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熱応答試験および揚水試験の解析方法および解析プログラム コモンズ 新技術説明会 実績あり

国内特許コード P120007899
整理番号 N11139
掲載日 2012年9月6日
出願番号 特願2012-109666
公開番号 特開2013-238419
登録番号 特許第5334221号
出願日 平成24年5月11日(2012.5.11)
公開日 平成25年11月28日(2013.11.28)
登録日 平成25年8月9日(2013.8.9)
発明者
  • 藤縄 克之
出願人
  • 国立大学法人信州大学
発明の名称 熱応答試験および揚水試験の解析方法および解析プログラム コモンズ 新技術説明会 実績あり
発明の概要 【課題】短時間で精度良く、熱応答試験結果に基づき地層の熱伝導率を求めることができる熱応答試験の解析方法を提案すること。
【解決手段】熱応答試験の解析方法では、コンピュータに熱応答試験による測定値を入力する。コンピュータにはパラメータ同定プログラムがインストールされており、当該同定プログラムにより、パウエルの共役傾斜法に基づく非線形最適化法を用いて、同定対象のパラメータに任意の値を設定して、指数関数の積分形で与えられる熱応答試験用の解析解を第30項まで計算して地層の温度上昇量を算出する温度上昇量の算出し、算出値と熱応答試験によって得られた測定値との誤差を算出し、この誤差が最小となるようにパラメータの値を変更する処理を繰り返すことでパラメータを同定する。同定後のパラメータを用いて地層の熱伝導率を算出できる。
【選択図】図4
従来技術、競合技術の概要


近年、原子力や火力に代わるクリーンなエネルギーとして、自然エネルギー(再生可能エネルギー)の利用が見直されてきている。その1つとして、地中熱の利用に関心が高まってきている。季節によって変動する外気温に対して、地中の温度は年間を通して約15℃で安定している。このような特性を持つ地中の熱を有効利用したものとして、地中熱ヒート・ポンプ(Geothermal Heat Pump、以下GeoHPと略す)システムがある。これは、地中熱を利用した冷暖房・給湯システムのことである。安定した熱の供給が行なえる地中熱の特性に着目し、夏場には冷房として地中に熱を放出し、冬場には暖房の熱源として利用する。



しかしながら、日本ではGeoHPシステムの普及は、欧米に比べ、遅れているのが実情である。その理由としては、認知度の低さ、井戸の掘削等における初期費用の問題、および、日本では欧米とは違い、その土地の風土によって熱物性値が異なるため、経済的なシステムづくりが依然として確立されていない、などが挙げられる。そのため、GeoHPシステムの普及には初期費用を抑えるためのシステムの効率化が必要不可欠である。



システムの効率化を図るための地盤調査試験として、熱応答試験が知られている。熱応答試験は主に地層の熱伝導率と熱交換井の熱抵抗を評価するための試験であり、地中熱交換井の熱交換挙動を予想する上で不可欠な情報である。熱応答試験を実施して、適正な井戸の本数・長さを決定することは、GeoHPシステムの初期費用の削減に極めて重要である。



地盤調査のための熱応答試験は、主にクローズド型方式における垂直型地中熱交換井を対象としている。このための熱応答試験装置は、地上部の水タンク内で電気ヒーターによって熱媒体を加熱し、循環ポンプにより配管内を循環させる。加熱された熱媒体は地中部を通過する際に放熱するため、U字管の入口・出口の温度差を測定し、その地層の熱交換特性を評価する。このような熱応答試験装置は、特許文献1に開示されており、熱応答試験装置を用いた熱応答試験方法は非特許文献1に開示されている。

産業上の利用分野


本発明は熱応答試験および揚水試験の解析方法および解析プログラムに関する。さらに詳しくは、共役傾斜法を適用してパラメータ同定による逆解析を行って、短時間で精度良く地盤の熱交換特性および地下水流動特性を評価できる解析方法および解析プログラムに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
熱応答試験によって測定された調査対象の地盤における温度上昇量の経時変化に基づき前記地盤の熱交換特性を評価する熱応答試験の解析方法であって、
地盤の温度上昇量を式(A)で表されるKelvinの線源関数で規定し、当該線源関数の近似式として、指数積分E(X)のべき級数展開式における少なくとも第16項まで採用した近似式を使用し、
【数1】


