるヌクレオチド誘導体と、一般式(E)または(F)で示される化合物中のチオール基と反応性の基を有するフェニルジアジリジン化合物とを反応させることを含む。
【化11】

上記フェニルジアジリジン付加核酸誘導体またはヌクレオチド誘導体を用いる、電気的移動度シフトアッセイによるタンパク質の分析方法。
【選択図】

従来技術、競合技術の概要


核酸は生命の基本物質であり、生命現象の多くの機能をつかさどる。単体の核酸およびその派生物は、生体内の様々な情報伝達、エネルギー伝達などを担う。また核酸の複合体、つまりDNAやRNAは生命の設計図とタンパク質生産の機能をもち、生命を支える基本的な化合物である。このように核酸とその派生物および複合体が様々な機能を発揮できるのは、それらに結合して働くタンパク質が存在するからである。(「細胞の分子生物学 第4版」Bruce Alberts著、中村桂子、松原謙一翻訳、ニュートンプレス発行(非特許文献1))



核酸およびその派生物に結合するタンパク質を解析する方法として良く用いられているのが、タンパク質のモチーフ解析である。核酸およびその派生物に結合するタンパク質の部位はある程度互いに似ており、この性質を利用しタンパク質が核酸およびその派生物に結合するか否かを予想するものである。



核酸複合体、DNAまたはRNAに結合するタンパク質の解析法として、電気的移動度シフトアッセイ(以下、EMSA)が良く用いられる。EMSAは、特定配列をもつDNAまたはRNA断片に結合するタンパク質を以下の方法で検出する。DNAまたはRNA結合タンパク質を多量に含む核抽出液などと、検出用にラベルされた特定配列を有するDNAまたはRNA断片とを混和し、一定時間清置させる間に相互の親和性で複合体を形成させる。その後、DNAまたはRNA-タンパク質複合体と結合しなかったDNAまたはRNAとを非変性条件電気泳動で分離し、適切な検出法でラベルされたDNAまたはRNAを視覚化する。このとき、一般的に複合体はDNAまたはRNAのみに比べ、電気泳動中での移動度が遅くなる。(「Molecular Cloning A Laboratory Manual 第3版」Sambrook J、Russell DW著 17-13 ~ 17-22頁 Cold Spring Harbor Laboratory Press発行(非特許文献2))



本発明者らは、これまでジアジリン誘導体を光反応基として、独自の高速光アフィニティー法の開発を行ってきた。光アフィニティー法は光反応を利用して特異的なリガンドと相手のタンパク質を非可逆的につなぎとめる技術である。ジアジリンは、他の光反応基に比べ、この非可逆的結合を有利に起こす特徴を持つ。(Y. Sadakane, Y. Hatanaka (2004) Multifunctional photoprobes for rapid protein identification. In F. Darvas, A. Guttman and G. Dorman eds., Chemical Genomics, Marcel Dekker Inc., New York. Pp199-214(非特許文献3)、Y. Hatanaka, Y. Sadakane (2002) Photoaffinity labeling in drug discovery and developments: Chemical gateway for entering proteomic frontier. Curr. Top. Med. Chem. 2, 271-288(非特許文献4)、畑中保丸 構造生物学的有機化学:光アフィニティラベルによる蛋白質機能構造のプロービング、有機合成化学会誌,56(7),581-590, 1998(非特許文献5)、M. Kaneda, Y. Sadakane, Y. Hatanaka, (2003) A Novel Approach for Affinity-Based Screening of Target Specific Ligands: Application of Photoreactive D-Glyceraldehyde-3-phosphate Dehydrogenase. Bioconjugate Chem. 14, 849-852.(非特許文献6)、M. Hashimoto, J. Yang, Y. Hatanaka, Y. Sadakane, K. Nakagomi, G. D. Holman (2002) Improvement in the properties of 3-phenyl-3-trifluoromethyldiazirine based photoreactive bis-glucose probes for GLUT4 following substitution on the phenyl ring. Chem. Pharm. Bull. 50, 1004-1006(非特許文献7)、Hatanaka, Y., Kempin, U., Park, JJ. One-step synthesis of biotinyl photoprobes from unprotected carbohydrates. J. Org. Chem. 65, 5639-5643, 2000(非特許文献8)、Hatanaka, Y., Hashimoto, H., Kanaoka, Y. A rapid and efficient method for identifying photoaffinity biotinylated sites within proteins. J. Am. Chem. Soc. 120, 453-454, 1998(非特許文献9)、特開2000-319262号公報(特許文献1))



