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可変ピッチプロペラ制御船および可変ピッチプロペラ制御方法

国内特許コード P120008010
整理番号 S2010-1038
掲載日 2012年10月11日
出願番号 特願2010-172507
公開番号 特開2012-030704
登録番号 特許第5544586号
出願日 平成22年7月30日(2010.7.30)
公開日 平成24年2月16日(2012.2.16)
登録日 平成26年5月23日(2014.5.23)
発明者
  • 伊 藤 雅 則
  • 佐 藤 寛
出願人
  • 国立大学法人東京海洋大学
  • 第一電気株式会社
発明の名称 可変ピッチプロペラ制御船および可変ピッチプロペラ制御方法
発明の概要 【課題】プロペラ効率を可及的に向上させ、省エネ運転を可能とする。
【解決手段】可変ピッチプロペラと、前記可変ピッチプロペラのボス内に設けられ、前記可変ピッチプロペラの各翼14に備えられ、翼14の翼角を各翼独立に変化させる油圧ユニット13と、翼14の存在している水深に応じて、キャビテーションの発生限界に近い翼角を求め、その翼角を翼14の翼角目標値αとして出力する翼角指令部11と、翼角指令部11から翼角目標値αを入力し、翼14の翼角が翼角目標値αになるように油圧ユニット13を制御する油圧ユニット制御部12と、を備える。
【選択図】図2
従来技術、競合技術の概要



従来、作動中に遠隔操作で翼の取り付け角度(以下、翼角という。)を変えることのできる可変ピッチプロペラ(CPP:Controllable Pitch Propeller、以下単に「プロペラ」ともいう。)を備える船が知られている(例えば、特許文献1参照)。





この従来の可変ピッチプロペラは、それに含まれる複数枚の翼の翼角をすべて等しく変えるものである。





プロペラの翼角は通常、大きいほど、プロペラが一回転するうちに進む距離が大きくなり、より大きな推力が得られるが、翼角が過度に大きすぎる場合はキャビテーション現象を生じ、プロペラ表面に対する衝撃により振動・騒音や腐食の問題を生じる。





したがって、従来の可変ピッチプロペラはキャビテーションが起こらない範囲で可及的に大きくなるように制御される。

産業上の利用分野



本発明は、可変ピッチプロペラ制御船および可変ピッチプロペラ制御方法に関し、より詳しくは、各翼の翼角を個別制御可能な可変ピッチプロペラを備える可変ピッチプロペラ制御船、及び該可変ピッチプロペラの制御方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
可変ピッチプロペラと、
前記可変ピッチプロペラのボス内に設けられ、前記可変ピッチプロペラの各翼に備えられ、前記翼の翼角を各翼独立に変化させる油圧ユニットと、
前記翼の所定の水深における翼角目標値を出力する翼角指令部と、
前記翼角指令部から前記翼角目標値を入力し、前記翼の翼角が前記翼角目標値になるように前記油圧ユニットを制御する油圧ユニット制御部と、
を備え
前記翼角指令部は、
前記水深における該翼の対水前進速度、並びに前記可変ピッチプロペラの回転数及び直径に基づいて、前記水深における前記翼の前進係数を算出し、
前記前進係数、および前進係数から推力係数を求めるKT-Jデータに基づいて、前記翼の所定のピッチにおける推力係数を求め、
前記推力係数に基づいて、前記水深及び前記ピッチにおける推力を算出し、
前記推力、および前記ピッチにおける翼の投影面積に基づいて、前記水深及び前記ピッチにおける推力負荷を算出し、
前記推力負荷に基づいて、キャビテーションの発生限界に近い翼角を求め、求めた翼角を前記翼角目標値として出力する、
ことを特徴とする可変ピッチプロペラ制御船。

