TOP > 国内特許検索 > 電気流体力学ポンプ

電気流体力学ポンプ

国内特許コード P120008034
整理番号 PA18-079
掲載日 2012年10月18日
出願番号 特願2006-325678
公開番号 特開2008-141870
登録番号 特許第5083751号
出願日 平成18年12月1日(2006.12.1)
公開日 平成20年6月19日(2008.6.19)
登録日 平成24年9月14日(2012.9.14)
発明者
  • 花岡 良一
  • 高田 新三
  • 深見 正
出願人
  • 学校法人金沢工業大学
発明の名称 電気流体力学ポンプ
発明の概要

【課題】EHDポンプ内の流体流路における電極の構成を改良し、EHDポンプの流路抵抗を減少させると共に電極配置構造を簡素化して製作コストを低減させる。
【解決手段】金属テーパー管電極と金属棒電極を用い、金属テーパー管電極の小径側に内接して電気絶縁管を挿入し、その中心軸上に沿って金属棒電極を挿入し、その金属棒電極の金属テーパー管電極内側から前記電気絶縁管内に至る部分を露出させ、その金属棒電極の他端を絶縁被膜で被覆すると共に金属テーパー管電極で囲って流体送出流路を形成し、前記金属棒電極の露出部分を金属テーパー管電極の内面と対向させ、両金属電極間に電界が作用すると解離イオンが生成される流体を、金属テーパー管電極と金属棒電極の間に満たし、その金属テーパー管電極とその金属棒電極との間に直流高電圧を印加する。
【選択図】図1

従来技術、競合技術の概要


古くから使用されてきた機械式ポンプ、すなわち回転羽根あるいは往復動ピストンを用いて流体を送り出すポンプは、羽根やピストンの動きに伴う摩擦熱や振動や摩擦音・振動音が生じ、それらを低減するためのメンテナンスを要することから、機械的ポンプに替わる電気流体力学ポンプ(electro-hydro-dynamics-pump)( 「EHDポンプ」と略す )の実用化に向けた研究開発が進んでおり、特開2003-284316号公開特許公報(特許文献1)に示されるようなEHDポンプが提案されている。



特許文献1に示されるEHDポンプの概略構造は図10に示すようなもので、ポンプケース70内に、リング状電極71と、リング状電極71の内径より小さい外径の柱状電極72を同軸状で長手方向にずらせて対向させ、その対をなすリング状電極71と柱状電極72の間に、電界が作用すると解離イオンが生ずる流体73(電界が加わると流体中にプラス・イオンとマイナス・イオンが分かれて現われる性質の流体)を充填し、そのリング状電極71と柱状電極72の間に電源74から直流高電圧を印加するものである。そしてリング状電極71と柱状電極72の間に直流高電圧が印加されると、リング状電極71と柱状電極72の間の電界によって、リング状電極71および柱状電極72の近傍にある流体73に解離イオンが生じ、電極界面にヘテロチャージ層が形成され、その結果、この層内のイオンと電極との間のクーロン力により、流体73は矢印M7に示すような流れとなって圧送される。しかし、このような従来のEHDポンプでは、リング状電極71と柱状電極72を同軸状で長手方向にずらせて対向させた電極群塊をポンプ内の流体流路中に置いていることから、ポンプ内に形成される流体流路の流路抵抗が大きくなる難点があり、またリング状電極71と柱状電極72を同軸状で長手方向にずらせて対向させる構造では、電極配置を構成する製作コストが嵩む難点があった。これらの点を改善するために、例えば特開2006―158169号公開特許公報(特許文献2)に示すような電気流体力学ポンプが提案されている。



特許文献2に示される電気流体力学ポンプの概略構造は図11に示すようなもので、81は外径aの線状の内側電極、82はステンレススチール製の円筒状の外側電極で、外側電極82の内径はb、内側長さはLであり、内側電極81の要部は外側電極82の中に露出していて、その露出部分81aの長さはLである。また、内側電極81と外側電極82は同軸状に配置されている。83,84は電気絶縁性の流体送出流路管、85,86は流体帰還流路管で、流体送出流路管83,84は外側電極82の中心部で外側電極82の内部に通じ、流体帰還流路管85,86は外側電極82の周縁部で外側電極82の内部に通じている。なお、外側電極82の両端はそれぞれ電気絶縁性の端板87,88で封じられている。89は電界が作用すると解離イオンが生成される流体、90は直流高圧電源である。そして内側電極81と外側電極82の間に直流高電圧を印加すると、内側電極81と外側電極82の間に強い電界が形成され、内側電極81と外側電極82が同軸電極配置となっているので不平等電界が形成され、特に内側電極81の表面近傍に強電界が形成されることになる。その結果、解離性イオンとして負イオンが生成されやすい弱導電性流体を用いた場合、内側電極81に(+)、外側電極82に(-)の電位を与えると、「純伝導ポンピング」(特許文献1参照)の機構に基づいて内側電極周囲に形成されたヘテロチャージ層と内側電極との間で、層内イオンの電極表面法線方向に押す力によって、軸中心へ向かう圧力が発生する。この力は露出している内側電極表面全体に及び、ベクトル的に相殺し合いその積分値はゼロになる。しかし、流体送出流路管83,84の送出口83a,84a付近ではその圧力がなくなる結果、送出口83a,84aへ向かう軸方向に新たに圧力差を生じ、これがポンピングの駆動源となるものである。



