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ラクチドの製造方法

国内特許コード P120007835
整理番号 S2011-0285
掲載日 2012年8月1日
出願番号 特願2011-000699
公開番号 特開2012-140383
登録番号 特許第5728781号
出願日 平成23年1月5日(2011.1.5)
公開日 平成24年7月26日(2012.7.26)
登録日 平成27年4月17日(2015.4.17)
発明者
  • 安孫子 淳
  • 石嶋 優樹
  • 鈴木 啓高
出願人
  • 国立大学法人京都工芸繊維大学
発明の名称 ラクチドの製造方法
発明の概要 【課題】乳酸オリゴマーの解重合・環化によるラクチド製造における、スズ化合物触媒使用時の欠点を克服し、高い光学純度および化学純度のラクチドを得る。
【解決手段】特定の有機オニウム塩の存在下に、乳酸オリゴマーを減圧雰囲気で加熱することにより解重合・環化させてラクチドを生成させることを特徴とするラクチドの製造方法。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要



ポリ-L-乳酸に代表されるポリヒドロキシカルボン酸は、機械的特性、物理的性質、化学的性質に優れている上に自然環境下で分解され、最終的には微生物によって水と炭酸ガスになるという生分解性の機能も有しており、近年医療用材料や、汎用樹脂代替等、様々な分野で注目されており、今後もその需要が大きく伸びることが期待されている。





ポリ-L-乳酸の製造方法としては、乳酸の直接脱水重縮合法(特許文献1)や、乳酸の環状ジエステルモノマーであるL-ラクチドの開環重合法(ラクチド法)、またはL-乳酸のオリゴマーを経由するなどの間接重合法(「ラクチド法」も広義の間接重合法に含まれる)が挙げられる。





【化1】








これらの製造方法のうち、ラクチド法は、乳酸を重縮合させた乳酸オリゴマーを解重合・環化してラクチドとし、これを開環重合してポリ乳酸を得るというプロセスが一般的である。直接脱水重縮合法と比較すると、ラクチド法は製造工程が長く、設備コスト及び製造コストが大きくなるという点で不利ではあるが、高分子量のポリ-L-乳酸を得る技術が早期に開発されたことから、ポリ乳酸の工業生産において主流となっている。





ラクチド法において、ラクチドは、乳酸オリゴマーを触媒存在下で解重合・環化(熱分解と称されることもある)してラクチドを生成させ、これを溜去させる方法で製造されている(例えば、特許文献2~4)。その解重合・環化の際の触媒(以下、解重合触媒と称する)としては、様々な金属や金属化合物が活性を有することが知られており、なかでもスズ化合物が好ましいとされており、代表的なものは、ジ(2-エチルヘキサン)酸スズ(II)、つまり、いわゆるオクチル酸スズである(特許文献2においては、錫ジオクトエートとの化合物名で記載されている)。オクチル酸スズは、触媒活性が高いうえに、室温でも液状で扱い易く、有機溶媒や溶融状態の高分子化合物といった有機化合物にも溶解し易いといった点で優れているとされる。





なお、ポリ乳酸は光学純度が高いほど、耐熱性などの点で優れた性能を持つので、光学純度が高い乳酸やラクチドを原料として用い、途中の工程におけるラセミ化を可能な限り抑制して光学純度の高いポリ乳酸を製造することが重要である(特許文献2または特許文献4など)。

産業上の利用分野


本発明は、乳酸オリゴマーを解重合・環化してラクチドを製造する方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
以下の有機オニウム塩から選ばれる少なくとも1種の有機オニウム塩の存在下に、乳酸オリゴマーを減圧雰囲気で加熱することにより解重合・環化させてラクチドを生成させることを特徴とするラクチドの製造方法。
【化1】


但し、TPP-Tのアニオン成分は、炭素数2~6のパーフルオロアルキルスルホン酸イオンでもよい。)
【化2】


(但し、アニオン成分が、炭素数1~6のパーフルオロアルキルスルホン酸イオンまたは硫酸水素イオンである。)
【化3】


(但し、アニオン成分が、炭素数1~6のパーフルオロアルキルスルホン酸イオンまたは硫酸水素イオンである。)
【化4】


(但し、アニオン成分が、炭素数1~6のパーフルオロアルキルスルホン酸イオンまたは硫酸水素イオンである。)

【請求項2】
乳酸オリゴマーの平均重合度が、3以上100以下である請求項1に記載のラクチドの製造方法。

【請求項3】
140~200℃の温度に加熱して解重合・環化を行う請求項1または2に記載のラクチドの製造方法。

【請求項4】
乳酸オリゴマーが、光学純度99%e.e.以上の光学活性乳酸を重縮合させたもので
ある請求項1~のいずれか一つに記載のラクチドの製造方法。

【請求項5】
乳酸オリゴマーが、乳酸を、請求項1記載の少なくとも1種の有機オニウム塩の存在下に加熱して重縮合させたものである請求項1~のいずれか一つに記載のラクチドの製造方法。

【請求項6】
乳酸オリゴマーの解重合・環化反応物からラクチドを分離した残渣またはポリ乳酸に、乳酸および/または水を加えて、請求項1記載の少なくとも1種の有機オニウム塩の存在下に加熱して再生させたものを、解重合・環化の原料の乳酸オリゴマーとして用いることを特徴とする、請求項1~のいずれか一つに記載のラクチドの製造方法。

【請求項7】
ラクチドが、メソラクチドの含有率1%以下、かつ下記式(A)で定義される光学活性ラクチド選択率が99%以上のものであり、乳酸が該光学活性ラクチドを構成する乳酸成分と同じ光学活性を示し、光学純度が99%e.e.以上である請求項に記載の製造方法。
光学活性ラクチド選択率[%]=(LL‐ラクチドまたはDD‐ラクチドの質量)/(LL‐ラクチドの質量+メソラクチドの質量+DD‐ラクチドの質量)×100 (A)

【請求項8】
ラクチドが、メソラクチドの含有率1%以下、かつ下記式(A)で定義される光学活性ラクチド選択率が99%以上のものである請求項1~3のいずれか一つに記載の製造方法。
光学活性ラクチド選択率[%]=(LL‐ラクチドまたはDD‐ラクチドの質量)/(LL‐ラクチドの質量+メソラクチドの質量+DD‐ラクチドの質量)×100 (A)
産業区分
  • 有機化合物
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
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