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アレルギー性疾患のバイオマーカーおよびその利用

国内特許コード P120007423
掲載日 2012年4月27日
出願番号 特願2009-547074
登録番号 特許第5297389号
出願日 平成20年12月19日(2008.12.19)
登録日 平成25年6月21日(2013.6.21)
国際出願番号 JP2008073175
国際公開番号 WO2009081854
国際出願日 平成20年12月19日(2008.12.19)
国際公開日 平成21年7月2日(2009.7.2)
優先権データ
  • 特願2007-330025 (2007.12.21) JP
発明者
  • 安東 嗣修
  • 倉石 泰
  • 中野 祐
出願人
  • 国立大学法人富山大学
発明の名称 アレルギー性疾患のバイオマーカーおよびその利用
発明の概要 掻痒などの、ヒスタミン遊離のみを原因とするものではないアレルギー反応に起因するアレルギー疾患に対するバイオマーカーとその利用を提供する。
バイオマーカーとしてグランザイムAを利用する、従来の抗アレルギー薬が効きにくい難治性の掻痒性皮膚疾患の指標を提供することが可能となり、当該疾患の容易かつ的確な診断をすることができる。また、抗原抗体反応系に依存したものでないIV型アレルギー様な反応が存在するアレルギー疾患の診断等が可能となる。また、グランザイムAを利用するスクリーニングにより、新規なアレルギー性疾患の治療剤の開発が可能となる。また、グランザイムの作用を特異的に調節する薬剤により、副作用の少ないアレルギー性疾患の治療が可能となる。
従来技術、競合技術の概要


痒みは、ヒトに掻きたいとの衝動を引き起こす感覚として容易に理解される。しかし、「古典的な起痒物質のヒスタミン(histamine)がマウスなどの動物に掻き動作を起こさない」、「慢性痛モデル動物のアジュバント関節炎ラットの掻き動作が鎮痛薬で抑制される」などから,動物の掻き動作が必ずしもヒトの痒みの指標とはならないとされてきた。
マウスの背中(首に近い吻側部)の皮膚に起痒物質と発痛物質を注射すると、起痒物質のみが後肢による掻き動作を引き起こし、掻き動作が痒みの指標となる(非特許文献1)。ヒトは、身体のほとんどの部位を手で掻くことができる。しかし、マウスは後肢を掻くことが出来ない。マウスは、後肢に痒み刺激を加えると噛む反応を示し、痛み刺激では舐める反応を示す(非特許文献2)。



蚊に刺されると多くのヒトが強い痒みを感じる。蚊刺しによる皮膚反応と痒みは、アレルギー性反応だと考えられている。初回の蚊刺しはマウスに掻き動作をほとんど起こさないが、1週間に2回の頻度で蚊刺しを繰返すと、次第に掻き動作が増加する。蚊唾液腺抽出物の反復注射でも掻き動作が次第に増加する。この掻き動作の増加は、肥満細胞(マスト細胞)欠損マウスでも観察される。また、感作マウスでは、蚊刺による血漿血管漏出がH1ヒスタミン受容体遮断薬によって抑制されるが、掻き動作は抑制されない。すなわち、皮膚の即時型アレルギーによる痒みには、マスト細胞-ヒスタミン系以外の機序が重要である(非特許文献3)。
蚊唾液腺抽出物の反復注射で増加するマウスの掻き動作は、各種の抗アレルギー作用を有するアレルギー治療薬であるアゼラスチンにより抑制されるが、H1ヒスタミン受容体遮断薬のテルフェナジンやステロイドのデキサメタゾンでは抑制されない。また、感作マウスに蚊唾液腺抽出物を注射すると、一次求心線維の活動が増加する。この反応をアゼラスチンは抑制するが、テルフェナジンは抑制しない(非特許文献4)。
【非特許文献1】
Eur. J. Pharmacol., 275: 229-233 (1995)
【非特許文献2】
Pain Res., 14: 53-59 (1999)
【非特許文献3】
Jpn. J. Pharmacol., 86: 97-105 (2001)
【非特許文献4】
J. Pharmacol. Sci., 91: 263-266 (2003)

