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光学材料のレーザ損傷耐性推定方法及びレーザ損傷耐性推定装置

国内特許コード P120008038
整理番号 2007-3
掲載日 2012年10月22日
出願番号 特願2007-202904
公開番号 特開2009-036706
登録番号 特許第5026186号
出願日 平成19年8月3日(2007.8.3)
公開日 平成21年2月19日(2009.2.19)
登録日 平成24年6月29日(2012.6.29)
発明者
  • 神村 共住
  • 中村 亮介
出願人
  • 学校法人常翔学園
発明の名称 光学材料のレーザ損傷耐性推定方法及びレーザ損傷耐性推定装置
発明の概要

【課題】光学材料がレーザ光を照射することにより蛍光発光を生じる場合であっても、非破壊でレーザ損傷耐性を精度よく評価することができるレーザ損傷耐性測定方法と装置を提供する。
【解決手段】第1波長のレーザ光を光学材料に照射して蛍光発光を観測することを含む予備測定ステップと、光学材料の一部である測定領域に2光子吸収を生じさせつつ照射強度を変化させて、その測定領域における照射強度に対する透過率の変化を測定する測定ステップと、照射強度に対する透過率の変化に基づいて、予め求められた蛍光発光を伴う場合の照射強度に対する透過率の変化とレーザ損傷耐性の相関データを参照して第1波長におけるレーザ損傷耐性を推定する第1推定ステップと、を含む。
【選択図】図1

従来技術、競合技術の概要


レーザ光を用いたレーザシステムは、微細加工、情報通信など幅広い産業分野で利用されている。このレーザシステムでは、波長変換、集光・反射、増幅素子等を構成するために光学結晶等の光学材料が用いられているが、それらの光学材料は、高いエネルギー密度のレーザ光に晒されるため、その光学材料の良否がシステムの性能・信頼性を左右する。



これらのシステムに用いられる光学材料としては、主にレンズ、ミラー基板、窓材等に使用される石英に代表されるガラス材料、主にレーザ発振に用いられるNd:YAG、Yb:YAG等の単結晶材料、主に波長変換に使用されるCLBO(CsLiB10)、LBO(Li)、BBO(BaB)、KTP(KTiOPO)等の単結晶材料、主にレンズに使用されるCaF、MgF等の単結晶材料、主に窓材として使用される透光性セラミックスなどが挙げられるが、これらの光学材料は、製造方法、使用原料によって得られる品質が異なり、如何にして品質を評価して品質を保証するかが重要になる。



例えば、単結晶材料では、転位等の結晶欠陥、不純物の量などによって、光学特性が変化したりレーザ損傷耐性が劣化したりする。また、ガラス材料やセラミックス材料では、材料の均一性や気泡の存在若しくは粒界の状態などによって、光学特性が変化したりレーザ損傷耐性が劣化したりする。また、一般的には、ガラスより結晶材料、小型より大型な材料になるほど、製造・量産化技術は極めて難しくなる。



したがって、レーザシステムを構成するガラス、結晶、セラミックスなどの光学材料の評価、特にレーザ損傷耐性の評価が重要になる。しかしながら、従来のレーザ損傷耐性の評価は、レーザ光を直接材料に照射して破壊しなければ計測できないことから、レーザシステムに用いられる光学材料を直接評価することはできないという問題があった。



そこで、本発明者らは、非破壊でかつ安価に光学材料のレーザ損傷耐性を評価することができる方法を提案した(特許文献1)。この提案した方法では、レーザ光の照射により光学材料内の一部に2光子吸収を発生させ、その2光子吸収に起因する透過率低下に基づいて、レーザ損傷耐性を評価している。

