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プラズマ生成装置及び方法 新技術説明会

国内特許コード P120007442
掲載日 2012年5月1日
出願番号 特願2010-505962
登録番号 特許第5463573号
出願日 平成21年3月31日(2009.3.31)
登録日 平成26年1月31日(2014.1.31)
国際出願番号 JP2009056758
国際公開番号 WO2009123243
国際出願日 平成21年3月31日(2009.3.31)
国際公開日 平成21年10月8日(2009.10.8)
優先権データ
  • 特願2008-094330 (2008.3.31) JP
発明者
  • 米須 章
  • 林 信哉
出願人
  • 国立大学法人琉球大学
  • 国立大学法人佐賀大学
発明の名称 プラズマ生成装置及び方法 新技術説明会
発明の概要 長尺状細管内で無電極放電によりプラズマを生成し、長尺状細管内部のプラズマ処理を行うためのプラズマ生成装置及び方法を提供することを目的とする。
長尺状細管9を収容可能であると共に、内部圧力を調整可能な容器1と、該長尺状細管の少なくとも一部に磁界を印加する磁界印加手段8と、該容器内にマイクロ波を入射するマイクロ波供給手段2とを有し、該長尺状細管の内部の圧力を、該容器内の圧力より高い所定の圧力に調整し、かつ該長尺状細管の少なくとも一部に磁界を印加した状態で、該容器内にマイクロ波を入射することにより、該長尺状細管内にプラズマを生成することを特徴とするプラズマ生成装置である。
従来技術、競合技術の概要


近年、プラズマを用いた滅菌処理や被膜コーティングやエッチングなど、各種処理が行われている。
例えば、カテーテルや内視鏡などの長尺状細管を滅菌する方法として、従来は、紫外線や高圧水蒸気ガスなどを使用する方法があるが滅菌効率が低く、場合によっては紫外線や熱などにより材料を変質させることもある。他方、酸化エチレンガスや過酸化水素の液体や蒸気を用いた方法では、滅菌効果が高いが、酸化エチレンや過酸化水素は毒性がある上、過酸化水素においては衣類等が溶解するなど取扱者への安全性の問題がある。しかも、酸化エチレン以外の方法では、液体や気体が粘性の関係から、また、紫外線では透過性の関係から長尺状細管の内深部までに行き渡らず、長尺状細管内部まで十分な滅菌処理を行うことが困難である。



このため、プラズマを用いた滅菌方法が提案されており、その一例として、特許文献1に示すように、長尺状細管内に放電部を挿入し、該放電部に形成された中心電極と外部電極との間で放電プラズマを発生させるものが提案されている。この方法では、放電部と放電部に電力を供する給電線を共に、長尺状細管内部に挿入する必要がある。
【特許文献1】特開2003-210556号公報



しかしながら、中心電極と外部電極との間の導通を避け、かつ両者間に放電空間を確保するため、放電部の外径又は内径を小さくすることは困難であり、しかも給電線が絶縁破壊を起こさないように電線の太さ及び電線間の絶縁性を確保することが必要となる。このため、滅菌対象物である長尺状細管の内径は大きいもの(例えば、5mm以上、好ましくは1cm以上)に限定される上、放電部や給電線の出し入れにより長尺状細管の内壁が傷つき易く、しかも、滅菌処理した後であっても放電部や給電線が内壁に接触すると、放電部等の表面に付着している菌が逆に内壁に付着し、二次感染の原因ともなる。しかも、同一の滅菌処理装置を兼用する場合には、この二次感染は極めて重要な問題となる。



さらに、以下の非特許文献1には、大気圧下におけるカテーテルの滅菌システムが開示されている。この滅菌システムは、細管内部にワイヤ電極を挿入し、該ワイヤ電極と細管外部の接地電極との間でプラズマ流を発生させるものである。
【非特許文献1】TOPICS「大気圧非平衡プラズマ流による滅菌システムの開発」,日本機械学会誌,Vol.110,No.1063,p.56,2007年6月



