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金属表面への被膜生成方法

国内特許コード P120007378
整理番号 PG09Y01JP
掲載日 2012年4月23日
出願番号 特願2009-166165
公開番号 特開2011-021220
登録番号 特許第5569896号
出願日 平成21年7月14日(2009.7.14)
公開日 平成23年2月3日(2011.2.3)
登録日 平成26年7月4日(2014.7.4)
発明者
  • 波多野 雄治
  • 張 鯤
  • 孔 祥▲か▼
出願人
  • 国立大学法人富山大学
発明の名称 金属表面への被膜生成方法
発明の概要 【課題】薄い被膜にて気体透過抑制効果が高く、安価な、金属表面への被膜生成方法の提供を目的とする。
【解決手段】金属表面にゾルゲル法を用いて一次被膜を形成する工程と、金属イオンを含有する溶液中に浸漬して、当該金属イオンを一次被膜に有する孔に電解析出及び焼成処理する工程とを有することを特徴とする。
【選択図】 図1
従来技術、競合技術の概要



核融合技術、水素エネルギー技術における重大な技術課題として、水素同位体の透過漏洩及び水素脆化がある。

そのため、水素同位体(主に軽水素とトリチウム)の製造、輸送、貯蔵に使われている金属容器および配管内面に、水素同位体の透過を防止する薄膜を施すことが検討されている。

被膜を生成する方法の1つにゾルゲル法などの湿式化学法がある。

ゾルゲル法は、手順が簡単であり、安価で効果が高い。

また、配管や容器内部などの複雑な構造物にも容易に適用できプロセス温度も低温である。

しかし、ゾルゲル法では加熱により溶媒を揮発させる過程で素材が収縮するため、できあがる被膜は多孔質構造となり、水素の透過を十分防ぐことができない。





特許文献1は、ステンレス鋼製基材表面に施工した化学的緻密化被膜に対し、その表面にクロム酸ならびに焼成によって非晶質無機物質を生成する材料を主成分とする水溶液を塗布、噴霧もしくはこの水溶液中に化学的緻密化被膜を浸漬して引き上げた後、250~750℃で加熱焼成する。

このことによって、基材表面の化学的緻密化被膜中およびその表面に酸化クロム-非晶質無機材料複合材微粒子を充填、被覆した複合酸化物被膜を形成する技術を開示する。

しかし、同技術は被膜形成の過程でCrOなど、特定化学物質および劇薬に指定されている物質を使用している。

また、上記の方法では600℃において厚さ約50μmの膜を用いて約1/1000の透過抑制効果を得ているが膜厚が厚い。





特許文献2は、溶射法によって形成された厚さ200~300μmの多孔質セラミック膜を有する純チタン、純アルミニウム板を酸性水溶液中で陽極電解したのち、ジルコニウムテトラブトキシドやシリコンアルコキシドを含む酸性溶液中に浸漬し、基材を陽極として電気泳動させることにより金属アルコキシドを多孔質セラミックス膜に付着させる。

これを焼成することにより封孔処理する技術を開示する。

しかし、上記の方法では厚さ約200~300μmの溶射膜を封孔処理することにより緻密膜を得ているが膜厚が厚い。

また、上記の方法では、まず酸性溶液中で陽極電解処理を行う必要がある。

金属の中には陽極電解により陽極酸化被膜が形成されるものもあるが、逆に処理中に溶出や腐食が生じるものもある。

基材金属が溶出・腐食すればセラミックス膜の剥離や密着性の低下を招くため、上記の方法は本質的に酸性溶液への浸漬および陽極処理に耐えられる基材にしか用いることができない。





特許文献3は、陽極酸化によって酸化被膜を形成させたアルミニウム合金を、Al-SiOゾルあるいはSiOゾルを含む溶液中に浸漬し、電気泳動法でゾルを酸化膜中の空隙に導入した後、大気中で200℃に加熱し乾燥させることにより封孔処理する技術を開示する。

しかし、上記文献では封孔処理後の誘電特性について確認されているもののガス透過性は調べられておらず、この方法において水素同位体の透過を抑制する効果があることは確認されていない。

また、室温でのみ評価がされており高温での特性は明らかとなっていない。





特許文献4は、陽極酸化によって酸化被膜を形成させたアルミニウム合金をAl3+イオンを含む硫酸溶液中に浸漬する。

その後、パルス電流を約20mA/cmの電流密度で通電し、水酸化アルミニウムAl(OH)xを析出させ、空隙を封孔処理する。

その後、空気中で乾燥する。

電気化学的分極測定を行い、封孔処理した場合に電流値が小さくなることから緻密化が進行したと判断している。

しかし、上記の方法では水酸化アルミニウムAl(OH)xを封孔処理物質として用いている。

Al(OH)xは200℃以上で著しい脱水反応を起こす。

これにより体積が収縮するため封孔効果は200℃以下に限定されると考えられる。

また、先述のように、この文献の中では室温で分極測定がなされているのみである。

産業上の利用分野



本発明は、気体透過抑制を主な目的にした金属表面への被膜生成方法に関し、核融合炉燃料システムからのトリチウム漏洩、化学プラントからの水素の漏洩、金属の水素脆化などを防止するための容器・配管内部の被膜生成に有効である。

特許請求の範囲 【請求項1】
金属表面にゾルゲル法を用いてZrOの一次被膜を形成する工程と、
Zr,Ti,Alのうち1種以上の金属の硝酸塩水和物又は塩化物アルコール又は微量の水および必要に応じて過酸化水素を添加したアルコールの溶液に溶解する工程と、
前記溶液中にて一次被膜側がカソード側になるように電解することで、一次被膜側に形成されたOHイオンと前記溶液中に溶存するZr,Ti,Alのうち1種以上の金属イオンとの反応で当該金属の水酸化物を前記一次被膜に有する孔に電解析出させた後に焼成することで前記金属の金属酸化物又はそれらの複合金属酸化物を形成させる工程とを有することを特徴とする金属表面への被膜生成方法。

【請求項2】
前記電解析出及び焼成処理した後に、さらに、下記のいずれかのリン酸塩又は混合リン酸塩の水溶液に浸漬及び焼成する工程を有することを特徴とする請求項1記載の金属表面への被膜生成方法。
(グループA)リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸カルシウム、リン酸マンガン、リン酸鉄、リン酸亜鉛、リン酸クロム及びこれらの混合物。
(グループB)リン酸バリウム、リン酸チタン、リン酸ジルコニウム及びこれらの混合物又はグループAとの混合物。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2009166165thum.jpg
出願権利状態 登録
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