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クロスカップリング反応用触媒、及びこれを用いた芳香族化合物の製造方法 新技術説明会 外国出願あり

国内特許コード P120007667
整理番号 2159
掲載日 2012年6月14日
出願番号 特願2010-518946
登録番号 特許第5622573号
出願日 平成21年3月10日(2009.3.10)
登録日 平成26年10月3日(2014.10.3)
国際出願番号 JP2009054588
国際公開番号 WO2010001640
国際出願日 平成21年3月10日(2009.3.10)
国際公開日 平成22年1月7日(2010.1.7)
優先権データ
  • 特願2008-174021 (2008.7.2) JP
発明者
  • 中村 正治
  • 畠山 琢次
  • 藤原 優一
出願人
  • 国立大学法人京都大学
発明の名称 クロスカップリング反応用触媒、及びこれを用いた芳香族化合物の製造方法 新技術説明会 外国出願あり
発明の概要 本発明は、ハロゲン化アルキルと芳香族マグネシウム試薬とのクロスカップリング反応により、効率的に収率良くアルキル化された芳香族化合物を製造する方法を提供する。一般式(1):
R-Ar’ (1)
[式中、Rは炭化水素基、Ar’はアリール基である。]
で表される芳香族化合物の製造方法であって、鉄化合物及び一般式(4):



[式中、Qはアリール環から隣接する炭素原子上の2個の水素原子(H)を除いた2価の基であり、Arはアリール基を示す。]
で表されるビスホスフィン化合物からなるクロスカップリング反応用触媒の存在下、一般式(2):
R-X (2)
[式中、Xはハロゲン原子を示し、Rは前記に同じ。]
で表される化合物と、一般式(3):
Ar’-MgY (3)
[式中、Yはハロゲン原子を示し、Ar’は前記に同じ。]
で表されるマグネシウム試薬を反応させることを特徴とする製造方法。
従来技術、競合技術の概要



アルキル化芳香族化合物、特に第二級アルキル基を芳香環上に有する一群の芳香族化合物は、医薬や農薬等の化成品中間体、液晶などの原料として有用であることが知られている。





近年、ハロゲン化アルキルと芳香族金属試薬とをクロスカップリングさせる反応が精力的に研究されてきている。特に、安価であり入手が容易である鉄触媒を用いたクロスカップリング反応について報告がなされている(例えば、非特許文献1~8、特許文献1)。





例えば、特許文献1及び非特許文献7には、塩化鉄(III)及びN,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)の存在下に、ハロゲン化アルキルと芳香族マグネシウム試薬をクロスカップリング反応させる方法が記載されている。しかし、この方法では、基質であるハロゲン化アルキルに対し鉄触媒を5モル%程度と比較的多く必要であることから、コスト面及び反応の効率面で改善の余地があった。また、クロスカップリング化合物に多様な機能性を付与する観点から、芳香環上にフッ素原子を導入することが盛んに行われている。しかし、この方法では、芳香環上にフッ素原子を有する芳香族マグネシウム試薬では、クロスカップリング反応が全く進行しないため、多様な機能性化合物の製造方法としては制約がある。





また、非特許文献8では、塩化鉄(III)及び1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)ベンゼン(DPPBz)の存在下に、ハロゲン化アルキルと芳香族亜鉛試薬をクロスカップリング反応させる方法が記載されている。この方法でも、ハロゲン化アルキルに対し鉄触媒を3モル%程度と比較的多く必要であり、コスト面及び反応の効率面で改善の余地があった。





これらの点から、基質の構造に制約がなく多様性のあるクロスカップリング化合物を効率よく製造することができる製造方法が望まれていた。

【特許文献1】

際公開第2005/075384号パンフレット

【非特許文献1】

rg.Lett., 6, 1297 (2004)

【非特許文献2】

ngew. Chem.., Int. Ed., 43, 3955 (2004)

【非特許文献3】

. Org. Chem., 71, 1104 (2006)

【非特許文献4】

ngew. Chem.., Int. Ed., 46, 4346 (2007)

【非特許文献5】

ngew. Chem.., Int. Ed., 47, 1 (2008)

【非特許文献6】

ynlett, 1794 (2005)

【非特許文献7】

. Am. Chem. Soc., 126, 3686-3687 (2004)

