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定量的運動機能評価システム及び運動機能評価用プログラム

国内特許コード P120007421
掲載日 2012年4月27日
出願番号 特願2009-530003
登録番号 特許第5154558号
出願日 平成20年2月26日(2008.2.26)
登録日 平成24年12月14日(2012.12.14)
国際出願番号 JP2008053735
国際公開番号 WO2009028221
国際出願日 平成20年2月26日(2008.2.26)
国際公開日 平成21年3月5日(2009.3.5)
優先権データ
  • 特願2007-226596 (2007.8.31) JP
発明者
  • 筧 慎治
  • 李 鍾昊
  • 鏡原 康裕
出願人
  • 公益財団法人東京都医学総合研究所
  • 東京都
発明の名称 定量的運動機能評価システム及び運動機能評価用プログラム
発明の概要

被験者の運動機能を定量的かつ客観的に評価し、しかも非侵襲的かつ簡便に評価することができる、運動機能評価システムを提供する。
本発明のシステムは、(a)ターゲット画像と当該ターゲット画像を追跡するためのカーソル画像とを含む画像情報を表示する手段、(b)被験者により前記カーソル画像を移動するために使用される手段、(c)前記カーソル画像による前記ターゲット画像の追跡状況を検出する手段、(d)前記(b)の手段を使用する被験者の筋活動状況を検出する手段、(e)前記(c)の手段により検出される追跡状況と、前記(d)の手段により検出される筋活動状況とを解析する手段、及び(f)前記(e)の手段により得られる解析結果を指標として被験者の運動機能を評価する手段を備えたものである。

従来技術、競合技術の概要


伝統的神経学的手法の問題点
運動機能障害を伴う神経疾患、特に脳変性疾患の、進行程度並びに投薬及び術後の効果測定には、これまで1世紀以上の間、口頭指示をして被験者の運動を観察することによる定性的方法が用いられてきた。この検査は、長い歴史の中で磨かれ確立した手技であり、特別な器具を使わずにどこでも手軽に実施できる簡便さも兼ね備えるものである。その反面、定量性に欠けると共に、医師等の経験及び力量にも左右されるため、異なる被験者間の比較、あるいは同一被験者における術前術後又は投薬前後の病態を定量的及び経時的に比較することは困難であった。
時代的要請
上述したような定性的方法が1世紀以上もの間継続され、例えば血糖値やコレステロール値のような客観的指標が必要とされなかったことには理由がある。すなわち、パーキンソン病及び脊髄小脳変性症等の神経学的疾患(神経疾患)はいずれも難病であり、その原因も根本的治療法も不明であった。伝統的手法は診断を下すのに十分であり、このような疾患であると診断されれば、あとは対症療法を行うしかなかった。仮にさらなるコストをかけて新しい診断法を開発しても、治療には何ら貢献できないことから、その必要性は低いと考えられていた。
ところが、ここ10年ほどで時代の潮流に大きな変化が見え始め、上述の難病の原因となる遺伝子が次々と発見され、幹細胞や遺伝子治療等による根本的な治療の可能性が視野に入り始めた。そこで、新しい治療法を客観的に評価するために、異常運動の客観的指標の必要性が高まってきた。
社会的要請
パーキンソン病とその関連疾患や脊髄小脳変性症等の神経変性疾患は、いずれも国あるいは地方自治体の難病に指定され、公的医療費補助制度の対象となっている。医療費の助成を受けられるか否かは、患者およびその家族にとって切実な問題である。他方、高齢化の進行に伴い脳卒中患者は増加の一途であるが、要介護認定および重症度の判定は、限りある財源を有効に活用するためにも、病態に応じて適切に行われなければならない。いずれの場合も、その判断は公平かつ客観的に行われるべきであり、そのためには運動障害の客観的評価が不可欠である。
新しい流れ
近年のコンピュータ技術の革命的発展により、運動機能を定量的に計測するための技術水準は劇的に高まり、逆にコストは劇的に低下した。例えば、CGのキャラクターが人間と全く同じように生き生きと動き回ることができるのは、モーション・キャプチャーと呼ばれる人間の全身の動きを計測しデジタルデータとして利用する技術が開発されたためである。このような技術背景から、運動機能、なかでも身体の「動き」を定量的に記述し評価する試みが増えてきた。村山らによる運動機能評価システム(特許第3777480号公報、特許第3785554号公報参照)はその一例である。
「動き」の限界
従来の手法は本質的に「動き」の記述に過ぎないものである。また、「動き」、を記録したとしても、神経疾患の運動機能の指標としては十分ではない。異常運動は「動き」の異常として現れるものであるが、同じ「動き」であっても、それらは無限に異なる運動指令(すなわち筋活動の組み合わせ)で生じ得るものである。すなわち、「動き」と運動指令の間には、不良設定性という根本的問題が内在しており、同じような異常運動(結果)が全く異なる運動指令(原因)により生成されている可能性がある。そのため、「動き」という結果のみに基づいて、脳における異常がどのようなものであるかという原因に遡ることは、原理的に不可能である。

