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親油性分子で表面修飾された温度応答性磁性微粒子および該微粒子と両親媒性分子を含むリポソーム様構造体を形成する組成物

国内特許コード P120008016
整理番号 S2008-0931
掲載日 2012年10月12日
出願番号 特願2008-234579
公開番号 特開2010-066200
登録番号 特許第5565546号
出願日 平成20年9月12日(2008.9.12)
公開日 平成22年3月25日(2010.3.25)
登録日 平成26年6月27日(2014.6.27)
発明者
  • 小海 康夫
  • 相馬 仁
  • 江口 優
  • 大西 徳幸
出願人
  • 北海道公立大学法人 札幌医科大学
  • JNC株式会社
発明の名称 親油性分子で表面修飾された温度応答性磁性微粒子および該微粒子と両親媒性分子を含むリポソーム様構造体を形成する組成物
発明の概要 【課題】
任意の親油性分子ドメインを調製できる磁性微粒子およびその製造方法を提供する。
【解決手段】
金属酸化物とポリエチレンイミンとの複合体からなる磁性微粒子であって、該磁性微粒子の表面が温度応答性高分子および親油性分子で修飾された磁性微粒子、ならびに該磁性微粒子と両親媒性分子を含む組成物であって、水系溶媒中でリポソーム様構造体を形成する組成物。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要



病態の分子マーカーの検索は、疾病の診断や予後、更には早期発見のために有用である。特に血漿マーカーは、簡便な方法で診断や治療効果の評価などに応用可能である。

体液(血液など)には、さまざまな病態を反映する分子マーカーが存在するが、その存在量は微量で、体液中の脂質成分と結合している可能性がある。





例えば、Ca2+-ホメオスタシスの障害(Ca2+-ストレス)では、Ca2+-結合タンパク質を含むタンパク質分子が、細胞から分泌や漏出することが予測されており、それらを捕捉し分析することが有効であると考えられている。このCa2+-結合タンパク質は酸性リン脂質に結合することが知られている。

また、神経細胞障害の指標となる分子マーカーは神経細胞から分泌後、血液脳関門を通過して血管に出現することが予想されている。一般に疎水性タンパク質は、血液脳関門を通過しやすく、脂質との相互作用を有する可能性も高いことから、脂質と疎水性タンパク質とが結合した脂質結合物質を解析することは、疾病の発見のために有効と考えられる。

このように、脂質結合物質の解析は重要であるが、体液中の脂質結合物質は解析が難しく、選択的に血漿などに含まれる微量の脂質結合物質を安定かつ効果的に濃縮するための方法が要望されていた。





脂質結合物質を単離するためにリポソーム(以下、「MLV」と略すことがある。)を作製する方法が知られている。この方法では、有機溶媒に溶解したリン脂質を乾固後、水系溶媒を加え、ボルテックスミキサー等で振盪し作製する。このリポソームの大きさは不均一で、従って表面積の大きさは調製によって異なる。また、リポソーム同士が会合を作りやすいため、ボルテックスミキサーでの攪拌やピペッティングが必要で、分散に手間と時間を要する。従って、脂質結合物質を補足する全工程に要する時間、再現性に問題を抱える。

また、MLVではない単層膜リポソーム(SUV、LUV)は、保存過程で融合やMLV形成を起こしうる不安定さを持っている。





一方、生体試料中の標的物質を分離して検出する方法として、磁性微粒子を用いる方法が提案されている。

水溶液の状態で下限臨界溶液温度(以下「LCST」と記述する。)を示すポリイソプロピルアクリルアミドや上限臨界溶液温度(以下「UCST」と記述する。)を示すポリグリシンアミドなどの温度応答性高分子を、粒径が100~200nm程度のデキストランなどの多価アルコールとマグネタイトを主成分とした磁性微粒子に固定した温度応答性磁性微粒子が知られている(例えば、特許文献1、非特許文献1および2参照)。

そして、前記温度応答性磁性微粒子に抗体、抗原などを固定化した温度応答性磁性微粒子を用い、種々の生体分子や微生物の分離を行う試みがなされており、ミクロンサイズの粒子と比較して、より高い結合容量や反応性を示すことが知られている(例えば、特許文献2参照)。