【非特許文献8】

本化学会第87春季年会講演予稿集、1D8-12

産業上の利用分野



本発明は、鉄化合物及びビスホスフィン化合物からなる新規触媒の調製方法、及び該触媒を用いてハロゲン化炭化水素類と芳香族金属試薬とをカップリングさせて芳香族化合物を製造する方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
一般式(4b)
【化1】


[式中、Arは同一又は異なって式:
【化2】


(式中、R110及びR130は同一又は異なって、C3-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、又はトリ(C1-6アルキル)シリル基を示す。)
を示す。]
で表されるビスホスフィン化合物。

【請求項2】
前記Arが同一又は異なって、式:
【化3】


である、請求項1に記載のビスホスフィン化合物。

【請求項3】
一般式(4b)
【化4】


[式中、Arは同一又は異なって式:
【化5】


(式中、R110及びR130は同一又は異なって、C3-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、又はトリ(C1-6アルキル)シリル基を示す。)
を示す。]
で表されるビスホスフィン化合物の製造方法であって、一般式(6):
【化6】


[式中、Xはハロゲン原子を示し、Qはオルトフェニレン基を示す。]
で表される化合物に、一般式(7):
Ar



-M (7)
[式中、MはLi又は式:MgYで示される基であり、Yはハロゲン原子を示す。Arは前記に同じ。]
で表される金属試薬を反応させることを特徴とする製造方法。

【請求項4】
前記Arが同一又は異なって、式:
【化7】


である、請求項3に記載のビスホスフィン化合物の製造方法。

【請求項5】
鉄化合物及び一般式(4):
【化8】


[式中、Qは置換基を有してもよいアリール環又は置換基を有してもよいヘテロアリール環から隣接する炭素原子上の2個の水素原子(H)を除いた2価の基であり、Arは同一又は異なって、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラルキル基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、トリアルキルシリル基、ジアルキルアリールシリル基、アルキルジアリールシリル基、及びトリアリールシリル基からなる群より選ばれる置換基を有するアリール基、又はハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラルキル基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、トリアルキルシリル基、ジアルキルアリールシリル基、アルキルジアリールシリル基、及びトリアリールシリル基からなる群より選ばれる置換基を有してもよいヘテロアリール基を示す。]
で表されるビスホスフィン化合物からなるクロスカップリング反応用触媒。

【請求項6】
前記一般式(4)において、Arが式:
【化9】


[式中、Rは同一又は異なって、F、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラルキル基、トリアルキルシリル基、ジアルキルアリールシリル基、アルキルジアリールシリル基、又はトリアリールシリルを示し、n1は1~5の整数、n2は1~4の整数を示す。]
で表される基である請求項5に記載のクロスカップリング反応用触媒。

【請求項7】
前記一般式(4)において、Arが式:
【化10】


[式中、R11、R12及びR13は同一又は異なってH、C~Cアルキル基、C~Cアルコキシ基、又はトリアルキルシリル基を示す。但し、R11、R12及びR13の全てがHの場合を除く。]
で表される基である請求項5に記載のクロスカップリング反応用触媒。

【請求項8】
前記一般式(4)のArにおいて、R12がHであり、R11及びR13が同一又は異なってC~Cアルキル基、又はトリアルキルシリル基である請求項7に記載のクロスカップリング反応用触媒。

【請求項9】
前記一般式(4)において、Qが式:
【化11】


で表される2価の基である請求項5~8のいずれかに記載のクロスカップリング反応用触媒。

【請求項10】
一般式(5):
【化12】


[式中、Xはハロゲン原子を示す。qは1、2又は3を示す。rは1又は2を示す。Qは置換基を有してもよいアリール環又は置換基を有してもよいヘテロアリール環から隣接する炭素原子上の2個の水素原子(H)を除いた2価の基であり、Arは同一又は異なって、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラルキル基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、トリアルキルシリル基、ジアルキルアリールシリル基、アルキルジアリールシリル基、及びトリアリールシリル基からなる群より選ばれる置換基を有するアリール基、又はハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラルキル基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、トリアルキルシリル基、ジアルキルアリールシリル基、アルキルジアリールシリル基、及びトリアリールシリル基からなる群より選ばれる置換基を有してもよいヘテロアリール基を示す。]
で表される錯体。

【請求項11】
一般式(1):
R-Ar’ (1)
[式中、Rは置換基を有してもよい炭化水素基であり、該炭化水素基の炭素-炭素結合の間に-O-で示される基を有してもよく、Ar’は置換基を有してもよいアリール基又は置換基を有してもよいヘテロアリール基である。]
で表される芳香族化合物の製造方法であって、鉄化合物及び一般式(4):
【化13】


