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プレーナーパッチクランプ装置、該装置用電極部及び細胞イオンチャンネル電流計測方法 新技術説明会

国内特許コード P120007977
整理番号 AF19P006
掲載日 2012年10月2日
出願番号 特願2012-181786
公開番号 特開2013-146261
登録番号 特許第6037717号
出願日 平成24年8月20日(2012.8.20)
公開日 平成25年8月1日(2013.8.1)
登録日 平成28年11月11日(2016.11.11)
優先権データ
  • 特願2011-278445 (2011.12.20) JP
発明者
  • 宇理須 恒雄
  • ワン ツーホン
  • 宇野 秀隆
  • オブリ ラジ センティルクマール
  • 長岡 靖崇
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 プレーナーパッチクランプ装置、該装置用電極部及び細胞イオンチャンネル電流計測方法 新技術説明会
発明の概要 【課題】プレーナーパッチクランプ装置における印加膜電位の変動を抑制してノイズ電流を低減させ、以ってイオンチャンネル電流の正確な計測を可能とする。
【解決手段】電気絶縁性基板に微細な貫通孔を1以上設け、貫通孔の両側の表面には導電性液体を保持する液溜部と、該液溜部に通電可能な電極部を設け、これらの電極部が、(a)容器壁の一部が無機多孔質材料からなる電極容器と、(b)貴金属Nmの表層部にその塩化物NmCl層を形成した電極と、(c)NmCl及びアルカリ金属塩化物が飽和濃度で溶解した電極溶液を備える、プレーナーパッチクランプ装置。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


生命体を構成する細胞の表面には種々の膜タンパク質が配置されており、細胞表面の特定サイトへの化学物質(リガンド等の信号伝達物質)の結合や電気あるいは光の刺激(ゲートトリガー)により膜タンパク質の開口部であるチャンネルが開閉し、細胞膜の外側と内側の間でのイオンや化学物質の輸送が制御されている。この制御を行うイオンチャンネルは生体系の信号伝達に関わる重要な膜タンパク質であり、その機能計測や機能に関連する薬品の開発においてはチャンネルタンパク質の電気的変化、即ちイオンチャンネル電流の計測が求められる。



この要求に対して、これまでにピペットパッチクランプやプレーナーパッチクランプ等の技術が開発されている。ピペットパッチクランプは多点計測によるハイスループットスクリーニングに応用できないという弱点がある。これに対して、プレーナーパッチクランプは、シリコンチップのような固体基板上に複数のパッチクランプ装置を構成して多点計測を可能にし、各パッチクランプ装置の細胞配置部位にはそれぞれ、イオンチャンネル電流を計測するための微細な貫通孔を設けている。



例えば下記の特許文献1には、複数のパッチクランプ細胞にてパッチクランプ記録を実施するための複数の電極からなる平面的パッチクランプ電極配列について記載されている。又、下記の特許文献2には、シリコン基板の上下の表面に電極を設け、二つの電極の間に電気的に連通させるための孔を貫通し、貫通孔の入り口に置いた細胞の電気的変化を測定するプレーナー型パッチクランプ装置が開示されている。

産業上の利用分野


本発明は、プレーナーパッチクランプ装置、該装置用電極部及び細胞イオンチャンネル電流計測方法に関する。



さらに詳しくは本発明は、多点計測が可能な平面基板型であって、細胞培養機能を持ち、イオンチャンネル電流計測時における雑音電流の有効な抑制と細胞の安定的な位置決めが可能なプレーナーパッチクランプ装置と、この装置に組み込むためのプレーナーパッチクランプ装置用電極部と、このプレーナーパッチクランプ装置を用いて行う細胞イオンチャンネル電流計測方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
(1)電気絶縁性基板に、その両側の表面を連通させる、細胞を通過させないが液体を通過させ得る微細な貫通孔を1以上設け、(2)前記貫通孔の第一表面側と第二表面側にはそれぞれ、導電性液体を保持するための液溜部と、該液溜部の導電性液体に対して通電可能に配置された電極部とを設け、(3)第一表面側の液溜部が細胞配置用の液溜部とされ、4)前記第一表面側及び第二表面側の電極部が以下の(a)~(c)の要素を
備え、さらに(5)前記貫通孔における第一表面側の開口部周縁に細胞外マトリックス形成物質が付着されることを特徴とする神経細胞ネットワークを形成した神経細胞用の培養型プレーナーパッチクランプ装置。
(a)前記液溜部に導電性液体が導入された際にその導電性液体に接することとなる容器壁の少なくとも一部が無機多孔質材料で構成されている電極容器。
(b)上記の電極容器内に収容された、貴金属Nmの表層部にその貴金属の塩化物NmCl層を形成した電極。
(c)上記の電極容器内に充填された、前記貴金属の塩化物NmCl及びアルカリ金属塩化物が飽和濃度で溶解した電極溶液。