【特許文献1】特開2005-114720号公報

産業上の利用分野


本発明は、非破壊で光学材料のレーザ損傷耐性の評価ができるレーザ損傷耐性推定方法とレーザ損傷耐性推定装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
光学材料に第1波長のレーザ光を照射して蛍光発光を観測することを含む予備測定ステップと、
上記光学材料の一部である測定領域に2光子吸収を生じさせつつ照射強度を変化させて、当該測定領域における照射強度に対する透過率の変化を測定する測定ステップと、
上記照射強度に対する透過率の変化に基づいて、予め求められた蛍光発光を伴う場合の照射強度に対する透過率の変化とレーザ損傷耐性の相関データを参照して第1波長におけるレーザ損傷耐性を推定する第1推定ステップと、を含むことを特徴とする光学材料のレーザ損傷耐性推定方法であって、
上記第1推定ステップにおいて、
上記照射強度に対する透過率の変化に基づいて、蛍光発光が観測されたときには、予め求められた蛍光発光を伴う場合の照射強度に対する透過率の変化とレーザ損傷耐性の相関データを参照して第1波長におけるレーザ損傷耐性を推定し、蛍光発光が観測されなかったときには、予め求められた蛍光発光を伴わない場合の照射強度に対する透過率の変化とレーザ損傷耐性の相関データを参照して第1波長におけるレーザ損傷耐性を推定する光学材料のレーザ損傷耐性推定方法。

【請求項2】
上記予備測定ステップは、上記第1波長のレーザ光を異なる強度で上記光学材料に照射して、照射強度に対する透過率の変化に基づいて上記光学材料の一部に発生させた2光子吸収に起因する非線形吸収量の評価が可能であるか否か判断するステップと、非線形吸収量の評価が可能になるように、上記非線形吸収量を増加させる一方蛍光を抑える調整ステップとをさらに含む請求項に記載の光学材料のレーザ損傷耐性推定方法。

【請求項3】
上記予備測定ステップの後に、2光子吸収が発生した上記一部を測定領域として上記光学材料を複数の測定領域に分割するステップを含み、その複数の測定領域について順次前記測定ステップと前記第1推定ステップを繰り返す請求項記載の光学材料のレーザ損傷耐性推定方法。

【請求項4】
上記推定された第1波長におけるレーザ損傷耐性に基づいて、予め求められた第1波長におけるレーザ損傷耐性と第2波長におけるレーザ損傷耐性の相関データを参照して第2波長におけるレーザ損傷耐性を推定する第2推定ステップをさらに含む請求項1~のうちのいずれか1つに記載の光学材料のレーザ損傷耐性推定方法。

【請求項5】
第1波長のレーザ光を発生する少なくとも1つのレーザ光源と、該レーザ光源から出射される上記レーザ光を集光して光学材料に照射する光学システムと、上記光学材料を透過するレーザ光の強度を測定する透過光検出器と、照射された上記レーザ光による蛍光を検出する発光検出器と、を含む光学測定装置と、
上記光学材料内の一部である測定領域に照射されるエネルギー密度を向上させて当該測定領域に2光子吸収を生じさせ、上記光学材料内における上記測定領域以外に照射されるエネルギー密度を減少させるように上記光学システムを制御して上記光学試料の蛍光発光を抑制した状態で上記レーザ光源の発光強度を変化させる光学測定制御装置と、
上記透過光検出器によって検出された上記レーザ光の強度と上記レーザ光源の発光強度とに基づいて上記測定領域に照射されるレーザ光の照射強度に対する透過率の変化を算出し、その算出された透過率の変化に基づいて、予め求められた蛍光発光を伴う場合の照射強度に対する透過率の変化とレーザ損傷耐性の相関データを参照しながら上記第1波長におけるレーザ損傷耐性を推定する第1推定装置と、を有してなる光学材料のレーザ損傷耐性推定装置であって、
上記第1推定装置は、
上記照射強度に対する透過率の変化に基づいて、蛍光発光が観測されたときには、予め求められた蛍光発光を伴う場合の照射強度に対する透過率の変化とレーザ損傷耐性の相関データを参照して第1波長におけるレーザ損傷耐性を推定し、蛍光発光が観測されなかったときには、予め求められた蛍光発光を伴わない場合の照射強度に対する透過率の変化とレーザ損傷耐性の相関データを参照して第1波長におけるレーザ損傷耐性を推定する光学材料のレーザ損傷耐性推定装置。

【請求項6】
上記光学測定装置は、上記光学測定制御装置の制御にしたがって上記光学材料又は上記光学システムを移動させるステージを含む請求項に記載の光学材料のレーザ損傷耐性推定装置。

【請求項7】
上記推定された第1波長におけるレーザ損傷耐性に基づいて、予め求められた第1波長におけるレーザ損傷耐性と第2波長におけるレーザ損傷耐性の相関データを参照して第2波長におけるレーザ損傷耐性を推定する第2推定装置をさらに含む請求項5又は6に記載の光学材料のレーザ損傷耐性推定装置。
産業区分
  • 試験、検査
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2007202904thum.jpg
出願権利状態 権利存続中


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