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エビ類検出用プライマーセット

国内特許コード P120008005
整理番号 S2010-0124
掲載日 2012年10月11日
出願番号 特願2009-251348
公開番号 特開2011-092141
登録番号 特許第5483173号
出願日 平成21年10月30日(2009.10.30)
公開日 平成23年5月12日(2011.5.12)
登録日 平成26年2月28日(2014.2.28)
発明者
  • 石崎 松一郎
出願人
  • 国立大学法人東京海洋大学
発明の名称 エビ類検出用プライマーセット
発明の概要 【課題】食物アレルギーの原因となるエビ類を、カニ類等と峻別し、直接的に、確実かつ特異的に検出することが可能なPCR法によるエビ類の検出方法及びそのためのプライマーセットの提供。
【解決手段】EBI-SP1-F1、EBI-SP2-F1、EBI-SP2-R1、及びEBI-SP1-R1に示される特定の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドから構成されるPCR法によるエビ類検出用プライマーセット。PCR増幅を、マルチプレックスPCR法を用いて行う、PCR法によるエビ類の検出方法。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要



近年、日本においてアレルギーを持つ人は非常に多いと言われている。アレルギーは抗原及び症状の違い等により様々な種類が存在するが、花粉症、喘息、アトピー性皮膚炎及びアレルギー性鼻炎はアレルギー症状の中でも特に症例数が多い疾患である。中でも食物アレルギーはその発症件数の多さや症状の重篤度から大きな社会問題となっている。食物アレルギーを引き起こす原因食品としては、小麦、卵、乳・乳製品、そば及び落花生の主要5品目の他に果物や肉類及び魚介類など様々な食品が挙げられる。その割合は高い方から、鶏卵、乳製品、小麦、甲殻類、果物類、ソバ、魚類、大豆、木の実類、肉類、野菜類および軟体類である。その中でもアレルギーを引き起こすとされる魚介類は、アワビ、イカ、エビ、カニ、サケ、サバが挙げられるが、特に甲殻類は鶏卵、乳製品、小麦に次いで発症件数が多い食品である。





我が国におけるアレルギー表示制度の動向は、平成14年4月から食品衛生法によって加工食品中の特定原材料5品目のアレルギー表示が義務付けられ、特定原材料に準ずるものとしては20品目が表示推奨の対象となった。特定原材料としては、卵、乳・乳製品、小麦、そば、落花生が、特定原材料に準ずるものとしては、エビ、カニ、アワビ、イクラ、オレンジ、キウイフルーツ、牛肉、クルミ、サケ、サバ、大豆、鶏肉、豚肉、マツタケ、モモ、ヤマイモ、リンゴ、ゼラチン、バナナが挙げられている。平成16年7月に開かれた「第18回食品の表示に関する共同会議」(厚生労働省;薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会食品表示調査会と農林水産省;農林物資規格調会小委員会の共催)ではアレルギー物質を含む食品に関する表示についての議論が行われ、実態調査により「エビ」についてアレルギー原因食品としての重要性が確認され、その後、甲殻類(エビ・カニ)における臨床的エビデンスの蓄積、アレルギー物質の検査方法開発などの技術的検討から平成20年度6月から、エビ及びカニは表示推奨の対象から表示義務化の対象とされることとなった。





これまで、甲殻類の検出法としては、エビやカニの主要アレルゲンであるトロポミオシンをELISA法により検出する方法が知られている(J Allergy Clin Immunol. 100, 229-34 ,1997)。また、エビコラーゲン又はそのポリペプチド断片からなるエビアレルゲンに対する抗エビアレルゲン抗体を取得し、試料中のエビアレルゲンの混入を検出する方法も開示されている(特開2008-255054号公報)。ELISA法は定量性に優れているが、患者の血清が必要な上、検出標的としているトロポミオシンが甲殻類の種間でも類似性が高く、エビとカニに共通して存在し、エビだけを特異的に検出することはできない。そのため、エビのみにアレルギーを持つ患者のニーズに対応することは困難である。





一方、近年DNA解析技術の発展に伴って、PCR法(ポリメラーゼ連鎖反応;Polymerase Chain Reaction)など遺伝子増幅法に基づいたミトコンドリアDNA (mtDNA)をターゲットとする検出技術が検討されている。PCR法は、鋳型DNA、耐熱性のDNA(Taq ポリメラーゼなど)、目的DNAの両末端部分の配列をもつオリゴヌクレオチド(DNA合成反応のプライマー)及び基質ヌクレオチドを混合し、反応系に供すことで目的のDNA断片のみを選択的に増幅させる方法のことである。このPCR法を用いて、食品中のエビやカニ等の検出を行う方法が開示され、そのPCR増幅のためのプライマーは数多く開示されている。





例えば、ハウス食品(株)のホームページには「食品中に含まれるアレルギー物質の検査法開発」(2009.2.5)について、食品衛生法が定めるアレルギー物質のうち、エビ、カニ、キウイ、モモ、リンゴのPCR検出技術の開発について報告されている。また、日本食品衛生学会学術講演会講演要旨集(2008)には、「PCRを用いた食品中のエビ及びカニの識別検出法」について掲載されている。更に、“J FOOD prot vol68 P1866(2005)”には、“Detection of crustacean DNA and species identification using a PCR-restriction fragment length polymorphism method”と題して、エビを0.1%含んでいても検出可能な、PCR-restriction fragmentについて報告されている。





