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温度制御装置及び温度素子用の電源装置 コモンズ

国内特許コード P120007407
掲載日 2012年4月24日
出願番号 特願2010-055031
公開番号 特開2011-188749
登録番号 特許第5470655号
出願日 平成22年3月11日(2010.3.11)
公開日 平成23年9月29日(2011.9.29)
登録日 平成26年2月14日(2014.2.14)
発明者
  • 山口 栄雄
  • 浅井 宏俊
出願人
  • 学校法人神奈川大学
発明の名称 温度制御装置及び温度素子用の電源装置 コモンズ
発明の概要 【課題】PCR法における所定の温度パターンに対して、DNA検体(反応溶液)の温度変化を追従させること。
【解決手段】温度素子61は、相互に離間して配置されるp型半導体72Pとn型半導体72Nとの組と、DNA検体の容器を直接装着する装着部81を有し、p型半導体72Pとn型半導体72Nとの各々に接合する金属製ウェル71と、p型半導体72Pに接合され、温度制御部62により電圧が印加される電極兼放熱板73Pと、n型半導体72Nに接合され、温度制御部62により電圧が印加される電極兼放熱板73Nとを備えている。温度制御部62により電極兼放熱板73P,73Nの各々に異なる電圧が印加されて、p型半導体72Pとn型半導体72Nとの間に電位差が生じた場合、金属製ウェル71は、p型半導体72Pとn型半導体72Nとの一方から他方へ電流を流すと共に熱を伝搬することで、ペルチェ効果を生じさせる。
【選択図】図2
従来技術、競合技術の概要



一般に、DNA(Deoxyribonucleic acid、デオキシリボ核酸)を増幅する手法として、PCR法(Polymerase chain Reaction、ポリメラーゼ連鎖反応法)が知られている。PCR法は、DNA検体に対して、当該DNA検体と反応させるプライマ、酵素、及びデオキシリボヌクレオシド三リン酸を加えた反応溶液を、温度目標値の時間推移の所定パターンにしたがって加熱又は冷却する処理を繰り返すことによって、DNAを増幅する手法である。





このようなPCR法によりDNAを増幅する従来のDNA増幅装置においては、DNA検体(反応溶液)を加熱又は冷却するために、ペルチェ効果を有する素子(以下、「ペルチェ素子」と称する)が利用されている(特許文献1,2参照)。ペルチェ効果とは、異なる導体、例えばp型半導体とn型半導体との接合に対して電流を流した場合に、その接合部で熱の吸収が発生する現象をいう。





図1は、従来のペルチェ素子1の概略構成を示す断面図である。





従来のペルチェ素子1は、図1中下方から順に、放熱板21Bと、電圧が印加される電極板23P,23Nと、電極板23Pに接合されるp型半導体24P及び電極板23Nに接合されるn型半導体24Nの組と、この組に接合される電極板22Aと、放熱板21Aとが積層されて構成される。





なお、特許文献2においては、電極板23P,23Nに相当する金属板a11,a12と、p型半導体24P及びn型半導体24Nの組に相当するp型半導体a4及びn型半導体a3の組と、電極板22Aに相当する金属板a2とからなるものを、ペルチェ素子と称している(特許文献2の図6参照)。しかしながら、特許文献2でいうペルチェ素子により加熱又は冷却される被温度制御対象は、熱伝導板12,22等を介在して配設されている(特許文献2の図1参照)。即ち、図1において、被温度制御対象は容器31であり、この容器31と電極板22Aとの間に放射板21Aが介在していることと、特許文献2において、被温度制御対象(容器31に相当)と金属板a2との間に熱伝導板12,22等を介在していることとは等価である。換言すると、特許文献2における熱伝導板12,22等は、図1の放熱板21Aに相当する。同様に、特許文献2における放熱フィン51,52の下面部は、図1の放熱板21Bに相当する。以上まとめると、特許文献2には、図1の従来のペルチェ素子1をそのまま用いて、被温度制御対象に対する温度制御が実行されることが単に開示されているに過ぎない。





以下、説明の簡略上、従来のペルチェ素子1の図1中上方の面側の部位、即ち、放熱板21A及び電極板22Aをまとめて、「A面部位」と称する。一方、ペルチェ素子1の図1中下方の面側の部位、即ち、放熱板21B及び電極板23P,23Nをまとめて、「B面部位」と称する。また、電極板23Pを基準として、電極板23Pが高電位になり、電極板23Nが低電位になるように電圧が印加されることを、以下、「従来のペルチェ素子1にプラス電圧が印加される」と表現する。逆に、電極板23Pが低電位になり、電極板23Nが高電位になるように電圧が印加されることを、以下、「従来のペルチェ素子1にマイナス電圧が印加される」と表現する。





例えば図1に示すように、DNA検体(反応溶液)が収容された容器31が、従来のペルチェ素子1のA面部位側に、より具体的には、放熱板21Aの表面上に配置されているとする。





この場合、従来のペルチェ素子1にマイナス電圧が印加されると、電流が、電極板23Nから電極板23Pに向けて流れる。具体的には、電流が、電極板23N、n型半導体24N、電極板22A、p型半導体24P、及び電極板23Pの順に流れる。その結果、A面部位が吸熱部となり、B面部位が発熱部となる。具体的には、従来のペルチェ素子1に印加されたマイナス電圧によって、電極板23Nから電極板23Pに向けて流れる電流の値に応じて、A面部位が低温となりB面部位が高温となるような温度差△Tが生ずる。これにより、容器31の熱がA面部位に吸熱され、容器31が冷却される。