産業上の利用分野


アレルギー性疾患のバイオマーカーおよびその利用に関する。詳しくは掻痒等の、ヒスタミン遊離のみを原因とするものではないアレルギー反応に起因するアレルギー疾患に対するバイオマーカーとしてのグランザイムAとその利用に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
アトピー性皮膚炎による掻痒を示唆するグランザイム遺伝子の発現量の測定方法であって、
被験者の生体試料中のグランザイム遺伝子の発現量を測定する工程を含み、
ここで、グランザイム遺伝子の発現量の測定結果が、対照試料と比較して高い場合にアトピー性皮膚炎による掻痒に罹患している可能性が高いことが示唆される、方法。

【請求項2】
虫刺されによる掻痒を示唆するグランザイム遺伝子の発現量の測定方法であって、
被験者の生体試料中のグランザイム遺伝子の発現量を測定する工程を含み、
ここで、グランザイム遺伝子の発現量の測定結果が、対照試料と比較して高い場合に虫刺されによる掻痒に罹患している可能性が高いことが示唆される、方法。

【請求項3】
アトピー性皮膚炎による掻痒を示唆するRNA又はその相補的ポリヌクレオチドの量の測定方法であって、
(a)被験者の生体試料から調製されたRNAまたは該RNAから転写された相補的ポリヌクレオチドと、グランザイムA遺伝子の一部の塩基配列を有するポリヌクレオチドおよび/または当該ポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチドを含有してなるバイオマーカーとを結合させる工程と、
(b)該バイオマーカーに結合した生体試料由来のRNAまたは該RNAから転写された相補的ポリヌクレオチドを、前記バイオマーカーを指標として測定する工程と
を含み、ここで、前記バイオマーカーに結合したRNA又はその相補的ポリヌクレオチドの量が、対照試料と比較して高い場合にアトピー性皮膚炎による掻痒に罹患している可能性が高いことが示唆される、方法。

【請求項4】
虫刺されによる掻痒を示唆するRNA又はその相補的ポリヌクレオチドの量の測定方法であって、
(a)被験者の生体試料から調製されたRNAまたは該RNAから転写された相補的ポリヌクレオチドと、グランザイムA遺伝子の一部の塩基配列を有するポリヌクレオチドおよび/または当該ポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチドを含有してなるバイオマーカーとを結合させる工程と、
(b)該バイオマーカーに結合した生体試料由来のRNAまたは該RNAから転写された相補的ポリヌクレオチドを、前記バイオマーカーを指標として測定する工程と
を含み、ここで、前記バイオマーカーに結合したRNA又はその相補的ポリヌクレオチドの量が、対照試料と比較して高い場合に虫刺されによる掻痒に罹患している可能性が高いことが示唆される、方法。

【請求項5】
アトピー性皮膚炎による掻痒を示唆するグランザイムAの生成量の測定方法であって、
被験者の生体試料中のグランザイムAの生成量を測定する工程を含み、
ここで、グランザイムAの生成量の測定結果が、対照試料と比較して高い場合にアトピー性皮膚炎による掻痒に罹患している可能性が高いことが示唆される、方法。

【請求項6】
虫刺されによる掻痒を示唆するグランザイムAの生成量の測定方法であって、
被験者の生体試料中のグランザイムAの生成量を測定する工程を含み、
ここで、グランザイムAの生成量の測定結果が、対照試料と比較して高い場合に虫刺されによる掻痒に罹患している可能性が高いことが示唆される、方法。

【請求項7】
アトピー性皮膚炎による掻痒を示唆するグランザイムAの生成量の測定方法であって、
(a)被験者の生体試料から調製されたタンパク質と、グランザイムAを認識する抗体を含有してなるバイオマーカーとを結合させる工程と、
(b)該バイオマーカーに結合した生体試料由来のタンパク質を、前記バイオマーカーを指標として測定する工程と
を含み、ここで、前記バイオマーカーに結合したタンパク質量が、対照試料と比較して高い場合にアトピー性皮膚炎による掻痒に罹患している可能性が高いことが示唆される、方法。

【請求項8】
虫刺されによる掻痒を示唆するグランザイムAの生成量の測定方法であって、
(a)被験者の生体試料から調製されたタンパク質と、グランザイムAを認識する抗体を含有してなるバイオマーカーとを結合させる工程と、
(b)該バイオマーカーに結合した生体試料由来のタンパク質を、前記バイオマーカーを指標として測定する工程と
を含み、ここで、前記バイオマーカーに結合したタンパク質量が、対照試料と比較して高い場合に虫刺されによる掻痒に罹患している可能性が高いことが示唆される、方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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