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舶用ディーゼル機関の燃料噴射制御方法及びその装置 コモンズ 外国出願あり

国内特許コード P120007963
掲載日 2012年9月28日
出願番号 特願2006-542447
登録番号 特許第5061347号
出願日 平成17年11月4日(2005.11.4)
登録日 平成24年8月17日(2012.8.17)
国際出願番号 JP2005020305
国際公開番号 WO2006049252
国際出願日 平成17年11月4日(2005.11.4)
国際公開日 平成18年5月11日(2006.5.11)
優先権データ
  • 特願2004-321024 (2004.11.4) JP
発明者
  • 大 津 皓 平
  • 伊 藤 雅 則
  • 清 水 悦 郎
  • 廣 瀬 典 樹
出願人
  • 国立大学法人東京海洋大学
発明の名称 舶用ディーゼル機関の燃料噴射制御方法及びその装置 コモンズ 外国出願あり
発明の概要

燃料を噴射する時点の負荷状態と整合するように制御する舶用ディーゼル機関の燃料噴射制御方法及び燃料噴射制御装置を提供する。
所定の時間間隔で燃料噴射量と舶用ディーゼル機関の回転数を所定回数計測して入力する段階と、燃料噴射量と舶用ディーゼル機関の回転数の関係を満足する関係式を求める段階と、前記関係式から舶用ディーゼル機関の回転数を目標の回転数に設定した場合の現在噴射すべき燃料噴射量(uk)を算出する段階と、前記算出した現在の燃料噴射量に整合するように舶用ディーゼル機関の燃料噴射弁の開度を制御する段階と、を備えた。

従来技術、競合技術の概要


一般に、船舶は海洋を航行する間、波の影響と船体の動揺を受けて、周期的な抵抗を受けて航行する。このため、舶用ディーゼル機関は周期的に高負荷状態と低負荷状態にさらされる。



船舶の場合、車両と異なり、巡航中は一定の速度を維持するよりも、舶用ディーゼル機関の回転数を一定に維持することの方が舶用ディーゼル機関にとって好ましい。



従来から、舶用ディーゼル機関の回転数を一定にするために燃料の噴射を制御することが行われていた。



図3に従来の舶用ディーゼル機関の燃料噴射制御装置を示す。
図3に示すように、従来の燃料噴射制御装置31は、制御対象の舶用ディーゼル機関32と、燃料噴射弁開閉機構33と、燃料噴射量制御機構34とを有している。



燃料噴射制御装置31は、舶用ディーゼル機関32の回転軸35の近傍に設けられ、舶用ディーゼル機関32の回転数を検出する第1センサー36と、舶用ディーゼル機関32の燃料噴射弁37の開度(実際には液圧シリンダー39のピストン移動量)を検出する第2センサー38とを有している。



燃料噴射弁開閉機構33は、燃料噴射弁37を駆動する液圧シリンダー39と、液圧シリンダー39のピストン40の両側に形成された隔室41に切り換え可能に油圧を供給するサーボ機構42と、加圧された油を供給する油圧ポンプ43と、サーボ機構42に制御用の信号を入力するドライバー44とを有している。



油圧ポンプ43は、舶用ディーゼル機関32の回転軸35に連結され、回転軸35の動力の一部によって駆動される。



油圧ポンプ43は、舶用ディーゼル機関32の回転軸35によって常に回転し、舶用ディーゼル機関32の回転数が高いときには、過剰に加圧された油をリリーフ弁45から逃がし、タンク46に戻すようにしている。



燃料噴射量制御機構34は、目標とする舶用ディーゼル機関の設定回転数と、第1センサー36によって検出された舶用ディーゼル機関32の回転数とを入力し、目標とする燃料噴射弁の開度の一次制御信号を出力する第1コントローラー47と、前記第1コントローラー47からの一次制御信号と、第2センサー38からの燃料噴射弁37の開度の信号とを入力し、実際の燃料噴射弁37の開度を目標とする燃料噴射弁の開度に整合させる二次制御信号を出力する第2コントローラー48を有している。