核酸とその派生物およびその複合体を解析、分離精製する上で以下の課題が未解決である。
(1)核酸およびその派生物が結合するタンパク質を相同性のあるモチーフから解析する方法は、直接的な確認法ではなく、アミノ酸配列が未知である新規結合タンパク質を探す方法として用いることはできない。
(2)DNAまたはRNAの結合タンパク質の解析に多用されるEMSAは、非変性条件電気泳動という制約から、分離能が非常に悪く、結合タンパク質の有無を確認するのみの解析方法となる。例えば、解析系に複数の結合タンパク質が存在している場合でも、EMSAでは結合タンパク質の有無のみの情報しか得られなく、タンパク質の数を知ることができない。複数のタンパク質が高次の複合体を形成し、DNAまたはRNAに結合していることは良く知られており、その解析法としてはEMSAの限界が指摘されていた。
(3)核酸とその派生物およびその複合体に結合するタンパク質を、タンパク質混合液から分離精製する一般的な方法は未だ確立されていない。



そこで、本発明は、上記課題を解決することを目的として、光反応性の核酸誘導体またはヌクレオチド誘導体の製造法を提供し、さらに、製造した誘導体を利用して、タンパク質の網羅的な解析方法と結合タンパク質の単離方法(タンパク質の製造方法)を提供することを目的とする。

産業上の利用分野


本発明は、フェニルジアジリン付加核酸誘導体とその製造方法、およびフェニルジアジリン付加ヌクレオチド誘導体とその製造方法に関する。さらに本発明は、フェニルジアジリン付加核酸誘導体およびフェニルジアジリン付加ヌクレオチド誘導体を用いたタンパク質の分析方法および調製方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】一般式()で示される化合物である核酸誘導体とチオリン酸基のチオール基と反応性の基を有するフェニルジアジリン化合物とを反応させることを含み、
前記フェニルジアジリン化合物が一般式(C)で示される化合物であり、
フェニルジアジリン付加核酸誘導体が一般式()で示される化合物である、フェニルジアジリン付加核酸誘導体の製造方法。
【化学式3】
一般式(C)中、R5
【化学式4】
6は、ハロゲン原子であり
7は、炭素数1~6のアルキルスルホニル基であり
8は、Hであり
nは1~6の整数である。
【化学式1】
一般式()中、xおよびyは、独立に0~100の整数であり、Nは以下の一般式(B)で示される基である。
【化学式2】
一般式(B)中、R1はOH基または隣接するヌクレオチドであり、R2は水素またはOH基であり、R3はOH基または隣接するヌクレオチドであり、Bはアデニン、グアニン、シトシン、ウラシル、チミン、5-メチルシトシン、N6-メチルアデニン、5-ヒドロキシメチルシトシン、およびイノシンから成る群から選ばれる塩基であり、XはS(硫黄)またはO(酸素)である。
【化学式5】
一般式(D)中、xおよびy、並びにNは、一般式(A)における定義と同じであり、R4は、
【化学式6】
であり、nは1~6の整数である。
【請求項2】前記一般式()で示されるフェニルジアジリン化合物が、下記式(1)~()で表される化合物である請求項1に記載の方法。
【化学式7】

