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健康機能成分を吸着・濃縮した乾燥脱脂穀類糠、該糠から調製した健康機能成分の濃縮物、及びそれらの製造方法

国内特許コード P120007993
整理番号 S2008-0437
掲載日 2012年10月9日
出願番号 特願2008-073390
公開番号 特開2009-225702
登録番号 特許第5463526号
出願日 平成20年3月21日(2008.3.21)
公開日 平成21年10月8日(2009.10.8)
登録日 平成26年1月31日(2014.1.31)
発明者
  • 潮 秀樹
  • 長阪 玲子
  • 大原 和幸
  • 寺島 亜実
  • 福森 武
  • 金本 繁晴
  • 若林 敬士
  • 前原 裕之
出願人
  • 国立大学法人東京海洋大学
  • 株式会社サタケ
発明の名称 健康機能成分を吸着・濃縮した乾燥脱脂穀類糠、該糠から調製した健康機能成分の濃縮物、及びそれらの製造方法
発明の概要 【課題】γオリザノール、トコフェロール、ポリフェノール類等の極性のある健康機能成分を、実用的に適用できる簡便かつ効果的な手段で、精製、取得する方法を提供すること、及び、該方法によって製造された健康機能成分を含有する有効に利用が可能な素材を提供すること。
【解決手段】本発明は、γオリザノール、トコフェロール、及びポリフェノール類等の極性のある健康機能成分を含有する原料から、有機溶媒によって抽出された抽出物を、乾燥脱脂穀類糠を吸着担体として吸着処理することにより、γオリザノール、トコフェロール、ポリフェノール等の極性のある健康機能成分が吸着・濃縮された乾燥脱脂穀類糠を製造する。本発明の方法によって製造された健康機能成分が吸着・濃縮された乾燥脱脂穀類糠、又は、該健康機能成分の濃縮物は、素材的に利用上の制約なく、広い範囲の用途に利用することが可能である。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


従来より、米糠等を原料として、米油等の植物油が製造されている。近年の研究により、この米油等植物油の原料となる米糠等には、γオリザノール、トコフェロール、ポリフェノール等の有用な健康機能成分が含まれていることが確認されている。例えば、γオリザノールについては、生長促進作用、性腺刺激作用、ビタミンE様作用、抗ストレス作用、脱コレステロール作用、抗高脂血症等の薬理作用や、抗酸化作用、紫外線吸収作用、チロシナーゼ活性抑制作用、皮膚温上昇作用等の生理活性作用が知られている。また、トコフェロールについては、脂質代謝改善作用、膜安定化作用、内分泌賦活作用、性機能向上作用、免疫増強作用、創傷修復作用、放射線障害防御作用、抗老化作用等が、カテキン類等のポリフェノールについては、抗菌活性、抗酸化活性、抗う食活性、抗ウイルス活性、抗アレルギー活性、α-アミラーゼ阻害活性、血圧上昇抑制作用、血中コレステロール低下作用等の生理活性作用が知られている。



γオリザノール等の生理活性物質は、米糠等に多く含まれるものであるが、従来行なわれていた米油等の製造方法においては、これらの生理活性物質を、該食油中に残存させて、精製することが難しく、食油の利用に際してこれらの生理活性物質を有効に利用することができなかった。すなわち、従来、米油等の精製法としては、アルカリ精製法と蒸留脱酸法とが知られているが、アルカリ精製法においては、採油;脱ガム;脱ロウ;アルカリ脱酸;脱色;脱臭の工程において、γオリザノールが、油脂相から油滓に移行してしまい、アルカリ脱酸油には、極微量のγオリザノールしか残存しなかった。一方、蒸留脱酸法においては、アルカリ精製法におけるアルカリ脱酸に代えて、蒸留によって脂肪酸を除去しようとするものであり、高温真空蒸留によって、遊離脂肪酸を留去し、かつ、γオリザノールを油脂相に残存せしめる。しかし、この方法では、その後の脱臭工程においてγオリザノールの消失を防ぐためには、通常よりも低温での脱臭工程を経なければならず、このような脱臭処理では、良好な風味の油脂を得るのが難しく、γオリザノールを含有し、しかも、良好な風味の油脂を製造することは難かしかった。



