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回折像取得方法、及び荷電粒子線装置

国内特許コード P120007782
整理番号 P2007-139-JP02
掲載日 2012年7月12日
出願番号 特願2010-505998
登録番号 特許第5106627号
出願日 平成21年4月3日(2009.4.3)
登録日 平成24年10月12日(2012.10.12)
国際出願番号 JP2009056960
国際公開番号 WO2009123311
国際出願日 平成21年4月3日(2009.4.3)
国際公開日 平成21年10月8日(2009.10.8)
優先権データ
  • 特願2008-098562 (2008.4.4) JP
発明者
  • 土橋 高志
  • 高口 雅成
  • 上村 理
  • 太田 洋也
  • 郷原 一寿
出願人
  • 株式会社日立製作所
  • 国立大学法人北海道大学
発明の名称 回折像取得方法、及び荷電粒子線装置
発明の概要

本発明の荷電粒子線顕微装置は、既知の構造を持つ試料(22)に荷電粒子線を平行に照射して得られる回折像において、試料の構造を反映した回折像のスポット間距離(r)を測定して、回折角度(θ)に依存した試料と検出器間の距離(L)の変化を補正する。
これにより、回折像において光軸からの離軸距離で変化する歪みを補正でき、回折像のスポット位置の正確な解析を行うことにより精度の高い構造解析が可能となった。

従来技術、競合技術の概要


電子線を用いて結晶構造を分析するために回折像を観察する手法として、TED(Transmission Electron Diffraction:透過電子回折)、LEED(Low Energy Electron Diffraction:低速電子回折)、RHEED(Reflected High Energy Electron Diffraction)などがある。そのうち、LEED、RHEEDともに試料表面に入射させた電子線の反射を観察するのに対し、TEDでは試料内部を透過した電子線を観察する。



そのため、TEDの装置構成は、TEM(Transmission Electron Microscope:透過型電子顕微鏡)に近く、併用して用いられることが多い。また、TEMは、平行な電子線を試料に照射し、試料を透過した電子を電磁レンズによって蛍光板やカメラ、フィルム、イメージングプレートなどの検出器に投影して観察する装置である。



一般に、200kVで電子を加速するTEMの分解能は、電子線本来の波長である0.025Åよりも約100倍低いものである。この主要因は、レンズに本質的に含まれる収差の影響であることがわかっている。分解能に影響する収差には、球面収差、色収差、コマ収差、非点収差、像面湾曲、回折収差がある。これら収差による電子顕微鏡の分解能の低下を避ける方法の1つとして、位相回復法がある。



位相回復法では、対象の回折像を用いて実像を復元する。その為、より正しい回折像を得る必要である。しかし、回折像は、回折像面の曲りによる歪み、歪曲収差による歪み、装置の外的環境により通常歪みを生じる。そこで、実像を精度よく復元するために、歪みの補正が必要となる。



一方、これまで結晶構造解析でも、回折スポットの位置の補正は行なわれてきた。しかし、位相回復法では、回折像全面の情報が必要となるため、回折像全面に渡る補正が必要である。また、電子顕微鏡の検出器は平面であることが多く、回折像面の曲りに対する補正が不十分であるという問題がある。高次の回折点における回折スポットは低次の回折点に比べて大きく歪み、例えばカメラ長0.4mとし中心ビームから25mm離れた部分では検出器上で32.5マイクロメートルの歪みとなる。そのため、検出器が平面であることによる回折像面の曲りの解決に関して、特許文献1ではエバルト球に沿った球面状の検出器を提案している。

