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比内地鶏を識別するためのツールおよびその利用

国内特許コード P120007635
掲載日 2012年6月4日
出願番号 特願2010-139587
公開番号 特開2010-246556
登録番号 特許第4930735号
出願日 平成22年6月18日(2010.6.18)
公開日 平成22年11月4日(2010.11.4)
登録日 平成24年2月24日(2012.2.24)
発明者
  • 高橋 秀彰
  • 力丸 宗弘
出願人
  • 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構
  • 秋田県
発明の名称 比内地鶏を識別するためのツールおよびその利用
発明の概要

【課題】比内地鶏を検出する技術を開発する。
【解決手段】比内地鶏を識別するためのプライマーセットを提供する。上記プライマーセットを用いて鶏のゲノムDNAを増幅することにより得られるDNAマーカーは、比内鶏にてその長さが遺伝的に固定されているので、上記DNAマーカーが、比内鶏において遺伝的に固定されている長さを有するDNAマーカーを含まない場合は、被験鶏が比内地鶏ではないと判定する。
【選択図】なし

従来技術、競合技術の概要


秋田県北東部比内地方の原産種である比内鶏は、もともと食用として珍重されていたが、個体数が減少したために、天然記念物として保護されるようになった。そこで、比内地鶏が、比内鶏に代わる流通可能な肉用鶏として、秋田県畜産試験場において作出された。



比内地鶏は、比内鶏の雄とロードアイランドレッド種等の雌との一代交雑鶏である、秋田県の地域特産鶏(地鶏)である。安全面、品質面に優れた商品である地鶏肉の需要が近年高まっており、比内地鶏もまた関東圏を中心として供給量が増えてきている。



比内地鶏の供給量が増加するにつれて、流通過程における比内鶏肉以外の鶏肉の混入が懸念されるようになった。しかし、外見で比内鶏肉を他の鶏肉と区別することは難しい。そのため、消費者のみならず、生産者からも科学的根拠に基づいた地鶏肉の識別手法の開発が求められている。「BT戦略大綱」においても、「食品に関する表示項目を科学的に検証するため、品種・産地判別技術を開発する」と謳われており、地鶏肉判別技術の開発は、積極的に取り組むべき重要課題といえる。



さて、品種間の識別方法としてはDNAを用いる技術が知られており、以下のような品種に適用されている:黒毛和種(特許文献1);鹿児島黒豚(特許文献2、特許文献3);イチゴ(特許文献4、特許文献5);レタス(特許文献6);大麦または麦芽(特許文献7);イグサ(特許文献8、特許文献9、特許文献10);イネ(特許文献10);および名古屋コーチン(非特許文献1)。



非特許文献1に記載の名古屋コーチンのDNA識別法では、名古屋コーチンにおいて遺伝的に固定されているマイクロサテライトマーカーを用いて、鶏が名古屋コーチンであるか否かを判断している。マイクロサテライトマーカーは、マイクロサテライトDNAマーカーとも呼ばれ、ゲノム中に散在する、単純な塩基配列の繰り返し領域のことである。この領域の長さは繰り返し数に依存して多様であることが知られている。なお、非特許文献1にて用いられているマイクロサテライトマーカーは、公知のマイクロサテライトマーカーから選定されたものである(非特許文献2参照)。



近年、鶏ゲノムの解析により、多くのマイクロサテライトが同定されており、マイクロサテライト部位の両側に位置する特異的な塩基配列を含むマイクロサテライトマーカーが開発された。鶏のマイクロサテライトマーカーをPCR等の遺伝子増幅法で検出するための特異的な塩基配列が、プライマー配列として公開されている(非特許文献2および非特許文献3参照)。