【請求項3】核酸誘導体および/またはフェニルジアジリン付加核酸誘導体が標識を有するものである請求項1~のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項4】標識が、ビオチン、放射性同位体、または蛍光物質である請求項に記載の製造方法。
【請求項5】一般式(D)で示されるフェニルジアジリン付加核酸誘導体。
【化学式8】
一般式(D)中、R4は、
【化学式9】
であり、nは1~6の整数であり、xおよびyは、独立に0~100の整数であり、Nは以下の一般式(B)で示される基である。
【化学式10】
一般式(B)中、R1はOH基または隣接するヌクレオチドであり、R2は水素またはOH基であり、R3はOH基または隣接するヌクレオチドであり、Bはアデニン、グアニン、シトシン、ウラシル、チミン、5-メチルシトシン、N6-メチルアデニン、5-ヒドロキシメチルシトシン、およびイノシンから成る群から選ばれる塩基であり、XはS(硫黄)またはO(酸素)である。
【請求項6】フェニルジアジリン付加核酸誘導体が標識を有する請求項に記載の誘導体。
【請求項7】標識が、ビオチン、放射性同位体、または蛍光物質である請求項に記載の誘導体。
【請求項8】下記一般式(E)または(F)で示されるヌクレオチド誘導体と、一般式(E)または(F)で示される化合物中のチオール基と反応性の基を有するフェニルジアジリン化合物とを反応させることを含み、前記フェニルジアジリン化合物が一般式(C)で示される化合物である、フェニルジアジリン付加ヌクレオチド誘導体の製造方法。
【化学式11】
一般式(E)中、Rはアデニン、グアニン、シトシン、ウラシル、チミン、5-メチルシトシン、N6-メチルアデニン、5-ヒドロキシメチルシトシン、およびイノシンから成る群から選ばれる塩基であり、nは、0、1または2であり、一般式(F)中、R1およびR2は、独立にニコチンアミドアデニンヌクレオチドおよびそのリン酸化物、並びにフラビンモノヌクレオチド、糖リン酸、糖ヌクレオチド、補酵素A、およびリン脂質から成る群から選ばれる。
【化学式12】
一般式(C)中、R5
【化学式13】
6は、ハロゲン原子であり、
7は、炭素数1~6のアルキルスルホニル基であり、
8は、Hであり、
nは1~6の整数である。
【請求項9】前記一般式(C)で示されるフェニルジアジリン化合物が、下記式(1)~()で表される化合物である請求項に記載の方法。
【化学式14】

【請求項10】請求項1~のいずれか1項に記載の方法で製造したフェニルジアジリン付加核酸誘導体、請求項5~7のいずれか1項に記載のフェニルジアジリン付加核酸誘導体、または請求項8~9のいずれか1項に記載の方法で製造したヌクレオチド誘導体と、被検体であるタンパク質とを相互作用し得る条件下で混合し、
得られた混合物に光を照射して、フェニルジアジリン付加核酸誘導体またはヌクレオチド誘導体に含まれるジアジリン基とタンパク質とを反応させて、前記フェニルジアジリン付加核酸誘導体またはヌクレオチド誘導体とタンパク質との結合体を形成し、次いで
得られた結合体を電気泳動に付すことを含む、
電気的移動度シフトアッセイによるタンパク質の分析方法。
【請求項11】電気泳動を変性条件下で行う請求項10に記載の方法。
【請求項12】請求項1~のいずれか1項に記載の方法で製造したフェニルジアジリン付加核酸誘導体、請求項5~7のいずれか1項に記載のフェニルジアジリン付加核酸誘導体、または請求項8~9のいずれか1項に記載の方法で製造したヌクレオチド誘導体と、被検体であるタンパク質とを相互作用し得る条件下で混合し、
得られた混合物に光を照射して、フェニルジアジリン付加核酸誘導体またはヌクレオチド誘導体に含まれるジアジリン基とタンパク質とを反応させて、前記フェニルジアジリン付加核酸誘導体またはヌクレオチド誘導体とタンパク質との結合体を形成し、
得られた結合体を電気泳動に付し、
前記結合体を分離し、次いで
分離した結合体をアルカリ溶液で処理して結合体を解離させ、
解離したタンパク質および/または核酸誘導体またはヌクレオチド誘導体を回収する
ことを含む、
タンパク質の調製方法。
【請求項13】前記電気泳動を変性条件下で行う請求項12に記載の方法。
産業区分
  • 有機化合物
  • 治療衛生
  • 試験、検査
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
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