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高分子化環状ニトロキシドラジカル化合物の潰瘍性消化管の炎症の処置剤

国内特許コード P120007688
整理番号 S2011-0151
掲載日 2012年6月20日
出願番号 特願2010-260471
公開番号 特開2012-111700
登録番号 特許第5850518号
出願日 平成22年11月22日(2010.11.22)
公開日 平成24年6月14日(2012.6.14)
登録日 平成27年12月11日(2015.12.11)
発明者
  • 長崎 幸夫
  • 吉冨 徹
  • ボン・ビン・ロン
  • 松井 裕史
出願人
  • 国立大学法人 筑波大学
発明の名称 高分子化環状ニトロキシドラジカル化合物の潰瘍性消化管の炎症の処置剤
発明の概要 【課題】潰瘍性大腸炎を包含する潰瘍性消化管の炎症の予防または治療をするための、高分子化環状ニトロキシドラジカル化合物を有効成分として含有する経口用医薬製剤の提供。
【解決手段】



Rは、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシル-4-イル、2,2,5,5-テトラメチルピロリジン-1-オキシル-3-イル等。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


潰瘍性消化管の炎症の中でも、潰瘍性大腸炎は大腸、特に直腸の粘膜(最も内側の層)にびらんまたは潰瘍ができる炎症性腸疾患であり、症状として、下血を伴うまたは伴わず、下痢だけでなく腹痛等がみられる。この潰瘍性大腸炎は難病に指定されており、わが国の潰瘍性大腸炎の患者数は、104,721人(平成20年度特定疾患医療受給者証交付件数より)と報告されており、毎年おおよそ5,000人増加している。一方、米国の潰瘍性大腸炎の患者数は100万人と言われている。しかしながら、この疾患の原因は明らかになっておらず、これまでに腸内細菌の関与や本来は外敵から身を守る免疫機構が正常に機能しない自己免疫反応の異常、あるいは食生活の変化、さらには心理的要因の関与などが考えられているが、どれが正確な原因であるかは今日でも不明である。



2010年現在、潰瘍性大腸炎を完治に導く内科的治療はない。従来の治療法では、5-アミノサリチル酸製剤、ステロイド薬、免疫抑制薬などに一定の効果が認められているが、治療無効例や日光過敏症による発疹・発熱・悪心・嘔吐・肝機能障害などの副作用が問題となっている。また近年では、抗TNFα抗体などの生物学的製剤の有効性が注目されているものの、非常にコストが高いといった問題点を有している。さらに、治療無効例での外科手術による人工肛門造設等日常生活の制限や長期慢性活動性炎症による炎症性発がんが問題となっているため、画期的治療法の開発が期待されている。



このような潰瘍性大腸炎の治療とは無関係に、本発明者等は、広範な炎症に関与すると考えられている酸化ストレス障害を引き起こす活性酸素種(ROS)を効率的に消去し、また診断できるラジカルナノ粒子(RNP)として、高分子化(特に、ポリエチレングリコール化)環状ニトロキシドラジカル化合物に由来する高分子ミセルを提供した(非特許文献1もしくは2、または特許文献1)。これらの高分子ミセルは、水性媒体中で、環状ニトロキシドラジカル、例えば、ROSを効率的に消去する4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシド(TEMPO)が粒子内部に封入され、周囲還元性環境下ですら当該特性を長期にわたり維持でき、また、水難溶性のTEMPO等が水性媒体中で可溶化もしくは安定に均質に分散されるので、注入(特に、静脈内または動脈内注入)薬として製剤化するのに適している。また、高分子化に用いたポリマー鎖と環状ニトロキシドラジカルの連結基にイミノ基が導入されたpH応答性のRNP(N-RNP)は、酸性条件下で壊れてTEMPOラジカルを放出するという性質を持っている(概念図を示す図1参照)。一方、炎症・癌・虚血などの組織では、pHが酸性に傾いており、仮に、RNPがこれらの組織にデリバリーされればその場で崩壊することによって治療効果を向上させると推測される。現に、本発明者等は、上記の特許文献でRNPを投与することにより、虚血・再灌流後の脳・腎臓の障害を効果的に抑制できることを明らかにした。

産業上の利用分野


本発明は、潰瘍性消化管の炎症を予防もしくは治療するための高分子化抗酸化剤、特に高分子化環状ニトロキシドラジカル化合物の潰瘍性消化管の炎症を予防もしくは治療するための使用に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
下記式Iで表される高分子化環状ニトロキシドラジカル化合物を有効成分として含んでなる、潰瘍性消化管の炎症の予防または治療をするための経口用医薬製剤。
【化1】


式中、Aは、非置換または置換C1-C12アルコキシを表し、置換されている場合の置換基は、ホルミル基または式R12CH-の基を表し、ここで、R1及びR2は独立して、C1-C4アルコキシまたはR1とR2は一緒になって-OCH2CH2O-もしくは-O(CH23O-もしくは-O(CH24O-を表し、
1は、-(CH2cS-と-(CH2cNHCO-と-(CH2cNHC(=S)NH-と-(CH2cNHC(=O)NH-と-(CH2cOCO-と-CO(CH2cS-と-(CH2cO-と-(CH2c-とからなる群より選ばれ、ここでcは1~5の整数である、連結基を表し、
2は、-CH2-O-と-CH2-O-CH2-と-CH2-S-と-CH2-S-CH2-とからなる群より選ばれる連結基を表し、
Rは、Rの総数nの少なくとも50%が2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシル-4-イルと2,2,5,5-テトラメチルピロリジン-1-オキシル-3-イルと2,2,5,5-テトラメチルピロリン-1-オキシル-3-イルと2,4,4-トリメチル-1,3-オキサゾリジン-3-オキシル-2-イルと2,4,4-トリメチル-1,3-チアゾリジン-3-オキシル-2-イルと2,4,4-トリメチル-イミダゾリンジン-3-オキシル-2-イルとからなる群より選ばれる環状ニトロキシドラジカル化合物の残基を表し、存在する場合には、残りのRが水素原子またはハロゲン原子またはヒドロキシ基であり、
mは、15~10,000の整数を表し、そして
nは、3~3,000の整数を表し、かつ、
前記式Iで表される化合物が高分子ミセルの形態にあるナノ粒子である。

【請求項2】
潰瘍性消化管の炎症が潰瘍性大腸炎である、請求項1記載の経口用医薬製剤。

【請求項3】
1の連結基が-(CH2c-S-と-CO(CH2cS-と-(CH2c-とからなる群より選ばれ、
2の連結基が-CH2-O-である、請求項1または2記載の経口用医薬製剤。

【請求項4】
Rが、次式
【化2】


で表され、R’がメチル基を表す、請求項1~3のいずれかに記載の経口用医薬製剤。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
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