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イチゴの花芽分化促進方法

国内特許コード P120007882
掲載日 2012年8月30日
出願番号 特願2010-293564
公開番号 特開2012-139154
登録番号 特許第5660571号
出願日 平成22年12月28日(2010.12.28)
公開日 平成24年7月26日(2012.7.26)
登録日 平成26年12月12日(2014.12.12)
発明者
  • 山崎 敬亮
  • 熊倉 裕史
  • 浜本 浩
出願人
  • 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
発明の名称 イチゴの花芽分化促進方法
発明の概要 【課題】イチゴ栽培における「収穫の中休み」の期間を減ずると共に、イチゴの収量性を維持する方法を提供する。
【解決手段】基肥で与える窒素成分として初期溶出を抑制する緩効性被覆尿素肥料を使用し定植後、特定の期間の間窒素成分を極力供給しない状態とし、イチゴの体内窒素濃度を低い状態に維持して一次腋花房等の花房の花芽分化を早期に誘導する。一方、分化に差し掛かる時期から緩効性被覆尿素肥料の窒素成分の溶出を始まるようにし、速やかに株や花房の生育を促進する。また、肥料として緩効性被覆尿素肥料を使用することで、尿素が水に溶け出す際に吸熱して高温期の培地温度を低下させることができ培地の昇温を抑制することで、花房分化を補助的に促進する。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


イチゴの促成栽培では、高設や地床という栽培方式に関わらず、近年の気候の温暖化により秋期の花芽分化時期が遅れ、作型によっては年内収量の減少や比較的高単価な時期に出荷の谷間を迎えてしまう、いわゆる「収穫の中休み」等の問題が顕在化しつつある。



特に、10~11月出荷を目指す超促成(早期出荷)作型では、頂花房(第1花房)の出荷後、定植後の高温により一次腋花房の分化が遅延し、約2ヶ月間の無収穫期間(収穫の中休み)が発生することとなる。従って、単価が比較的高い時期(12月~1月)に出荷できず、収量及び収入が共に減少する事態となっている。



さらに、培地が隔離され温度に対する緩衝能が小さい高設栽培では、培地温度が気温の影響を受けて高温になりやすく、温暖化の影響をより顕著に受ける。省力及び軽労化の面で優れる高設栽培は、新規就農者を中心に現在も設置面積を増やしており、今後も導入が見込まれる栽培法だけに、温暖化による「収穫の中休み」対策を早急に講じる必要がある。また対策を講じる際に、高設栽培の初期導入時の高コストに鑑みて、開発する技術や方法はできる限りコストを抑えることが望まれる。



一方、従来においては、イチゴの花芽分化が低温で誘導される点に着目し、クラウン部を局所的に冷却する方法(非特許文献1及び2)や気化潜熱を利用して培地の昇温を抑制する方法(特許文献1及び非特許文献3)で、定植後の一次腋花房の分化を早める技術が開発されている。



クラウン部の冷却を、非特許文献1ではスポットクーラーからの冷気を細いダクトに通して株元に送ることで、非特許文献2では冷水を特殊な2連チューブに流してそのチューブをクラウン部に密着させることで実施している。いずれの方法も効果は高く、イチゴの花芽分化時期を高精度に制御できるが、導入コストやランニングコストが高い点が課題である(例えば、非特許文献2に開示の装置は10a当たりの導入コストが約250万円である)。また、上述の気化潜熱を利用した培地の昇温抑制法は、低コストで実施できる利点があるものの、自然発生的な熱量を利用するため、精密な温度制御が困難であり、条件によっては期待するような効果が得られにくい場合がある。



非特許文献4は、イチゴの地床マルチ栽培において、肥効調節型窒素肥料を利用して全栽培期間中の窒素分を定植時に施与する方法を試行して、減肥しながら収量性を維持できる施肥方法を開示する。また、同様に非特許文献5は、肥効調節型窒素肥料を用いて、育苗ポット中に全栽培期間中の窒素成分を施与し、肥培管理の省力化試験を実施したことを開示する。非特許文献5では、肥効時期や期間の異なる肥効調節型窒素肥料を組み合わせ、育苗ポットへ施用後速やかに窒素肥料が溶出し、定植1ヶ月前には育苗用肥料の溶出がほぼ終了し、さらに定植後速やかに本圃用肥料の溶出が開始し、収穫終了時まで肥効が持続する溶出パターンを作製している。また、非特許文献6は、緩効性被覆尿素肥料を用いて育苗ポットへの全量基肥施肥による肥培管理の省力化試験を実施したことを開示する。



このように既に報告されている肥効調節型窒素肥料や緩効性被覆尿素肥料を利用した栽培法や施肥方法では、いずれもがイチゴ栽培における肥培管理の省力化を目的とする。肥効調節型窒素肥料や緩効性被覆尿素肥料を、「収穫の中休み」軽減や一次腋花房の分化促進といった目的では使用されていない。

産業上の利用分野


本発明は、例えば緩効性被覆尿素肥料を利用したイチゴの花芽分化促進方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
イチゴ苗を、緩効性被覆尿素肥料を施与した培地に定植させる工程を含む、イチゴの花芽分化を促進する方法であって、前記緩効性被覆尿素肥料が、初期溶出抑制期間100日及び溶出期間100日の緩効性被覆尿素肥料と初期溶出抑制期間40~50日及び溶出期間50日の緩効性被覆尿素肥料と初期溶出抑制期間30日及び溶出期間30日の緩効性被覆尿素肥料との混合物である、前記方法

【請求項2】
イチゴ苗が、頂花房が分化した苗である、請求項1記載の方法。

【請求項3】
花芽分化が一次腋花房の花芽分化である、請求項1又は2記載の方法。

【請求項4】
緩効性被覆尿素肥料を有効成分として含有するイチゴ花芽分化促進剤であって、前記緩効性被覆尿素肥料が、初期溶出抑制期間100日及び溶出期間100日の緩効性被覆尿素肥料と初期溶出抑制期間40~50日及び溶出期間50日の緩効性被覆尿素肥料と初期溶出抑制期間30日及び溶出期間30日の緩効性被覆尿素肥料との混合物である、前記イチゴ花芽分化促進剤

【請求項5】
花芽分化が一次腋花房の花芽分化である、請求項4記載のイチゴ花芽分化促進剤。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2010293564thum.jpg
出願権利状態 登録


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