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燃料電池用ガス拡散層の製造方法

国内特許コード P120007982
整理番号 P05-004
掲載日 2012年10月4日
出願番号 特願2005-039216
公開番号 特開2006-228514
登録番号 特許第4702735号
出願日 平成17年2月16日(2005.2.16)
公開日 平成18年8月31日(2006.8.31)
登録日 平成23年3月18日(2011.3.18)
発明者
  • 古屋 長一
  • 和田 香
  • 峰尾 徳一
  • 松本 康嗣
出願人
  • 国立大学法人山梨大学
発明の名称 燃料電池用ガス拡散層の製造方法
発明の概要 【課題】 導電性に優れかつ均一な厚さを有する燃料電池用ガス拡散層の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 導電性多孔質層とカーボン層とを有する燃料電池用ガス拡散層の製造方法であって、カーボン粒子とフッ素樹脂とを含むスラリーを、前記フッ素樹脂のガラス転移温度以上の融点を有する基材シート上に、塗布および乾燥させてカーボン層前駆体を得た後、前記カーボン層前駆体を前記フッ素樹脂のガラス転移温度以上かつ分解温度未満の温度で焼成することにより、前記基材シート上に前記カーボン層を作製する工程と、前記カーボン層と前記導電性多孔質層とを接合した後、前記基材シートを除去する工程と、を含む燃料電池用ガス拡散層の製造方法により上記課題を解決する。
【選択図】 なし
従来技術、競合技術の概要


近年、エネルギー・環境問題を背景とした社会的要求や動向と呼応して、常温でも作動し高出力密度が得られる燃料電池が電気自動車用電源、定置型電源として注目されている。燃料電池は、電極反応による生成物が原理的に水であり、地球環境への悪影響がほとんどないクリーンな発電システムである。燃料電池には、固体高分子型燃料電池(PEFC)、リン酸型燃料電池(PAFC)、アルカリ型燃料電池(AFC)、固体酸化物型燃料電池(SOFC)、溶融炭酸塩型燃料電池(MCFC)などがある。なかでも、固体高分子型燃料電池は、比較的低温で作動して高出力密度が得られることから、電気自動車用電源として期待されている。



固体高分子型燃料電池の構成は、一般的には、膜-電極接合体(以下、「MEA」とも記載する。)をセパレータで挟持した構造となっている。MEAは、固体高分子電解質膜が一対のガス拡散電極により挟持されてなるものである。また、ガス拡散電極は、カーボン担体に触媒粒子が担持されてなる電極触媒と固体高分子電解質とを含む電極触媒層とガス拡散層とを有し、MEAにおいて前記電極触媒層の片面が固体高分子電解質膜に接触して配置される。



前記燃料電池では、以下のような電気化学的反応が進行する。まず、アノード側に供給された燃料ガスに含まれる水素は、触媒粒子により酸化され、プロトンおよび電子となる。次に、生成したプロトンは、アノード側電極触媒層に含まれる固体高分子電解質、さらにアノード側電極触媒層と接触している固体高分子電解質膜を通り、カソード側電極触媒層に達する。また、アノード側電極触媒層で生成した電子は、アノード側電極触媒層を構成しているカーボン担体、さらにアノード側電極触媒層の固体高分子電解質膜と異なる側に接触しているガス拡散層、ガスセパレータおよび外部回路を通してカソード側電極触媒層に達する。そして、カソード側電極触媒層に達したプロトンおよび電子はカソード側に供給されている酸化剤ガスに含まれる酸素と反応し水を生成する。燃料電池では、上述した電気化学的反応を通して、電気を外部に取り出すことが可能となる。



前記電気化学的反応は、主に、電極触媒層において、触媒粒子と、固体高分子電解質と、酸化剤ガスまたは燃料ガスとが接触する三相界面において進行する。従って、三相界面の形成量を多くして高い発電量を得るためには、電極反応により生じた水分を電極触媒層から排出させるとともに、外部から供給されたガスを電極触媒層へ均一に拡散させて供給することが必要とされる。そのため、従来では、ガス拡散層を電極触媒層と隣接して配置し、ガス拡散層を介して電極触媒層へ酸化剤ガスまたは燃料ガスが供給される。



