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金属内包フラーレンの回収方法 コモンズ 外国出願あり

国内特許コード P120007739
整理番号 NU-0461
掲載日 2012年6月27日
出願番号 特願2012-047496
公開番号 特開2013-180939
登録番号 特許第5540388号
出願日 平成24年3月5日(2012.3.5)
公開日 平成25年9月12日(2013.9.12)
登録日 平成26年5月16日(2014.5.16)
発明者
  • 秋山 和彦
  • 濱野 達行
  • 篠原 久典
  • 中西 勇介
出願人
  • 公立大学法人首都大学東京
  • 国立大学法人名古屋大学
発明の名称 金属内包フラーレンの回収方法 コモンズ 外国出願あり
発明の概要
【課題】 回収率の高い金属内包フラーレンの回収方法を提供する。
【解決手段】 金属内包フラーレンの回収方法では、粗フラーレン類を溶媒に溶解させてなる反応液に、ハロゲン化チタン又はハロゲン化スズからなるルイス酸を加えることで、金属内包フラーレンとルイス酸との複合体を生成させる複合化工程と、反応液から複合体を濾別する濾過工程と、複合体からルイス酸を除去して金属内包フラーレンを取得する洗浄工程とを行う。取得した金属内包フラーレンは、溶媒に溶解させてもよい。
【選択図】 図1
従来技術、競合技術の概要



金属内包フラーレンは、金属原子をフラーレン殻に内包した物質である。金属内包フラーレンは、金属原子からフラーレンへの電子移動で、フラーレンの電気特性や電子輸送特性が変化する。このため、医療分野や電子機器など幅広い分野で使用が可能とされている。例えば、ガドリニウムを内包した金属内包フラーレン(Gd@C82)は、核磁気共鳴診断(MRI)で用いる造影剤、ルテチウム(Lu)を内包した金属内包フラーレン(LuN@C80)はβ線治療薬、リチウムを内包した金属内包フラーレン(Li@C60)はn型半導体、テルビウムを内包した金属内包フラーレン(Tb@C82)は単一分子ナノデバイスへの使用が検討されている。





金属内包フラーレンを製造する方法としては、特開2000-159514号公報(特許文献1)に開示されているように、グラファイト粉末と金属酸化物粉末とを混合して作成した混合ロッドを原材料とし、アーク放電法などを用いて金属内包フラーレン含有煤を生成させる。





金属内包フラーレン含有煤には、その0.1%程度の金属内包フラーレンが含まれている。このため、金属内包フラーレン含有煤から金属内包フラーレンを高速多段階クロマトグラフィー(HPLC)により単離していた。





しかし、HPLCによる金属内包フラーレンの分離方法では、金属内包フラーレン含有煤の約半分程度がカラム内の固定相に吸着してしまう。このため、金属内包フラーレンの損失量が多い。固定相に吸着した金属内包フラーレンをすべて回収しようとすると、何回もカラムに展開溶媒を流通させなければならない。このため、金属内包フラーレンの回収効率が低い。カラムの寿命も比較的短く、定期的に新品に取り替える必要がある。





また、HPLCでは、展開溶媒を多量に必要とし、分離に長時間を要する。例えば、金属内包フラーレンを10mg分離するには、HPLCでは1~2ヶ月又はそれ以上の期間を要する。半減期の短い元素や不安定な物質を内包した金属内包フラーレンは、特にすばやく分離する必要がある。また、金属内包フラーレンの分離に用いるHPLCは、特殊なカラムやハードウェア等が必要である。





そこで、Steven Stevensonら(非特許文献1)が、ScN@C78、Sc@C80などを含むフラーレン溶液を、AlCl又はFeClと選択的に反応させて沈殿させることで、ScN@C78、Sc@C80の抽出に成功した。しかし、Steven Stevensonらの方法では、金属内包フラーレンの回収率が十分に高いとはいえない。





また、Imre Bucsiら(非特許文献2)は、フラーレンC60及びC70をAlClと反応させると、C70が高い反応性で錯体を形成し、C60が分離されることを報告している。しかし、Imre Bucsiらの方法では、反応に2-6日の期間を要する。このため、Imre Bucsiらの方法を金属内包フラーレンの分離に適用しても、短時間で金属内包フラーレンを分離することは期待できない。

産業上の利用分野



本発明は、金属内包フラーレンの回収方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
粗フラーレン類から、金属を内包する金属内包フラーレンを回収する方法であって、
前記粗フラーレン類を溶媒に溶解させてなる反応液に、ハロゲン化チタン又はハロゲン化スズからなるルイス酸を加えることで、前記金属内包フラーレンと前記ルイス酸との複合体を生成させる複合化工程と、
前記反応液から前記複合体を濾別する濾過工程と、
前記複合体から前記ルイス酸を除去して前記金属内包フラーレンを取得する洗浄工程と、を行い、
前記複合化工程での前記金属内包フラーレンと前記ルイス酸との反応時間は、12時間以内であることを特徴とする金属内包フラーレンの回収方法。

【請求項2】
前記ハロゲン化チタン又はハロゲン化スズは、塩化チタン又は塩化スズである請求項1記載の金属内包フラーレンの回収方法。

【請求項3】
前記複合化工程で用いる前記溶媒は、CS及びベンゼン系溶媒の群から選ばれる1種以上からなる請求項1又は2に記載の金属内包フラーレンの回収方法。

【請求項4】
前記複合化工程での前記金属内包フラーレンと前記ルイス酸との反応時間は、0.2秒間以上1時間以下である請求項1~3のいずれか1項に記載の金属内包フラーレンの回収方法。

【請求項5】
前記複合体は、1の金属内包フラーレンと複数の前記ルイス酸とから構成されている請求項1~4のいずれか1項に記載の金属内包フラーレンの回収方法。

【請求項6】
前記洗浄工程では、前記複合体を洗浄液で洗浄することで前記ルイス酸を除去する請求項1~5のいずれか1項に記載の金属内包フラーレンの回収方法。

【請求項7】
前記洗浄液は、水である請求項6記載の金属内包フラーレンの回収方法。

【請求項8】
前記粗フラーレン類は、前記金属内包フラーレン及び、金属を内包していない未内包フラーレンを含み、前記複合化工程、前記濾過工程及び前記洗浄工程を行うことで前記粗フラーレン類から前記金属内包フラーレンを分離する請求項1~7のいずれか1項に記載の金属内包フラーレンの回収方法。

【請求項9】
前記洗浄工程の後には、前記金属内包フラーレンを溶媒に溶解させる溶解工程を行う請求項1~8のいずれか1項に記載の金属内包フラーレンの回収方法。

【請求項10】
前記溶解工程で用いる前記溶媒は、CS及びベンゼン系溶媒の群から選ばれる1種以上からなる請求項9に記載の金属内包フラーレンの回収方法。

【請求項11】
前記溶解工程で用いる前記溶媒は、前記複合化工程で用いる前記溶媒と異なる種類の溶媒である請求項9又は10に記載の金属内包フラーレンの回収方法。

【請求項12】
前記粗フラーレン類は、炭素と金属の混合ロッドに熱処理して生成された煤から抽出される請求項1~11のいずれか1項に記載の金属内包フラーレンの回収方法。
産業区分
  • 無機化合物
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2012047496thum.jpg
出願権利状態 登録
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