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脱分化または再分化が促進されるように改変された植物体の生産方法、形質転換体、ならびにその方法に用いられる、キメラタンパク質、キメラ遺伝子、DNA、組換え発現ベクタおよびキット

国内特許コード P120008054
掲載日 2012年10月25日
出願番号 特願2011-053040
公開番号 特開2012-187040
登録番号 特許第5907483号
出願日 平成23年3月10日(2011.3.10)
公開日 平成24年10月4日(2012.10.4)
登録日 平成28年4月1日(2016.4.1)
発明者
  • 四方 雅仁
  • 山口 博康
  • 大坪 憲弘
  • 高木 優
  • 光田 展隆
  • 大島 良美
出願人
  • 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
  • 国立研究開発法人産業技術総合研究所
発明の名称 脱分化または再分化が促進されるように改変された植物体の生産方法、形質転換体、ならびにその方法に用いられる、キメラタンパク質、キメラ遺伝子、DNA、組換え発現ベクタおよびキット
発明の概要 【課題】脱分化または再分化が促進されるように改変された植物体の生産方法を提供する。
【解決手段】脱分化または再分化を抑制する遺伝子の転写を促進する転写因子と、任意の転写因子を転写抑制因子に転換する機能性ペプチドとを融合させたキメラタンパク質を、植物体で生産させることにより、植物体の脱分化または再分化を促進する植物体の生産方法である。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


花き園芸植物の多くは遺伝的に固定(純化)されていないため、研究用材料や商品等としてこれらを用いる場合には、培養等によってクローンを増殖する技術が求められる。また、この培養技術は、遺伝子組換えにより形質転換された植物体を作製する過程でも使用される重要な技術である。



培養増殖の一つの方法として、葉片等の組織片からのカルス増殖(脱分化)と、そこからの不定芽形成(再分化)を経る方法があるが、それぞれの段階への移行しやすさは、植物種ごとに大きく異なり、この移行をいかに効率化するかが、培養増殖や形質転換の効率を上げる最も重要なポイントとなっている。



例えば、花き園芸植物の一つであるトレニア(Torenia fournieri Lind.)の形質転換、不定芽形成では、通常、不定芽が出始めるまでに60日程度を要し、100日経過時でも使用組織片数に対して5%程度の数の不定芽形成にとどまり、非常に効率が悪かった。



また、植物体の形質転換体の取得には、植物種によって期間が異なるが、例えば、トレニア等では最短4ヶ月程度、タバコ、キク等で半年程度、バラ、カーネーション等で1年程度、リンドウ、トルコキキョウ等では1年半~2年程度開花までに要し、材料となる植物の状態や導入遺伝子の性質等によっては、遺伝子組換え体が数系統しか得られない場合があった。



例えば、特許文献1には、脱分化に関与する転写因子をコードする遺伝子を含む組換え発現ベクタを植物細胞に導入して、上記転写因子を植物細胞内で生産させることにより脱分化が促進されるように改変された植物体を生産することが記載されている。

産業上の利用分野


本発明は、脱分化または再分化が促進されるように改変された植物体の生産方法、形質転換体、ならびにその方法に用いられるタンパク質、キメラタンパク質、遺伝子、キメラ遺伝子、DNA、組換え発現ベクタおよびキットに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
脱分化または再分化を抑制する遺伝子の転写を促進する転写因子と、任意の転写因子を転写抑制因子に転換する機能性ペプチドとを融合させたキメラタンパク質を、植物体で生産させることにより、植物体の脱分化または再分化を促進することを特徴とする植物体の生産方法。

【請求項2】
請求項1に記載の植物体の生産方法であって、
前記転写因子が、以下の(a)のタンパク質であることを特徴とする植物体の生産方法。
(a)配列番号1に示されるアミノ酸配列を有するタンパク

【請求項3】
請求項1に記載の植物体の生産方法であって、
前記転写因子が、配列番号1に示されるアミノ酸配列に対して90%以上の同一性を有し、かつ、脱分化または再分化を抑制する遺伝子の転写を促進する機能を有するタンパク質であることを特徴とする植物体の生産方法。

【請求項4】
請求項1に記載の植物体の生産方法であって、
前記転写因子をコードする遺伝子として、以下の(c)または(d)の遺伝子が用いられることを特徴とする植物体の生産方法。
(c)配列番号2に示される塩基配列をオープンリーディングフレーム領域として有する遺伝子
(d)配列番号2に示される塩基配列を含む遺伝子と相補的な塩基配列を含む遺伝子とストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつ、脱分化または再分化を抑制する遺伝子の転写を促進する転写因子をコードする遺伝子

【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の植物体の生産方法であって、
前記機能性ペプチドが、以下の式(1)~(4)のいずれかで表されるアミノ酸配列を有するペプチドであることを特徴とする植物体の生産方法。
(1)X1-Leu-Asp-Leu-X2-Leu-X3
(ここで、式(1)中、X1は0~10個のアミノ酸残基を示し、X2はAsnまたはGluを示し、X3は少なくとも6個のアミノ酸残基を示す。)
(2)Y1-Phe-Asp-Leu-Asn-Y2-Y3
(ここで、式(2)中、Y1は0~10個のアミノ酸残基を示し、Y2はPheまたはIleを示し、Y3は少なくとも6個のアミノ酸残基を示す。)
(3)Z1-Asp-Leu-Z2-Leu-Arg-Leu-Z3
(ここで、式(3)中、Z1はLeu、Asp-LeuまたはLeu-Asp-Leuを示し、Z2はGlu、GlnまたはAspを示し、Z3は0~10個のアミノ酸残基を示す。)
(4)Asp-Leu-Z4-Leu-Arg-Leu
(ここで、式(4)中、Z4はGlu、GlnまたはAspを示す。)