[式中、Qは置換基を有してもよいアリール環又は置換基を有してもよいヘテロアリール環から隣接する炭素原子上の2個の水素原子(H)を除いた2価の基であり、Arは同一又は異なって、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラルキル基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、トリアルキルシリル基、ジアルキルアリールシリル基、アルキルジアリールシリル基、及びトリアリールシリル基からなる群より選ばれる置換基を有するアリール基、又はハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラルキル基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、トリアルキルシリル基、ジアルキルアリールシリル基、アルキルジアリールシリル基、及びトリアリールシリル基からなる群より選ばれる置換基を有してもよいヘテロアリール基を示す。]
で表されるビスホスフィン化合物からなるクロスカップリング反応用触媒の存在下、一般式(2):
R-X (2)
[式中、Xはハロゲン原子を示し、Rは前記に同じ。]
で表される化合物と、一般式(3):
Ar’-MgY (3)
[式中、Yはハロゲン原子を示し、Ar’は前記に同じ。]
で表されるマグネシウム試薬を反応させることを特徴とする製造方法。

【請求項12】
前記鉄化合物が、二価若しくは三価の鉄塩、又はその溶媒和物である請求項11に記載の製造方法。

【請求項13】
前記一般式(4)において、Arが式:
【化14】


[式中、Rは同一又は異なって、F、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラルキル基、トリアルキルシリル基、ジアルキルアリールシリル基、アルキルジアリールシリル基、又はトリアリールシリル基を示し、n1は1~5の整数、n2は1~4の整数を示す。]
で表される基である請求項11又は12に記載の製造方法。

【請求項14】
前記一般式(4)において、Arが式:
【化15】


[式中、R11、R12及びR13は同一又は異なって、H、C~Cアルキル基、C~Cアルコキシ基、又はトリアルキルシリル基を示し、R11、R12及びR13の全てがHの場合を除く。]
で表される基である請求項11又は12に記載の製造方法。

【請求項15】
前記一般式(4)のArにおいて、R12がHであり、R11及びR13が同一又は異なってC~Cアルキル基、又はトリアルキルシリル基である請求項14に記載の製造方法。

【請求項16】
前記一般式(4)において、Qが式:
【化16】


で表される2価の基である請求項11~15のいずれかに記載の製造方法。

【請求項17】
一般式(8):
R-Ar” (8)
[式中、Rは、置換基を有してもよい炭化水素基であり、該炭化水素基の炭素-炭素結合の間に-O-で示される基を有してもよく、Ar”は、置換基を有してもよいアリール基又は置換基を有してもよいヘテロアリール基である。]
で表される芳香族化合物の製造方法であって、鉄化合物及び一般式(4a):
【化17】


[式中、Arは同一又は異なって式:
【化18】


で表される基であり、R11、R12及びR13は同一又は異なってH、C~Cアルキル基、C~Cアルコキシ基、又はトリアルキルシリル基を示す。但し、R11、R12及びR13の全てがHの場合を除く。]
で表されるビスホスフィン化合物からなるクロスカップリング反応用触媒の存在下、一般式(2):
R-X (2)
[式中、Xはハロゲン原子を示し、Rは前記に同じ。]
で表される化合物と、一般式(9):
Ar”-Mtl (9)
[式中、Mtlは亜鉛(Zn)、ホウ素(B)又はアルミニウム(Al)を示し、Ar”は前記に同じ。]
で表される結合を有する有機金属試薬を反応させることを特徴とする製造方法。

【請求項18】
一般式(4a)で表されるビスホスフィン化合物が、一般式(4b):
【化19】


[式中、Arは式:
【化20】


で表される基であり、R110及びR130は同一又は異なって、C~Cアルキル基、C~Cアルコキシ基、又はトリ(C~C)アルキルシリル基を示す。]
で表されるビスホスフィン化合物である請求項17に記載の製造方法。

【請求項19】
前記鉄化合物が、二価若しくは三価の鉄塩、又はその溶媒和物である請求項17又は18に記載の製造方法。

【請求項20】
前記R110及びR130がtert-ブチル又はトリメチルシリルである請求項17、18又は19に記載の製造方法。
国際特許分類(IPC)
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