産業上の利用分野


本発明は、被験者の運動機能を評価する運動機能評価システムに関する。詳しくは、パーキンソン病や小脳変性疾患等の脳変性疾患を含む各種神経疾患患者の運動機能に関する病態を、定量的かつ客観的に評価する運動機能評価システム(具体的には、上記各種神経疾患の診断又は治療用の運動機能評価システム)に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】 被験者の手首運動の運動機能を評価する運動機能評価システムであって、以下の手段:
(a)ターゲット画像と当該ターゲット画像を追跡するためのカーソル画像とを含む画像情報を表示するための表示画面を有する手段、
(b)被験者の手首運動により前記カーソル画像を移動するために使用される手段、
(c)前記カーソル画像による前記ターゲット画像の追跡状況を検出する手段、
(d)前記(b)の手段を使用する被験者の手首運動に関係する筋肉の筋活動状況を検出する手段、
(e)前記(c)の手段により検出される追跡状況と、前記(d)の手段により検出される筋活動状況とを解析する手段、及び
(f)前記(e)の手段により得られる解析結果を指標として被験者の手首運動の運動機能を評価する手段
を備えた前記システム。
【請求項2】 前記ターゲット画像が、下記(i)~(iv)からなる群より選ばれる少なくとも1つである、請求項1記載のシステム。
(i) 所定の軌道に沿って移動する又は任意の方向に移動する画像
(ii) 互いに所定の間隔をとって固定された少なくとも2つの画像
(iii) 直線及び/又は曲線で構成され、所定の長さ及び太さを有する線状の画像
(iv) 始点及び終点のみからなる画像
【請求項3】 前記所定の軌道が、直線、曲線、円及び多角形からなる群より選ばれる少なくとも1つを含んで構成されたものである、請求項2記載のシステム。
【請求項4】 前記(i)及び(ii)のターゲット画像が、円、楕円、多角形及び星形からなる群より選ばれる少なくとも1つの形状を含むものである、請求項2又は3記載のシステム。
【請求項5】 前記(ii)のターゲット画像は、1つのターゲット画像を中心にして、その同心円上に2つ以上のターゲット画像が配置されてなるものである、請求項2又は4記載のシステム。
【請求項6】 前記(b)の手段が、前記(a)の手段とは別に設けられたものである、請求項1~5のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項7】 前記(b)の手段が、被験者により任意の方向に操作される可動部と、該可動部の動作情報を前記カーソル画像を移動させるための情報として前記(a)の手段に伝達する出力部とを備えたものである、請求項1~6のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項8】 前記(b)の手段が、さらに前記可動部の動作情報を所定のパラメータについて検出するセンサ部を備えたものである、請求項7記載のシステム。
【請求項9】 前記所定のパラメータが、前記(b)の手段の操作に関わる被験者の体の一部の位置、角速度及びトルクからなる群より選ばれる少なくとも1つである、請求項8記載のシステム。
【請求項10】 前記(c)の手段が、前記ターゲット画像の追跡状況として前記カーソル画像の移動の軌跡を検出するものである、請求項1~9のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項11】 前記(d)の手段が、被験者の筋活動状況として筋電信号を検出するものである、請求項1~10のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項12】 前記筋電信号が表面筋電信号である、請求項11記載のシステム。
【請求項13】 前記(c)~(f)のうちの少なくとも1つの手段がコンピュータである、請求項1~12のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項14】 前記手首運動の運動機能が、手首関節の2自由度の運動機能である、請求項1~13のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項15】 前記(b)の手段が手首関節マニピュランダムである、請求項1~14のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項16】 前記手首関節マニピュランダムが、被験者の手首関節の位置、角速度及びトルクからなる群より選ばれる少なくとも1つを検出し得るものである、請求項15記載のシステム。
【請求項17】 前記(d)の手段が、被験者の筋活動状況として、短橈側手根伸筋及び長橈側手根伸筋(ECR)、尺側手根伸筋(ECU)、尺側手根屈筋(FCU)並びに橈側手根屈筋(FCR)の筋電信号を検出するものである、請求項1~16のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項18】 被験者の手首運動の運動機能を評価するために使用されるプログラムであって、コンピュータに、以下の手順:
(a)ターゲット画像と当該ターゲット画像を追跡するためのカーソル画像とを含む画像情報を、表示画面を有する手段に表示し、
(b)被験者が、前記カーソル画像を移動するための手段を使用して、前記ターゲット画像を前記カーソル画像により追跡した軌跡を記録し、
(c)前記カーソル画像による前記ターゲット画像の追跡状況を検出し、
(d)前記ターゲット画像の追跡を行う被験者の手首運動に関係する筋肉の筋活動状況を検出し、
(e)前記(c)で検出される追跡状況と、前記(d)で検出される筋活動状況とを解析し、
(f)前記(e)の解析により得られる解析結果を指標として被験者の手首運動の運動機能を評価する手順
を実行させるための前記プログラム。
産業区分
  • 治療衛生
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2009530003thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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