そこで、米糠等に含まれるγオリザノール等の健康機能物質を有効に利用するために、従来より、該成分を含有する食用油等の各種の調製方法が提案されている。例えば、特開平6-340889号公報には、米糠原油を精製するに際し、真空下で水蒸気蒸留により、含有される脂肪酸除去し、オリザノール類を濃縮させた米油を製造する方法が開示されている。また、特開2000-119681号公報には、米糠から油を抽出する際に、米糠を予めアミラーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、プロテアーゼ等の酵素を用いて処理し、炭化水素系有機溶剤で抽出することにより、オリザノールやステロールを1.8重量%以上含有する生理活性米糠油を製造することについて、特開2002-238455号公報には、米糠原料から原油を抽出し、該原油の脱ガム、脱ロウ、脱酸工程を経て、原油を精製する米油の製造方法において、原油を210~250℃の蒸留温度で真空状態で蒸留し、更に、アルカリ処理して脱酸し、或いは原油の脱ガム、脱ロウ、脱臭工程を経て、原油を精製する米油の製造方法において、原油を減圧下、250℃以下で蒸留することにより脱臭し、γオリザノールやトコフェノール、ステロール等を含有する米油を製造する方法が開示されている。



また、特開2002-293793号公報、特開2004-300034号公報には、米糠油ソープストックに水酸化ナトリウムのようなアルカリを加えて鹸化し、脱水した鹸化ソープストックを、酢酸エチル、アセトンのような有機溶媒で抽出してオリザノール富化フラクションを得、更には、カラムクロマトグラフィーにかけて、オリザノール富化画分を得る方法について、特開2007-124917号公報には、米糠から製造される米油を原料として、アルカリ抽出、或いは、リパーゼのような酵素で処理して、高濃度のオリザノールを含有する米油を製造する方法について開示されている。これらの従来の方法は、米糠等に含まれるγオリザノール等の健康機能物質を利用するために、該成分を含有する食用油として調製するものであるが、いずれも複雑な処理を必要とするため、実用的な食用油の製造方法としては適用性に欠け、しかも、かかる方法で調製される製品は、いずれも食用油の形であるため、これを食品や医薬、或いは化粧品や飼料等の各種の用途における機能性素材として用いる場合に、その利用対象が制限され、利用上制約があった。



他方で、米糠のような穀類糠を、各種成分の吸着担体として用いることが知られている。例えば、特開平9-182562号公報には、コレステロールを含む動物性液化脂肪物質に、大豆、菜種、綿実、米糠のような油糧植物の種子又は油脂を抽出した油糧植物残滓を接触させることによって、コレステロールを吸着させ、このコレステロールを吸着させた油糧植物残滓を動物性液化脂肪物質から分離することによりコレステロールを除去する方法が開示されている。また、特開2004-329019号公報には、脱脂糠やパーライトのようなグリセリン吸着担体とグリセリンとを混合して、グリセリン吸着担体にグリセリンを吸着させ、グリセリン吸着飼料を調製する方法が開示されている。しかしながら、米糠のような穀類糠を、γオリザノール等の健康機能物質の吸着に用い、該成分の精製・濃縮に用いるようなことについては知られていなかった。



【特許文献1】
特開平6-340889号公報。
【特許文献2】
特開平9-182562号公報。
【特許文献3】
特開2000-119681号公報。
【特許文献4】
特開2002-238455号公報。
【特許文献5】
特開2002-293793号公報。
【特許文献6】
特開2004-300034号公報。
【特許文献7】
特開2004-329019号公報。
【特許文献8】
特開2007-124917号公報。

