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ミキシング装置、ミキシング信号処理装置、ミキシングプログラム及びミキシング方法 新技術説明会 外国出願あり

国内特許コード P120007472
整理番号 S2011-1051-N0
掲載日 2012年5月1日
出願番号 特願2011-189187
公開番号 特開2013-051589
登録番号 特許第5057535号
出願日 平成23年8月31日(2011.8.31)
公開日 平成25年3月14日(2013.3.14)
登録日 平成24年8月10日(2012.8.10)
発明者
  • 高橋 弘太
  • 大脇 渉
出願人
  • 国立大学法人電気通信大学
発明の名称 ミキシング装置、ミキシング信号処理装置、ミキシングプログラム及びミキシング方法 新技術説明会 外国出願あり
発明の概要


【課題】従来のミキシング装置は、特定の音源の音量を低下させる等することで、際立たせたい音源の調整を行うため、聴感上不自然である。そこで、他の音源の音量等下げずに際立たせたい音源の明りょう度を上げるミキシング装置を提供することを目的とする。
【解決手段】ミキシング装置10は、入力信号を周波数領域の信号に変換して、時間周波数平面上の信号データを生成する時間周波数変換部11a,11bと、入力信号の時間周波数平面上でのミキシングを行う信号処理部15と、時間領域の信号に変換して出力信号を出力する周波数時間変換部25とを備えている。入力信号のうちの少なくとも1つを、明りょう度を上げるために他の入力信号よりも優先する優先信号に設定する。信号処理部15が行う優先演算は、優先信号及び/又は非優先信号の振幅及び/又は位相を操作する演算を含む。
【選択図】図3

従来技術、競合技術の概要


従来から用いられているミキサは、スタジオ用ミキシングコンソールからアマチュア用ミキサに至るまで、それぞれの入力音声信号の加重和をとることによってミキシングを行うことをその動作の基本としている。加重和で不十分な場合には、エフェクタをミキサの入力及び/又は出力に連結し、線形又は非線形の演算操作を追加することによって、意図する音質や音場感を実現する。楽器音Aに音声Bをミキシングする場合において、ミキシング後にも音声Bがはっきり聞き取れるようにするためには、次のような方法がある。



第1の方法は、線形フィルタを用いる方法である。具体的には、エフェクタの一種であるイコライザを用いて、音声Bの重要な周波数帯域に対して、楽器音Aの同一の周波数帯域を減衰させるようにフィルタリングを施すことによって、音声Bの聞き取りを楽器音Aに妨害されないようにする。非特許文献1には、ベースギターとバスドラムのミキシングに関して、ベースギターの音がバスドラムの音によって妨害されないように、バスドラムの音の周波数帯域のうちの200Hz付近の帯域を減衰させる方法が記載されている。



第2の方法は、非特許文献2に記載されているduckerと呼ばれる処理系を用いる方法である。duckerを用いることによって、音声の出力レベルが一定値以上の時間区間、楽器音を一定の減衰量だけ減衰させて、減衰後の楽器音に音声を重ねることによって、音声が楽器音に妨害されずに、これらの音源のミキシングをすることができる。



第2の方法に類似する他の例として、カーステレオで音楽を再生中に、運転者のみに対してナビゲーション装置の音声を際立たせたい場合に、再生している音楽に静音処理して、静音処理した音源にナビゲーションの音声をミキシングするオーディオ音源の静音に関する技術が特許文献1に記載されている。

産業上の利用分野


本発明は、2つ以上の入力信号をミキシングして、ミキシング信号を出力するミキシング装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
時間領域の2つ以上の入力信号の各々について、該入力信号を周波数領域の信号に変換して、時間軸と周波数軸とからなる時間周波数平面上の信号データを生成する時間周波数変換部と、
上記2つ以上の入力信号の上記信号データを入力として、該入力信号の各々の信号データの上記時間周波数平面上の相対応する点毎に上記信号データの加算を含むミキシング処理を行う信号処理部と、
上記信号処理部の演算結果を入力し、時間領域の信号に変換して出力信号を出力する周波数時間変換部とを備え、
上記2つ以上の入力信号のうちの少なくとも1つは、明りょう度を上げるために他の入力信号よりも優先する優先信号であり、残りの入力信号は、非優先信号であり、
上記信号処理部が行う上記ミキシング処理は、上記相対応する点において、上記優先信号の振幅を増大させ、上記非優先信号の振幅を減少させ、該非優先信号の位相と該優先信号の位相とが近づく向きに、該非優先信号の位相又は該優先信号の位相を遅延させ若しくは進め、又は、これらを組み合わせる優先演算を含み
上記信号処理部は、上記優先信号と非優先信号の少なくとも一方の、上記相対応する点とは異なる点であって、上記時間周波数平面上において該相対応する点と所定の関係を有する点の信号データを少なくとも用いて、上記少なくとも一方の信号の信号データの上記相対応する点における信号特性を判定する信号特性判定部をさらに有し、
上記信号処理部は、さらに、上記信号特性判定部によって判定された信号特性に応じて、上記優先信号の明りょう度が上がるように、上記優先演算を行うかどうか、及び/又は、上記優先演算の処理の度合を、上記相対応する点毎に決定することを特徴とするミキシング装置。