【請求項2】
可変ピッチプロペラと、
前記可変ピッチプロペラのボス内に設けられ、前記可変ピッチプロペラの各翼に備えられ、前記翼の翼角を各翼独立に変化させる油圧ユニットと、
翼が存在している水深に応じて、キャビテーションの発生限界に近い翼角を求め、その翼角を該翼の翼角目標値として出力する翼角指令部と、
前記翼角指令部から前記翼角目標値を入力し、前記翼の翼角が前記翼角目標値になるように前記油圧ユニットを制御する油圧ユニット制御部と、
を備え、
前記翼角指令部は、
前記可変ピッチプロペラの軸深度Iを入力する軸深度入力手段と、
前記軸深度入力手段から前記可変ピッチプロペラの軸深度Iを入力し、前記翼の回転角θ及び長さLを入力し、前記翼が存在している水深dを算出する翼水深算出手段と、
前記翼水深算出手段が算出した前記翼の水深dと、船の巡航速度Vとを入力し、伴流分布データを参照して、前記翼が存在している水深dにおける該翼の対水前進速度VAを算出する水深別翼前進速度算出手段と、
前記可変ピッチプロペラの回転数n及び直径Dと、前記水深別翼前進速度算出手段が算出した前記翼が存在している水深における該翼の対水前進速度VAとを入力し、下式(1)により前記水深における前記翼の前進係数Jを算出する翼前進係数算出手段と、
【数1】


ここで、J:前進係数
VA:翼の水深別の前進速度
n:可変ピッチプロペラの回転数
D:可変ピッチプロペラの直径
前記翼前進係数算出手段が算出した前記翼が存在している水深における該翼の前進係数Jを入力し、前進係数Jから推力係数KTを求めるKT-Jデータを参照して、所定の範囲から選択されたピッチPにおける推力係数KTPを求める推力係数算出手段と、 前記推力係数算出手段から前記ピッチPにおける推力係数KTPを入力し、水の密度ρと、前記可変ピッチプロペラの回転数n及び直径Dとを入力し、下式(2)により前記翼が存在している水深及び前記ピッチPにおける推力TPを算出する推力算出手段と、
【数2】


ここで、TP:翼の所定のピッチにおける推力
KTP:翼の所定のピッチにおける推力係数
n:可変ピッチプロペラの回転数
D:可変ピッチプロペラの直径
前記ピッチPにおける前記翼の投影面積APを入力する翼投影面積入力手段と、 前記推力算出手段が算出した前記翼が存在している水深及び前記ピッチPにおける推力TPと、前記翼投影面積入力手段が入力した前記ピッチにおける翼の投影面積APを入力し、前記翼が存在している水深及び前記ピッチPにおける推力負荷T/APを算出する推力負荷算出手段と、
前記可変ピッチプロペラの回転数nと直径Dを入力し、前記翼の周速度πDNを算出する周速度算出手段と、
前記推力負荷算出手段が算出した推力負荷T/APと、前記周速度算出手段が算出した前記翼の周速度πDNとを入力し、周速度に対する推力負荷の限界を水深dごとに示す許容限界データを参照して、前記ピッチPのときの前記翼がその存在している水深dにおいてキャビテーションを起こすか否かを判定する判定手段と、
前記推力係数算出手段、前記推力算出手段、推力負荷算出手段、及び判定手段を制御し、前記所定の範囲における複数のピッチの中から水深dにおける許容限界に近いピッチP0を特定し、該ピッチP0を翼角に換算し、該翼角を前記翼の水深dにおける翼角目標値α0とする制御手段と、
を有することを特徴とする可変ピッチプロペラ制御船。

【請求項3】
前記翼角指令部は、
前記可変ピッチプロペラの注目している翼が水面に最も近い位置にあるとき(θ=0°)、および前記翼が水面から最も遠い位置にあるとき(θ=180°)は請求項2に記載の計算によって翼角目標値を算出し、前記翼がその他の位置にあるときは下式(3)を用いて翼角目標値を算出することを特徴とする請求項2記載の可変ピッチプロペラ制御船。
【数3】


ここで、α1:θ=0°における翼角目標値、α2:θ=180°における翼角目標値である。

【請求項4】
前記翼角指令部は、
前記可変ピッチプロペラの注目している翼が水面に最も近い位置にあるとき(θ=0°)は翼角目標値として前記可変ピッチプロペラの仕様から決定される翼角の最小値を用い、前記可変ピッチプロペラの前記翼が水面から最も遠い位置にあるとき(θ=180°)は請求項2に記載の計算によって翼角目標値を算出し、前記翼がその他の位置にあるときは下式(4)を用いて翼角目標値を算出することを特徴とする請求項2記載の可変ピッチプロペラ制御船。
【数4】


ここで、αmin:翼角の最小値、α2:θ=180°における翼角目標値である。

【請求項5】
前記軸深度入力手段は、下式(5)により、前記軸深度を求めることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の可変ピッチプロペラ制御船。
【数5】


