TOP > 国内特許検索 > 静電アクチュエータ

静電アクチュエータ

国内特許コード P120007753
整理番号 S2012-0017-N0
掲載日 2012年7月2日
出願番号 特願2011-257356
公開番号 特開2013-115854
登録番号 特許第5804374号
出願日 平成23年11月25日(2011.11.25)
公開日 平成25年6月10日(2013.6.10)
登録日 平成27年9月11日(2015.9.11)
発明者
  • 南 和幸
出願人
  • 国立大学法人山口大学
発明の名称 静電アクチュエータ
発明の概要 【課題】静電エネルギーを効率よく機械的な弾性エネルギーとして蓄積し、その弾性エネルギーによって高効率の機械的な動作を行う静電アクチュエータを提供する。
【解決手段】弾性変形により位置および形状が変化可能な可動電極2と、前記可動電極と距離を隔てて固定位置に配置された固定電極3と、前記可動電極と前記固定電極との電気的接触を防止するように前記可動電極の移動を制限する移動制限手段4と、前記可動電極と前記固定電極との間に電圧を印加し、静電力により前記可動電極を前記固定電極方向に変位させる駆動電源9とを有する。前記可動電極は、前記移動制限手段によって移動を制限される移動制限領域2aにおいて、弾性的な曲げ変形による弾性エネルギーを蓄積する形状であり、前記駆動電源は、前記可動電極に対して前記移動制限手段による移動制限が開始される電圧より大きな電圧を前記可動電極と前記固定電極との間に印加するものである。
【選択図】図2
従来技術、競合技術の概要


電極間に電圧を印加し、それらの電極間に作用する静電力を利用した静電アクチュエータは、インクジェットプリンタの印字ヘッドやその他の微小ポンプ、微小駆動機構として使用されている。このような静電アクチュエータとしては、下記の特許文献1、特許文献2に記載されたようなものがある。特許文献1には、可動電極と固定電極がともに平行な平板状の電極で構成されたインクジェットの記録ヘッドが記載されている。特許文献2には、可動電極と固定電極がともに平板状の電極で構成され、それらの電極が非平行に配置されたインクジェット記録装置の記録ヘッドが記載されている。



このような平板状の電極による静電アクチュエータの動作を説明する。図11は静電アクチュエータを利用したポンプ10の構成を示す断面図である。可動電極2は、周辺部が固定されているが、中央部は弾性変形により上下の変位が可能である。ポンプ10の底部には固定電極3が固定されている。また、固定電極3の上面には絶縁被膜4が形成されており、可動電極2と固定電極3とが電気的に短絡してしまうことを防止している。駆動電源9は断続的な直流電圧を可動電極2と固定電極3とに印加するものである。



可動電極2と固定電極3に電圧が印加されていない状態では、可動電極2は実線で示すように固定電極3と平行な状態となっている。可動電極2と固定電極3間に電圧が印加されると、可動電極2は印加電圧による静電引力により固定電極3側に引き寄せられて弾性変形し、二点鎖線で示された位置に移動する。このように、駆動電源9から断続的な直流電圧を可動電極2と固定電極3間に印加することにより、可動電極2は上下方向の矢印で示すように上下方向に振動する。



可動電極2が振動することにより、ポンプ10の流体収容室11の容積が変動するため、流体が流入路12から流入し、次いで、流体が流出路13から流出する。なお、流入路12および流出路13には、逆止弁を設けたり、流体抵抗に差を設けたりすることで、流体が矢印で示すように一定方向に駆動されるようになっている。このようにして、静電アクチュエータによりポンプ10の動作が実現されている。



図11のような静電アクチュエータにおいては、印加電圧による静電引力により可動電極2が弾性変形し、弾性エネルギーが可動電極2に蓄積される。次に、可動電極2と固定電極3間への電圧印加を停止すれば、可動電極2に蓄積された弾性エネルギーにより、可動電極2を元の位置に戻すような力が作用して、その力によりアクチュエータとしての動作が実現されるのである。すなわち、可動電極2に蓄積される弾性エネルギーが大きいほど、アクチュエータとしての性能も向上する。

産業上の利用分野


本発明は電極間に印加した電圧による静電力を利用した静電アクチュエータに関し、さらに詳しくは、可動電極等の形状を工夫することにより静電エネルギーを効率よく機械的な弾性エネルギーとして蓄積し、その弾性エネルギーによって高効率の機械的な動作を行う静電アクチュエータに関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
弾性変形により位置および形状が変化可能な可動電極(2)と、
前記可動電極(2)と距離を隔てて固定位置に配置された固定電極(3)と、
前記可動電極(2)と前記固定電極(3)との電気的接触を防止するように前記可動電極(2)の移動を制限する移動制限手段(4)と、
前記可動電極(2)と前記固定電極(3)との間に電圧を印加し、静電力により前記可動電極(2)を前記固定電極(3)方向に変位させる駆動電源(9)とを有し、
前記可動電極(2)は、前記移動制限手段(4)を介する前記固定電極(3)との接触によって移動が終端位置に達した移動終端領域(2a)において、弾性的な曲げ変形による弾性エネルギーを蓄積するものであり、
前記駆動電源(9)は、前記可動電極(2)に対して前記移動制限手段(4)による移動制限が開始される電圧より大きな電圧を前記可動電極(2)と前記固定電極(3)との間に印加するものである静電アクチュエータ。