しかしながら、ここで開示されているのは主に水溶性の物質の検出であり、脂質結合物質の検出に関しては開示されていない。





特許文献3には、カチオン性官能基を有する物質、水酸基を有する物質および磁性を有する物質を共有結合または物理吸着により複合化させた水溶性のカチオン性磁性微粒子が開示されており、カチオン性官能基を有する物質としてポリエチレンイミンが例示されている。しかしながら、これは多価アルコールなどの水酸基を有する物質を必須成分とし、それにカチオン性官能基を有する物質を結合させたものであり、また、温度応答性高分子や炭化水素鎖で表面修飾することについては開示されていない。

また、ここで開示されているのは主にカチオン性官能基を介してウィルス等のリン脂質ベシクルを分離する方法であって、脂質二重膜を利用して脂質結合物質の検出や分離を行うことは開示されていない。

【特許文献1】

開2005-082538号公報

【特許文献2】

開2007-056094号公報

【特許文献3】

開2007-112904号公報

【非特許文献1】

プライドマイクロバイオロジーアンドバイオテクノロジー(Appl.Microbiol.Biotechnol.)1994年、41巻、99~105頁

【非特許文献2】

ャーナルオブファーメンテーションアンドバイオテクノロジー(Journal of fermentation and Bioengineering)1997年、84巻、337~341頁

産業上の利用分野



本発明は、親油性分子で表面修飾された温度応答性磁性微粒子およびそれと両親媒性分子を含む水系溶媒中でリポソーム様構造体を形成する組成物並びにそれを用いた両親媒性分子結合物質を検出する方法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
鉄酸化物とポリアルキレンイミンとの複合体からなる磁性微粒子であり、該磁性微粒子の表面が温度応答性高分子および親油性分子で修飾された、有機溶媒に分散し、温度に応答して凝集して磁気による回収が可能な温度応答性磁性微粒子。

【請求項2】
前記鉄酸化物が、マグネタイト、フェライト、ヘマタイトおよびゲーサイトから選択される少なくとも一種類である、請求項1に記載の磁性微粒子。

【請求項3】
ポリアルキレンイミンがポリエチレンイミンである、請求項1または2に記載の磁性微粒子。

【請求項4】
前記温度応答性高分子が、下限臨界溶液温度または上限臨界溶液温度を有する高分子である、請求項1~3のいずれかに記載の磁性微粒子。

【請求項5】
前記温度応答性高分子が、N-イソプロピルアクリルアミドとN-t-ブチルアクリルアミドとの共重合体である、請求項1~3のいずれかに記載の磁性微粒子。

【請求項6】
前記親油性分子が、炭化水素またはコレステロールである、請求項1~5のいずれかに記載の磁性微粒子。

【請求項7】
請求項1~6のいずれかに記載の磁性微粒子と両親媒性分子を含む組成物であり、水系溶媒中でリポソーム様構造体を形成する組成物。

【請求項8】
前記両親媒性分子が、リン脂質、糖脂質、コレステロールから選ばれる一種またはそれ以上である、請求項7に記載の組成物。

【請求項9】
請求項1~6のいずれかに記載の磁性微粒子と両親媒性分子を含むキットであり、水系溶媒中でリポソーム様構造体を形成させるためのキット。

【請求項10】
前記両親媒性分子が、リン脂質、糖脂質、コレステロールから選ばれる一種またはそれ以上である、請求項9に記載のキット。

【請求項11】
請求項1~6のいずれかに記載の磁性微粒子と両親媒性分子を用いて水系溶媒中でリポソーム様構造体を形成させる工程、該リポソーム様構造体と試料を混合して該リポソーム様構造体上の両親媒性分子に試料中の両親媒性分子結合物質を結合させる工程、リポソーム様構造体を磁集する工程、および該結合物質を検出する工程、を含む、両親媒性分子結合物質の検出方法。

【請求項12】
前記両親媒性分子がリン脂質であり、前記結合物質がアポE(ApoE)またはアネキシン(Annexin)である、請求項11に記載の方法。
国際特許分類(IPC)
画像

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JP2008234579thum.jpg
出願権利状態 登録


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