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ケカビによるエタノールの製造法 新技術説明会

国内特許コード P120007375
整理番号 PG08E17JP
掲載日 2012年4月23日
出願番号 特願2008-213586
公開番号 特開2010-046024
登録番号 特許第5317262号
出願日 平成20年8月22日(2008.8.22)
公開日 平成22年3月4日(2010.3.4)
登録日 平成25年7月19日(2013.7.19)
発明者
  • 星野 一宏
  • 高野 真希
出願人
  • 国立大学法人富山大学
発明の名称 ケカビによるエタノールの製造法 新技術説明会
発明の概要

【課題】バイオマス資源の主成分であるデンプン、セルロースおよびヘミセルロースの加水分解物からエタノールの製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】
ムコール(Mucor)属またはリゾムコール(Rhizomucor)属に属する微生物が、嫌気および好気条件下で優れたエタノール生成能を有することを見出した。本発明の微生物を用いることにより、バイオマス資源の主成分であるデンプン、セルロースおよびヘミセルロースの加水分解物から効率的にエタノールを製造することができる。
【選択図】図6

従来技術、競合技術の概要


石油資源の枯渇とともに、未利用なバイオマス資源を開拓し、その利用法を開発することが急務となってきた。特に、我が国のような貧資源国では、新規エネルギー資源の開発は国家的な課題であり、バイオマス資源の開発および有効変換法によるエタノール製造法の開発が進められている。



一般に、バイオマスからエネルギー資源であるエタノールを生産するためには、バイオマスを発酵用の糖質へ加水分解させる工程と、その発酵用糖質を微生物で発酵させる工程を経ることが古くから行われてきた。



サトウキビ、トウモロコシ、米、麦などの穀類、稲わら、麦わら、バガスなどの草本系バイオマス、木材チップ、流木、廃建材などの木質系バイオマスなどは、酸やアルカリを用いた加水分解法または酵素による加水分解法、あるいはそれら技術の併用により、発酵用糖質を効率よく得る方法が広く検討されている。



また、次の工程である発酵工程は、一般的に、嫌気条件下で酒造製造用の酒精酵母(Saccharomyces cerevisiae)を用いた発酵により行われている。具体的には、現在、ブラジル、米国などで行われている穀類を原料としたバイオエタノールの生産は、トウモロコシやサトウキビから得られたグルコースなどヘキソース(6炭糖)を主成分とする発酵糖液を原料とした発酵法により行われている。



トウモロコシやサトウキビは生産が容易で加工がしやすく豊富な糖が得られ、酵母は高濃度の糖存在下で優れた成長能力を持ち、エタノール生産収率も高い。しかし、食料を燃料に替えるという倫理上の問題がある。また、食料としての供給の減少などの重大な問題を抱えている。



このような背景から、穀類に競合しない稲わら、もみ殻などの草本系バイオマスまたは廃木材などの木質系バイオマスからエタノールを高収率で得るための技術開発が進められている。



木質系バイオマスは、キシロース、アラビノースなどのペントース(5単糖)類およびグルコース、ガラクトース、マンノースなどヘキソース(6単糖)類を構成単位とするヘミセルロースと、グルコースを構成単位とするセルロースとを含んでいる。
一方、草本系バイオマスである稲わらおよびもみ殻は、我が国の農産廃棄物の代表で、セルロース、ヘミセルロース、リグニンを含んでいる。



ヘミセルロースは、セルロースに比べて酸・アルカリによる加水分解により糖化されやすく、高収率で糖質を回収しやすい。しかし、酒精酵母やエタノール発酵細菌ザイモモナス・モビリス(Zymomonas mobilis)はペントースを資化できるものの発酵性を有しない。



そのため、キシロース発酵酵母であるキャンディダ・シェハタエ(Candida shehatae)またはピチア・スデイピチィス(Phichia stipitis)を用いた草本系バイオマス加水分解液のエタノール発酵が検討された(非特許文献1,2)。



また、キシロース代謝酵素遺伝子などを組換えた酵母またはコネリ菌(特許文献1)、アルコール発酵能を持つ遺伝子組み換え大腸菌を用いる方法(特許文献2)などにより商業ベースでの利用が行われようとしている。



しかし、これらエタノール発酵微生物を用いてペントースの代表であるキシロースからエタノール発酵を行う場合、酸素の供給条件を厳密に制御する必要がある上、副生成物としてキシリトールやグリセリンなどが生成してしまう。
また、加水分解の際に生ずる発酵阻害物質(フルフラール、5-ヒドロキシメチルフラード、酢酸など)により強く発酵が阻害されるため、エタノール発酵効率の向上や阻害物質除去法の開発が必須である。
さらに、組換え微生物を用いた場合には、高いエタノール生産性を達成できるものの、組換え菌を使用する際の安全対策として、発酵装置から菌体の流失を防ぐためのシールド対策、発酵後の殺菌対策などの付帯設備を用意する必要がある(特許文献3)。さらに、倫理的問題を解決していく必要がある。

【非特許文献1】Toivola, A., Yarrow, D., van den Bosch, E., van Dijen, J.P., andScheffers, W.A. (1984) Alcoholic Fermentation of D-xylose by Yeasts, Appliedand Environmental Microbiology, June, 1221-1223

【非特許文献2】Trans, A.V. and Chambers, R.P. (1986)Ethanol Fermentation of Red Oak Acid Prehydrolysate by the Yeast Phichia stipitis CBS 5776, Enzyme Microbiology and Technology, Vol.8, 439-444.

【特許文献1】公表2001-525682

【特許文献2】特開2006-087350

【特許文献3】特開2007-202517

産業上の利用分野


本発明は、ケカビを用いたエタノールの製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】草本系バイオマスの加水分解物にMucor Circinelloides、Mucor javanicus、及びRhizomucor Pusillusからなる菌株群より選ばれる少なくとも一種のケカビに属する糸状菌を作用させることを特徴とするエタノールの製造方法。
【請求項2】
ケカビに属する糸状菌がペントースの資化能を有するものである請求項1記載のエタノールの製造方法。

【請求項3】草本系バイオマスの加水分解物が、ペントースおよび/またはヘキソースを含むものである請求項1または2記載のエタノールの製造方法。
【請求項4】草本系バイオマスが穀類、稲わら、もみ殻、麦わらまたはバガスである請求項1~3いずれか記載のエタノールの製造方法。
産業区分
  • 微生物工業
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2008213586thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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