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ブリ類の遺伝的性に連鎖する遺伝子マーカー、ブリ類の性判別法、及び、性判別法に用いるプライマー

国内特許コード P120008002
整理番号 S2009-0573
掲載日 2012年10月10日
出願番号 特願2009-075492
公開番号 特開2010-226974
登録番号 特許第5452047号
出願日 平成21年3月26日(2009.3.26)
公開日 平成22年10月14日(2010.10.14)
登録日 平成26年1月10日(2014.1.10)
発明者
  • 坂本 崇
  • 藤 加菜子
  • 尾崎 照遵
  • 岡内 正典
  • 荒木 和男
  • 服部 圭太
  • 吉田 一範
出願人
  • 国立大学法人東京海洋大学
  • 国立研究開発法人水産研究・教育機構
発明の名称 ブリ類の遺伝的性に連鎖する遺伝子マーカー、ブリ類の性判別法、及び、性判別法に用いるプライマー
発明の概要 【課題】成熟前のブリ類の遺伝的性を、ブリ類を殺すことなく確実に判別すること。
【解決手段】ブリ類の遺伝子的性に連鎖する遺伝子マーカーから作成したプライマーを用いて、ブリ由来の核酸を鋳型とした核酸増幅反応法を行い、得られた増幅産物を解析することにより、ブリ類の遺伝的性を判別する。プライマーは、5’-TTTCATTGTGGCGCTCAG-3’の内、少なくとも10個の塩基から成るオリゴヌクレオチド部分、及び、5’-GGTTGTAATGTGTCCCAG-3’の内、少なくとも10個の塩基から成るオリゴヌクレオチド部分より成る。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要



ブリ属は世界に9種であり、日本には4種(ブリ、ヒラマサ、カンパチ、ヒレナガカンパチ)が分布している。それらのほとんどが水産物として重要種であるとともにフィッシング対象種としても重要な位置にある。

食用魚としての価値が高いブリは、出世魚であり、日本では天然魚の漁獲(約7万t/年)とともに、養殖(約15万t/年)が行われている。ブリの養殖は、特に、西日本で行われており、その生産額は約1200億円と、海面魚類養殖の生産額の半分以上を占める。また海外においても、韓国などで養殖されている(約57t・年)。





ブリ養殖では、モジャコ(1.5~15cm)と称する天然稚魚を採捕し、養殖種苗とする畜養が主流である。そのため、天然資源であるモジャコの資源管理のため、各県での採捕量は厳しく制限され、また、放流のための種苗生産が行われている。

しかし、今後の養殖業を発展させていくためには、天然資源に頼らず、かつ天然魚に優る病気に強い、味が良いなどの有用(優良経済)形質を持つブリを生産する必要がある。そこで、有用形質を持つブリの家系を保有し、親のもつ有用性質にかかる遺伝情報を利用する育種という観点が重要になる。





魚類の育種においては、効率的に交配を実施していくために、親となる魚の雄と雌の数をバランスよく育てる必要がある。ブリにおいては、成熟期に目的の交配を行うために、ある特定の雌親魚から良質な卵を採取することは、その個体から良質な卵を採取できる期間が短いために、困難とされている。一方、雄親魚からの精子の採取は、どの個体も成熟期は常に排精することが多く、比較的容易である。そのため、ブリにおける育種のために親魚を養成する際には、雌を雄よりも多く養成する必要がある。

また、ブリの雄と雌は、外見上、二次性徴(成熟)を判断できる特徴をもたず、産卵期に生殖口よりチューブを差し込み、体内の卵あるいは精子を確認するしか、雌雄判別の方法はない。産卵期に、卵あるいは精子を作る成熟個体になるまでには、1-2年かかる。そのため、雌雄の数のバランスを調整できないまま、大量の稚魚を育てる必要があり、多くのコストが必要であった。





また、ブリは性決定機構が判明されていないため、魚類の多くで確認されている、ストレス、温度等の環境によって性が変わる(性転換)現象が起こる可能性があり、雌雄のバランス調整は難しかった。

そのため、ブリの人工種苗生産および養殖漁業においては、ブリの性について、稚魚の段階で、親となる雄と雌とを生きたまま判別できることが重要課題であり、さらには、性決定機構の解明が必要である。それゆえ、その解決のために性の管理技術の開発が急がれている。





従来、発現に性差のある遺伝子のmRNAの発現パターンを調べることにより魚の性を判別する方法が知られている(特許文献1参照)。

しかし、この方法は、カレイ目を対象としており、ブリ類の性を判定する方法ではない。また、性分化時期以降の魚に適用し、遺伝的には同一でも発現が異なる遺伝子を利用しているので、性分化期である約60日を過ぎないと性を判別することができず、発現した性を判別できるのみで、遺伝的な性の判別を行なうことはできない。さらに、一定量以上のRNAを抽出する必要があるため、成魚でない場合は魚を殺してしまう虞がある。

産業上の利用分野



本発明は、ブリ類の遺伝的性に連鎖する遺伝子マーカー、この遺伝子マーカーを利用したブリ類の性判別法、及び、性判別法に用いるプライマーに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
ブリ類の遺伝的性に連鎖する配列表の配列番号1に示す塩基配列から成る遺伝子マーカー。

【請求項2】
ブリ類は、ブリ、ヒラマサ、カンパチ、ヒレナガカンパチのいずれか一つから成る請求項1に記載の遺伝子マーカー。

【請求項3】
請求項1に記載の遺伝子マーカーから作成したプライマーを用いて、ブリ由来の核酸を鋳型とした核酸増幅反応法を行い、得られた増幅産物を解析することにより、ブリ類の遺伝的性を判別することを特徴とするブリ類の性判別法。

【請求項4】
請求項1に記載の遺伝子マーカーから作成したプライマーを用いて、ブリ類のゲノムDNAにポリメラーゼ連鎖反応法(PCR法)を行い、得られた産物にゲル電気泳動法を施して解析することにより、ブリ類の遺伝的性を判別することを特徴とするブリ類の性判別法。

【請求項5】
請求項1に記載の遺伝子マーカーから作成した、5’-TTTCATTGTGGCGCTCAG-3’(配列表の配列番号2)の内、少なくとも10個の塩基から成るオリゴヌクレオチド部分、及び、5’-GGTTGTAATGTGTCCCAG-3’(配列表の配列番号3)の内、少なくとも10個の塩基から成るオリゴヌクレオチド部分より成ることを特徴としたブリ類の性判別法に用いるプライマー。

【請求項6】
請求項5に記載のプライマーを用いて、ブリ類のゲノムDNAにポリメラーゼ連鎖反応法(PCR法)を行い、得られた産物にゲル電気泳動法を施して解析することにより、ブリ類の遺伝的性を判別することを特徴とするブリ類の性判別法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2009075492thum.jpg
出願権利状態 登録


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