しかしながら、細管内部にワイヤ電極を挿入することは、上述した特許文献1の場合と同様に、細管内部への損傷や二次感染の危険性がある。しかも、ワイヤ電極がプラズマによりスパッタリングされ、電極を構成する金属が細管の全長に渡り内部に付着し、細管を汚染することが危惧される。



さらに、細管内部で形成されるプラズマの形成領域は、ワイヤ電極と接地電極との間の極めて局所的な空間である。このため、細管内部全体を滅菌するために、細管と電極とを相対的に移動させる場合には、可動機構などが必要となり構成が煩雑化すると共に、細管内部又は外部への損傷や二次感染の危険性がより高くなる。また、接地電極を円筒状に構成し、細管を取り囲むように接地電極を配置した場合には、多様な径の細管に対応するため異なる径の円筒状接地電極を用意する必要がある。しかも、細管と接地電極とは近接して配置されるため、細管外部が損傷又は二次感染される危険性がある。仮に、円筒状接地電極の径を大きくし、多様な径の細管を設置可能としても、ワイヤ電極と接地電極との距離が大きくなり、電極に印加する電圧が高くなるため、結果としてワイヤ電極や接地電極がプラズマによりスパッタリングされ、細管を汚染する危険性が高くなる。



上述した問題を解決するため、本出願人の一人である国立大学法人佐賀大学は、以下の特許文献2において、滅菌対象物である長尺状細管を収容可能であると共に、内部圧力を調整可能な容器と、該長尺状細管の少なくとも一方に配置される電極と、該長尺状細管の内部と外部とで所定の圧力差を有するように、該長尺状細管の内部又は外部の圧力を調整した状態で、該電極に交流電圧を印加することにより、該長尺状細管内にプラズマを生成することを特徴とするプラズマ滅菌装置を提案した。
【特許文献2】特願2007-203559号(出願日:2007年8月3日)



特許文献2に開示されるプラズマ滅菌装置は、長尺状細管内に安定したプラズマを生成できるため極めて優れた滅菌手段であるが、長尺状細管の一端に電極を位置する必要があるため、滅菌処理に際して電極を取り付け又は取り外しに手間が掛かる上、大量に処理することが難しい。



他方、プラズマを用いて、対象物の表面に被膜コーティングを行ったり、エッチング処理をすること等も行われている。具体的には、チタン化合物を含むガスをプラズマ化し、対象物の表面にチタン被膜を形成する。メタンガスを導入し、プラズマ処理でカーボン膜を形成する。さらには、アルコールを含むガスをプラズマ処理し、親水性の有機膜を形成するなど各種処理も行われている。



しかしながら、処理対象物が長尺状細管の場合には、プラズマを安定して生成することが困難であり、長尺状細管内に被膜コーティングを施したり、エッチング処理をプラズマを利用して行うことなどが不可能であった。また、長尺状細管の内部に電極を挿入する場合には、上述した滅菌処理と同じように、電極が長尺状細管の内部を損傷したり、電極材料が内壁に付着し汚染の原因にもなっていた。

産業上の利用分野


この発明は、プラズマ生成装置及び方法に関し、特に、滅菌対象物である長尺状細管や、内壁を被膜コーティング又はプラズマエッチングを行う対象物である長尺状細管に対して、プラズマの生成を可能とするプラズマ生成装置及び方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
両端が開口した長尺状細管を収容可能であると共に、内部圧力を調整可能な容器と、
該長尺状細管の少なくとも一部に磁界を印加する磁界印加手段と、
該容器内にマイクロ波を入射するマイクロ波供給手段とを有し、
該容器内に該長尺状細管を、該長尺状細管の両端の開口が該容器内に解放された状態で配置すると共に、該長尺状細管の内部と外部との間に圧力差を形成するため、該長尺状細管の少なくとも一部を曲げた状態か、又は該長尺状細管の両端部の開口を狭くした状態とし、かつ該長尺状細管の少なくとも一部に磁界を印加した状態で、該容器内にマイクロ波を入射することにより、該長尺状細管内にプラズマを生成することを特徴とするプラズマ生成装置。

