TOP > 国内特許検索 > 赤かび病抵抗性植物の作製方法およびその利用

赤かび病抵抗性植物の作製方法およびその利用 新技術説明会

国内特許コード P120007596
掲載日 2012年5月25日
出願番号 特願2011-015302
公開番号 特開2011-172562
登録番号 特許第5794610号
出願日 平成23年1月27日(2011.1.27)
公開日 平成23年9月8日(2011.9.8)
登録日 平成27年8月21日(2015.8.21)
優先権データ
  • 特願2010-020567 (2010.2.1) JP
発明者
  • 西内 巧
  • 浅野 智哉
  • 加藤 智朗
出願人
  • 国立大学法人金沢大学
発明の名称 赤かび病抵抗性植物の作製方法およびその利用 新技術説明会
発明の概要 【課題】トリコテセン系カビ毒を産生する糸状菌Fusarium graminearumの感染により、イネ科植物に起こる赤かび病に対して、抵抗性を有する植物の作製方法を提供する。
【解決手段】イネ科植物において、特定のアミノ酸配列を有し、赤かび病に対する感受性に関与するタンパク質をコードする遺伝子の発現を抑制する、RNAi法、アンチセンス法、遺伝子破壊法および共抑制法等の工程を含む、赤かび病抵抗性植物の作製方法。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


糸状菌であるフザリウム・グラミネアラム(Fusarium graminearum)を原因菌とする麦類赤かび病は、コムギ、オオムギ、エン麦、トウモロコシ等の多くのイネ科主要穀物に感染する病害であり、最重要病害のひとつとして知られる。赤かび病菌は、ありふれた腐生菌で、世界中の麦作地帯に分布しており、特に開花期から登熟期に雨の多い地域で被害が大きい。この赤かび病菌が穂に感染することによって、粒の肥大の阻害や穂全体の枯れが引き起こされ、穀粒の商品価値が損なわれるのみならず、赤かび病菌が産生するトリコテセン系カビ毒が、食品の安全性の観点から問題とされている。



トリコテセン系カビ毒は、pHの変化や熱に対して安定であるため無毒化することが困難であり、人畜が摂取すると吐き気、嘔吐、腹痛といった中毒症状を引き起こし、状況によっては死に至る極めて危険性の高い毒素である。トリコテセン系カビ毒は、非常に多様な分子種が存在し、その構造から大きく4つのグループに分けられる。赤かび病菌の中には数多くのstrainがあり、それぞれが産生するトリコテセン系カビ毒の分子種が決まっている。これらのうち、汚染の報告例が多いのはタイプAとタイプBの2つである。



タイプAには、非常に毒性の強いT2トキシン等が含まれるが、汚染範囲が限られている。一方、タイプBのトリコテセン系カビ毒には、デオキシニバレノール(Deoxynivalenol;DON)やニバレノール(Nivalenol;NIV)等が含まれる。タイプBの毒性はタイプAほど強くないが、汚染範囲が広範であるため、被害はより深刻である。例えば、我が国においては、2002年5月、厚生労働省により小麦粒中に含まれるDONの濃度を1.1ppm以下とする暫定基準値が設けられている。



このように、一定基準を超えてトリコテセン系カビ毒を含有する赤かび病罹病穀物は醸造、加工、飼料等いかなる形態でも利用することができず廃棄される。その一方で、食の安全性に対する意識が高まっているため、赤かび病発生を抑える農薬は極力使用しない栽培が求められている。



このような環境のなか、赤かび病の抵抗性品種の開発が世界規模で解決すべき緊急の課題となっており、既にいくつかの技術が報告されている。例えば、特許文献1には、二条性を示すオオムギ品種と六条性を示すオオムギ品種との交配分離世代を用い、これらの各個体の条性を正確に判定し、条性に関与する遺伝子および該遺伝子と連鎖する分子マーカーを用いて、二条あるいは六条性遺伝子と連鎖する赤かび病抵抗性を識別する技術が記載されている。

産業上の利用分野


本発明は、赤かび病抵抗性植物の作製方法およびその利用に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
植物において、以下の(a)~(e)のいずれかの遺伝子の発現を抑制する工程を含むことを特徴とする赤かび病抵抗性植物の作製方法。
(a)配列番号1~12,37~42に記載されるアミノ酸配列からなるタンパク質をコードする遺伝子。
(b)配列番号1~12,37~42に記載されるアミノ酸配列において、1または数個のアミノ酸残基が置換、欠失、挿入および/または付加されたアミノ酸配列からなり、かつ赤かび病に対する感受性に関与するタンパク質をコードする遺伝子。
(c)配列番号1~12,37~42に記載されるアミノ酸配列と90%以上の相同性を有するアミノ酸配列からなり、かつ赤かび病に対する感受性に関与するタンパク質をコードする遺伝子。
(d)配列番号19~30,43~48に記載される塩基配列からなる遺伝子。
(e)上記(a)~(d)のいずれかの遺伝子と相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつ赤かび病に対する感受性に関与するタンパク質をコードする遺伝子。

【請求項2】
上記遺伝子の発現を抑制する工程は、RNAi法、アンチセンス法、遺伝子破壊法および共抑制法から選択されるいずれかの手法により行なわれることを特徴とする請求項1に記載の赤かび病抵抗性植物の作製方法。

【請求項3】
上記(a)~(e)のいずれかの遺伝子の発現を抑制した植物細胞を作製する工程、
該植物細胞から植物体を再生させる工程を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の赤かび病抵抗性植物の作製方法。

【請求項4】
請求項1~のいずれか1項に記載の作製方法により得られたことを特徴とする赤かび病抵抗性植物。

【請求項5】
植物において、以下の(a)~(e)のいずれかの遺伝子の有無、あるいは該遺伝子の発現が抑制されているか否かを判定する工程を含むことを特徴とする赤かび病抵抗性植物の選抜方法。
(a)配列番号1~12,37~42に記載されるアミノ酸配列からなるタンパク質をコードする遺伝子。
(b)配列番号1~12,37~42に記載されるアミノ酸配列において、1または数個のアミノ酸残基が置換、欠失、挿入および/または付加されたアミノ酸配列からなり、かつ赤かび病に対する感受性に関与するタンパク質をコードする遺伝子。
(c)配列番号1~12,37~42に記載されるアミノ酸配列と90%以上の相同性を有するアミノ酸配列からなり、かつ赤かび病に対する感受性に関与するタンパク質をコードする遺伝子。
(d)配列番号19~30,43~48に記載される塩基配列からなる遺伝子。
(e)上記(a)~(d)のいずれかの遺伝子と相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつ赤かび病に対する感受性に関与するタンパク質をコードする遺伝子。
産業区分
  • 微生物工業
  • 農林
  • 有機化合物
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
(有)金沢大学ティ・エル・オーは、金沢大学の研究者の出願特許を産業界へ技術移転することを主目的として、金沢大学の教官の出資により設立された技術移転機関です。
ご興味のある方は、下記「問合せ先」へ整理番号と共にご連絡願います。
なお、既に活用のお申し込み・お打合わせ等の段階に入っている場合もございますので、予めご承知おきください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close