【請求項2】
上記所定の関係を有する点は、上記少なくとも一方の信号の信号データの上記時間周波数平面上の上記相対応する点の近傍領域に位置するものであり、
該近傍領域は、上記相対応する点を含む所定の範囲及び所定の形状を有する領域又は上記相対応する点での音の倍音に相当する点からなる領域であり、
上記信号特性判定部は、
上記少なくとも一方の信号の上記相対応する点における信号データについての上記近傍領域内の点における信号データの振幅に基づいて生成される、該少なくとも一方の信号の上記相対応する点における信号データのエネルギが所定のしきい値より大きいとき、上記少なくとも一方の信号の上記相対応する点は有音であると判定するものであることを特徴とする請求項1記載のミキシング装置。

【請求項3】
上記所定の関係を有する点は、上記時間周波数平面上において上記相対応する点に隣接する点であり、
上記信号特性判定部は、
上記優先信号の上記相対応する点における信号データの振幅と、該優先信号の上記相対応する点に隣接する点における信号データの振幅とを比較し、及び/又は、
上記優先信号の上記相対応する点における信号データの位相と、該優先信号の上記相対応する点に隣接する点における信号データの位相とを比較して、
上記比較した結果、上記優先信号の上記相対応する点における信号データの振幅がすべての上記隣接する点における信号データの振幅よりも大きいとき、上記優先信号の上記相対応する点における信号データの位相と上記隣接する点における信号データの位相の関係から該優先信号の上記相対応する点における信号データのエネルギがピークであると検出されたとき、及び/又は、該優先信号の上記相対応する点における信号データの振幅がすべての該隣接する点における信号データの振幅よりも大きくかつ該優先信号の上記相対応する点における信号データの位相と該隣接する点における信号データの位相の関係から該優先信号の上記相対応する点における信号データのエネルギがピークであると検出されたときに、該優先信号の上記相対応する点はピークであると判定するものであることを特徴とする請求項1又は2記載のミキシング装置。

【請求項4】
上記信号処理部は、
上記相対応する点と、上記時間周波数平面において該相対応する点に隣接する点とにおける振幅調整量同士、位相調整量同士又は遅延調整量同士を比較して、上記相対応する点における振幅調整量、位相調整量若しくは遅延調整量のうちの少なくとも1つを制限又は緩和する関数及び/又は演算を含む調整量制限部をさらに有することを特徴とする請求項1~3いずれか1項記載のミキシング装置。

【請求項5】
上記信号処理部は、
上記優先信号及び上記非優先信号のうちの少なくとも1つの信号について、上記優先演算の対象となる信号データの調整量対して、該優先信号及び該非優先信号とは独立した信号、又は上記少なくとも1つの信号に基づいて生成される信号の信号データを加算するための信号源を更に有する請求項いずれか1項記載のミキシング装置。

【請求項6】
上記少なくとも一方の入力信号について、時間周波数平面上の複数の点の信号データを記憶する記憶部を更に備え、
上記信号処理部は、
上記少なくとも一方の入力信号の信号データについて、上記記憶部に記憶された、上記時間周波数平面上の複数の点の信号データを用いて上記ミキシング処理を行うことを特徴とする請求項1~5いずれか1項記載のミキシング装置。