上記従来の燃料噴射制御装置31は、第1コントローラー47が設定回転数と第1センサー36によって検出された舶用ディーゼル機関の回転数とを入力し、それらを比較し、舶用ディーゼル機関の回転数が設定回転数より高い場合には燃料噴射弁の開度を小さくする一次制御信号を、舶用ディーゼル機関の回転数が設定回転数より低い場合には燃料噴射弁の開度を大きくする一次制御信号を出力する。



上記一次制御信号は、ドライバー44を介してサーボ機構42に入力され、サーボ機構42は一次制御信号に応じて液圧シリンダー39のいずれかの隔室41に油圧を供給する。



第2センサー38は、液圧シリンダー39のピストン移動量を検出し、第2コントローラー48に入力する。第2コントローラー48は、目標とする燃料噴射量と燃料噴射弁の開度とを比較し、目標とする燃料噴射弁の開度に達しない場合は追加して燃料噴射弁を開く二次制御信号を、目標とする燃料噴射弁の開度より大きく燃料噴射弁が開かれている時は燃料噴射弁を絞る二次制御信号を燃料噴射弁開閉機構33のドライバー44に出力する。



上述したとおり、従来の舶用ディーゼル機関の燃料噴射制御装置は、舶用ディーゼル機関の回転数によって舶用ディーゼル機関の負荷状態を検出し、回転数が低下すれば燃料噴射弁の開度を大きくして回転数を上昇させ、回転数が高くなれば燃料噴射弁の開度を小さくして回転数を抑えるようにしていた。



しかし、前述したように、海洋では船舶は周期的に抵抗を受け、舶用ディーゼル機関は周期的な高負荷状態と低負荷状態にさらされるので、上記従来技術による燃料噴射制御では、燃料噴射弁を開いた時には既に低負荷状態に移りつつあったり、逆に燃料噴射弁を絞った時には既に高負荷状態に移りつつあったりすることがあった。



つまり、従来の燃料噴射制御は舶用ディーゼル機関の実際の負荷状態に遅れて燃料の噴射量を制御し、常に後追いの燃料噴射制御になり、燃費効率が低かった。



また、実際には高負荷状態になっているのに燃料の噴射量が不足したり、低負荷状態になっているのに燃料の噴射量が多すぎたりすることにより、機関の構成部品に周期的な負荷をかけることになり、好ましくなかった。



また、従来の技術は、油圧ポンプが舶用ディーゼル機関の回転軸に直接連結されて駆動されている点で種々の問題があった。



従来の燃料噴射制御装置は、舶用ディーゼル機関の回転数が低下したときに燃料噴射弁を開くことができるようにするために、油圧ポンプを余裕もって駆動できるように設定されている。



このため、舶用ディーゼル機関の回転数が上昇した時は、油圧ポンプが必要以上に回転して高い加圧を行ってしまうので、余剰の圧力を逃がすためにリリーフ弁から油をタンクに戻している。すなわち、従来の燃料噴射制御装置では、周期的に油圧ポンプが必要以上に回転し、その結果余剰の圧力を逃がすためにリリーフ弁から油をタンクに戻すようにしている。これにより、油圧ポンプの駆動効率が悪いだけでなく、高温の油がタンクに戻されるため、油の劣化を招き、温度の上昇を抑えるためにタンクが大型化した。



また、舶用ディーゼル機関の回転軸が常に油圧ポンプを駆動しているため、舶用ディーゼル機関の燃費が悪かった。



以上の従来技術の問題を鑑み、本発明が解決しようとする課題は、周期的に訪れる舶用ディーゼル機関の高負荷と低負荷の状態を予測し、燃料を噴射する時点の負荷状態と整合するように制御する舶用ディーゼル機関の燃料噴射制御方法及び燃料噴射制御装置を提供することにある。



また、上記燃料を噴射する時点の負荷状態と整合する燃料噴射制御を実現すると共に、上記油圧ポンプが舶用ディーゼル機関の回転軸に直接連結されていることによる問題を解決する舶用ディーゼル機関の燃料噴射制御装置を提供する。



日本国の特許公開公報、特開昭62-26503号には、舶用ディーゼル機関の回転数を検出し、燃料噴射弁37の制御信号に前記回転数から決定される所定のパラメーターを乗じる技術が開示されている。