【請求項6】
請求項1~4のいずれか1項に記載の植物体の生産方法であって、
前記機能性ペプチドが、配列番号3~19のいずれかに示されるアミノ酸配列を有するペプチドであることを特徴とする植物体の生産方法。

【請求項7】
請求項1~4のいずれか1項に記載の植物体の生産方法であって、
前記機能性ペプチドが、以下の(e)または(f)のペプチドであることを特徴とする植物体の生産方法。
(e)配列番号20または21に示されるアミノ酸配列を有するペプチド
(f)配列番号20または21に示されるアミノ酸配列に対して90%以上の同一性を有するペプチド

【請求項8】
請求項1~4のいずれか1項に記載の植物体の生産方法であって、
前記機能性ペプチドが、以下の式(5)で表されるアミノ酸配列を有するペプチドであることを特徴とする植物体の生産方法。
(5)α1-Leu-β1-Leu-γ1-Leu
(ここで、式(5)中、α1は、Asp、Asn、Glu、Gln、ThrまたはSerを示し、β1は、Asp、Gln、Asn、Arg、Glu、Thr、SerまたはHisを示し、γ1は、Arg、Gln、Asn、Thr、Ser、His、LysまたはAspを示す。)

【請求項9】
請求項1~4のいずれか1項に記載の植物体の生産方法であって、
前記機能性ペプチドが、以下の式(6)~(8)のいずれかで表されるアミノ酸配列を有するペプチドであることを特徴とする植物体の生産方法。
(6)α1-Leu-β1-Leu-γ2-Leu
(7)α1-Leu-β2-Leu-Arg-Leu
(8)α2-Leu-β1-Leu-Arg-Leu
(ここで、各式(6)~(8)中、α1は、Asp、Asn、Glu、Gln、ThrまたはSerを示し、α2は、Asn、Glu、Gln、ThrまたはSerを示し、β1は、Asp、Gln、Asn、Arg、Glu、Thr、SerまたはHisを示し、β2は、Asn、Arg、Thr、SerまたはHisを示し、γ2は、Gln、Asn、Thr、Ser、His、LysまたはAspを示す。)

【請求項10】
請求項1~4のいずれか1項に記載の植物体の生産方法であって、
前記機能性ペプチドが、配列番号22~37、133、59、60のいずれかに示されるアミノ酸配列を有するペプチドであることを特徴とする植物体の生産方法。

【請求項11】
請求項1~4のいずれか1項に記載の植物体の生産方法であって、
前記機能性ペプチドが、配列番号38または39に示されるアミノ酸配列を有するペプチドであることを特徴とする植物体の生産方法。

【請求項12】
請求項1~11のいずれか1項に記載の植物体の生産方法であって、
前記転写因子をコードする遺伝子と前記機能性ペプチドをコードするポリヌクレオチドとを有するキメラ遺伝子を含む組換え発現ベクタを、植物細胞に導入する形質転換工程を含むことを特徴とする植物体の生産方法。

【請求項13】
請求項12に記載の植物体の生産方法であって、
さらに、前記組換え発現ベクタを構築する発現ベクタ構築工程を含むことを特徴とする植物体の生産方法。

【請求項14】
請求項1~13のいずれか1項に記載の植物体の生産方法により生産された、脱分化または再分化が促進されるように改変されたことを特徴とする植物体。

【請求項15】
脱分化または再分化を抑制する遺伝子の転写を促進する転写因子と、任意の転写因子を転写抑制因子に転換する機能性ペプチドとを融合させたことを特徴とするキメラタンパク質。

【請求項16】
脱分化または再分化を抑制する遺伝子の転写を促進する転写因子をコードする遺伝子と、任意の転写因子を転写抑制因子に転換する機能性ペプチドをコードするポリヌクレオチドとを有することを特徴とするキメラ遺伝子。

【請求項17】
脱分化または再分化を抑制する遺伝子の転写を促進する転写因子をコードする部分と、任意の転写因子を転写抑制因子に転換する機能性ペプチドをコードする部分とを含むことを特徴とするDNA。

【請求項18】
脱分化または再分化を抑制する遺伝子の転写を促進する転写因子をコードする遺伝子と、任意の転写因子を転写抑制因子に転換する機能性ペプチドをコードするポリヌクレオチドとを有するキメラ遺伝子を含むことを特徴とする組換え発現ベクタ。

【請求項19】
脱分化または再分化を抑制する遺伝子の転写を促進する転写因子をコードする遺伝子と、任意の転写因子を転写抑制因子に転換する機能性ペプチドをコードするポリヌクレオチドとを有するキメラ遺伝子を含む組換え発現ベクタを含むことを特徴とする形質転換体。

【請求項20】
請求項19に記載の形質転換体であって、
前記形質転換体が植物体であることを特徴とする形質転換体。

【請求項21】
植物体の生産を行うためのキットであって、
脱分化または再分化を抑制する遺伝子の転写を促進する転写因子をコードする遺伝子と、任意の転写因子を転写抑制因子に転換する機能性ペプチドをコードするポリヌクレオチドとを有するキメラ遺伝子を含む組換え発現ベクタを含むことを特徴とするキット。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録


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