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癒合強度評価装置の作動方法、及び癒合強度評価装置

国内特許コード P120007498
掲載日 2012年5月9日
出願番号 特願2010-112637
公開番号 特開2010-284518
登録番号 特許第5585956号
出願日 平成22年5月14日(2010.5.14)
公開日 平成22年12月24日(2010.12.24)
登録日 平成26年8月1日(2014.8.1)
優先権データ
  • 特願2009-117611 (2009.5.14) JP
発明者
  • 五味 健二
出願人
  • 学校法人東京電機大学
発明の名称 癒合強度評価装置の作動方法、及び癒合強度評価装置
発明の概要 【課題】安心かつ安全な癒合強度評価方法を提供する。
【解決手段】患部に荷重をかけない状態で患部を撮影する第1の撮影工程と、患部に荷重をかけた状態で患部を撮影する第2の撮影工程と、前記第1の撮影工程で撮影された画像に基づいて患部の癒合部位を跨ぐネジ間の寸法及び患部の健全部位にあるネジ間の寸法を検出する第1の検出工程と、前記第2の撮影工程で撮影された画像に基づいて患部の癒合部位を跨ぐネジ間の寸法及び患部の健全部位にあるネジ間の寸法を検出する第2の検出工程と、前記第1の検出工程及び前記第2の検出工程で検出されたネジ間の寸法に基づいて患部の癒合部位のひずみ及び患部の健全部位のひずみを計算する計算工程と、前記計算工程で計算された患部の癒合部位のひずみが患部の健全部位のひずみに近いほど前記骨の癒合強度が高いと評価する評価工程と、前記評価工程で評価された前記骨の癒合強度を提示する提示工程とを備える。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要



骨折の治癒に対する診断および評価は、現在も主に単純X線写真と臨床症状とに基づいてなされている。単純X線写真とは、造影剤を使わない撮影によるX線写真を意味する。骨折治療における単純X線写真の重要性は失われることはないが、医師の経験に立脚した読影過程があるかぎり、単純X線写真のみから骨の癒合強度を正確に定義することは困難である(非特許文献1参照)。また、X線CT(Computed Tomography)あるいはMRI(magnetic resonance imaging)像による評価もやはり形態学的評価の一種であり(非特許文献2参照)、読影過程を回避できない。このような背景から、骨の癒合強度の客観的評価法が切望されてきた。ただし、骨折の治療方法が異なれば利用できる癒合強度評価法も異なるため、以降まずは骨折の治療方法について説明する。





骨折の治療方法は、創外固定器による骨の固定と、内固定によるそれとに大別される。骨折した骨に皮膚を貫通させてネジをねじ込み、体外に露出したネジ端を固定器で固定し骨の癒合を促す方法が創外固定である。これに対し、骨折した骨に接するように金属プレートをネジ留めし、体内にプレートを残したまま皮膚を縫合する方法が内固定である。骨折の治癒には癒合強度に見合った外力によるリハビリが必要である。また、いずれの治療方法でも完治後に固定器あるいはプレートを抜去する。ゆえに、リハビリ時の負荷強度および固定器の抜去時期の決定には癒合強度に関する情報が要求される。ゆえに、これらに適応する癒合強度の客観的評価法が提案されてきた。





例えば、創外固定した膝関節における骨片間の動きを創外固定器に取り付けたひずみゲージで観測し、ひずみの減少度合いで骨癒合の進行を評価する手法が知られている(非特許文献3参照)。また、治癒過程にある骨(以降、仮骨)のアコースティックエミッション特性を、創外固定器を通して観測することで骨癒合の進行を評価する手法が知られている(非特許文献4参照)。更に、光ファイバ中の光の強度に基づいて骨のひずみを測定し、ひずみの減少度合いで骨癒合の進行を評価する手法も知られている(特許文献1参照)。これらはいずれも創外固定を前提とした評価法である。

ところで、創外固定と内固定の優劣は最終的な機能予後と治癒期間との総合評価で判定されるべきであり、そのような観点で治療法を選択すると内固定を行う症例の方が圧倒的に多いことが知られている(非特許文献5、6参照)。内固定に適応する癒合強度の客観的評価法としては、例えば、超音波エコーをウエーブレット変換することで仮骨の硬さなどを定量評価する手法が知られている(非特許文献2参照)。また、骨の固有振動数から骨癒合の進行を評価する手法が知られている(非特許文献7参照)。

産業上の利用分野



本発明は、骨の癒合強度を評価する癒合強度評価方法及び癒合強度評価装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
患部に含まれる骨折した骨に、創内に埋め込んだプレートをネジ留めして架橋する、あるいは創外でネジを架橋することによって前記骨の癒合を促す骨折治療の治療過程で前記骨の癒合強度を評価する癒合強度評価装置の作動方法であって、
前記患部に荷重をかけない状態で前記患部を撮影する第1の撮影工程と、
前記患部に荷重をかけた状態で前記患部を撮影する第2の撮影工程と、
前記第1の撮影工程で撮影された画像に基づいて前記患部の癒合部位を跨ぐ前記ネジ間の寸法及び前記患部の健全部位にある前記ネジ間の寸法を検出する第1の検出工程と、
前記第2の撮影工程で撮影された画像に基づいて前記患部の癒合部位を跨ぐ前記ネジ間の寸法及び前記患部の健全部位にある前記ネジ間の寸法を検出する第2の検出工程と、
前記第1の検出工程及び前記第2の検出工程で検出された前記ネジ間の寸法に基づいて前記患部の癒合部位のひずみ及び前記患部の健全部位のひずみを計算する計算工程と、
前記計算工程で計算された前記患部の癒合部位のひずみが前記患部の健全部位のひずみに近いほど前記骨の癒合強度が高いと評価する評価工程と、
前記評価工程で評価された前記骨の癒合強度を提示する提示工程と
を備えることを特徴とする癒合強度評価装置の作動方法。