パウエルの共役傾斜法に基づく非線形最適化法を用いて、前記近似式に含まれる未知のパラメータを所定の値に設定した場合に得られる温度上昇量の計算値Trと、前記熱応答試験によって測定された温度上昇量の実測値Triとの誤差が最小となるように、前記パラメータの逆解析を行い、
当該逆解析においては、同定対象の前記パラメータを、前記線源関数における未知量である半径r、密度ρ、比熱cおよび熱伝導率λを用いて、次式(B)、(C)で表されるα1およびα2とし、
【数2】


前記逆解析によって同定された前記パラメータα1およびα2を用いて、前記地盤の熱伝導率λおよび体積熱容量ρcのうち、少なくとも熱伝導率λを算出することを特徴とする熱応答試験の解析方法。

【請求項2】
請求項1において、
Kelvinの線源関数の近似式として、指数積分E(X)のべき級数展開式における第30項まで採用した近似式を用いることを特徴とする熱応答試験の解析方法。

【請求項3】
請求項1または2において、
同一地点について異なる時点において行われた少なくとも2回の熱応答試験の実測値を用いて、それぞれの時点における同一地点における地層の熱伝導率を算出し、
それぞれの時点における地下水位の変化の有無を判断するための指標として、算出された前記熱伝導率の差を求めることを特徴とする熱応答試験の解析方法。

【請求項4】
請求項1ないし3のうちのいずれかの項において、
前記熱応答試験によって得られた実測値を、試験開始時点から所定時間経過した時点までの初期段階データと、当該時点以後の後半部データに分け、
前記初期段階データを用いて熱伝導率および、式(D)により表されるデータ1つ当りの誤差であるf/N値を算出すると共に、前記後半部データを用いて熱伝導率および、前記f/N値を算出し、
【数3】


地層深度方向の地熱勾配の有無、あるいは、地下水流動の有無を判断するための指標として、算出した2つの熱伝導率の差、および算出した2つのf/N値の差をそれぞれ求めることを特徴とする熱応答試験の解析方法。

【請求項5】
熱応答試験によって測定された調査対象の地盤における温度上昇量の経時変化に基づき前記地盤の熱交換特性を評価するために用いる熱応答試験の解析プログラムであって、
コンピュータを、地盤の温度上昇量を、式(A)で表されるKelvinの線源関数の近似式として、指数積分E(X)のべき級数展開式における少なくとも第16項まで採用した近似式を用いて演算を行う演算手段として機能させ、
【数4】


コンピュータを、パウエルの共役傾斜法に基づく非線形最適化法を用いて、前記近似式に含まれる未知のパラメータを所定の値に設定した場合に得られる温度上昇量の計算値Trと、前記熱応答試験によって測定された温度上昇量の実測値Triとの誤差が最小となるように、前記パラメータの逆解析を行う逆解析手段として機能させ、
当該逆解析手段においては、同定対象の前記パラメータを、前記線源関数における未知量である半径r、密度ρ、比熱cおよび熱伝導率λを用いて、式(B)、(C)で表されるα1およびα2とし、
【数5】


さらに、コンピュータを、前記逆解析によって同定された前記パラメータα1およびα2を用いて、前記地盤の熱伝導率λおよび体積熱容量ρcのうち、少なくとも熱伝導率λを算出する算出手段として機能させることを特徴とする熱応答試験の解析プログラム。

【請求項6】
請求項5において、
Kelvinの線源関数の前記近似式として、指数積分E(X)のべき級数展開式における第30項まで採用した近似式を用いることを特徴とする熱応答試験の解析プログラム