ここで、I:軸深度、d0:喫水、h:キール底面からプロペラ軸までの高さである。

【請求項6】
前記翼水深算出手段は、下式(6)により、前記翼が存在している水深を算出することを特徴とする請求項2乃至5のいずれかに記載の可変ピッチプロペラ制御船。
【数6】


ここで、d:翼が存在している水深、I:軸深度、L:翼の長さ、θ:翼の回転角である。

【請求項7】
前記水深別翼前進速度算出手段は、下式(7)により、前記翼の水深における前記前進速度を算出することを特徴とする請求項2乃至6のいずれかに記載の可変ピッチプロペラ制御船。
【数7】


ここで、VA:前進速度、w:伴流係数、V:船の巡航速度である。

【請求項8】
前記伴流分布データ、前記KT-Jデータ及び前記許容限界データのうち少なくともいずれか一つは、多項式近似された多項式であることを特徴とする請求項2乃至7のいずれかに記載の可変ピッチプロペラ制御船。

【請求項9】
前記油圧ユニットは、DDVC油圧ユニットであることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の可変ピッチプロペラ制御船。

【請求項10】
前記可変ピッチプロペラのボスは油漬されていることを特徴とする請求項9に記載の可変ピッチプロペラ制御船。

【請求項11】
可変ピッチプロペラの所定の翼が存在している水深(d)を入力し、伴流分布データと船の巡航速度(V)から、前記水深(d)における前記翼の対水前進速度(VA)を算出し、
前記可変ピッチプロペラの回転数(n)および直径(D)と、前記翼の対水前進速度(VA)とから、前記水深(d)における翼の前進係数(J)を算出し、
前進係数(J)から推力係数(KT)を求めるKT-Jデータと、前記前進係数(J)から、所定の範囲から選択されたピッチ(P)における推力係数(KTP)を算出し、 前記推力係数(KTP)と、水の密度(ρ)と、前記可変ピッチプロペラの回転数(n)及び直径(D)とを用いて、前記水深(d)及び前記ピッチ(P)における推力(Tp)を算出し、
前記ピッチ(P)における前記翼の投影面積(Ap)と、前記推力(Tp)とから、前記翼の推力負荷(T/AP)を算出し、
前記翼の周速度(πDN)を算出し、
前記周速度(πDN)と、前記推力負荷(T/AP)と、周速度に対する推力負荷の限界を水深ごとに示す許容限界データとを用いて、前記水深(d)における前記ピッチ(P)の翼がキャビテーションを起こすか否かを判定し、
前記所定の範囲における複数のピッチについて前記翼がキャビテーションを起こすか否かを判定することにより、許容限界に近いピッチ(P0)を特定し、該ピッチ(P0)を翼角に換算して翼角目標値(α0)を求め、前記翼の翼角を前記翼角目標値に調整する、 ことを特徴とする可変ピッチプロペラ制御方法。

【請求項12】
前記可変ピッチプロペラの注目している翼が水面に最も近い位置にあるとき(θ=0°)、および前記翼が水面から最も遠い位置にあるとき(θ=180°)は請求項11に記載の可変ピッチプロペラ制御方法によって翼角目標値を算出し、前記翼がその他の位置にあるときは下式(8)を用いて翼角目標値を算出することを特徴とする可変ピッチプロペラ制御方法。
【数8】


ここで、α1:θ=0°における翼角目標値、α2:θ=180°における翼角目標値である。

【請求項13】
前記可変ピッチプロペラの注目している翼が水面に最も近い位置にあるとき(θ=0°)は翼角目標値として前記可変ピッチプロペラの仕様から決定される翼角の最小値を用い、前記可変ピッチプロペラの前記翼が水面から最も遠い位置にあるとき(θ=180°)は請求項11に記載の可変ピッチプロペラ制御方法によって翼角目標値を算出し、前記翼がその他の位置にあるときは下式(9)を用いて翼角目標値を算出することを特徴とする可変ピッチプロペラ制御方法。
【数9】


ここで、αmin:翼角の最小値、α2:θ=180°における翼角目標値である。

【請求項14】
前記可変ピッチプロペラの有する複数の翼のうち、特定の翼については請求項11乃至13のいずれかに記載の可変ピッチプロペラ制御方法により算出された翼角目標値に翼角を調整し、その他の翼については前記特定の翼からの位相差を用いて得られる翼角目標値に翼角を調整することを特徴とする可変ピッチプロペラ制御方法。
国際特許分類(IPC)
画像

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JP2010172507thum.jpg
出願権利状態 登録


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