これに対して、従来のペルチェ素子1にプラス電圧が印加されると、電流が、プラス電圧が印加された場合とは逆方向に流れる。具体的には、電流が、電極板23P、p型半導体24P、電極板22A、n型半導体24N、及び電極板23Nの順に流れる。その結果、プラス電圧が印加された場合とは逆に、A面部位が発熱部となり、B面部位が吸熱部となる。具体的には、従来のペルチェ素子1に印加されたプラス電圧の電圧値によって、電極板23Pから電極板23Nに向けて流れる電流の値に応じて、A面部位が高温となりB面部位が低温となるような温度差△Tが生ずる。これにより、A面部位から発せられた熱が容器31に伝搬され、容器31が加熱される。





したがって、電極板23Nと電極板23Pとの間に流れる電流の値を、温度目標値の時間推移の所定パターンに対応するように可変制御することによって、PCR法におけるDNA検体に対する温度制御が実現可能になる。

産業上の利用分野



本発明は、DNA検体を増幅するPCR法に適用可能な温度制御装置及び温度素子用の電源装置に関する。特に、PCR法におけるDNA検体に対する温度制御の高応答性を実現可能な温度制御装置及び温度素子用の電源装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
対象物を加熱又は冷却する温度制御装置において、
ペルチェ効果により前記対象物を加熱又は冷却する温度素子と、
前記温度素子に対する通電制御を行う制御部と
を備え、
前記温度素子は、
相互に離間して配置されるp型半導体及びn型半導体の組と、
前記対象物を装着する装着部を有し、前記p型半導体とは第1又は第2の面で、前記n型半導体とは前記第1又は第2の面に対向する第2又は第1の面で各々に接合する接合部位と、
前記p型半導体に接合され、前記制御部により電圧が印加される第1の電極部位と、
前記n型半導体に接合され、前記制御部により電圧が印加される第2の電極部位と
を有し、
前記制御部により前記第1の電極部位と前記第2の電極部位との各々に異なる電圧が印加されて、前記p型半導体と前記n型半導体との間に電位差が生じた場合、前記接合部位は、前記p型半導体と前記n型半導体との一方から他方へ電流を流すと共に熱を伝搬することで、前記ペルチェ効果を生じさせ、
前記制御部は、スイッチングレギュレータとリニアレギュレータとを併せ持つ定電流源を有し、
前記定電流源は、
前記スイッチングレギュレータの出力電圧の絶対値が閾値以上の場合には、定電流の出力可変制御を前記スイッチングレギュレータに担当させ、
前記スイッチングレギュレータの出力電圧の絶対値が前記閾値未満の場合には、定電流の出力可変制御を前記リニアレギュレータに担当させる、
温度制御装置。

【請求項2】
前記対象物は、DNA(Deoxyribonucleic acid)検体収容に用いられる所定の容器であり、
前記装着部は、前記容器を装着すべく加工が施された
請求項1に記載の温度制御装置。

【請求項3】
前記温度素子は、
前記p型半導体及び前記n型半導体の複数の組を有し、
前記接合部位の前記第1の面には、前記複数の組の各々の前記p型半導体が接合され、前記接合部位の前記第2の面には、前記複数の組の各々の前記n型半導体が接合されており、
前記第1の電極部位には、前記複数の組の各々の前記p型半導体が接合され、前記第2の電極部位には、前記複数の組の各々の前記n型半導体が接合されている
請求項1又は2に記載の温度制御装置。

【請求項4】
前記温度素子は、
前記p型半導体及び前記n型半導体の複数の組を有し、
前記接合部位の前記第1の面から前記第2の面に至って絶縁物が挿入されることで、前記接合部位は複数の領域に区分されており、
前記複数の領域毎に、前記第1の面側に前記p型半導体を接合して前記第2の面側に前記n型半導体を接合する組と、前記第1の面側に前記n型半導体を接合して前記第2の面側に前記p型半導体を接合する組とが交互に配置されており、
前記第1の電極部位には、前記第1の面に接続された所定の前記p型半導体が接合され、前記第2の電極部位には、前記第1の面に接続された所定の前記n型半導体が接合されており、
前記複数の組を直列に接合する第3の電極部位をさらに有する
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の温度制御装置。

【請求項5】
前記温度素子の前記第1の電極部位と前記第2の電極部位とのうち少なくとも一方を冷却する冷却部
をさらに備える請求項1乃至4の何れか1項に記載の温度制御装置。

【請求項6】
前記温度制御装置は、携帯型の装置である
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の温度制御装置。

【請求項7】
ペルチェ効果により対象物を加熱又は冷却する温度素子用の電源装置において、
前記温度素子は、
相互に離間して配置されるp型半導体及びn型半導体の組と、
前記対象物を装着する装着部を有し、前記p型半導体と前記n型半導体との各々に接合する接合部位と、
前記p型半導体に接合され、外部から電圧が印加される第1の電極部位と、
前記n型半導体に接合され、外部から電圧が印加される第2の電極部位と
を有し、
前記第1の電極部位と前記第2の電極部位との各々に異なる電圧が外部から印加されて、前記p型半導体と前記n型半導体との間に電位差が生じた場合、前記接合部位は、前記p型半導体と前記n型半導体との一方から他方へ電流を流すと共に熱を伝搬することで、前記ペルチェ効果を生じさせる
温度素子であって、
前記電源装置は、
スイッチングレギュレータとリニアレギュレータとを併せ持つ定電流源装置であって、
前記スイッチングレギュレータの出力電圧の絶対値が閾値以上の場合には、定電流の出力可変制御を前記スイッチングレギュレータに担当させ、
前記スイッチングレギュレータの出力電圧の絶対値が前記閾値未満の場合には、定電流の出力可変制御を前記リニアレギュレータに担当させる、
温度素子用の電源装置。

【請求項8】
前記装着部は、前記対象物の形状に対応した加工が施されて、前記接合部位内に形成されている
請求項7に記載の温度素子用の電源装置。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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