【請求項7】
請求項5または6において、
前記逆解析手段および前記算出手段によって、同一地点について異なる時点において行われた少なくとも2回の熱応答試験の実測値を用いて、それぞれの時点における同一地点における地層の熱伝導率を算出し、
さらに、コンピュータを、それぞれの時点における地下水位の変化の有無を判断するために、算出された熱伝導率の差を算出する熱伝導率差算出手段として機能させることを特徴とする熱応答試験の解析プログラム。

【請求項8】
請求項5ないし7のうちのいずれかの項において、
前記逆解析手段は、前記熱応答試験によって得られた実測値を、試験開始時点から所定時間経過した時点までの初期段階データと、当該時点以後の後半部データに分け、前記初期段階データを用いて熱伝導率および、式(D)により表されるデータ1つ当りの誤差であるf/N値を算出すると共に、前記後半部データを用いて熱伝導率および、前記f/N値を算出し、
【数6】


さらに、コンピュータを、地層深度方向の地熱勾配の有無、あるいは、地下水流動の有無を判断するために、算出した2つの熱伝導率の差、および算出した2つのf/N値の差をそれぞれ求める差分算出手段として機能させることを特徴とする熱応答試験の解析プログラム。

【請求項9】
揚水試験によって測定された調査対象の地盤における地下水位低下量の経時変化に基づき前記地盤の地下水流動特性を評価する揚水試験の解析方法であって、
地盤の地下水位低下量を式(E)で表されるタイスの井戸関数で規定し、当該井戸関数の近似式として、指数積分W(u)のべき級数展開式における少なくとも第16項まで採用した近似式を使用し、
【数7】


パウエルの共役傾斜法に基づく非線形最適化法を用いて、前記近似式に含まれる未知のパラメータを所定の値にそれぞれ設定した場合に得られる地下水位低下量の計算値と、前記揚水試験によって測定された地下水位低下量の実測値との誤差が最小となるように、前記パラメータの逆解析を行い、
当該逆解析においては、同定対象の前記パラメータを、前記井戸関数における未知量である半径r、透水量係数Tおよび貯留係数Scを用いて、次式で表されるα1およびα2とし、
α1=rSc
α2=T
前記逆解析によって同定された前記パラメータα1およびα2から、前記地盤の透水量係数Tおよび貯留係数Scのうち、少なくとも透水量係数Tを算出することを特徴とする揚水試験の解析方法。

【請求項10】
請求項9において、
タイスの井戸関数の前記近似式として、指数積分W(u)のべき級数展開式における第30項まで採用した近似式を用いることを特徴とする揚水試験の解析方法。

【請求項11】
揚水試験によって測定された調査対象の地盤における地下水位低下量の経時変化に基づき前記地盤の地下水流動特性を評価するために用いる揚水試験の解析プログラムであって、
コンピュータを、地盤の地下水位低下量を式(E)で表されるタイスの井戸関数の前記近似式として、指数積分W(u)のべき級数展開式における少なくとも第16項まで採用した近似式を用いて演算を行う演算手段として機能させ、
【数8】


コンピュータを、パウエルの共役傾斜法に基づく非線形最適化法を用いて、前記近似式に含まれる未知のパラメータを所定の値にそれぞれ設定した場合に得られる地下水位低下量の計算値と、前記揚水試験によって測定された地下水位低下量の実測値との誤差が最小となるように、前記パラメータの逆解析を行う逆解析手段として機能させ、
当該逆解析手段においては、同定対象の前記パラメータを、前記井戸関数における未知量である半径r、透水量係数Tおよび貯留係数Scを用いて、次式で表されるα1およびα2とし、
α1=rSc
α2=T
さらに、コンピュータを、前記逆解析によって同定された前記パラメータα1およびα2から、前記地盤の透水量係数Tおよび貯留係数Scのうち、少なくとも透水量係数Tを算出する算出手段として機能させることを特徴とする熱応答試験の解析プログラム。

【請求項12】
請求項11において、
タイスの井戸関数の前記近似式として、指数積分W(u)のべき級数展開式における第30項まで採用した近似式を用いることを特徴とする揚水試験の解析プログラム。
国際特許分類(IPC)
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出願権利状態 登録
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