この技術は、荒天時にスクリュープロペラが海面上に露出してスクリュープロペラが空転し回転数が過度に上昇する現象に対して、前記パラメーターによって前記スクリュープロペラの回転を抑制するものである。 日本国の実用新案登録出願(実公昭63-42836号)には、本発明の燃料噴射弁開閉機構に類似する燃料噴射量調整装置が記載されている。

産業上の利用分野


本発明は、舶用ディーゼル機関の燃料噴射制御方法及びその装置に関する。
特に、本発明は、舶用ディーゼル機関において周期的に訪れる高負荷、低負荷の状態に対し、燃料噴射時の舶用ディーゼル機関の負荷状態に正しく整合する燃料噴射の制御を行い、舶用ディーゼル機関の回転数を一定に維持することができる舶用ディーゼル機関の燃料噴射制御方法及びその装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】 所定の時間間隔で燃料噴射量と舶用ディーゼル機関の回転数を所定回数計測して入力する段階と、
前記所定回数の燃料噴射量と舶用ディーゼル機関の回転数を下記の近似式に入力する段階と、
【数式1】
前記所定回数の燃料噴射量と舶用ディーゼル機関の回転数を前記近似式に入力することにより、下記の複数の連立方程式を得る段階と、
【数式2】
前記連立方程式を解いて係数(a,b)を求める段階と、
前記係数(a,b)を前記近似式に入力して該近似式を決定する段階と、
前記近似式の舶用ディーゼル機関の回転数を一定に設定した場合の現在噴射すべき燃料噴射量(uk)を算出する段階と、
前記算出した現在の燃料噴射量に整合するように舶用ディーゼル機関の燃料噴射弁の開度を制御する段階と、を有することを特徴とする舶用ディーゼル機関の燃料噴射制御方法。
【請求項2】 舶用ディーゼル機関の燃料噴射弁を開閉する燃料噴射弁開閉機構と、
前記燃料噴射弁開閉機構の動作を制御する燃料噴射量制御機構と、
前記舶用ディーゼル機関の回転数を検出する第1センサーと、
前記燃料噴射弁の開度を検出する第2センサーとを有し、
前記燃料噴射量制御機構は、所定の時間間隔で前記第1センサーと前記第2センサーからそれぞれ前記舶用ディーゼル機関の回転数と前記燃料噴射弁の開度のデータを入力し、所定回数の舶用ディーゼル機関の回転数と燃料噴射弁の開度から得られる燃料噴射量のデータを下記の近似式に入力し
【数式3】
前記所定回数の燃料噴射量と舶用ディーゼル機関の回転数を前記近似式に入力することにより、下記の複数の連立方程式を得て、
【数式4】
前記連立方程式を解いて係数(a,b)を求め、
前記係数(a,b)を前記近似式に入力して該近似式を決定し、
前記近似式の舶用ディーゼル機関の回転数を一定に設定した場合の現在噴射すべき燃料噴射量(uk)を算出し、算出した現在の燃料噴射量に整合するように、前記燃料噴射弁開閉機構を制御することを特徴とする舶用ディーゼル機関の燃料噴射制御装置。
【請求項3】 前記燃料噴射弁開閉機構は、燃料噴射弁を駆動する液圧シリンダーと、前記液圧シリンダーのピストンの両側に形成された隔室に切り換え可能に油圧を供給する逆止弁機構と、前記逆止弁機構を介して前記隔室に加圧された液体を供給する原動機付きの双方向ポンプと、前記双方向ポンプの動作を制御するドライバーからなることを特徴とする請求項2に記載の汎用ディーゼル機関の燃料噴射制御装置。
【請求項4】 前記燃料噴射量制御機構は、
目標とする舶用ディーゼル機関の設定回転数と、前記第1センサーによって検出された舶用ディーゼル機関の回転数と、前記第2センサーによって検出された燃料噴射弁の開度のデータとを入力し、目標とする燃料噴射弁の開度の一次制御信号を出力する第1コントローラーと、
前記第1コントローラーからの一次制御信号と、前記第2センサーからの燃料噴射弁の開度の信号とを入力し、燃料噴射弁の開度を目標とする燃料噴射弁の開度に整合させる二次制御信号を出力する第2コントローラーと、を有することを特徴とする請求項2または3に記載の汎用ディーゼル機関の燃料噴射制御装置。
産業区分
  • 内燃機関
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中


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