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逆紐状ミセルから成るオイルゲル化剤および増粘ゲル状組成物

国内特許コード P120007773
整理番号 2008JP0074
掲載日 2012年7月11日
出願番号 特願2010-546593
登録番号 特許第5586026号
出願日 平成22年1月14日(2010.1.14)
登録日 平成26年8月1日(2014.8.1)
国際出願番号 JP2010000159
国際公開番号 WO2010082487
国際出願日 平成22年1月14日(2010.1.14)
国際公開日 平成22年7月22日(2010.7.22)
優先権データ
  • 特願2009-007284 (2009.1.16) JP
発明者
  • 橋崎 要
  • 齋藤 好廣
  • 田口 博之
出願人
  • 学校法人日本大学
発明の名称 逆紐状ミセルから成るオイルゲル化剤および増粘ゲル状組成物
発明の概要 【課題】
逆紐状ミセルを形成するオイルゲル化剤および増粘ゲル状組成物として、生体や環境に対する高い安全性、好ましい使用感、および良好なゲル化能を併せ持つオイルゲル化剤および該オイルゲル化剤を用いた増粘ゲル状組成物を提供すること。
【解決手段】
レシチン/ショ糖脂肪酸エステルが各種オイルの逆紐状ミセルを形成するオイルゲル化剤として作用し、又これらレシチン/ショ糖脂肪酸エステル/各種オイルの3成分混合系を用いて、逆紐状ミセル構造を有する増粘ゲル状組成物を得ることができ、人体および環境に対して極めて安全で、かつ長期の安定性を有し、オイルゲル化剤として要求される性能を合わせ持つ良好なオイルゲル化剤、および該オイル化剤とオイル成分とを含み逆紐状ミセルを形成した増粘ゲル状組成物を簡単に提供することができる。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要



動植物油類、鉱物油類、炭化水素類、脂肪酸エステル類等のオイルを増粘又はゲル化して固化するオイルゲル化剤は、化粧料、医薬品、食品、塗料、インク、潤滑油等の様々な分野で広く利用されている。オイルゲル化剤に一般的に要求される性能としては、少量の添加で目的とするオイルをゲル化でき、得られたゲルが長期にわたり安定であることなどが挙げられる。さらに用途によっては、人体に対する安全性が高いこと、チキソトロピー性を有するゲルを生成すること、得られたゲルの触感がよいことなども要求されている。





従来、オイルゲル化剤としては、低分子ゲル化剤(1,2,3,4-ジベンジリデン-D-ソルビトール、12-ヒドロキシステアリン酸、アミノ酸誘導体等)、高分子ゲル化剤(ポリアクリル酸誘導体、デキストリン誘導体等)等が知られている。低分子ゲル化剤は、オイル中で自己集合し、巨大な網目構造を形成することでオイルが非流動化しゲルを形成し、一方、高分子ゲル化剤は、それらが複雑に絡まり合い網目構造を形成することでオイルのゲル化を引き起こすものである。





低分子ゲル化剤の1,2,3,4-ジベンジリデン-D-ソルビトールは、様々な種類のオイルをゲル化できる優れた化合物であるが、分解してベンズアルデヒドが生成するという点で安全性に問題があり実用化はされていない。12-ヒドロキシステアリン酸は、廃天ぷら油のゲル化剤として市販されているが、チキソトロピー性に欠ける。また、アミノ酸誘導体のゲル化剤はオイルに難溶性であるため、溶解させるには高温での加熱や長時間の攪拌などの煩雑な操作が必要となる。しかも、このような操作はゲルに配合される他成分の品質の変化を招く恐れがある点でも問題がある。一方、高分子ゲル化剤のデキストリン誘導体では、ゲル化に高濃度の添加が必要である上に、高分子特有の「べたつき感」を生じ使用感が良くない。ポリアクリル酸誘導体では少量の添加で良好な増粘ゲル化を示すが皮膚に使用した際には高分子特有の「べたつき感」を生じ、使用感がよくない。