【請求項2】
前記第一表面側の液溜部が、光不透過性の材料によって構成された、細胞を配置するための第1液溜と、第一表面側の電極部が配置された第2液溜と、これらの主液溜及び副液溜を連通させる狭い通液路からなることを特徴とする請求項1に記載のプレーナーパッチクランプ装置。

【請求項3】
前記第二表面側の液溜部が導電性液体を導入及び排出するための通液路と連通され、かつ、この通液路に第二表面側の電極部が配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のプレーナーパッチクランプ装置。

【請求項4】
前記第一表面側に液溜部を複数に設け、これらの液溜部には神経細胞の細胞体より大きな幅と培養状態の細胞体の移動を阻止できる深さを有する凹部を形成していることを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか1項に記載のプレーナーパッチクランプ装置。

【請求項5】
前記プレーナーパッチクランプ装置が以下の(A)構成を備えることを特徴とする請求項1~請求項4のいずれか1項に記載のプレーナーパッチクランプ装置。
(A)第二表面側の液溜部が液体吸引デバイスに連絡されており、この液体吸引デバイスによって第二表面側の液溜部に陰圧を負荷できるようになっている

【請求項6】
以下の(a’)~(c’)の要素を備えることを特徴とするプレーナーパッチクランプ装置用電極部。
(a’)容器壁の少なくとも一部が無機多孔質材料で構成された電極容器。
(b’)上記の電極容器内に収容された、貴金属Nmの表層部にその貴金属の塩化物NmCl層を形成した電極。
(c’)上記の電極容器に充填された、前記貴金属の塩化物NmCl及びアルカリ金属塩化物が飽和濃度で溶解した電極溶液。

【請求項7】
前記容器壁の少なくとも一部を構成する無機多孔質材料が多孔質ガラス又は多孔質セラミックスであることを特徴とする請求項6に記載のプレーナーパッチクランプ装置用電極部。

【請求項8】
前記貴金属Nmが銀Ag又は白金Ptであり、アルカリ金属塩化物が塩化カリウムKClであることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載のプレーナーパッチクランプ装置用電極部。

【請求項9】
前記電極が以下(C)又は(D)であることを特徴とする請求項6~請求項8のいずれか1項に記載のプレーナーパッチクランプ装置用電極部。
(C)電極容器内部に突出した棒状電極であって、貴金属Nmからなる芯材の表層部に貴金属塩化物NmCl層を形成している。
(D)電極容器の壁部の内周面に形成した筒状電極であって、容器壁部側の底層が貴金属Nmの蒸着層であり、電極溶液に接する表面層が貴金属塩化物NmClの蒸着層である。

【請求項10】
請求項1~請求項5のいずれか1項に記載のプレーナーパッチクランプ装置の第二表面側の液溜部に導電性液体を導入すると共に、第一表面側の液溜部には測定対象である細胞を分散させた導電性液体を導入して第一表面側の液溜部と第二表面側の液溜部とを導電的に連通させ、前記細胞を第一表面側の液溜部の所定位置に配置したもとで、第一表面側及び第二表面側の電極部の電極間に電圧を印加して、測定対象である細胞のイオンチャンネル電流を計測することを特徴とする細胞イオンチャンネル電流計測方法。

【請求項11】
前記プレーナーパッチクランプ装置の基板の第一表面側には請求項4に記載した構成の複数の液溜部を設け、測定対象である細胞が神経細胞であり、導電性液体が前記神経細胞の細胞培養液であることを特徴とする請求項10に記載の細胞イオンチャンネル電流計測方法。

【請求項12】
前記神経細胞には予めCaイメージングのためのCaプローブが導入されており、その細胞イオンチャンネル電流を、少なくとも、細胞活動電位の発生時あるいは活動電位の伝搬時に生じる蛍光の観察であるCaイメージングを含む手段により測定することを特徴とする請求項11に記載の細胞イオンチャンネル電流計測方法。

【請求項13】
前記Caプローブが導入された神経細胞を前記プレーナーパッチクランプ装置の第一表面側に複数ないし多数配置すると共に、これらの神経細胞のシナプスが相互に連接された神経細胞ネットワークとしておき、それらの内の単一の神経細胞に電流注入あるいは電圧印加することにより、前記複数ないし多数の神経細胞における前記Caイメージングによる測定を行うことを特徴とする請求項12に記載の細胞イオンチャンネル電流計測方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2012181786thum.jpg
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) CREST プロセスインテグレーションによる機能発現ナノシステムの創製 領域
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