【請求項2】
前記第1の検出工程では、前記第1の撮影工程で撮影された画像の中から前記患部の癒合部位を跨ぐサブセット領域と前記患部の健全部位にあるサブセット領域とがユーザによって指定されると、指定されたサブセット領域の図心に基づいて前記ネジ間の寸法を検出することを特徴とする請求項1記載の癒合強度評価装置の作動方法。

【請求項3】
前記第1の検出工程では、前記第1の撮影工程で撮影された画像に含まれる部位のうち他の部位と比較してひずみの大きい部位を前記患部の癒合部位として特定するとともに前記他の部位を前記患部の健全部位として特定し、特定した前記患部の癒合部位を跨ぐサブセット領域の図心と前記患部の健全部位にあるサブセット領域の図心とに基づいて前記ネジ間の寸法を検出することを特徴とする請求項1記載の癒合強度評価装置の作動方法。

【請求項4】
前記第2の検出工程では、前記サブセット領域にもっとも類似しているサブセット領域を前記第2の撮影工程で撮影された画像の中から画像相関法を用いたパターンマッチングによって探索し、探索したサブセット領域の図心に基づいて前記ネジ間の寸法を検出することを特徴とする請求項2又は3記載の癒合強度評価装置の作動方法。

【請求項5】
前記第2の検出工程では、エッジ検出または位相相関法を用いた画像処理によって前記第2の撮影工程で撮影された画像の中から前記ネジの位置を検出することを特徴とする請求項2又は3記載の癒合強度評価装置の作動方法。

【請求項6】
前記評価工程では、「前記健全部位のひずみ/前記癒合部位のひずみ」*100[%]によって前記骨の癒合強度を評価することを特徴とする請求項1記載の癒合強度評価装置の作動方法。

【請求項7】
前記評価工程では、前記患部の左右あるいはそれ以上それぞれについて前記骨の癒合強度を評価することを特徴とする請求項1記載の癒合強度評価装置の作動方法。

【請求項8】
前記第1の撮影工程及び前記第2の撮影工程では、単純X線によって前記患部を撮影することを特徴とする請求項1記載の癒合強度評価装置の作動方法。

【請求項9】
前記ネジを抜去した後は、前記ネジに代えて前記骨に開いたネジ穴を用いることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の癒合強度評価装置の作動方法。

【請求項10】
前記評価工程では、前記第1の撮影工程で撮影された画像と前記第2の撮影工程で撮影された画像の撮影倍率の変化を前記癒合部位のひずみと前記健全部位のひずみとに基づいてキャンセルしたうえで前記骨の癒合強度を評価することを特徴とする請求項1記載の癒合強度評価装置の作動方法。

【請求項11】
前記評価工程では、荷重前に撮影された画像を、荷重中に撮影された画像に対して、荷重が解放された状態と考えることで、前記撮影倍率の変化をx、荷重解放による前記癒合部位の寸法aの伸びをΔa、荷重解放による前記健全部位の寸法aの伸びをΔaとした場合、次式をn乗することで最右辺における分子及び分母の「1」の影響が無視できるようひずみεを拡大し、前記撮影倍率の変化をキャンセルすることを特徴とする請求項10記載の癒合強度評価装置の作動方法。
【数1】



【請求項12】
さらに、
前記癒合部位を境界とする2つの骨の交差角度θを画像処理によって求め、
前記患部にかかる荷重Wの荷重変化ΔWと前記交差角度θの角度変化Δθとから変化率Δθ/ΔWを算出し、
前記変化率Δθ/ΔWに基づいて前記骨の癒合強度を評価する
ことを特徴とする請求項1記載の癒合強度評価装置の作動方法。

【請求項13】
前記評価工程では、所定期間ごとに荷重前および荷重中の撮影を行い「前記患部の健全部位のひずみ」/「前記患部の癒合部位のひずみ」の値の増加傾向で癒合強度の増加を評価することを特徴とする請求項1記載の癒合強度評価装置の作動方法。

【請求項14】
患部に含まれる骨折した骨に、創内に埋め込んだプレートをネジ留めして架橋する、あるいは創外でネジを架橋することによって前記骨の癒合を促す骨折治療の治療過程で前記骨の癒合強度を評価する癒合強度評価装置であって、
前記患部に荷重をかけない状態で前記患部を撮影するとともに、前記患部に荷重をかけた状態で前記患部を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段によって前記患部に荷重をかけない状態で撮影された画像に基づいて前記患部の癒合部位を跨ぐ前記ネジ間の寸法及び前記患部の健全部位にある前記ネジ間の寸法を検出する第1の検出手段と、
前記撮影手段によって前記患部に荷重をかけた状態で撮影された画像に基づいて前記患部の癒合部位を跨ぐ前記ネジ間の寸法及び前記患部の健全部位にある前記ネジ間の寸法を検出する第2の検出手段と、
前記第1の検出手段及び前記第2の検出手段によって検出された前記ネジ間の寸法に基づいて前記患部の癒合部位のひずみ及び前記患部の健全部位のひずみを計算する計算手段と、
前記計算手段によって計算された前記患部の癒合部位のひずみが前記患部の健全部位のひずみに近いほど前記骨の癒合強度が高いと評価する評価手段と、
前記評価手段によって評価された前記骨の癒合強度を提示する提示手段と
を備えることを特徴とする癒合強度評価装置。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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