【請求項7】
時間領域の2つ以上の入力信号の各々を周波数領域の信号に変換して生成され、時間軸と周波数軸とからなる時間周波数平面上の信号データを入力として、該入力信号の各々の信号データの上記時間周波数平面上の相対応する点毎に上記信号データの加算を含むミキシング処理を行いミキシング出力信号を出力する信号処理部を備え、
上記2つ以上の入力信号のうちの少なくとも1つは、明りょう度を上げるために他の入力信号よりも優先する優先信号であり、残りの入力信号は、非優先信号であり、
上記信号処理部が行う上記ミキシング処理は、上記相対応する点において、上記優先信号の振幅を増大させ、上記非優先信号の振幅を減少させ、該非優先信号の位相と該優先信号の位相とが近づく向きに、該非優先信号の位相又は該優先信号の位相を遅延させ若しくは進め、又は、これらを組み合わせる優先演算を含み
上記信号処理部は、上記優先信号と非優先信号の少なくとも一方の、上記相対応する点とは異なる点であって、上記時間周波数平面上において該相対応する点と所定の関係を有する点の信号データを少なくとも用いて、上記少なくとも一方の信号の信号データの上記相対応する点における信号特性を判定する信号特性判定部をさらに有し、
上記信号処理部は、さらに、上記信号特性判定部によって判定された信号特性に応じて、上記優先信号の明りょう度が上がるように、上記優先演算を行うかどうか、及び/又は、上記優先演算の処理の度合を、上記相対応する点毎に決定することを特徴とするミキシング信号処理装置。

【請求項8】
2つ以上の入力信号をミキシングして出力信号を出力するための、コンピュータに実行させるミキシングプログラムであって、上記コンピュータに、
時間領域の上記2つ以上の入力信号の各々について、周波数領域の信号に変換して、時間軸と周波数軸とからなる時間周波数平面上の信号データを生成するステップと、
上記2つ以上の入力信号の上記信号データを入力として、該入力信号の各々の信号データの上記時間周波数平面上の相対応する点毎に上記信号データの加算を含むミキシング処理を行いミキシングデータを生成するステップと、
上記ミキシングデータを時間領域の信号に変換して出力信号を出力するステップとを実行させ、
上記2つ以上の入力信号のうちの少なくとも1つは、明りょう度を上げるために他の入力信号よりも優先することによって優先信号であり、残りの入力信号は、非優先信号であり、
上記ミキシングデータを生成するステップで行われる上記ミキシング処理は、上記相対応する点において、上記優先信号の振幅を増大させ、上記非優先信号の振幅を減少させ、該非優先信号の位相と該優先信号の位相とが近づく向きに、該非優先信号の位相又は該優先信号の位相を遅延させ若しくは進め、又は、これらを組み合わせる優先演算を含み
上記ミキシングデータを生成するステップは、上記優先信号と非優先信号の少なくとも一方の、上記相対応する点とは異なる点であって、上記時間周波数平面上において該相対応する点と所定の関係を有する点の信号データを少なくとも用いて、上記少なくとも一方の信号の信号データの上記相対応する点における信号特性を判定し、判定された信号特性に応じて、上記優先信号の明りょう度が上がるように、上記優先演算を行うかどうか、及び/又は、上記優先演算の処理の度合を、上記相対応する点毎に決定するステップをさらに含むことを特徴とするミキシングプログラム。

【請求項9】
時間周波数変換部によって、時間領域の2つ以上の入力信号の各々について、周波数領域の信号に変換して、時間軸と周波数軸とからなる時間周波数平面上の信号データを生成するステップと、
信号処理部によって、上記2つ以上の入力信号の上記信号データを入力として、該入力信号の各々の信号データの上記時間周波数平面上の相対応する点毎に上記信号データの加算を含むミキシング処理を行いミキシングデータを生成するステップと、
周波数時間変換部によって、上記ミキシングデータを時間領域の信号に変換して出力信号を出力するステップとを有し、
上記2つ以上の入力信号のうちの少なくとも1つは、明りょう度を上げるために他の入力信号よりも優先する優先信号であり、残りの入力信号は、非優先信号であり、
上記ミキシングデータを生成するステップで行われる上記ミキシング処理は、上記相対応する点において、上記優先信号の振幅を増大させ、上記非優先信号の振幅を減少させ、該非優先信号の位相と該優先信号の位相とが近づく向きに、該非優先信号の位相又は該優先信号の位相を遅延させ若しくは進め、又は、これらを組み合わせる優先演算を含み
上記ミキシングデータを生成するステップは、上記優先信号と非優先信号の少なくとも一方の、上記相対応する点とは異なる点であって、上記時間周波数平面上において該相対応する点と所定の関係を有する点の信号データを少なくとも用いて、上記少なくとも一方の信号の信号データの上記相対応する点における信号特性を判定し、判定された信号特性に応じて、上記優先信号の明りょう度が上がるように、上記優先演算を行うかどうか、及び/又は、上記優先演算の処理の度合を、上記相対応する点毎に決定するステップをさらに含むことを特徴とするミキシング方法。
産業区分
  • 電子応用機器
国際特許分類(IPC)
画像

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JP2011189187thum.jpg
出願権利状態 権利存続中


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