【特許文献1】WO2005/114693A1国際公開公報

産業上の利用分野


本発明は、回折像取得方法、及び荷電粒子線装置に関し、例えば、荷電粒子線を試料に照射し、この試料から発生する荷電粒子線を検出して試料の回折像を取得する回折像取得方法、及び荷電粒子線装置に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】 荷電粒子線を試料に照射し、試料から発生する荷電粒子線を検出して試料の回折像を取得する回折像取得方法であって、
所定の測定条件で第1の試料の回折像を取得し、前記第1の試料における離散的な回折スポットを検出する工程と、
前記第1の試料における回折像の歪みを補正するため、前記離散的な回折スポットから補正パラメータを算出する工程と、
前記所定の測定条件で第2の試料の回折像を取得する工程と、
前記第1の試料に関する前記補正パラメータを用いて、前記第2の試料の回折像の歪みを補正する工程と、
を備えることを特徴とする回折像取得方法。
【請求項2】 前記第1の試料が既知の構造の試料であることを特徴とする請求項1に記載の回折像取得方法。
【請求項3】 前記回折像の歪みは回折像の像面の曲がりを含み、
前記補正パラメータを算出する工程は、回折角度と、前記第1の試料と前記第1の試料の回折像の検出面との間の距離で定義されるカメラ長とに基づいて、前記像面の曲がりを補正するパラメータを算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の回折像取得方法。
【請求項4】 前記回折像の歪みは歪曲収差を含み、
前記補正パラメータを算出する工程は、前記第1の試料の構造から得られる回折像と歪み係数を考慮した回折像との差分を求める工程と、前記差分を最小にする前記歪み係数のフィッティングを行う工程と、前記フィッティングを行って得られた前記歪み係数を用いて歪み量を算出して前記歪曲収差を補正するための補正量とする工程と、を有し、前記歪み係数及び前記歪曲収差を補正するための補正量を前記補正パラメータとすることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の回折像取得方法。
【請求項5】 前記回折像の歪みは歪曲収差であり、
前記補正パラメータを算出する工程は、前記第1の試料の構造から得られる回折像と前記第1の試料の歪んだ回折像との間の歪みベクトルを算出して、この歪みベクトルを前記補正パラメータとすることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の回折像取得方法。
【請求項6】 荷電粒子線を試料に照射し、試料から発生する荷電粒子線を検出して試料の回折像を取得する荷電粒子線装置であって、
荷電粒子線を発生する荷電粒子源と、
前記荷電粒子線を試料に照射し、前記試料から発生した荷電粒子線を検出する検出器と、
所定の測定条件で第1の試料の回折像を取得し、前記第1の試料における離散的な回折スポットを検出し、前記第1の試料における回折像の歪みを測定する歪み測定手段と、
前記第1の試料における回折像の歪みを補正するため、前記離散的な回折スポットから補正パラメータを算出するパラメータ算出手段と、
前記補正パラメータを用いて、回折像を歪みを補正する歪み補正手段と、を備え、
前記歪み測定手段は、前記所定の測定条件で第2の試料の回折像を取得して、前記第2の試料における回折像の歪みを測定し、
前記歪み補正手段は、前記第1の試料に関する前記補正パラメータを用いて、前記第2の試料の回折像の歪みを補正することを特徴とする荷電粒子線装置。
【請求項7】 前記第1の試料が既知の構造の試料であることを特徴とする請求項6に記載の荷電粒子線装置。
【請求項8】 前記回折像の歪みは回折像の像面の曲がりを含み、
前記パラメータ算出手段は、回折角度と、前記第1の試料と前記第1の試料の回折像の検出面との間の距離で定義されるカメラ長とに基づいて、前記像面の曲がりを補正するパラメータを算出することを特徴とする請求項6又は7に記載の荷電粒子線装置。
【請求項9】 前記回折像の歪みは歪曲収差を含み、
前記パラメータ算出手段は、前記第1の試料の構造から得られる回折像と歪み係数を考慮した回折像との差分を求める手段と、前記差分を最小にする前記歪み係数のフィッティングを行う手段と、前記フィッティングを行って得られた前記歪み係数を用いて歪み量を算出して前記歪曲収差を補正するための補正量とする手段と、を有し、前記歪み係数及び前記歪曲収差を補正するための補正量を前記補正パラメータとすることを特徴とする請求項6乃至8の何れか1項に記載の荷電粒子線装置。
【請求項10】 前記回折像の歪みは歪曲収差であり、
前記パラメータ算出手段は、前記第1の試料の構造から得られる回折像と前記第1の試料の歪んだ回折像との間の歪みベクトルを算出して、この歪みベクトルを前記補正パラメータとすることを特徴とする請求項6乃至8の何れか1項に記載の荷電粒子線装置。
産業区分
  • 電子管
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2010505998thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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