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ウイルスの識別方法

国内特許コード P120007557
整理番号 S2010-0517
掲載日 2012年5月17日
出願番号 特願2011-045488
公開番号 特開2011-200226
登録番号 特許第5818059号
出願日 平成23年3月2日(2011.3.2)
公開日 平成23年10月13日(2011.10.13)
登録日 平成27年10月9日(2015.10.9)
優先権データ
  • 特願2010-047640 (2010.3.4) JP
発明者
  • 甲斐 雅亮
  • 椛島 力
  • 柴田 孝之
出願人
  • 国立大学法人 長崎大学
発明の名称 ウイルスの識別方法
発明の概要 【課題】変異型を含むウイルスの迅速かつ簡便な検出方法を提供すること。
【解決手段】以下の工程:
(1)変異が疑われるウイルス由来のプロテアーゼとその基質ペプチドとを接触させて、基質ペプチドを分解させる工程;
(2)ホウ酸溶液中、酸化剤存在下で、工程(1)で得られた分解ペプチドとカテコールまたはその誘導体とを反応させて、蛍光体を製造する工程;
(3)工程(2)で得られた蛍光体を検出する工程
を含む、変異型を含むウイルスの検出方法。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


ウイルス遺伝子にコードされているタンパク質は、大きな前駆体タンパク質として転写・翻訳され、ウイルス特有のプロテアーゼによって切断された後、ウイルスを構成する成熟タンパク質となる。このため、ウイルス由来のプロテアーゼはウイルスの成熟において重要な役割をしており、医薬品開発の標的分子となっている。例えば、エイズ(後天性免疫不全症候群)の原因であるヒト免疫不全ウイルス(Human Immunodeficiency Virus;HIV)の治療薬として、HIVプロテアーゼの阻害剤(例、インジナビル、サキナビル、リトナビルなど)が開発され、治療薬として使われている。また、C型肝炎ウイルス(Hepatitis C Virus;HCV)のプロテアーゼを阻害する化合物を投与することで、血中のHCV量を減少できることも報告されている。この他にも、重症急性呼吸器症候群(Severe Acute Respiratory Syndrome;SARS)の原因であるSARSウイルスやコクサッキーウイルス、ライノウイルス、E型肝炎ウイルス、ノロウイルスなどのウイルスプロテアーゼを標的とした治療薬の開発が行われている。



ウイルス性疾患における最大の問題として、ウイルス遺伝子の変異による薬剤耐性ウイルスの出現がある。例えば、HIVは非常に変異しやすいウイルスであり、現在の長期薬剤投与によるエイズ治療においては、HIVプロテアーゼをコードする遺伝子上に変異がおこり、変異プロテアーゼと阻害剤の親和性が低下するため、薬剤耐性ウイルスへと変化する。したがって感染しているウイルスが薬剤耐性ウイルスであるか否かを検査することは、適切な治療計画や新薬の開発において極めて重要なことである。現在のところ、ウイルスの突然変異体の同定は遺伝子解析法に委ねられている。



遺伝子解析法は、変異体ウイルスの遺伝子をポリメラーゼチェイン反応(PCR)によって増幅して塩基配列を決定する。したがって変異体ウイルスの場合は未知の変異配列を解読できるプライマーDNAをその都度開発する必要があり、その作製に相当時間を要するため迅速に検査結果を得がたい。さらに塩基配列に変異が認められても、プロテアーゼ阻害剤をもとに開発された抗ウイルス薬に対して耐性であるか否かを直接判定できない欠点がある。
また、ウイルスの多重感染(例えば、HIV-1とHIV-2の同時感染)では、多重感染に気づかなかった場合、他のウイルスによる感染を見逃す危険性がある。



一方で発明者らは、逆相液体クロマトグラフィーとペプチドN末端部位における蛍光体形成反応とを利用したペプチド定量方法を開発した(非特許文献1参照)。

産業上の利用分野


本発明は、ウイルス由来のプロテアーゼに対する基質特異性に基づく、ウイルスの識別方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
以下の工程:
(1)変異が疑われるプロテアーゼとその少なくとも2種のN末端アセチル化基質ペプチドとを接触させて、基質ペプチドを分解させる工程;
(2)ホウ酸溶液中、酸化剤存在下で、工程(1)で得られた分解ペプチドと、下記カテコールまたはその誘導体:
【化1】



(式中、Rは、水素原子、ハロゲン原子、C1-6アルキル、C1-6アルキル-カルボキシル、カルボキシル)
とを反応させて、蛍光体を製造する工程;
(3)工程(2)で得られた蛍光体をHPLCで測定する工程;および
(4)工程(3)で得られた測定結果から、変異が疑われるプロテアーゼの基質ペプチドに対する活性と野生型プロテアーゼの該基質ペプチドに対する活性とを該基質ペプチドの分解率を指標に比較し、該変異が疑われるプロテアーゼが変異型であるか否かを識別する工程
を含む、変異プロテアーゼの検出方法。

【請求項2】
酸化剤が過ヨウ素酸ナトリウムである、請求項に記載の方法。

【請求項3】
工程(1)で得られた分解ペプチドとカテコールまたはその誘導体との反応が、80℃~110℃で行われる、請求項1または2に記載の方法。

【請求項4】
変異が疑われるプロテアーゼが血液または唾液の生体試料から採取されたものである、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。

【請求項5】
変異が疑われるプロテアーゼが血液または唾液の生体試料から採取され、該生体試料中に存在する、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。

【請求項6】
変異が疑われるプロテアーゼがHIVプロテアーゼである、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。

【請求項7】
変異が疑われるプロテアーゼがHIVプロテアーゼであり、以下の工程:
(0)血液または唾液からRNAを抽出し、逆転写酵素を用いて、HIVウイルスのcDNAを作製し、該cDNAを鋳型とするPCRにより、HIVプロテアーゼ遺伝子を増幅し、発現ベクターにクローニングして発現プラスミドを作製し、該発現プラスミドを用いて、大腸菌または動物細胞を形質転換することにより、HIVプロテアーゼを準備する行程
によりHIVプロテアーゼを準備することをさらに含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
産業区分
  • 微生物工業
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2011045488thum.jpg
出願権利状態 登録
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