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電子透かし検出装置及び電子透かし検出方法

国内特許コード P120007478
整理番号 S2011-1035-N0
掲載日 2012年5月1日
出願番号 特願2011-196449
公開番号 特開2013-057825
登録番号 特許第5879075号
出願日 平成23年9月8日(2011.9.8)
公開日 平成25年3月28日(2013.3.28)
登録日 平成28年2月5日(2016.2.5)
発明者
  • 鵜木 祐史
  • 宮内 良太
出願人
  • 国立大学法人北陸先端科学技術大学院大学
発明の名称 電子透かし検出装置及び電子透かし検出方法
発明の概要 【課題】原信号を参照することなく電子透かしデータを検出することができる電子透かし検出装置及び電子透かし検出方法を提供する。
【解決手段】
電子透かし検出装置は、音響信号への電子透かしデータの埋め込みの際に用いられた蝸牛遅延フィルタが模擬する蝸牛遅延特性を推定するための第1チャープz変換部202a及び第2チャープz変換部202bを備えており、これらの第1チャープz変換部202a及び第2チャープz変換部202bによるチャープz変換の結果により推定された蝸牛遅延特性に基づいて、音響信号に埋め込まれた電子透かしデータを検出する。
【選択図】図5
従来技術、競合技術の概要


近年では、インターネット等の通信ネットワークの普及に伴い、デジタル音楽コンテンツの配信サービス等が提供されるようになっている。しかしながら、デジタル音楽コンテンツの場合、音質をほとんど劣化することなく複製することが可能であるため、違法コピーが横行し、社会問題となっている。そこで、デジタル音楽コンテンツの著作権を保護するための技術として、著作権情報またはシリアルナンバー等の付加情報(電子透かしデータ)を音響信号に埋め込むことにより、違法コピー等の防止及び追跡等を図ることができる電子音響透かし技術が注目されている。



電子音響透かし技術としては、例えば、(1)LSB(Least Significant Bit replacement)法(非特許文献1を参照)のように符号化/量子化レベルで透かしを埋め込む方法、(2)DSS(Direct Spread Spectrum)法(非特許文献2)のように原信号の広範なスペクトルに情報を埋め込む方法がある。また、位相に係わる知覚特性に基づく方法として、(3)エコーハイディング法(以下「ECHO法」、非特許文献3を参照)、(4)周期的位相変調(PPM:Periodical Phase Modulation)法(非特許文献4及び特許文献1を参照)等が提案されている。



ところで、人間の聴覚が備える特性の一つに、蝸牛遅延(Cochlear Delay:CD)特性と呼ばれるものがある。音信号が蝸牛内(前庭階及び鼓室階にある非圧縮性のリンパ液内)を伝搬するとき、それらの二つの階の間の圧力差によって生じる蝸牛の基底膜の振動(伝播)には、信号の周波数に依存して、多少の時間差がみられる。この現象が蝸牛遅延であり、音信号の周波数が低いほど遅延が長くなることが知られている。



非特許文献5においては、上記の蝸牛遅延と音の同時性判断との間にどのような関係があるのかが検討されている。具体的には、(a)通常(蝸牛遅延操作なし)の調波複合音、(b)蝸牛の基底膜上において蝸牛遅延を打ち消すような群遅延を与えた調波複合音、(c)蝸牛遅延を増長するような群遅延を与えた調波複合音の三つの複合音を用いて聴覚心理物理実験を行い、その実験結果に基づいて、蝸牛遅延が音の同時性判断にどのような影響を与えるのかが検討されている。この非特許文献5では、複合音(b)よりも、複合音(c)を用いた場合の方が、複合音(a)と同等の同時性判断を示すことが明らかにされている。



上記の蝸牛遅延特性に着目し、電子透かしとして埋め込む情報の2値データに対応する二種類の異なる蝸牛遅延に似た遅延パターンを原信号に付与することにより、電子音響透かしを実現する方法(以下、「CD法」という)が非特許文献6及び7で提案されている。

産業上の利用分野


本発明は、デジタルデータである音響信号(音声、音楽など)に埋め込まれた電子透かしデータを検出する電子透かし検出装置及び電子透かし検出方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
蝸牛遅延特性を模擬する蝸牛遅延フィルタを用いて、デジタルデータである音響信号に位相変調を施し、前記位相変調が施された音響信号に電子透かしデータを埋め込む電子透かしデータ埋め込み装置によって、デジタルデータである音響信号に電子透かしデータが埋め込まれた場合に、前記電子透かしデータの埋め込みの際に用いられた蝸牛遅延フィルタの個数と当該蝸牛遅延フィルタのフィルタ係数とに基づいて、前記蝸牛遅延フィルタが模擬する蝸牛遅延特性を推定する蝸牛遅延特性推定手段と、
前記蝸牛遅延特性推定手段により推定された蝸牛遅延特性に基づいて、音響信号に埋め込まれた前記電子透かしデータを検出する電子透かし検出手段と
を備える、電子透かし検出装置。

