TOP > 国内特許検索 > 皮膚カテプシンの分析方法、皮膚の光ストレスの判定方法およびそのためのキット

皮膚カテプシンの分析方法、皮膚の光ストレスの判定方法およびそのためのキット

国内特許コード P120007373
整理番号 H19-G18
掲載日 2012年4月23日
出願番号 特願2008-053577
公開番号 特開2009-210411
登録番号 特許第5234453号
出願日 平成20年3月4日(2008.3.4)
公開日 平成21年9月17日(2009.9.17)
登録日 平成25年4月5日(2013.4.5)
発明者
  • 山口 昌樹
  • 清水 忠道
  • 牧野 輝彦
出願人
  • 国立大学法人富山大学
発明の名称 皮膚カテプシンの分析方法、皮膚の光ストレスの判定方法およびそのためのキット
発明の概要

【課題】皮膚から採取された試料中における皮膚カテプシンを簡便・迅速に定量分析できる方法およびそのためのキットを提供する。皮膚から採取された試料から、皮膚の光ストレスのレベルを簡便・迅速に判定できる方法およびそのためのキットを提供する。
【解決手段】皮膚から採取した試料中の皮膚カテプシンを、局在プラズモン共鳴を用いたイムノクロマトグラフィによって分析する方法、皮膚から採取した試料中の皮膚カテプシンおよび総タンパク質を測定し、総タンパク質に対する皮膚カテプシンの比から皮膚の光ストレスを判定する方法、ならびに、皮膚カテプシン阻害物質もさらに測定し、総タンパク質に対する皮膚カテプシンの比、総タンパク質に対する皮膚カテプシン阻害物質の比および皮膚カテプシン阻害物質に対する皮膚カテプシンの比から皮膚の光ストレスを判定する方法、ならびにこれらの方法を行うためのキット。
【選択図】図1

従来技術、競合技術の概要


紫外線露光などの光ストレスによって、皮膚の角層が肥厚し、角層の脱落が促進することが知られている。従来、皮膚における肌水分量やメラニン量の変化から、このような皮膚の光ストレスを判定することがなされていたが、定性的な評価に過ぎず、皮膚の光ストレスを定量的に評価できるものではなかった。



近年、光ストレスによる皮膚代謝において、皮膚カテプシンが角質の生成を担う酵素として着目されている。カテプシンは、細胞内小器官のリソソームから分泌されるプロテアーゼで、その構造や機能によりおよそ18種類に分類される(下記の表1を参照)。



【表1】




カテプシンLは、分子量24kDa、最適pH5.0~6.0のシステインプロテアーゼであり、コラーゲン、アゾカゼインやヘモグロビンなどのタンパクを強力に加水分解する(たとえば、鶴大典ら、「蛋白質分解酵素I」、学会出版センター、51-55頁(非特許文献1)を参照。)。また、外傷などにより炎症を起こした皮膚や、癌細胞で増加することが知られており、細胞周期の調節因子としても働いている(たとえば、Thomas Reinheckell et al., 「The lysosomal cysteine protease cathepsin L regulates keratinocyte proliferation by control of growth factor recycling」、Journal of cell science, vol. 118(15), pp 3387-3395(非特許文献2)を参照。)。



皮膚が紫外線に暴露すると、刺激を受けた皮膚細胞中でカテプシンの分泌量が増え、それが引き金となって連鎖的にシグナルの伝達が行われ、最終的にアポトーシスに繋がると考えられている(たとえば、Cecilia A. Bivik et al., 「UVA/B-Induced Apoptosis in Human Melanocytes Involves Translocation of Cathepsins and Bcl-2 Family Members」、Journal of Investigative Dermatology、Vol. 126、1119-1127頁(2006)(非特許文献3)を参照。)。皮膚が紫外線に暴露すると、細胞の損傷を防ぐためにメラノサイトからのメラニンの分泌量が増加するが、もともとメラニン量の異なる人種間(黒人と白人)では、カテプシンL活性に差が見られるという研究報告がある(たとえば、Nannan Chen et al., 「Cathepsin L2 Levels Inversely Correlate with Skin Color, Journal of Investigative Dermatology, Vol.126, pp2345-2347(2006)(非特許文献4)を参照。)。このため、皮膚から採取された試料中における皮膚カテプシンを分析することで、皮膚の光ストレスを簡便・迅速に判定できる方法の開発が試みられている。



一般に、生体試料中に含まれる微量タンパクを分析する技術としては、酵素免疫測定(ELISA:Enzyme-Linked Immunosorbent Asssay)法が多く用いられている。この酵素免疫測定法には、大きく分けて競合法とサンドイッチ法とがあるが、いずれも広く知られており、主に感度向上を主眼とし、標識自体の感度改良に関するものを中心とした種々の改良がなされている(たとえば特開2000-180448号公報(特許文献1)、特開2005-337960号公報(特許文献2)などを参照。)。



上述した皮膚カテプシンの分析に関しては、現在のところ、分析キットの開発・販売は実現しておらず、皮膚カテプシンの遺伝子発現解析で生体試料中の有無を定性的に判定しているのが実情である。しかしながらこのような方法では、試料の前処理を行うのに何時間も必要であるだけでなく、皮膚カテプシンの定量的な評価は難しい。

【特許文献1】特開2000-180448号公報

【特許文献2】特開2005-337960号公報

【非特許文献1】鶴大典ら、「蛋白質分解酵素I」、学会出版センター、51-55頁

【非特許文献2】Thomas Reinheckell et al., 「The lysosomal cysteine protease cathepsin L regulates keratinocyte proliferation by control of growth factor recycling」、Journal of cell science, vol. 118(15), pp 3387-3395

【非特許文献3】Cecilia A. Bivik et al., 「UVA/B-Induced Apoptosis in Human Melanocytes Involves Translocation of Cathepsins and Bcl-2 Family Members」、Journal of Investigative Dermatology、Vol. 126、1119-1127頁(2006)

【非特許文献4】Nannan Chen et al., 「Cathepsin L2 Levels Inversely Correlate with Skin Color, Journal of Investigative Dermatology, Vol.126, pp2345-2347(2006)

【非特許文献5】橋本ら、「テトラブロモフェノールを用いる尿タンパク質の吸光光度定量及び目視定量」、分析化学、Vol.54、No.9、2005、783-788頁

【非特許文献6】Welss T et al., 「Hurpin is a selective inhibitor of lysosomal cathepsin L and protects keratinocytes from ultraviolet-induced apoptosis」、Biochemistry 42(24)、2003、7381-7389頁

産業上の利用分野


本発明は、皮膚カテプシンの分析方法およびそのためのキット、ならびに、皮膚の光ストレスの判定方法およびそのためのキットに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
皮膚から採取した試料中に含まれる皮膚カテプシンおよび総タンパク質を測定し、総タンパク質に対する皮膚カテプシンの比から、皮膚の光ストレスを判定する方法であって、
局在プラズモン共鳴を用いたイムノクロマトグラフィによって皮膚カテプシンを測定する、方法。

【請求項2】
皮膚カテプシンが皮膚カテプシンLである、請求項1に記載の方法。
産業区分
  • 治療衛生
  • 試験、検査
国際特許分類(IPC)
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2008053577thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
ライセンスをご希望の方、特許の内容に興味を持たれた方は、下記までご連絡ください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close