産業上の利用分野


本発明は、比内地鶏と他の鶏とを識別するツールおよびその利用に関するものであり、特に、ゲノム配列内の特定領域を利用して比内地鶏を検出するためのツールおよびその利用に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
比内地鶏を検出するためのDNAマーカーであって、(A)または(B)のポリヌクレオチドを含む、長さが1000塩基以下のポリヌクレオチドであることを特徴とするDNAマーカー:
(A)配列番号5に示される塩基配列からなるポリヌクレオチド;または、
(B)比内鶏のゲノムDNAから、第9のプライマーおよび第10のプライマーからなるプライマーセットを用いて増幅されるポリヌクレオチドであって、第9のプライマーは、配列番号14に示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであり、第10のプライマーは、配列番号15に示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドである、ポリヌクレオチド。

【請求項2】
鶏のゲノムDNAを、第5のプライマーセットを用いて増幅する工程を包含し、
第5のプライマーセットは、第9のプライマーおよび第10のプライマーからなり、
第9のプライマーは、配列番号14に示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであり、第10のプライマーは、配列番号15に示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであることを特徴とする比内地鶏の検出方法。

【請求項3】
鶏のゲノムDNAを、第2、第3および第4のプライマーセットからなる群より選ばれる少なくとも一つのプライマーセットを用いて増幅する工程をさらに包含し
2のプライマーセットは、第3のプライマーおよび第4のプライマーからなり、
第3のプライマーは、配列番号8に示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであり、
第4のプライマーは、配列番号9に示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであり、
第3のプライマーセットは、第5のプライマーおよび第6のプライマーからなり、
第5のプライマーは、配列番号10に示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであり、
第6のプライマーは、配列番号11に示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであり、
第4のプライマーセットは、第7のプライマーおよび第8のプライマーからなり、
第7のプライマーは、配列番号12に示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであり、
第8のプライマーは、配列番号13に示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドである
ことを特徴とする請求項2に記載の比内地鶏の検出方法。

【請求項4】
鶏のゲノムDNAを、第5のプライマーセットを用いて増幅する増幅工程、および該増幅工程によって得られたポリヌクレオチドと、配列番号5に示される塩基配列からなる参照用ポリヌクレオチドとを比較する比較工程を包含する比内地鶏の検出方法であって、
第5のプライマーセットは、第9のプライマーおよび第10のプライマーからなり、
第9のプライマーは、配列番号14に示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであり、
第10のプライマーは、配列番号15に示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドである
ことを特徴とする検出方法。

【請求項5】
上記比較工程は、上記増幅工程によって得られたポリヌクレオチドの中に、上記参照用ポリヌクレオチドと塩基数が等しいポリヌクレオチドが存在するか否かを判定するサブ工程を包含していることを特徴とする請求項4に記載の方法。

【請求項6】
第5のプライマーセットを備えており、
第5のプライマーセットは、第9のプライマーおよび第10のプライマーからなり、
第9のプライマーは、配列番号14に示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであり、
第10のプライマーは、配列番号15に示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドである
ことを特徴とする比内地鶏の検出キット。

【請求項7】
第2、第3および第4のプライマーセットからなる群より選ばれる少なくとも一つのプライマーセットをさらに備え、
第2のプライマーセットは、第3のプライマーおよび第4のプライマーからなり、
第3のプライマーは、配列番号8に示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであり、
第4のプライマーは、配列番号9に示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであり、
第3のプライマーセットは、第5のプライマーおよび第6のプライマーからなり、
第5のプライマーは、配列番号10に示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであり、
第6のプライマーは、配列番号11に示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであり、
第4のプライマーセットは、第7のプライマーおよび第8のプライマーからなり、
第7のプライマーは、配列番号12に示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであり、
第8のプライマーは、配列番号13に示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドである、
ことを特徴とする請求項6に記載の比内地鶏の検出キット。

【請求項8】
第5のプライマーセット、および配列番号5に示される塩基配列からなるポリヌクレオチドを備えていることを特徴とする比内地鶏の検出キットであって、
第5のプライマーセットは、第9のプライマーおよび第10のプライマーからなり、
第9のプライマーは、配列番号14に示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであり、
第10のプライマーは、配列番号15に示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドである
ことを特徴とする検出キット。
産業区分
  • 微生物工業
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中


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