また一方、特開2006-280281号公報には、サバ、サケ、アワビ、イカや、カニ、エビの検出に好適なPCRプライマーセットが開示されている。かかるPCRプライマーセットにおいて、カニ、エビの検出に好適なPCRプライマーセットは、何れも、カニ、エビに共通するPCRプライマーセットであって、エビ又はカニを区別して検出することはできない。特開2008-128号公報には、カニ及びその他の甲殻類とを区別してエビを高感度で検出するためのエビ検出用プライマーセットが開示されている。





このプライマーセットは、エビの16S rRNA遺伝子の塩基配列において、エビに共通する塩基と、エビに共通し、かつカニ及びその他の甲殻類と区別できる塩基とを含む領域の塩基配列又はそれに相補的な塩基配列を有する核酸分子にアニーリングし得るオリゴヌクレオチドから構成される、エビ検出用プライマーセットからなる。このプライマーセットとして、エビとカニの判別用のプライマーと、エビ・カニとその他の甲殻類を判別するプライマーの3種のプライマーを用いることにより、エビ類を特定する方法が開示されている。すなわち、具体的には、エビ23種、カニ、シャコ、オキアミ、アミの16S rRNAの塩基配列を基に、試料が加工品であっても検出できるように、100~200bpのプライマーを3種設計されているが、エビとカニを直接区別できるプライマーは開示されておらず、設計されたエビとカニを区別するプライマーは、一部のカニでは区別ができないので、該プライマーと一緒に、エビ、カニを区別できるプライマーとして機能し得るオリゴヌクレオチドを用いて、シャコ、オキアミ、アミなどの他の甲殻類を除く方法が開示されている。また、えびの検出についても、すべてのえび類を検出できるプライマーセットにはなっていない。





一方、特開2009-207486号公報には、カニをエビ及びアミ、オキアミ等のその他の甲殻類と区別するカニ検出用プライマーセットが開示されている。該開示のプライマーセットは、カニの16S rRNA遺伝子の塩基配列から設計したプライマーとなり得るオリゴヌクレオチドの3’末端から2番目の塩基に標的配列に対してミスマッチ塩基を導入したオリゴヌクレオチドから構成されるカニ検出用プライマーセットからなる。かかる開示のものは、カニをエビと区別して検出するものであるが、カニの検出方法であるので、エビ類を直接検出することはできない。





上記のように、エビ類、カニ類を、プライマーを用いたPCR法により検出する方法が開示されているが、今までに、エビ類全体を区別でき、かつ、カニ類を区別して直接的にエビ類を検出し、他の甲殻類とも判別できるPCRプライマーセットは開示されていない。エビは、食物アレルギー表示義務対象であり、エビに対してアレルギー反応を起こすエビアレルギー患者に対する適切な対応のためには、飲食物等において原料や素材として用いられるエビ類を特異的かつ確実に検出できるエビ類の検出方法の開発が望まれるところである。

産業上の利用分野



本発明は、食物アレルギーの原因となるエビ類を直接的に、確実かつ特異的に検出することが可能なPCR法などの遺伝子増幅法によるエビ類の検出方法及びそのための検出用プライマーセット、特に、飲食品製造原料として多用されるエビ類とカニ類を区別可能なPCR法によるエビ類の検出方法及びそのための検出用プライマーセットに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
配列表の配列番号1、配列番号2、配列番号3、及び配列番号4に示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドから構成される、PCR法によるエビ類検出用プライマーセット。

【請求項2】
プライマーセットが、カニ類と区別してエビ類を判別するプライマーセットであることを特徴とする請求項1記載のPCR法によるエビ類検出用プライマーセット。

【請求項3】
PCR法が、マルチプレックスPCRであることを特徴とする請求項1又は2記載のPCR法によるエビ類検出用プライマーセット。

【請求項4】
試料より抽出したDNAを鋳型として、請求項1記載のプライマーセットを用いてPCR増幅を行い、増幅産物の有無を指標として判別することを特徴とするPCR法によるエビ類の検出方法。

【請求項5】
PCR増幅を、マルチプレックスPCR法を用いて行うことを特徴とする請求項4記載のPCR法によるエビ類の検出方法。

【請求項6】
エビ類の検出が、飲食品中に含まれるエビ類由来の飲食品素材の検出であることを特徴とする請求項4又は5記載のPCR法によるエビ類の検出方法。

【請求項7】
配列表の配列番号1、配列番号2、配列番号3、及び配列番号4に示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドから構成されるプライマーセットを具備することを特徴とするPCR法によるエビ類検出用キット。

【請求項8】
PCR法によるエビ類検出用キットが、マルチプレックスPCR法による検出用キットであることを特徴とする請求項7記載のPCR法によるエビ類検出用キット。

国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録


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