産業上の利用分野



本発明は、γオリザノール、トコフェロール、ポリフェノール類等の極性のある健康機能成分を吸着・濃縮した乾燥脱脂穀類糠、該糠から調製した該健康機能成分の濃縮物;該健康機能成分が吸着・濃縮された乾燥脱脂穀類糠又は健康機能成分の濃縮物からなる極性のある健康機能成分含有飲食品用、医薬用、医薬部外品用、化粧品用、動物飼料用、又は水産飼料用素材;及びそれらの製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
穀類糠をn-ヘキサン又はクロロホルムからなる低極性有機溶媒及びアセトン、メタノール又はエタノールからなる高極性有機溶媒で洗浄し、極性の高い化学物質を吸着する吸着担体として改質した脱脂穀類糠を、乾燥処理することによって調製した乾燥脱脂穀類糠を吸着担体とし、γオリザノール、トコフェロール、及びポリフェノール類から選択される1又は2以上の極性のある健康機能成分を含有する原料から、有機溶媒によって抽出された抽出物を、該乾燥脱脂穀類糠からなる吸着担体によって、中性乃至酸性条件下で非極性有機溶媒を用いて吸着処理することを特徴とするγオリザノール、トコフェロール、及びポリフェノール類から選択される1又は2以上の極性のある健康機能成分が吸着・濃縮された乾燥脱脂穀類糠の製造方法。

【請求項2】
γオリザノール、トコフェロール、及びポリフェノール類から選択される1又は2以上の極性のある健康機能成分を含有する原料から、有機溶媒によって抽出された抽出物が、米糠或いはコンブから抽出された抽出物であることを特徴とする請求項1に記載のγオリザノール、トコフェロール、及びポリフェノール類から選択される1又は2以上の極性のある健康機能成分が吸着・濃縮された乾燥脱脂穀類糠の製造方法。

【請求項3】
乾燥脱脂穀類糠が、乾燥脱脂米糠又は乾燥脱脂小麦フスマであることを特徴とする請求項1又は2に記載のγオリザノール、トコフェロール、及びポリフェノール類から選択される1又は2以上の極性のある健康機能成分が吸着・濃縮された乾燥脱脂穀類糠の製造方法。

【請求項4】
乾燥脱脂穀類糠が、脱脂穀類糠を50~100℃で、12~24時間乾燥処理したものであることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のγオリザノール、トコフェロール、及びポリフェノール類から選択される1又は2以上の極性のある健康機能成分が吸着・濃縮された乾燥脱脂穀類糠の製造方法。

【請求項5】
γオリザノール、トコフェロール、及びポリフェノール類から選択される1又は2以上の極性のある健康機能成分を含有する原料から、有機溶媒によって抽出された抽出物を、乾燥脱脂穀類糠からなる吸着担体によって、非極性有機溶媒を用いて行う吸着処理を、n-ヘキサンを用いて行なうことを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載のγオリザノール、トコフェロール、及びポリフェノール類から選択される1又は2以上の極性のある健康機能成分が吸着・濃縮された乾燥脱脂穀類糠の製造方法。

【請求項6】
請求項1~5のいずれかに記載のγオリザノール、トコフェロール、及びポリフェノール類から選択される1又は2以上の極性のある健康機能成分が吸着・濃縮された乾燥脱脂穀類糠の製造方法を用いて、該乾燥脱脂穀類糠を製造し、該乾燥脱脂穀類糠から、該極性のある健康機能成分を極性の溶出・分離溶媒を用いて中性乃至アルカリ条件下で溶出・分離することを特徴とするγオリザノール、トコフェロール、及びポリフェノール類から選択される1又は2以上の極性のある健康機能成分の濃縮物の製造方法。

【請求項7】
極性の溶出・分離溶媒として、n-ヘキサン・エタノール混合溶媒を用いることを特徴とする請求項6に記載のγオリザノール、トコフェロール、及びポリフェノール類から選択される1又は2以上の極性のある健康機能成分の濃縮物の製造方法。

【請求項8】
γオリザノール、トコフェロール、及びポリフェノール類から選択される1又は2以上の極性のある健康機能成分の濃縮物が、健康機能成分含有飲食品用、医薬品用、医薬部外品用、化粧品用、動物飼料用、又は水産飼料用の素材であることを特徴とする請求項6又は7に記載のγオリザノール、トコフェロール、及びポリフェノール類から選択される1又は2以上の極性のある健康機能成分の濃縮物の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録


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