【請求項2】
請求項1に記載のプラズマ生成装置において、該磁界印加手段は、永久磁石又は電磁石の少なくとも一方を用いて構成されることを特徴とするプラズマ生成装置。

【請求項3】
請求項2に記載のプラズマ生成装置において、該磁界印加手段は複数の永久磁石又は電磁石で構成し、各磁石を同一磁極が対面するよう配置することを特徴とするプラズマ生成装置。

【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載のプラズマ生成装置において、該容器の内部圧力を調整する圧力調整手段は、容器内の圧力を1Pa以下に減圧することが可能なように構成されていることを特徴とするプラズマ生成装置。

【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載のプラズマ生成装置において、該長尺状細管は、滅菌対象物であることを特徴とするプラズマ生成装置。

【請求項6】
請求項5に記載のプラズマ生成装置において、該容器内には、酸素、アルゴン、又は空気の少なくとも一つを含むガスが導入されることを特徴とするプラズマ生成装置。

【請求項7】
請求項1乃至4のいずれかに記載のプラズマ生成装置において、該長尺状細管は、内壁面を被膜コーティング又はプラズマエッチングを行う対象物であることを特徴とするプラズマ生成装置。

【請求項8】
請求項1乃至5又は7のいずれかに記載のプラズマ生成装置において、該長尺状細管に、ガスを直接導入することを特徴とするプラズマ生成装置。

【請求項9】
両端が開口した長尺状細管を容器内に収容し、
該長尺状細管の両端の開口が該容器内に解放された状態で配置すると共に、該長尺状細管の内部と外部との間に圧力差を形成するため、該長尺状細管の少なくとも一部を曲げた状態か、又は該長尺状細管の両端部の開口を狭くした状態とし、かつ、該長尺状細管の少なくとも一部に磁界を印加した状態で、該容器内にマイクロ波を入射することにより、該長尺状細管内にプラズマを生成することを特徴とするプラズマ生成方法。

【請求項10】
請求項9に記載のプラズマ生成方法において、該容器内に該磁界を印加する磁界印加手段の少なくとも一部を配置し、該長尺状細管を該磁界印加手段の一部に巻付けるように配置することを特徴とするプラズマ生成方法。

【請求項11】
請求項9又は10に記載のプラズマ生成装方法において、該磁界がソレノイド磁場又はミラー磁場であり、該長尺状細管は、該磁場の中心付近に配置されることを特徴とするプラズマ生成方法。

【請求項12】
請求項9乃至11のいずれかに記載のプラズマ生成方法において、該長尺状細管内でのプラズマ生成時の内部圧力は、0.01~1Paであることを特徴とするプラズマ生成方法。

【請求項13】
請求項9乃至12のいずれかに記載のプラズマ生成方法において、該長尺状細管は、滅菌対象物であることを特徴とするプラズマ生成方法。

【請求項14】
請求項13に記載のプラズマ生成方法において、該容器内には、酸素、アルゴン、又は空気の少なくとも一つを含むガスが導入されることを特徴するプラズマ生成方法。

【請求項15】
請求項13又は14に記載のプラズマ生成方法において、該マイクロ波の入力パワーを調整し、該長尺状細管の内部温度を60℃以下に保持することを特徴とするプラズマ生成方法。

【請求項16】
請求項13乃至15のいずれかに記載のプラズマ生成方法において、該長尺状細管は細菌やウイルスの侵入を防止する樹脂製袋に収容されていることを特徴とするプラズマ生成方法。

【請求項17】
請求項9乃至12のいずれかに記載のプラズマ生成方法において、該長尺状細管は、内壁面を被膜コーティング又はプラズマエッチングを行う対象物であることを特徴とするプラズマ生成方法。
国際特許分類(IPC)
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出願権利状態 登録
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