上記のように、内側電極81と外側電極82の間に直流高電圧を印加して内側電極81の露出部分81aの表面電界強度が50~100kV/cm程度の高い電界強度になると、円筒状の外側電極2から線状の内側電極1の露出部分1aに向かう強い電界が流体89に作用し、内側電極露出部分81aの表面近傍で流体89に大きな圧力が作用し、内側電極露出部分81aと流体送出流路管83,84の内部を軸方向に沿って流体89が流動しポンプ機能が生じ、流体送出流路管83,84から吐出した流体89は外部管路を経て流体帰還流路85,86からそれぞれ流体帰還孔85a,86aに流れ込んで循環する。このような電極構成により、流体89に対する流路抵抗は大幅に低減するが、有効に利用出来る軸方向の圧力発生域は流体送出流路管近傍の0.7mm程度と狭く、更にポンピング圧力を増やすことは困難である上に、製作工程上必要以上に電極を大き目にとることとなり無駄が多くなる。

【特許文献1】特開2003-284316号公開特許公報

【特許文献2】特開2006―158169号公開特許公報

産業上の利用分野


この発明は、電界を作用させることにより解離イオンが生成される液体を、直流高電圧が印加された一対の電極の間を圧送する電気流体力学ポンプに関するもので、特にそのポンプ内の流体流路の構造に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
金属テーパー管電極の小径側に内接して電気絶縁管を挿入し、その中心軸上に沿って挿入された金属棒電極の、前記金属テーパー管電極内から前記電気絶縁管内に至る部分を露出させ、前記金属棒電極の他端を絶縁被膜で被覆すると共に前記金属テーパー管電極で囲って流体送出流路を形成し、前記金属棒電極の露出部分を前記金属テーパー管電極の内面と対向させ、前記金属テーパー管電極と前記金属棒電極間に電界が作用すると解離イオンが生成される流体を、前記金属テーパー管電極と前記金属棒電極の間に満たし、前記金属テーパー管電極と前記金属棒電極との間に直流高電圧を印加することを特徴とする電気流体力学ポンプ。

【請求項2】
金属テーパー管電極の小径側に内接して電気絶縁管を挿入し、その中心軸上に沿って挿入された金属棒電極の、前記金属テーパー管電極の小径端から大径側内部へ少なくとも15mmの点から前記電気絶縁管内先端部分に至る部分までを露出させ、前記金属棒電極の他端を絶縁被膜で被覆すると共に前記金属テーパー管電極で囲って流体送出流路を形成し、前記金属棒電極の露出部分を前記金属テーパー管電極の内面と対向させ、前記金属テーパー管電極と前記金属棒電極間に電界が作用すると解離イオンが生成される流体を、前記金属テーパー管電極と前記金属棒電極の間に満たし、前記金属テーパー管電極と前記金属棒電極との間に直流高電圧を印加することを特徴とする電気流体力学ポンプ。

【請求項3】
金属テーパー管電極の中心軸に対し開き角θが0°<θ≦90°の範囲にある金属テーパー管電極の小径側に内接して電気絶縁管を挿入し、その中心軸上に沿って挿入された金属棒電極の前記金属テーパー管電極内から前記電気絶縁管内に至る部分を露出させ、前記金属棒電極の他端を絶縁被膜で被覆すると共に前記金属テーパー管電極で囲って流体送出流路を形成し、前記金属棒電極の露出部分を前記金属テーパー管電極の内面と対向させ、前記金属テーパー管電極と前記金属棒電極間に電界が作用すると解離イオンが生成される流体を、前記金属テーパー管電極と前記金属棒電極の間に満たし、前記金属テーパー管電極と前記金属棒電極との間に直流高電圧を印加することを特徴とする電気流体力学ポンプ。

【請求項4】
金属テーパー管電極の中心軸に対し開き角θが0°<θ≦90°の範囲にある金属テーパー管電極の小径側に内接して電気絶縁管を挿入し、その中心軸上に沿って挿入された金属棒電極の前記金属テーパー管電極の小径端から大径側内部へ少なくとも15mmの点から前記電気絶縁管内先端部分に至る部分までを露出させ、前記金属棒電極の他端を絶縁被膜で被覆すると共に前記金属テーパー管電極で囲って流体送出流路を形成し、前記金属棒電極の露出部分を前記金属テーパー管電極の内面と対向させ、前記金属テーパー管電極と前記金属棒電極間に電界が作用すると解離イオンが生成される流体を、前記金属テーパー管電極と前記金属棒電極の間に満たし、前記金属テーパー管電極と前記金属棒電極との間に直流高電圧を印加することを特徴とする電気流体力学ポンプ。

【請求項5】
流体が2,3-ジヒドロデカフルオロペンテンであることを特徴とする請求項1,2,3または4に記載の電気流体力学ポンプ。

【請求項6】
金属テーパー管と金属棒電極に直流高電圧を印加し、その金属棒電極表面近傍で1kV/cm以上100kV/cm以下の電界が得られる電極構造を備えた請求項1,2,3,4,または5に記載の電気流体力学ポンプ。

【請求項7】
請求項1,2,3,4,5または6記載の電気流体力学ポンプを更に同軸上に少なくとも2個縦続配設することを特徴とする電気流体力学ポンプ。

【請求項8】
請求項1,2,3,4,5または6記載の電気流体力学ポンプを更に少なくとも2個並列配設することを特徴とする電気流体力学ポンプ。
産業区分
  • 発電、電動
  • 流体移送
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2006325678thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
参考情報 (研究プロジェクト等) 特許登録H24.9.14
第5083751号
ライセンスをご希望の方、特許の内容に興味を持たれた方は、「問合せ先」まで直接お問合せ下さい。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close