これらの問題を解決させるべく、レシチン、ショ糖脂肪酸エステル等の天然界面活性物質1,2種、高級アルコール、グリセリン、オイルを加えたゲル状エマルション(特許文献1)が提案されているが、弾性が低いため液だれ等生じ易く取扱性が悪く、また高級アルコールおよびグリセリンの何れかが欠けると効果が得られないという問題がある。また、人体にも安全なオイルゲル化剤として、α-アミノラクタム誘導体を有効成分とするもの(特許文献2)が提案されているが、加熱溶解が必要であって、生体や環境に対する高い安全性、良好なゲル化能、使用感に優れ、取扱性のよさ等をすべて合わせ持つオイルゲル化剤は得られていない。





一方、逆紐状ミセルによるオイルのゲル化も少数だが報告されている(非特許文献1-3)。逆紐状ミセルとは、界面活性剤の形成する自己集合体の一種であり、オイル中で網目構造を形成するためにゲル化を引き起こすことが知られている。逆紐状ミセルという内部に親水的な環境を有しているために水溶性の薬物や酵素等を内包することが可能であり、上記したオイルゲル化剤にはない特長を有している。





この逆紐状ミセルを形成する代表的な系として、レシチン/水/各種オイルの3成分混合系が報告されている(非特許文献1)。また、水の代替物質には、エチレングリコール、ホルムアミド、グリセリン、胆汁酸塩(非特許文献3)、が報告されているに過ぎない。通常、レシチンはオイル中で逆球状ミセルあるいは逆楕円状ミセルを形成するが、これに少量の水等を添加するとレシチンのリン酸基に水素結合し、分子集合体の界面曲率が減少するために逆紐状ミセルの成長が起こると考えられている。





従来の逆紐状ミセルが抱える問題として、代表的なレシチン/水/各種オイルから成る逆紐状ミセルでは、水が成分中に含まれているために加水分解を受けやすい薬物等を配合することはできない。また、水の代替物質であるエチレングリコールやホルムアミドは、皮膚、眼、粘膜等への強い刺激性を有するために人体には適用できない。また、胆汁酸塩は生体由来の界面活性剤であるが、皮膚や眼等に付着すると炎症を起こす可能性があり、生体や環境に対する高い安全性、良好なゲル化能、使用感に優れ、取扱性のよさ等をすべて合わせ持つオイルゲル化剤は今まで得られていない。

産業上の利用分野



本発明は、動植物油類、鉱物油類、炭化水素類、脂肪酸エステル類等のオイルを増粘又はゲル化して固化するオイルゲル化剤、および該オイル、オイルゲル化剤を含有する増粘ゲル状組成物に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
(a)レシチン、(b)ショ糖脂肪酸エステルからなる逆紐状ミセルを形成するオイルゲル化剤。

【請求項2】
前記(a)レシチンが、大豆レシチンまたは卵黄レシチンのいずれかであることを特徴とする請求項1に記載のオイルゲル化剤。

【請求項3】
前記(b)ショ糖脂肪酸エステルが、炭素数6以上24以下である脂肪酸のエステルであることを特徴とする請求項1または2に記載のオイルゲル化剤。

【請求項4】
前記(b)ショ糖脂肪酸エステルが、ショ糖カプリン酸エステル、ショ糖ラウリン酸エステル、ショ糖ミリスチン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステルのうち少なくとも一つからなることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のオイルゲル化剤。

【請求項5】
前記(a)レシチンと(b)ショ糖脂肪酸エステルとの混合割合として、(a)レシチンと(b)ショ糖脂肪酸エステルの合計質量に対して、(b)ショ糖脂肪酸エステルを0.1質量%から70質量%含有することを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載のオイルゲル化剤。

【請求項6】
前記請求項1~5のいずれかに記載のオイルゲル化剤と(c)オイル成分とを少なくとも含み逆紐状ミセルを形成した増粘ゲル状組成物。

【請求項7】
前記増粘ゲル状組成物が、化粧料、医薬品、食品、塗料、インク、潤滑油の少なくともいずれか一つであることを特徴とする請求項6に記載の増粘ゲル状組成物。

【請求項8】
前記オイルゲル化剤と(c)オイル成分との混合割合として、オイルゲル化剤を増粘ゲル状組成物に対して1質量%から70質量%含有することを特徴とする請求項6または7に記載の増粘ゲル状組成物。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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