【請求項2】
前記電子透かしデータ埋め込み装置が、複数の異なる蝸牛遅延フィルタを用いて音響信号に位相変調を施すことにより、複数の異なる位相変調された音響信号を生成し、電子透かしデータに応じて、前記複数の異なる位相変調された音響信号の中から一の音響信号を選択し、選択した音響信号同士を接合することにより、電子透かしデータを埋め込むように構成されており、
前記蝸牛遅延特性推定手段が、前記複数の異なる蝸牛遅延フィルタがそれぞれ模擬する複数の異なる蝸牛遅延特性を推定するように構成され、
前記電子透かし検出手段が、前記蝸牛遅延特性推定手段により推定された前記複数の異なる蝸牛遅延特性に基づいて、電子透かしデータが埋め込まれた音響信号が、前記複数の異なる蝸牛遅延フィルタのうちの何れの蝸牛遅延フィルタが適用されて位相変調が施されたかを判定することにより、電子透かしデータを検出するように構成されている、
請求項1に記載の電子透かし検出装置。

【請求項3】
前記蝸牛遅延特性推定手段が、前記蝸牛遅延フィルタの零点を推定することにより、蝸牛遅延特性を推定するように構成されている、
請求項1又は2に記載の電子透かし検出装置。

【請求項4】
前記蝸牛遅延特性推定手段が、チャープz変換を用いて、前記蝸牛遅延フィルタの零点を推定するように構成されている、
請求項3に記載の電子透かし検出装置。

【請求項5】
前記蝸牛遅延特性推定手段により推定された蝸牛遅延特性の逆特性を有するフィルタを電子透かしデータが埋め込まれた音響信号に施すことにより、電子透かしデータが埋め込まれる前の音響信号を取得する原信号取得手段をさらに備える、
請求項4に記載の電子透かし検出装置。

【請求項6】
電子透かしデータが埋め込まれた音響信号の位相変調に適用されたと前記電子透かし検出手段により判定された蝸牛遅延フィルタの逆フィルタを当該音響信号に施すことにより、電子透かしデータが埋め込まれる前の音響信号を取得する原信号取得手段をさらに備える、
請求項2に記載の電子透かし検出装置。

【請求項7】
蝸牛遅延特性を模擬する蝸牛遅延フィルタを用いて、デジタルデータである音響信号に位相変調を施し、前記位相変調が施された音響信号に電子透かしデータを埋め込む電子透かしデータ埋め込み装置によって、デジタルデータである音響信号に電子透かしデータが埋め込まれた場合に、前記電子透かしデータの埋め込みの際に用いられた蝸牛遅延フィルタの個数と当該蝸牛遅延フィルタのフィルタ係数とに基づいて、前記蝸牛遅延フィルタが模擬する蝸牛遅延特性を推定するステップ(a)と、
推定された蝸牛遅延特性に基づいて、音響信号に埋め込まれた前記電子透かしデータを検出するステップ(b)と
を有する、電子透かし検出方法。

【請求項8】
前記電子透かしデータ埋め込み装置が、複数の異なる蝸牛遅延フィルタを用いて音響信号に位相変調を施すことにより、複数の異なる位相変調された音響信号を生成し、電子透かしデータに応じて、前記複数の異なる位相変調された音響信号の中から一の音響信号を選択し、選択した音響信号同士を接合することにより、電子透かしデータを埋め込むように構成されており、
前記ステップ(a)において、前記複数の異なる蝸牛遅延フィルタがそれぞれ模擬する複数の異なる蝸牛遅延特性を推定し、
前記ステップ(b)において、前記ステップ(a)により推定された前記複数の異なる蝸牛遅延特性に基づいて、電子透かしデータが埋め込まれた音響信号が、前記複数の異なる蝸牛遅延フィルタのうちの何れの蝸牛遅延フィルタが適用されて位相変調が施されたかを判定することにより、電子透かしデータを検出する、
請求項7に記載の電子透かし検出方法。

【請求項9】
前記ステップ(a)において、前記蝸牛遅延フィルタの零点を推定することにより、蝸牛遅延特性を推定する、
請求項8に記載の電子透かし検出方法。

【請求項10】
前記ステップ(a)においてチャープz変換を用いて、前記蝸牛遅延フィルタの零点を推定する、
請求項9に記載の電子透かし検出方法。
国際特許分類(IPC)
画像

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JP2011196449thum.jpg
出願権利状態 登録
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