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原虫の増殖阻害剤を検出する方法

国内特許コード P120007435
整理番号 S2011-0006-N0
掲載日 2012年5月1日
出願番号 特願2010-228186
公開番号 特開2012-080804
登録番号 特許第5700512号
出願日 平成22年10月8日(2010.10.8)
公開日 平成24年4月26日(2012.4.26)
登録日 平成27年2月27日(2015.2.27)
発明者
  • 井上 雅広
  • 上村 春樹
出願人
  • 学校法人 久留米大学
  • 国立大学法人 長崎大学
発明の名称 原虫の増殖阻害剤を検出する方法
発明の概要 【課題】トリパノソーマ・ブルースの中枢神経症状をきたす患者に有効かつ安全な薬を提供する。
【解決手段】(1)特定のアミノ酸配列からなるタンパク質等を用意するステップと、(2)試験化合物と前記ステップ(1)で用意されたタンパク質とを含む反応混合液のキナーゼ活性を測定するステップと、(3)前記試験化合物の非存在下で前記ステップ(1)で用意されたタンパク質を含む反応混合液のキナーゼ活性を測定するステップと、(4)前記ステップ(2)のキナーゼ活性と、前記ステップ(3)のキナーゼ活性とを比較するステップを含む方法からなる。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


アフリカ睡眠病は、ヒトのみならず家畜にも感染する人畜共通感染症である。現在は、患者数は減少傾向(WHOによる推定5万人-7万人)にあるが、アンゴラ、コンゴ、スーダン、中央アフリカ共和国、チャド、コートジボワール、ギニア、マラウィ、ウガンダ及びタンザニアなどでは、2005年にアウトブレイクが見られた。治療しなければ死亡する疾患で、特に脳血液関門を通過した原虫が引き起こす脳神経性症状は重篤である。



感染初期では、ペンタミジン及びスラミンが使われる。ペンタミジンには副作用があるが、患者が耐えうる程度である。スラミンは色素化合物であり、アレルギー、尿路系の副作用がある。中枢神経期には、メラルソプロル及びエフロルニチンが使われる。メラルソプロルにはさまざまな副作用があり、特に3-10%が副作用の反応性脳症にて死亡する。さらに耐性が報告されている。エフロルニチンは、メラルソプロルより毒性がすくないが、トリパノソーマ・ブルース・ガンビエンセ(Trypanosoma brucei gambiense)には有効であるが、トリパノソーマ・ブルース・ローデシイ(Trypanosoma brucei rhodesie)のように週ないし月単位で急激に中枢神経に移行する原虫には効かない。そして、現在この中枢神経症状をきたす患者に有効かつ安全な薬は存在しない。



発明者らは、トリパノソーマ症の予防・治療薬の開発に携わってきた(特許文献1)が、近年、多機能分子14-3-3の研究から、トリパノソーマ・ブルースの14-3-3ホモログ(以下、「Tb14-3-3」という。)としてI型及びII型アイソフォームを単離し、これらが、細胞周期及び細胞骨格の調節に関与し、I型及びII型がともに細胞分裂に必須であることを証明した(非特許文献1)。



これまでの本発明の発明者らの研究から、14-3-3分子は、モード1あるいはモード2のモチーフには、ほとんど結合を示さず、モード3には、ヒト14-3-3よりも弱いながらも結合を示すことを明らかにし、さらにアフィニティの高い新規モード3ペプチドを世界に先駆けて同定した。しかしながら(1)普遍的なモチーフへの結合が弱いこと、(2)ペプチドタグによる14-3-3タンパクのヘテロ2量体形成不全、(3)Tb14-3-3の標的タンパクへの結合が弱いこと、(4)従来のほ乳類の阻害剤の組成だとトリパノソーマ・ブルースの脱リン酸化酵素の活性を抑えられないこと等の理由により、Tb14-3-3と結合するタンパク質の同定は、困難をきわめた。さらに、弱い結合が細胞内で果たす機能の意義を評価することも困難である。



このような状況の中で、本発明の発明者らは、Tb14-3-3のヘテロ2量体と特異的に結合するタンパク質の網羅的解析を行って、AKB14-3-3-1と命名された1種類のタンパク質の発現抑制及び過剰発現が、Tb14-3-3の発現抑制と同様に細胞分裂異常を伴う細胞増殖停止をもたらすことを発見した。本発明は、かかる新発見にもとづいて想到された。

産業上の利用分野


本発明は、原虫の増殖阻害剤を検出する方法と、AKB14-3-3-1タンパク質等の配列特異的発現抑制剤と、AKB14-3-3-1タンパク質と、トリパノソーマ14-3-3-IIのヘテロ2量体との会合を阻害するホスホペプチド等と、これらを含む原虫感染症の治療用組成物とに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
(1)(a)配列番号1にされるアミノ酸配列からなるタンパク質と、
)配列番号1にされるアミノ酸配列に1個若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、タンパク質キナーゼ活性を有するタンパク質と、
)特異的結合タグペプチドが前記(a)又は(b)のいずれかのポリペプチドに連結した融合タンパク質とからなるグループから選択される少なくとも1種類のタンパク質を用意するステップと、
(2)前記ステップ(1)で用意されたタンパク質と、試験化合物とを含む反応混合液のキナーゼ活性を測定するステップと、
(3)前記試験化合物の非存在下で、前記ステップ(1)で用意されたタンパク質を含む反応混合液のキナーゼ活性を測定するステップと、
(4)前記ステップ(2)のキナーゼ活性と、前記ステップ(3)のキナーゼ活性とを比較するステップとを含むことを特徴とする、トリパノソーマ・ブルース原虫の増殖阻害剤を検出する方法。

【請求項2】
(a)配列番号1にされるアミノ酸配列からなるタンパク質と、
)配列番号1にされるアミノ酸配列に1個若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、タンパク質キナーゼ活性を有するタンパク質と、
)特異的結合タグペプチドが前記(a)又は(b)のいずれかのポリペプチドに連結した融合タンパク質とからなるグループから選択される少なくとも1種類のタンパク質のアミノ酸配列をエンコードするヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドであって、トリパノソーマ・ブルース原虫における前記タンパク質の発現を抑制する配列特異的発現抑制剤。

【請求項3】
配列番号2にされるアミノ酸配列を含み、該アミノ酸配列のカルボキシル末端から2番目のセリン残基がリン酸化され、配列番号1に示されるアミノ酸配列からなるタンパク質と、トリパノソーマ・ブルース原虫の14-3-3-I及び14-3-3-IIのヘテロ2量体との会合を阻害することを特徴とする、ホスホペプチド。

【請求項4】
請求項3に記載のホスホペプチドと、細胞膜透過性ペプチドとの融合ペプチド。

【請求項5】
請求項2に記載の配列特異的発現抑制剤含むことを特徴とする、トリパノソーマ・ブルース原虫感染症の治療用組成物。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
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