【請求項2】
請求項1に記載した静電アクチュエータであって、
前記可動電極(2)は、周辺部が固定位置に固定されており、弾性変形により中央部近傍が変位可能なものである静電アクチュエータ。

【請求項3】
請求項2に記載した静電アクチュエータであって、
前記可動電極(2)は、厚さが一定ではなく位置に応じて異なる形状である静電アクチュエータ。

【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載した静電アクチュエータであって、
前記可動電極(2)は、前記可動電極(2)と前記固定電極(3)との間に印加する電圧が増大するにつれて前記移動終端領域(2a)が連続的に増加する形状である静電アクチュエータ。

【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載した静電アクチュエータであって、
前記可動電極(2)および固定電極(3)は、前記駆動電源(9)による電圧印加がないときの前記可動電極(2)と前記固定電極(3)との間の距離が一定ではなく位置に応じて連続的に変化するような形状のものである静電アクチュエータ。

【請求項6】
弾性変形により位置および形状が変化可能な可動部材(21)と、
前記可動部材(21)に一体的に設けられた可動電極(2)と、
前記可動部材(21)と距離を隔てて固定位置に配置された固定電極(3)と
前記可動電極(2)と前記固定電極(3)との間に電圧を印加し、静電力により前記可動電極(2)を前記固定電極(3)方向に変位させる駆動電源(9)とを有し、
前記可動部材(21)は、前記可動電極(2)に対して前記固定電極(3)側に配置され、前記可動電極(2)と前記固定電極(3)との電気的接触を防止するとともに、前記固定電極(3)との接触により前記可動電極(2)の移動を制限するものであり、
前記可動部材(21)は、前記固定電極(3)との接触によって移動が終端位置に達した移動終端領域(2a)において、弾性的な曲げ変形による弾性エネルギーを蓄積するものであり、
前記駆動電源(9)は、前記可動部材(2)と前記固定電極(3)との接触による移動制限が開始される電圧より大きな電圧を前記可動電極(2)と前記固定電極(3)との間に印加するものである静電アクチュエータ。

【請求項7】
請求項6に記載した静電アクチュエータであって、
前記可動部材(21)は、周辺部が固定位置に固定されており、弾性変形により中央部近傍が変位可能なものである静電アクチュエータ。

【請求項8】
請求項7に記載した静電アクチュエータであって、
前記可動部材(21)は、厚さが一定ではなく位置に応じて異なる形状である静電アクチュエータ。

【請求項9】
請求項6~8のいずれか1項に記載した静電アクチュエータであって、
前記可動部材(21)は、前記可動電極(2)と前記固定電極(3)との間に印加する電圧が増大するにつれて前記移動終端領域(2a)が連続的に増加する形状である静電アクチュエータ。

【請求項10】
請求項6~9のいずれか1項に記載した静電アクチュエータであって、
前記可動部材(21)および固定電極(3)は、前記駆動電源による電圧印加がないときの前記可動部材(21)と前記固定電極(3)との間の距離が一定ではなく位置に応じて連続的に変化するような形状のものである静電アクチュエータ。

【請求項11】
弾性変形により位置および形状が変化可能な可動部材(21)と、
前記可動部材(21)と距離を隔てて固定位置に配置された固定電極(3)と、
前記可動部材(21)に対して前記固定電極(3)側に一体的に設けられた可動電極(2)と、
前記可動電極(2)と前記固定電極(3)との電気的接触を防止するように前記可動電極(2)の移動を制限する移動制限手段(4)と、
前記可動電極(2)と前記固定電極(3)との間に電圧を印加し、静電力により前記可動電極(2)を前記固定電極(3)方向に変位させる駆動電源(9)とを有し、
前記可動部材(21)は、前記可動電極(2)および前記移動制限手段(4)を介する前記固定電極(3)との接触によって移動が終端位置に達した移動終端領域(2a)において、弾性的な曲げ変形による弾性エネルギーを蓄積するものであり、
前記駆動電源(9)は、前記可動部材(2)に対して前記移動制限手段(4,21)による移動制限が開始される電圧より大きな電圧を前記可動電極(2)と前記固定電極(3)との間に印加するものである静電アクチュエータ。

【請求項12】
請求項11に記載した静電アクチュエータであって、
前記可動部材(21)は、前記可動電極(2)と前記固定電極(3)との間に印加する電圧が増大するにつれて前記移動終端領域(2a)が連続的に増加する形状である静電アクチュエータ。

【請求項13】
請求項11,12のいずれか1項に記載した静電アクチュエータであって、
前記可動部材(21)および固定電極(3)は、前記駆動電源による電圧印加がないときの前記可動部材(21)と前記固定電極(3)との間の距離が一定ではなく位置に応じて連続的に変化するような形状のものである静電アクチュエータ。
産業区分
  • 発電、電動
国際特許分類(IPC)
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2011257356thum.jpg
出願権利状態 登録


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close