例えば、特許文献1には、PTFE多孔体フィルムの一側に触媒層を配置し、他側に拡散層を配置したガス拡散電極が開示されている。前記拡散層としては、特許文献1の製造例2においては、カーボン粒子とフッ素樹脂とからなるカーボン層が用いられている。前記ガス拡散電極は、絶縁材料からなるPTFE多孔体フィルムに触媒層および拡散層を配置した後に加圧成形することにより作製され、前記樹脂膜の空孔中に導電性粉末が入り込み、前記樹脂膜が導電性および撥水性を発揮することが可能となる。



また、従来では、カーボンペーパなどからなる導電性多孔質層上に、カーボン粒子とフッ素樹脂とからなるカーボン層を有するガス拡散層も用いられている。かような構成とすることにより、導電性およびガス拡散性に優れるガス拡散層が得られる。前記ガス拡散層の作製方法としては、カーボン粒子とフッ素樹脂とを含むスラリーを導電性多孔質層上に塗布および乾燥させる方法、カーボン粒子とフッ素樹脂とを含むスラリーを一度乾燥させ粉砕することで粉体にし、これを前記基材上に塗布する方法などが用いられている。
【特許文献1】
特公平04-65498号公報

産業上の利用分野


本発明は、燃料電池用ガス拡散層の製造方法に関し、より詳細には均一な厚さを有しかつ導電性に優れる燃料電池用ガス拡散層の製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
導電性多孔質層とカーボン層とを有する燃料電池用ガス拡散層の製造方法であって、
カーボン粒子とフッ素樹脂とを含むスラリーを、前記フッ素樹脂のガラス転移温度以上の融点を有する基材シート上に、塗布および乾燥させてカーボン層前駆体を得た後、前記カーボン層前駆体を前記フッ素樹脂のガラス転移温度以上かつ分解温度未満の温度で焼成することにより、前記基材シート上に前記カーボン層を作製する工程と、
前記カーボン層と前記導電性多孔質層とをホットプレス法を用いて接合した後、前記基材シートを除去する工程と、を含み、
前記ホットプレスする際の温度が、前記フッ素樹脂のガラス転移温度以上であり、ホットプレスする際のプレス圧力が、前記カーボン層の面に対して1~5MPaである燃料電池用ガス拡散層の製造方法。

【請求項2】
前記スラリーは、基材シート上に塗布する前にさらに固形分濃度を高める濃縮工程を経る請求項1記載の燃料電池用ガス拡散層の製造方法。

【請求項3】
前記スラリーを塗布した基材シートの乾燥工程は、加熱板上での乾燥、赤外線照射による乾燥、ホットロール上で赤外線照射による乾燥、電磁波照射による乾燥のいずれかの乾燥手段を用いて60秒以内で乾燥することを特徴とする請求項1または2いずれかに記載の燃料電池用ガス拡散層の製造方法。

【請求項4】
前記基材シートが、金属薄膜である請求項1~3のいずれかに記載の燃料電池用ガス拡散層の製造方法。

【請求項5】
前記金属薄膜が、アルミニウムからなる請求項4記載の燃料電池用ガス拡散層の製造方法。

【請求項6】
前記基材シートの除去は、機械的剥離または化学的溶解液を用いて前記基材シートを溶解除去することにより行われる請求項1~5のいずれかに記載の燃料電池用ガス拡散層の製造方法。

【請求項7】
前記カーボン層前駆体を有機溶媒を用いて洗浄する請求項1~6のいずれかに記載の燃料電池用ガス拡散層の製造方法。

【請求項8】
請求項1~7のいずれかの方法により得られた燃料電池用ガス拡散層。

【請求項9】
請求項8に記載の燃料電池用ガス拡散層を用いた燃料電池用MEA。

【請求項10】
請求項9に記載の燃料電池用MEAを用いた燃料電池。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
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